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医療用ドレーンチューブ
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 シリコーンゴム製の肉薄で柔軟性を有し、内面の長手方向に多数の細い条溝を有し、管状又は管状に形成しうる偏平形状のドレーンチューブであって、該偏平形状の断面の一方端近傍に弧状もしくは直線状の支持壁を付設して、ガイドワイヤー孔を形成させたことを特徴とする医療用ドレーンチューブ。
【請求項2】 支持壁の厚みを、管壁の厚みの2〜7倍にしたことを特徴とする、請求項1記載の医療用ドレーンチューブ。
【請求項3】 ガイドワイヤー孔を取り囲む管壁及び支持壁の厚みを、ドレナージ部の管壁の厚みの1.75〜5倍にしたことを特徴とする、請求項1記載の医療用ドレーンチューブ。
【請求項4】 ガイドワイヤー孔を取り囲む管壁及び支持壁を構成するシリコーンゴムの弾性率を、ドレナージ部の管壁の1.4〜2.5倍に高めたことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の医療用ドレーンチューブ。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、手術後、その創部から滲出する血液や体液の排出を行なうドレナージチューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドレーンチューブ、ペンローズドレーンチューブ等は、既に外科用医療用具としてドレナージに多用されており、色々な内外径、断面構造ないし形状をもった製品が市販されている。
【0003】通常のドレーンチューブは、周囲の組織によって圧迫され閉塞されることのない程度の硬度を持っており、内腔が完全に開いていれば効率良くドレナージ効果を発揮する。また、ペンローズドレーンチューブは、チューブ内面の長手方向に多数の細い条溝を設けた特殊な形状にしたもの(例えば実公昭53−54394号公報)で、毛細管現象を利用して排出液を通過させようとするものである。さらに、その管壁の長手方向に薬液等を注入するための小孔を設けたもの(実公昭57−29号公報)も提案されている。
【0004】これらの通常のドレーンチューブ及びペンローズドレーンチューブは、それぞれ非常に優れた特長を有しているが、種々の欠点もみられる。通常のドレーンチューブは、内腔が完全に開いていて、滲出しあるいは貯留した排液が一定量以上の場合にはドレナージ効果を有するが、チューブの内腔に凝血塊や組織閉塞が生じた場合、折れ曲った場合、排液量が少ない場合等には、ドレナージ効果は極めて悪くなる。また、チューブが周囲の組織からの圧迫によって閉塞されない程度の硬度を必要とするため、硬く、体表に出たチューブをガーゼ等で押さえるだけで、患者が痛がる。また、圧迫壊死が起りやすい。
【0005】一方、ペンローズドレーンチューブは、手術時に体内の適切な部位に留置されるもので、柔軟性があって患者への負担も軽く、チューブがつぶれたり折れ曲っても、また排液の貯留量が少量の場合でも毛細管現象により排出できるが、チューブの内腔が凝血塊等で塞がれた場合には、チューブの交換が必要になり、その際、チューブが柔らかいため体表から体内の元の位置までチューブを再挿入する操作は非常に困難である。また、チューブの先端を排液の多く貯留している部位に移動させることも困難である。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、従来のペンローズドレーンチューブの特徴は生かし、チューブ交換の際の操作性を改善した、より効率の良いドレナージ操作の可能な医療用ドレーンチューブを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本考案は、シリコーンゴム製の肉薄で柔軟性を有し、内面の長手方向に多数の細い条溝を有し、管状又は管状に形成しうる偏平形状のドレーンチューブであって、該偏平形状の断面の一方端近傍に弧状もしくは直線状の支持壁を付設して、ガイドワイヤー孔を形成させたことを特徴とし、さらには、支持壁、またはガイドワイヤー孔を取り囲む管壁と支持壁の厚みを大きくし、あるいは弾性率を高めたことを特徴とする医療用ドレーンチューブである。
【0008】以下、図面を用いて本考案を詳細に説明する。図1及び図2は、本考案の一実施例となる医療用ドレーンチューブを示す図である。
【0009】本考案による医療用ドレーンチューブは、シリコーンゴム製の肉薄で柔軟性を有する偏平形状の、管状または管状に形成しうる従来のペンローズドレーンチューブをベースにしたもので、偏平形状の断面の一方端近傍に弧状(図1参照)または直線状(図2参照)の支持壁(4)を設けて、チューブの内腔をドレナージ部(1)とガイドワイヤー孔(2)とに分けたものである。
