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選別処理装置
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- 【要約】
【課題】省スペース化を実現することができる選別処理装置を提供する。
【解決手段】選別処理装置100では、往路ライン700によりイチゴSTが搬送されつつランクが選別される。振り分け装置400によりランクおよびランク毎の処理量に応じてイチゴ詰めライン500a〜500dに分岐され、往路ライン710〜780により切り替え装置にて区分されたイチゴSTが搬送される。それにより、省スペース化を実現することができる。

- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を搬送しつつランクを選別する選別ラインと、
前記ランクおよびランク毎の処理量に応じて複数箇所の集積処理部に分岐するライン切り替え装置と、
該ライン切り替え装置にて切り替えられた被検査物を搬送する複数の分岐ラインと、を備えることを特徴とする選別処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選別処理装置であって、
前記複数の分岐ラインのうち少なくとも2つは直線状に配置された少なくとも2つの集積処理部の各々に対応して前記被検査物を搬送し、
前記2つの分岐ラインの1つには第二ライン切り替え装置を有することで前記2つの集積処理部の境界を変更することを特徴とする選別処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の選別処置装置であって、
前記第二ライン切り替え装置は、前記2つの分岐ラインの1つの上を移動設置可能に設けられていることを特徴とする選別処理装置。
【請求項4】
請求項1および請求項3のいずれか1項に記載の選別処理装置であって、
前記第二ライン切り替え装置は、作業者に前記集積処理部の境界を報知する報知装置を含むことを特徴とする選別処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の選別処理装置であって、
前記被検査物を載置可能な載置プレートをさらに含み、
前記載置プレートは、前記選別ラインおよび前記複数の分岐ライン上に載置され、前記被検査物を搬送可能にすることを特徴とする選別処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の選別処理装置であって、
前記載置プレートは、前記載置プレート自体の識別情報および前記被検査物の情報を含む非接触情報記録媒体を収納可能な収納部を有することを特徴とする選別処置装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の選別処理装置であって、
前記載置プレートは、前記被検査物を保持する凹部が形成されていることを特徴とする選別処理装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の選別処理装置であって、
前記載置プレートは、矩形状のプレートからなることを特徴とする選別処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の選別処理装置であって、
前記分岐ラインに沿って下流側から上流側に搬送する戻し搬送ラインがさらに設けられたことを特徴とする選別処理装置。
【請求項10】
請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の選別処理装置であって、
前記分岐ラインには、前記第二ライン切り替え装置の上流側に前記載置プレートを所定の個数貯留できる貯留場を設けたことを特徴とする選別処理装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、被検査物の振り分けを行う選別処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検査物の個数、重量、色艶、糖酸度等に基づいて、ランク判定を行い、当該ランクに基づいて箱詰めを行う選別処理装置について種々の研究および開発が行われている。
【0003】
特許文献1には、選別処理装置の一例である重量選別装置について開示されている。特許文献1記載の重量選別装置は、ランク指定信号に基づいて各ランク別収納容器内の被計量物の個数を計数する個数累積手段と、該個数累積手段によって計数された被計量物の個数を各ランク別収納容器ごとに表示させる表示手段とを備え、被計量物のランク別収納容器内での蓄積状況を知らせて、作業者がランク別収納容器の好適な交換時期を把握し、ランク別収納容器の交換を円滑に行い、作業効率を向上させるものである。
【0004】
