スポンサード リンク
遠心分離機
スポンサード リンク
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 試料を連続的に遠心分離するために回転するロータと、該ロータを内蔵し上面に開口部を有するロータ室と、該ロータ室の開口部に設けられたパッキンと、該パッキンと接触することで該ロータ室を閉塞する開閉自在なドアとを有し、更に該ロータに試料を注入するチューブ及び該ロータより試料を回収するチューブとが接続されている遠心分離機において、前記パッキンの上面に前記チューブを固定するチューブ保持部を配したことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】 前記ドアを閉塞した状態で前記チューブ保持部と対向する前記ドアの部位を凹部とすることを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。
【請求項3】 前記ドアを閉塞した状態で前記ドアと前記パッキンのすき間をなくすように前記ドアの凹部に弾性体を配したことを特徴とする請求項2記載の遠心分離機。【請求項4】 前記弾性体に前記チューブ保持部の形状と倣うための切れ込みを有することを特徴とする請求項3記載の遠心分離機。【請求項5】 前記チューブ保持部を前記パッキンの上面から取外し可能に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の遠心分離機。
スポンサード リンク
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は試料を遠心分離機の機外から注入し、遠心分離機内で分離した試料を遠心分離機の機外で回収する種の遠心分離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の遠心分離機の従来の構成を図5により説明する。試料は、遠心分離機の機外から試料注入チューブ5によってロータ4内に注入される。ロータ4はモータ7によって高速回転して試料を遠心分離し、分離された試料を試料回収チューブ6によって機外に排出し回収される。この種の遠心分離機では、試料の通過するロータ4内や試料注入チューブ5、試料回収チューブ6内を滅菌するために、ロータ4を遠心分離機から取り外せる構成としなければならない。ロータ4は試料注入チューブ5、試料回収チューブ6を外して、開閉可能なドア2を開けることで取り外すことができる。このように構成された従来の遠心分離機では、ロータ室1内のロータ4に接続された試料注入チューブ5及び試料回収チューブ6は、ロータ室より機外に向けて貫通されたチューブ通し穴10を各々通して出し入れされていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来の構造は図5に示すよう試料注入及び回収チューブ5,6をチューブ通し穴10を通してから各々ロータ4に接続する必要があった。【0004】この種の遠心分離機ではロータ室1の外周には冷却手段等が設けられているため、ロータ室1そのものを遠心分離機の外壁とすることはできなく、チューブ通し穴10を構成するためには、ロータ室1と遠心分離機の外壁の両方に穴を設けなければならない。しかし、単純にロータ室1と遠心分離機の外壁の両方に穴を設けたのみでは、それらの穴の間に間隙ができてしまうため、試料注入及び回収チューブ5,6を装着し難く操作性が悪い。そこで、通常はロータ室1と遠心分離機の外壁に設けた穴同士を連通させるためにパイプ等を設けられていた。【0005】従来の遠心分離機ではこのように構成されていたため、チューブ通し穴10を設けることに係る製造コストが高くなり、結果として割高な遠心分離機となっているという問題を有していた。【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題は、試料注入及び回収チューブをロータ室に穴を設けない方法で機外に出すことにより解決できることに着目して、パッキンの上面にチューブを固定するチューブ保持部を配することにより解決できる。【0007】
【作用】本考案によると、ロータ室や遠心分離機外壁に穴を設ける必要がなく、これら穴を連結するための手段も不要であり、チューブ保持部をパッキンの周囲に配するのみで良いので、製造コストが低くてよく、結果として割安な遠心分離機を提供することができる。【0008】
【実施例】図1乃至図4に本考案の実施例を示す。遠心分離機のロータ室1内には試料を分離するために用いるロータ4があり、ロータ4はモータ7により回転される。ロータ4には試料注入チューブ5と試料回収チューブ6が接続され、試料注入チューブを介してロータ4内に試料が注入され、遠心分離された試料が試料回収チューブ6を介して遠心分離機の機外に出される。試料注入及び回収チューブ5,6は、ロータ室1をふさぐドア2とロータ室1を密閉するパッキン3の間を通して機外に出され、チューブ5,6は遠心分離機本体に取付けられたチューブ保持部9により保持され、ドア2を閉塞した状態でチューブ保持部9と対向するドア2の部位は、チューブ保持部9が存在しても何ら問題なくドア2を閉めることができるためにドア凹部8が設けられている。この凹部8には、弾性体11が設けてあり、チューブ保持部9とドア凹部8との間に構成される間隙が埋められる。【0009】この弾性体11は、ドア2を閉じた時にチューブ5,6及びチューブ保持部9に押しつけられ変形して、間隙を埋める役目をするとともに、切れ込み12が設けてあり、チューブ5,6およびチューブ保持部9の形にならいやすいようになっている。更に本実施例ではチューブ保持部9は、取外しが安易にできるようになっており、使用の必要がない場合は外しておいても構わない。チューブ保持部9の遠心分離機に対する固定は、本実施例ではねじ止めにより固定しているが、これ以外に本体側とはめ込みにより取り付けたり、マグネットを用いた固定等でも良く様々な態様が考えられ得る。【0010】
【考案の効果】本考案によれば、試料注入及び回収チューブを固定するチューブ保持部をパッキンの上面に配したため、従来ロータ室等に設けていた製造コストの高いチューブ通し穴が不要になり、遠心分離機全体としての製造コストを下げることができ、結果として割安な遠心分離機を提供することができる。
- 【登録番号】第2597708号
【登録日】平成11年(1999)5月14日
【発行日】平成11年(1999)7月12日
【考案の名称】遠心分離機
- 【出願番号】実願平4−89028
【出願日】平成4年(1992)12月25日
【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
-
当サイトではIPDL(特許電子図書館)の公報のデータを著作権法32条1項に基づき公表された著作物として引用しております、
収集に関しては慎重に行っておりますが、もし掲載内容に関し異議がございましたらお問い合わせください、速やかに情報を削除させていただきます。