【0010】ドレナージ部(1)は、通常のペンローズドレーンチューブと同様に、内面の長手方向に多数の細い条溝(3)を有し、チューブがつぶれたり折れ曲った場合でも、毛細管現象によって排液を排出することが可能である。条溝の断面形状は三角形、台形等各種あり、またその高さも一定にしたものや、高い条と低い条を組合わせたものがあるが、特に限定されない。また、図2に示したように、偏平形状のチューブのドレナージ部(1)の側部に切割り(6)を設けたものは、両側の管壁の一部を重ねるようにして巻き込むことによって、管径を適宜調整することが可能である。
【0011】一方、ガイドワイヤー孔(2)の内面には条溝を設けることは必ずしも必要としないが、ガイドワイヤー孔(2)を排液の排出、あるいは薬液の注入等に兼用する場合には、内面に条溝を設けてあれば効果的である。また、条溝を設ければ、ガイドワイヤーを挿入する際、接触面積が小さくなり、抵抗が減ってガイドワイヤーの挿入、抜去がスムーズに出来、好ましい。
【0012】通常使用されるガイドワイヤーのサイズは径が0.8〜1.0mm程度のものが多く、これに対してガイドワイヤー孔(2)の内径は1.4〜1.6mm程度とするのが適切である。ガイドワイヤー孔が細すぎると、ガイドワイヤーが入り難く、また、太すぎるとガイドワイヤー孔がつぶれ易いため、同様にワイヤーの挿入が困難となる。ペンローズドレーンチューブの管壁の厚さは見かけ上は通常約1mm前後で、最大1.5mm程度あるが、条溝(3)の溝の深さが約0.5〜1.3mmあるため、溝の谷部では厚さは約0.2〜0.3mm程度と薄く、全体として極めて柔らかい。そこで、偏平形状の断面の一方端近傍に設ける支持壁(4)の厚みを谷部の管壁の2〜7倍とすることにより、ガイドワイヤー孔(2)をつぶれ難くし、またチューブ全体に対しても適度の剛直性を付与することができて、取扱いし易くなる。また、支持壁(4)の厚みだけを大きくするのでなく、ガイドワイヤー孔(2)を取り囲む管壁と支持壁(4)の両方を、ドレナージ部(1)の管壁の1.75〜5倍程度の範囲にしても、同様の効果が得られる。
【0013】更に、ガイドワイヤー孔(2)を取り囲む部位の管壁と支持壁(4)を構成するシリコーンゴムの弾性率を、ドレナージ部(1)の管壁の1.4〜2.5倍に高め、あるいは肉厚と弾性率とを組合せてガイドワイヤー孔を取り囲む部位の剛直性を適切な範囲に調節する方法も有効である。シリコーンゴムの弾性率としては、例えば、ドレナージ部のJIS硬質A30に対して、ガイドワイヤー孔の周囲のそれをA50程度に高めることにより良い結果が得られる。
【0014】また、医療用ドレーンチューブの長手方向には、留置時の位置確認のためX線不透過ライン(5)を設けるのが一般的であるが、その材質としては、チューブの母材である樹脂やゴムに硫酸バリウム、次炭酸ビスマス等を添加したものが使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0015】本考案によるドレーンチューブは、支持壁を設けることによってガイドワイヤー孔を形成させ、またさらにガイドワイヤー孔を取り囲む部位に適度の剛直性を持たせたことにより、ドレーンチューブの位置補正及び入れ換え(ガイドワイヤー孔にガイドワイヤーを挿入し、ガイドワイヤーと共にチューブを適正な位置へ移動させる、チューブのドレナージ部が詰った場合にチューブの交換を行なう)が容易に出来る他、ドレーンチューブの応用範囲も広くなる。その使用例としては、腹腔内の洗浄・ドレナージ(ガイドワイヤー孔(2)より生理食塩水を注入しドレナージ部(1)より排出)、造影剤の局所注入(ガイドワイヤー孔より造影剤を注入、圧がかからないため周りに散らばらない)、抗生物質の局注(感染防止のため抗生物質を局注してからチューブを抜去する)等が挙げられる。
【0016】
【考案の効果】本考案による医療用ドレーンチューブは、通常のペンローズドレーンチューブの長所を生かしながら、それを取り囲む部位の肉厚が厚いか、ドレナージ部より弾性率の高い材料を用いたガイドワイヤー孔を設けたことにより、従来困難であったチューブの留置位置補正(移動)及びチューブの交換を可能にしたものである。
- 【登録番号】第2563798号
【登録日】平成9年(1997)11月14日
【発行日】平成10年(1998)2月25日
【考案の名称】医療用ドレーンチューブ
- 【出願番号】実願平5−14131
【出願日】平成5年(1993)3月25日
【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
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