特許文献2には、選別処理装置の一例の選別装置について開示されている。特許文献2記載の選別装置は、ランク指定信号に基づいて、ランク別収容容器内の被計量物の状態量を計数する状態量累積手段と、ランク別収容容器毎に設けられた報知手段と、状態量累積手段の累積結果に基づき、被計量物の累積状態をランク別収容容器毎に報知するように報知手段を制御する報知制御手段とを備えるものである。それにより、作業者がランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができ、ランク別収容容器の交換を円滑に行って作業効率を向上させることができる選別装置を提供するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2005−144263号公報
【特許文献2】特開2006−184107号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された重量選別装置および特許文献2に開示された選別装置においては、ランク別に設けられた収容容器(収納容器)の交換時期を把握して、作業効率を向上させることができることができるが、近年、ランクを判定し、処理を行う選別処理装置においては、省スペース化が望まれており、特許文献1および特許文献2のいずれも省スペース化を実現することはできない。
【0007】
本考案の目的は、省スペース化を実現することができる選別処理装置を提供することである。
また、本考案の他の目的は、省スペース化を実現することができ、さらに作業者の待機時間を削減し、効率を向上させることができる選別処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
本考案に係る選別処理装置は、被検査物を搬送しつつランクを選別する選別ラインと、ランクおよびランク毎の処理量に応じて複数箇所の集積処理部に分岐するライン切り替え装置と、該ライン切り替え装置にて切り替えられた被検査物を搬送する複数の分岐ラインと、を備えるものである。
【0009】
本考案に係る選別処理装置においては、選別ラインにより被検査物が搬送されつつランクが選別される。ライン切り替え装置によりランクおよびランク毎の処理量に応じて複数箇所の集積処理部に分岐され、複数の分岐ラインにより該ライン切り替え装置にて区分された被検査物が搬送される。
【0010】
この場合、ライン切り替え装置によりランクおよびランク毎の処理量に応じて複数の分岐ラインに搬送することができるので、被検査物を目視により判断する必要がなくなるため、被検査物を一定の基準で確実に区分することができる。その結果、区分に応じて被検査物の搬送を確実に行うことができる。したがって、搬送ラインを整理でき、限られたスペースを有効に使用することができる。
【0011】
(2)
選別処理装置は、複数の分岐ラインのうち少なくとも2つは直線状に配置された少なくとも2つの集積処理部の各々に対応して被検査物を搬送し、2つの分岐ラインの1つには第二ライン切り替え装置を有することで2つの集積処理部の境界を変更してもよい。
【0012】
この場合、直線状に配置された2つの集積処理部の1の分岐ラインに第二ライン切り替え装置を設けているので、直線状に設けられた複数の集積処理部に対して複数の被検査物を効率よく搬送することができる。その結果、集積処理部を最大限に省スペース化することができ、選別処理装置全体の省スペース化を実現することができる。
【0013】
(3)
第二ライン切り替え装置は、2つの分岐ラインの1つの上を移動設置可能に設けられていてもよい。
【0014】
この場合、分岐ラインごとに搬送される被検査物の量が変動した場合であっても、第二ライン切り替え装置を移動させることにより、無駄な分岐ラインを少なくすることができ、その結果、選別処理装置の省スペース化を行うことができる。
【0015】
(4)
第二ライン切り替え装置は、作業者に集積処理部の境界を報知する報知装置を含んでもよい。
【0016】
この場合、第二ライン切り替え装置は、報知装置を含むので、作業者は自己の担当する集積処理が変更されたことを確実に認識することができる。
【0017】
(5)
選別処理装置は、被検査物を載置可能な載置プレートをさらに含み、載置プレートは、選別ラインおよび複数の分岐ライン上に載置され、被検査物を搬送可能にしてもよい。
【0018】
この場合、載置プレートの上に被検査物が載置されて搬送されるので、選別ラインおよび分岐ラインからの力が被検査物に直接加わり凹みまたは傷等の発生原因となることを防止することができる。例えば、果実等の衝撃に弱い被検査物に対して凹みまたは傷を確実に防止することができる。
【0019】
(6)
載置プレートは、載置プレート自体の識別情報および被検査物の情報を含む非接触情報記録媒体を収納可能な収納部を有してもよい。さらに、識別情報としてバーコード等を有してもよい。
【0020】
