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遠心機の駆動装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】遠心機のロータにモータの回転を伝達する駆動軸と、該駆動軸を支承するボールベアリングと、エンドブラケットを貫通して該エンドブラケットに固定され前記ボールベアリングが嵌入されたスリーブと、前記駆動軸が貫通し、前記エンドブラケットおよびスリーブを覆うスタッフィングカバーと、前記スリーブに内接し、摺動可能で前記ボールベアリングの外輪と接触可能な摺動リングと、前記スタッフィングカバーと摺動リングの間に設けられたスプリングとを有する遠心機において、前記摺動リングには前記ボールベアリングの外輪と前記スリーブとの接触面にまたがる切り欠き部を設け、前記切り欠き部内に弾性体を挿入したことを特徴とする遠心機の駆動装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は遠心機の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、本件出願人が先に出願した実開平04−26047号に記載されているようにハウジング内に縦型に配置されたモータの回転軸を2個の軸受で支え、該軸受のスラスト方向に与圧を与えるスプリングで押えた構造であり、軸受と軸受ハウジング部は数μmの隙間とし、スラスト方向の与圧で外輪を押える構造となっていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来の装置は、軸受と軸受ハウジングとの間に上記した隙間があるため、外輪が軸の回転につれて回転する場合があった。特にロータにアンバランスが増えた場合、軸受のラジアル方向に力が増えるため外輪が回りやすくなり、この結果、外輪が少しずつ摩擦によって摩耗してしまっていた。このため高速に回転することやロータに入れる試料のアンバランス量を増やすことが難しいという問題があった。本考案の目的は、軸受外輪の回り止めを簡単な構造で実現して駆動回転数を上げ、且つロータの許容アンバランスを増やすことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本考案遠心機の駆動装置は、遠心機のロータに直結されて該ロータを駆動するモータの駆動軸と、前記駆動軸を支承するボールベアリングと、エンドブラケットを貫通して該エンドブラケットに固定され、前記ボールベアリングが嵌入されたスリーブと、前記駆動軸が貫通し、前記エンドブラケットおよび前記スリーブを覆うスタッフィングカバーと、前記スリーブに内接し、摺動可能で前記ボールベアリングの外輪と接触可能な摺動リングと、前記スタッフィングカバーと摺動リングの間に設けられたスプリングとを有する遠心機において、前記摺動リングには前記ボールベアリングの外輪と前記スリーブとの接触面にまたがる切り欠き部を設け、前記切り欠き部内に弾性体を挿入してなることを特徴とする。
【0005】
【作用】本考案では摺動リングの下方にに設けられたボールベアリングの外輪とスリーブとの接触面にまたがる切り欠き部に弾性体を挿入し、スプリングにより押圧されるようにしたので軸受外輪端部と軸受ハウジングの内面に接触し、軸受外輪端部と軸受ハウジング内面とを押えて固定し、遠心機負荷変動による軸受外輪の連れ回りを防ぐことが出来る。
【0006】
【実施例】図1は本考案の遠心機駆動装置の一実施例の断面図である。ロータ1は回転軸2および駆動軸3を介してモータ回転子10により駆動されて高速で回転する。駆動装置はロータ1が回転する回転室の下側にあるボトムプレート13の下方に3個のダンピングラバー12により吊られており、ハウジング7、エンドブラケット9により囲まれ、内部にステータ11が入っている。モータ回転子10は駆動軸3に圧入されており、2個のボールベアリング8A、8Bにより支えられている。駆動軸3の下方には、潤滑及び冷却用のオイル14が設けられている。
【0007】上部のボールベアリング8Aは回転軸2が貫通するスタッフィングカバー16に覆われたエンドブラケット9に圧入されたスリーブ5の下端部に嵌設される。スリーブ5の内周面を摺動する摺動リング17のボールベアリング8Aの外輪とスリーブ5との接触面が切り欠かれ、該切り欠き部にOリング6が挿着される。摺動リング17とスタッフィングカバー16との間にはスプリング4が張設される。
【0008】Oリング6はスリーブ5を介してスプリング4の張力により変形してスリーブ5の内面とボールベアリング8Aの外輪の上端部を押圧して駆動軸3の回転により外輪が回されるのを防いでいる。こうすることにより、駆動軸3がより高速になっても外輪が回されない。また、ロータ1のアンバランスが増えて、ボールベアリング8Aのラジアル荷重が増えても外輪が回されることがない。
【0009】
【考案の効果】本考案によれば、ボールベアリングの回り止めの役割をするゴム製のOリングをボールベアリングの外輪の上端面側に付けたので駆動回転数を上げ、かつロータの許容アンバランスを増すことができる。
- 【登録番号】第2561103号
【登録日】平成9年(1997)10月9日
【発行日】平成10年(1998)1月28日
【考案の名称】遠心機の駆動装置
- 【出願番号】実願平3−56842
【出願日】平成3年(1991)7月22日
【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
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