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遠心分離用カップ
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 採血した血液バックをカップに入れ遠心分離機にセットし、高速回転し、必要成分を分離採取する血液成分分離用遠心分離機において、血液バックを遠心分離機にセットしやすく、また万一血液バックが破損した場合に血液を収納するために用いられる有底円筒状のカップに可撓性を持たせたことを特徴とする遠心分離用カップ。
【請求項2】 上記請求項1において、カップの開口部の肉厚を0.5〜2mmとすることを特徴とする遠心分離用カップ。
【請求項3】 上記請求項1又は請求項2において、前記遠心分離用カップの底部の肉厚を開口部肉厚よりも厚くしたことを特徴とする遠心分離用カップ。
【請求項4】 上記請求項1又は請求項2において、前記遠心分離用カップの底部は強固にし、且つ前記遠心分離用カップの開口部は可撓性を有することを特徴とする遠心分離用カップ。
【請求項5】 上記請求項1乃至4において、円筒部分に勾配を設け、開口部の径を下部より大きくしたことを特徴とする遠心分離用カップ。
【請求項6】 上記請求項1乃至5において、底部外側の隅部に半径15mm以上の大きな曲率をつけたことを特徴とする遠心分離用カップ。
【請求項7】 上記請求項1〜6において、底部内側の隅部に半径15mm以上の大きな曲率をつけたことを特徴とする遠心分離用カップ。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は採血者から採血した血液から輸血用の血液製剤を作るために使用する遠心分離機のカップに関するものでありる。
【0002】
【従来の技術】輸血を行う場合、以前は輸血者から採血した血液をそのまま輸血する全血輸血が多かったが、現在は患者に必要な成分のみを輸血する成分輸血が広く行われている。この場合の血液の成分分離には採血した血液バックをそのままセットし、血液成分を分離できる血液成分分離用遠心機が使用される。
【0003】このような血液成分分離に際しては、採血したバックを有底円筒状のカップに収納し、これを遠心分離機にセットし高速回転し遠心力により分離するのが一般的である。しかし従来のカップは実公昭61−38676や実開平2−117044のようにカップの肉厚が3mm以上有り、しかも機種がポリカーボネート等の変形しにくい構造のものであった。該カップは200mlのトリプル採血バックを分離する場合には2セット、400mlのトリプル採血バックの場合には1セットを収納できるようになっていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来のカップは現在一般的に使用されている200mlトリプルバックで400mlトリプルバック等の採血バックを使用するのには特に問題はなかった。しかし最近通称MAPバックといわれるMAP液付き血液バック(ACD−Aクォドラッグルドッグとも言う)が使われ始めた。
【0005】これは血液を分離し作成した血液製剤に白血球の混入を少なくして特にリンパ球を除去し、輸血による感染を少なくすることと、赤血球製剤の長期保存を可能にするためである。(従来の血液バックでの保存期間は21日であったがMAPバックを使用すると42日間の保存が可能となる。)しかし従来の血液バックと比べ、MAP液が入っている分だけ血液バックの容積が大きくなり従来のカップではきつくて入らないという問題がおこっている。この問題を解決するためにはカップサイズを大きくすれば対策できるが、従来の遠心分離機にセットできなくなるという問題があった。
【0006】本考案の目的はこれらの問題を解決し、従来の遠心分離機で新しいMAPバックを分離できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的はカップの肉厚を薄くすることで内径を大きくしたり、カップの材質をポリプロピレン等のような可撓性を有するものを使用し、血液バックを入れる際カップの開口部が血液バックの形状にあうように変形しやすくすることにより血液バックを入れやすくすることにより解決できる。
【0008】
【作用】可撓性を有する遠心分離機用カップに血液バックを入れる際カップの開口部が血液バックの形状にあうように変形可能なため、容易に血液バックを入れることができる。
【0009】
【実施例】図1は本考案によるカップの縦断面図でありカップ1は有底円筒状の形をしている。この円筒部3の肉厚を約1mmに薄くした。またこのカップ1の材質をポリプロピレンで整形し、可撓性を持たせた。このようにする事により従来の血液バックより容積の大きいMAPバックもスムーズに収納できるようになる。
【0010】図2も本考案によるカップの縦断面図であり、これは円筒部3aに僅かな勾配をつけ、底部外側の隅部に15mm以上の大きな曲率(R)をつけることにより、MAPバックを収納したカップを遠心分離機のバケットにセットしたり、取り出すときに空気の抜けをよくし、スムーズにできるようにした。
【0011】
【考案の効果】本考案によれば、カップの円筒部の肉厚を薄くしたことにより、内径が大きくなり、従来の血液バックより大きなMAPバックも収納可能となる。更に開口部に可撓性を持たせたことにより収納しやすくなる。またこのカップは高速回転により高い遠心力を受けるため底部が遠心分離機のバケットの底部の形状とあわないとカップの底部が破損しやすいという問題があったが、請求項3及び4のように底部の肉厚を厚くし、円筒部分の肉厚を薄くすることによりMAPバックの収納性を損なわず、カップの強度をあげることが可能となる。
【0012】また請求項5のように円筒部に勾配を設けたり、請求項6のように底部の外側隅部に大きな曲率をつけることによりカップを遠心分離機のバケットにセットしたり、取り出す際の空気抜けをよくし、取扱が簡便になる。また請求項7のようにカップ底部の内側隅部に大きな曲率をつけることにより血液バックの破損を防ぐことができる。
- 【登録番号】第2594736号
【登録日】平成11年(1999)3月5日
【発行日】平成11年(1999)5月10日
【考案の名称】遠心分離用カップ
- 【出願番号】実願平4−89303
【出願日】平成4年(1992)12月28日
【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
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