この場合、載置プレート自体の識別情報および被検査物の情報を含む非接触情報記録媒体を有することができるので、選別処理装置における集積処理個数等を的確に把握することができる。例えば、被検査物が果物の場合、生産者に対して各ランクに区別された被検査物の集積処理量を把握させることが可能となる。また、管理者に対して、被検査物の集積処理量を把握させることが可能となる。
【0021】
(7)
載置プレートは、被検査物を保持する凹部が形成されていてもよい。
【0022】
この場合、載置プレートに被検査物に応じた凹部が形成されているので、載置プレートから被検査物の落下を防止することができる。
【0023】
(8)
載置プレートは、矩形状のプレートからなってもよい。
【0024】
この場合、載置プレートが矩形状からなるので、被検査物に方向性があり、被検査物のランクを判定する場合、円形の載置プレートと異なり、容易に被検査物の方向性を判定することができる。すなわち、被検査物が方向性を有しているので、水平面上の前後左右方向を統一して搬送することが可能であり、または、方向性が異なっていても容易に被検査物の方向性を認識してランクの判定を行うことができる。また、載置プレートを矩形状のプレートとすることにより、矩形状のプレートの方向と、被検査物の方向とを一致させ、一定方向に揃えて搬送を行うことができる。それにより、作業者の作業効率を向上させることができる。
【0025】
(9)
選別処理装置は、分岐ラインに沿って下流側から上流側に搬送する戻し搬送ラインがさらに設けられてもよい。
【0026】
この場合、分岐ラインに沿って戻し搬送ラインが設けられているので、戻し搬送ラインにより、被検査物の載置されていない載置プレートを選別ラインの上流に戻すことができ、無端縁の搬送ラインを形成することができる。
また、戻し搬送ラインに第二ライン切り替え装置を設けることにより、被検査物の載置されていない載置プレートの重量を認識することができ、当該載置プレートに被検査物が載置された場合に、載置プレート自体の重量を除いて被検査物の重量のみを認識させることができる。
【0027】
分岐ラインには、第二ライン切り替え装置の上流側に載置プレートを所定の個数貯留できる貯留場を設けてもよい。
【0028】
この場合、第二ライン切り替え装置の上流側に載置プレートを所定の個数貯留できる貯留場が設けられているので、作業者が被検査物を複数個集積処理して所定の個数または所定の重さで箱詰めする場合に、貯留場における被検査物を用いて個数または重さ等を調整することができる。
【0029】
(11)
選別処理装置は、被検査物を搬送しつつランクを選別し、選別されたランクごとに分岐された複数の搬送ラインにより選別された被検査物の搬送を行う選別搬送装置であって、複数の搬送ラインのうち一の搬送ラインが、一の作業場の上流から下流にかけて直線状に形成され、一の搬送ラインの途中に少なくとも1つのライン切り替え装置が設けられ、複数の搬送ラインのうち他の搬送ラインが、第二ライン切り替え装置に接続されてもよい。
【0030】
この場合、一の作業場において一の搬送ラインの途中に他の搬送ラインが第二ライン切り替え装置に接続されるので、直線状に設けられた一の作業場に対して複数の被検査物を効率よく搬送することができる。その結果、集積処理部を最大限に省スペース化することができ、選別処理装置全体のスペースを小さくすることができる。
【0031】
(12)
選別搬送装置は、搬送ラインにおける非接触情報記録媒体の情報および戻し搬送ラインにおける非接触情報記録媒体の情報を記憶する記憶装置をさらに含み、記憶装置に記憶された情報の差分に基づいて、貯留場に貯留されている載置プレートおよび被検査物の情報を認識することができてもよい。
【0032】
この場合、記憶装置に記憶された情報により、載置プレートの搬送効率を判定することができる。それにより、作業の進行状況、作業の混雑状況等を容易に認識することができる。また、被検査物が冷凍物等の場合に、時間経過による解凍劣化等を防止することができる。
【考案を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本考案に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、被検査物としてイチゴの場合を例示し、イチゴ選別処理装置について説明する。なお、本実施の形態においては、被検査物をイチゴであるとして説明を行うが、これに限定されるものではなく、他の果物、魚介、野菜、その他の任意のランク区分される被検査物にも適用することができる。
【0034】
図1は、本考案に係る一実施の形態に係るイチゴ選別処理装置100の一例を示す模式的平面図である。
【0035】
図1に示すように、イチゴ選別処理装置100は、イチゴ搬入場所120、イチゴ供給場所300、イチゴ詰めライン500a,〜,500d、振り分け装置400、箱詰め作業場600a,〜,600d,往路ライン700,複数の往路ライン710,〜,780、復路ライン800、洗浄装置890および制御装置900を含む。ここで、イチゴ選別処理装置100においては、イチゴSTが傷付きやすいため、後述する載置プレート200に載置させてイチゴ選別処理が施される。
【0036】
図2および図3は、イチゴ搬送のための載置プレート200を説明するための説明図である。ここで、図2は載置プレート200の表側から視野した場合の一例を示し、図3は載置プレート200の裏側から視野した場合の一例を示す。
【0037】
図2に示すように、載置プレート200は、矩形状からなる。また、載置プレート200には、三角錐形状の凹部210が形成されている。当該凹部210は、イチゴSTを載置可能な大きさで形成されている。すなわち、当該凹部210により、イチゴSTの自重によりイチゴSTが一定の方向に固定される。さらに、載置プレート200は、画像認識を行い易い色調で製造されている。例えば、黒色の樹脂製または青色の樹脂製からなる。それによりイチゴSTを画像処理装置により容易に認識することができる。
【0038】
また、図3に示すように、載置プレート200の裏側には、矩形状の凹部220が形成されている。当該凹部220には、非接触情報記録媒体を貼着することができる。ここで、非接触情報記録媒体とは、RFID(Radio Frequency Identification)または非接触ICカード等を含むものである。なお、本実施の形態においては、RFIDまたは非接触ICカードとしたが、これに限定されず、他の任意の非接触記録媒体を用いてもよい。
【0039】
次に、図1に示すイチゴ供給場所300について説明する。図4は、図1のイチゴ供給場所300の一例を示す模式的拡大図である。
【0040】
図4に示すように、イチゴ供給場所300は、イチゴ搬入台310、台330、復路回転装置340、往路ライン700、復路ライン800の一部、を含む。イチゴ供給場所300の中央部に往路ライン700が配設され、往路ライン700に沿って、復路ライン800が配設される。復路ライン800の端部には、復路回転装置340の一方が接続される。その復路回転装置340の他方には、他の復路ライン800が接続され、往路ライン700に沿って配設される。それにより、中央に往路ライン700が配置され、その両側に平行に復路ライン800が配置される。復路ライン800の両側には、台330が配設され、作業者Mが作業可能な間隔で、イチゴ搬入台310が配設される。
【0041】
続いて、図4に示すイチゴ供給場所300における作業内容について説明する。まず、イチゴSTを載置させていない載置プレート200は、復路ライン800を矢印X2の方向に搬送される。この載置プレート200は、復路回転装置340により、矢印X3の方向に転回され、他の復路ライン800上を搬送される。ここで、作業者Mは、載置プレート200を復路ライン800から採り、台330に置く。
そして、作業者Mは、イチゴ搬入場所120に搬入されたイチゴSTをイチゴ搬入台310に載置する。この場合、イチゴを生産し、イチゴ供給場所300にイチゴSTを持ち込んだ生産者の記録を制御装置900を用いて行うが、この点については後に詳細説明する。
【0042】
次に、作業者Mは、イチゴ供給場所300において、イチゴSTの外観を確認し、虫喰い等がないか否かを丁寧に検査をした後、検査を通過したイチゴSTのみを1個ずつ台330に置かれた載置プレート200に載置する。この場合、上述したように載置プレート200には、三角錐形状の凹部210の働きにより、イチゴSTを一定の方向に載置させることができる。そして、イチゴSTが載置された載置プレート200を手前の台330から、往路ライン700に移載する。それにより、イチゴSTが載置された載置プレート200が矢印X1の方向に搬送される。
【0043】
続いて、図5は、図4のイチゴ供給場所300の下流の作業の一例を説明するための模式的拡大図である。
【0044】
図5に示すように、イチゴSTが載置された載置プレート200は、振り分け装置400に搬送される。振り分け装置400は、イチゴSTのランク情報を読み取り、制御装置900に送信し、制御装置900においてランクの判定が行われる。その判定結果に基づいて振り分け装置400がランクごとに区分を行う。本実施の形態において、ランクは、階級および等級を含むものとする。
【0045】
例えば、振り分け装置400には、計量装置および画像認識装置、糖酸度測定装置等が組み込まれており、載置プレート200に載置されたイチゴSTの重さ、大きさ、形状、色調および糖酸度等を計測し、さらに載置プレート200の非接触記録媒体の認識ナンバーを制御装置900に送信する。制御装置900は、載置プレート200上の重さ、大きさ、形状、色調、糖酸度等により、イチゴ詰めライン500a〜500dの1もしくは2を判定し、振り分け装置400に指示を発信する。また、制御装置900は、イチゴSTの重さ、大きさ、形状、色調、糖酸度等を振り分け装置400に対し、載置プレート200の裏側に貼着されたRFID等の非接触記録媒体に記録するよう指示する。また、制御装置900の指示に基づいて振り分け装置400は、イチゴSTの重さ、形状、大きさ、色調、糖酸度等に応じて複数配設された往路ライン710,〜,780の特定の一つに当該イチゴSTが搬送されるよう区分を行う。
【0046】
ここで、制御装置900におけるランク判定の一例を示す。本実施の形態において、ランクは、重さおよび大きさ(階級)、糖酸度、色調および形状(等級)からなる。図6は階級の一例を示す区別表であり、図7は等級の一例を示す区別表である。
【0047】
図6に示すように、本実施の形態におけるイチゴSTの階級は、重量、大きさにより決定される。本実施の形態において、イチゴSTの階級は、2L、L、M、Sに区分され、2Lは重さ20g以上であり、大きさ50mm以上、Lは重さ15g以上20g未満であり、大きさ50mm未満40mm以上、Mは重さ10g以上15g未満であり、大きさ40mm未満30mm以上、Sは重さ10g以下であり、大きさ30mm未満である。
【0048】
また、図7に示すように、本実施の形態におけるイチゴSTの等級は、形状および色調、糖酸度により、優、秀、良、可に区分され、優は形状が極綺麗、色調が100%赤であり、糖酸度がA以上、秀は形状が綺麗、色調が80%以上赤であり、糖酸度がA未満B以上、良は形状が普通、色調が60以上%赤であり、糖酸度がB未満C以上、可は形状が小変形、色調が40以上赤であり、糖酸度がC未満である。なお、本実施の形態においては、イチゴSTの階級および等級を上記のように規定したが、これに限定されず、他の任意の値によりイチゴSTの階級および等級、または両方の区分を合わせて規定した等階級を規定してもよい。また、糖酸度A〜Dは、任意の数値である。
【0049】
この図6および図7に示す区別表に基づいて、制御装置900は、イチゴSTのランクを判定する。なお、本実施の形態においては、図6および図7に示す等級および階級についてランクを判定することとしているが、これに限定されず、他の任意の判定手法に基づいてランク分けを行ってもよい。
【0050】
続いて、図8は、非接触記録媒体に記録される情報の一例を示す説明図である。
【0051】
図8に示すように、非接触記録媒体には、載置プレートナンバー、生産者コードナンバー、階級、等級、被検査物重さ、載置プレート重さ、個数等が記録される。
例えば、図8に示す一例の場合、載置プレートナンバーは“501”であり、生産者コードナンバーは“000003”であり、階級は“2L”であり、等級は“優”であり、被検査物重さは“100g”であり、載置プレート重さは“200g”であり、個数は“1個”という情報が記録されている。
【0052】
続いて、図5に示すように、振り分け装置400は、制御装置900の指示に従って、ランク毎に分岐されて設けられた複数の往路ライン710,〜,780のいずれか一つに載置プレート200を仕分けする。
【0053】
例えば、一のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさが“2L”であり形状、色調および糖酸度が“優”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン710に移送されるように区分する。また、他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“2L”であり形状、色調および糖酸度が“秀”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン720に移送されるように区分する。同様に、他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“L”であり形状、色調および糖酸度が“優”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン730に移送されるように区分する。
【0054】
他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“L”であり形状、色調および糖酸度が“秀”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン740に移送されるように区分する。他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“L”であり形状、色調および糖酸度が“良”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン750に移送されるように区分する。さらに他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“M”であり形状、色調および糖酸度が“秀”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン760に移送されるように区分する。さらに他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“M”であり形状、色調および糖酸度が“良”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン770に移送されるように区分する。その他のイチゴSTについて、当該イチゴSTは、重さおよび大きさ“S”であり形状、色調および糖酸度が“良”のイチゴSTであると判定した場合、振り分け装置400は、イチゴSTが載置された載置プレート200を往路ライン780に移送されるように区分する。
【0055】
ここで、図1および図5に示すように、本実施の形態におけるイチゴ詰めライン500a,〜,500dにおいて、イチゴ詰めライン500aにおいては、往路ライン710,750を設け、イチゴ詰めライン500bにおいては、往路ライン720,760を設け、イチゴ詰めライン500cにおいては、往路ライン730,770を設け、イチゴ詰めライン500dにおいては、往路ライン740,780を設けている。
【0056】
すなわち、制御装置900および振り分け装置400は、イチゴ詰めライン500aに設けた往路ライン710,750に対して、図6および図7に示した階級(重さおよび大きさ)および等級(形状、色調および糖酸度)が近接(隣接)しないように、区分を行う。すなわち、振り分け装置400は、往路ライン710,750に搬送されるイチゴSTが異なることが作業者にとって一目で認識できるように制御を行う。
【0057】
また、本実施の形態においては、往路ライン710に1種のランク判定されたイチゴSTを搬送させることとしているが、これに限定されず、視野確認できる程度のランクが異なる2種のイチゴSTを同一ラインに移送させてもよい。
【0058】
例えば、重さおよび大きさが“2L”であり、形状、色調および糖酸度が“優”のランクのイチゴSTと、重さおよび大きさが“M”であり、形状、色調および糖酸度が“良”のランクのイチゴSTを往路ライン710に搬送する。それにより、作業者Mは、一見してイチゴSTの区別を行うことができる。そのため、効率よく集積処理を行うことができる。
また、少量の被検査物であるイチゴSTのために処理場を設ける必要がないため、省スペース化を図ることができると共に各作業台へのイチゴSTの搬送を平均化し、作業効率を向上させることが可能となる。
【0059】
続いて、図5に示すように、作業者Mは、往路ライン710上を移動する載置プレート200に載置されたイチゴSTを載置プレート200ごと採取し、手前の台560に載置し、さらに秤570を用いて重量を計測して、所定の重量となるように所定個数のイチゴSTを透明のフィルムパック(図示せず)に入れる。作業者Mは、フィルムパックを搬送コンベアー580に載せる。搬送コンベアー580は、上包フィルム掛け機610に搬送される。この場合、領域200c,200dは、イチゴ載置プレート200を複数配置できるように往路ライン710,750の駆動が伝わらない構造(貯留場)からなる。その結果、所定の個数のイチゴSTで、かつ所定の重量となるように、他のイチゴSTとの組み合わせを行い、透明のフィルムパックに投入する。そして、イチゴSTを取り出した後の、空の載置プレート200を、復路ライン800aに載置する。載置プレートは、復路ライン800aに沿って、図1および図4のイチゴ供給場所300に搬送される。
【0060】
最後に、作業者Mが箱詰め作業場600において、上下フィルム掛け機610、完成品ストッカー620を用いてイチゴSTを詰めた透明のフィルムパックに対して蓋となるフィルムを貼り、出荷用の箱に箱詰めする。その後出荷が行われる。以上により出荷作業が終了する。
なお、本実施の形態における選別処理装置100においては、作業開始前に往路ライン700,710,〜,780および復路ライン800からなる循環搬送ラインを形成し、当該循環搬送ライン上に載置プレート200を移動させ、洗浄装置890により載置プレート200自体の洗浄を行わせてもよい。それにより、載置プレート200自体の清潔度を維持することができる。また、この洗浄作業時に、載置プレート200自体の重量を計測し、非接触情報媒体に記録させることにより、イチゴSTを載置させた載置プレート200の重量を計測することで、イチゴSTの重量を認識することができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、往路ライン710,〜,780を設けることとしているが、これに限定されず、他の任意の数の往路ラインを設けてもよい。
また、イチゴ詰めライン500aに往路ライン710,750を設けることとしているが、これに限定されず、3個の往路ライン、またはそれ以上の任意の数の往路ラインを設けてもよい。
【0062】
続いて、図9および図10は、イチゴ詰めライン500aの切り替え装置550を切り替えた場合を説明するための模式的説明図である。本実施の形態においては、この切り替え装置550は、手動により移動させることができるものである。なお、切り替え装置550を移動させることにより、領域200cは、切り替え装置550に従動する。
また、本実施の形態においては、切り替え装置550は、作業者Mにより手動で移動されるものとしたが、これに限定されず、自動的に移動されるもの、または管理者のみにより移動できるものとしてもよい。
【0063】
図9は、図1および図5に示すイチゴ詰めライン500aと同様に、2人の作業者Mが、往路ライン750を移送されるイチゴSTを担当し、残りの6人の作業者Mが、往路ライン710を移送されるイチゴSTを担当することができる。
【0064】
図10は、図9に示すイチゴ詰めライン500aにおいて切り替え装置550を移動させた場合を示す。
【0065】
図10に示すイチゴ詰めライン500aにおける切り替え装置550は、下流側に移動されており、5人の作業者Mが往路ライン750を移送されるイチゴSTを担当し、残りの3人の作業者Mが、往路ライン710を移送されるイチゴSTを担当することができる。
【0066】
これにより、例えば、図9に示すように、所定のランクのイチゴSTが往路ライン750で搬送されており、他の所定のランクのイチゴSTが往路ライン710で搬送されている場合に、往路ライン750におけるイチゴSTの集積処理予定量が増加した場合、作業者Mが切り替え装置550を移動させることにより、イチゴSTの増加した集積処理量に対する作業を滞りなく行うことができる。
【0067】
また、作業者Mが切り替え装置550を移動されたことを報知するための報知装置510aを切り替え装置550と供に移動させる。それにより、作業者Mは、担当すべきイチゴSTが変更したことを認識することができる。なお、報知装置510aは、電灯、ライト、液晶表示等、任意の装置であってもよい。さらに、当該報知装置510aは、切り替え装置550に従って自動的に移動するものであってもよい。
【0068】
また、本実施の形態においては、載置プレート200を用いているが、これに限定されず、載置プレート200の外側に、電子タグを用いて載置しているイチゴSTの重さを表示させてもよい。それにより、作業者Mは、所定に定められたフィルムパック内のイチゴSTの総計量を行わず、最後の数個のイチゴSTの重さをあわせるためのイチゴSTを的確に選別し、フィルムパックに詰めることができる。
【0069】
本実施の形態においては、イチゴSTが被検査物に相当し、往路ライン700がランクを選別する選別ラインに相当し、イチゴ詰めライン500a,〜,500dが複数箇所の集積処理部に相当し、振り分け装置400がライン切り替え装置に相当し、往路ライン710,〜,780が複数の分岐ラインに相当し、切り替え装置550が第二ライン切り替え装置に相当し、報知装置510aが報知装置に相当し、載置プレート200が載置プレートおよび矩形状のプレートに相当し、RFIDが非接触情報記録媒体に相当し、三角錐形状の凹部が被検査物を保持する凹部に相当し、復路ライン800が戻し搬送ラインに相当し、領域200c,200dが貯留場に相当する。
【0070】
本考案の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本考案はそれだけに制限されない。本考案の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本考案の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本考案を限定するものではない。
- 【登録番号】実用新案登録第3140083号(U3140083)
【登録日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【発行日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【考案の名称】選別処理装置
- 【出願番号】実願2007−9755(U2007−9755)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】
【識別番号】599124909
【氏名又は名称】株式会社イシダエンジニアリング
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
- 【代理人】
【識別番号】100148415
【弁理士】
【氏名又は名称】南 力
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