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鋏
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- 【要約】
【目的】 細くて硬い木や薄い紙などの被切断物を切るときに、被切断物が刃から逃げない鋏を提供する。
【構成】 下縁部に刃が成型されている第1鋏刃1と、上縁部に刃が成型されている第2鋏刃2と、前記第1鋏刃1と第2鋏刃2の根元にそれぞれ延設された第1柄部5及び第2柄部6と、これら第1鋏刃1、第2鋏刃2を軸支する軸9とからなり、前記軸9の中心が前記第2鋏刃2の刃縁より上方に成型されたものである。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 下縁部に刃が成型されている第1鋏刃と、上縁部に刃が成型されている第2鋏刃と、前記第1鋏刃と第2鋏刃の根元にそれぞれ延設された第1柄部及び第2柄部と、これら第1鋏刃、第2鋏刃を軸支する軸とからなり、前記軸の中心が前記第2鋏刃の刃縁より上方に成型されたことを特徴とする鋏。
【請求項2】 前記軸を挿入する軸受部が第1鋏刃及び第2鋏刃の上縁部に突設されたことを特徴とする請求項1記載の鋏。
【請求項3】 前記第1,第2鋏刃は、刃縁から近い距離で適当な肉圧を有する断面略楔状に成型されたことを特徴とする請求項1又は2記載の鋏。
【請求項4】 前記第1若しくは第2鋏刃の刃縁は、山型の凹凸状に成型されたことを特徴とする請求項1又は2記載の鋏。
【請求項5】 前記第1,第2柄部の先端には、指を入れるための略輪形状の輪部が成型され、前記輪部の内側には輪部の角を覆うリングが取り付けられたことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の鋏。
【請求項6】 前記第2柄部を一端に固定し、他端に前記第1鋏刃を作動させるレバー及び把持部が設けられている長柄と、一端が前記レバーに連結され、他端は前記第1柄部の先端に接続されている連結部とを備えたことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の鋏。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、紙、繊維及び植物等を切断する鋏に係り、例えば針金などの切断にも利用できる汎用性のある鋏に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鋏は、刃を備えた2つの鋏刃をお互いの刃が対抗するように配置し、各々の鋏刃の中心を通る位置に鋏刃の回転中心を置いていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の鋏では、細い被切断物や、木の枝や針金などのような硬い被切断物を切るときに、鋏の回転でこれら被切断物が刃から逃げてしまう。また、薄くて曲折しやすい紙の様な被切断物を切るときには、被切断物が曲折し鋏刃と鋏刃の間に入り込んでしまうことがあった。
【0004】
このように、一方の刃が回転してもう一方の刃と接触し切断部を生じるとき、回転してきた刃は遠心方向に力がかかるため食いつきが悪く、被切断物が押し出されてしまうという欠点があった。
【0005】
本考案は、前記欠点を解消する為になされたものであり、細くて硬い物や薄い紙などの被切断物を切るときに、被切断物が刃から逃げない鋏を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する為に本考案は、下縁部に刃が成型されている第1鋏刃と、上縁部に刃が成型されている第2鋏刃と、前記第1鋏刃と第2鋏刃の根元にそれぞれ延設された第1柄部及び第2柄部と、これら第1鋏刃、第2鋏刃を軸支する軸とからなり、前記軸の中心が前記第2鋏刃の刃縁より上方に成型されたことを特徴とする。
【0007】
前記軸を挿入する軸受部が第1鋏刃及び第2鋏刃の上縁部に突設されたことを特徴とする。
【0008】
前記第1,第2鋏刃は、刃縁から近い距離で適当な肉圧を有する断面略楔状に成型されたことを特徴とする。
【0009】
前記第1若しくは第2鋏刃の刃縁は、山型の凹凸状に成型されたことを特徴とする。
【0010】
前記第1,第2柄部の先端には、指を入れるための略輪形状の輪部が成型され、前記輪部の内側には輪部の角を覆うリングが取り付けられたことを特徴とする。
【0011】
前記第2柄部を一端に固定し、他端に前記第1鋏刃を作動させるレバー及び把持部が設けられている長柄と、一端が前記レバーに連結され、他端は前記第1柄部の先端に接続されている連結部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
【作用】
第1鋏刃が被切断物を引き込むように回転し、確実に刃が被切断物に食いつき切断が容易となる。
【0013】
【実施例】
以下、図を用いて本実施例を詳細に説明する。
図1は実施例1の全体を示す側面図、図2は実施例2の全体を示す側面図、図3は実施例3の全体を示す側面図、図4は実施例4の全体を示す側面図、図5は実施例4の要部を示す部分側面図である。
【0014】
(実施例1)
図1を用いて実施例1を説明すると、第1鋏刃1及び第2鋏刃2は細い薄板状に成型され、第1鋏刃1の下縁部には刃3が成型され、第2鋏刃2の上縁部には刃4が成型されている。さらに、第1鋏刃1および第2鋏刃2の根元には、第1柄部5および第2柄部6が一体に延設されている。
そして、第1鋏刃1および第2鋏刃2の根元の上部には、軸孔を有する軸受部7,8がそれぞれ突設され、この軸受部7,8の軸孔に軸9を挿入し、第1鋏刃1と第2鋏刃2とを回動可能に軸支している。
【0015】
また、第1,第2柄部5,6の先端には、指を入れるための略円形状の輪部10が成型され、輪部10の内側には輪部10の角を覆う略輪状のリング11が取り付けられている。
【0016】
次に、実施例1の鋏の作用を説明する。
まず、第1鋏刃1を開き刃3と刃4との間に被切断物を入れる。そして第1鋏1を戻すと刃3と刃4とが摺り合う箇所に切断部が生じ、被切断物をくわえ込みながら切断する。これは、第1鋏刃1の回転中心が、第2鋏刃の刃4より上方に位置するため、刃3と刃4とが摺り合って生ずる切断部が、刃3の切断部が刃4の切断部に対して右下斜め方向に移動するため、被切断物を引き込むような力が働く。
【0017】
また、指を入れる輪部10の内側には、合成樹脂製のリング11が取り付けられており、指が輪部10の角に当らないようになっている。ここで、このリング11を輪部10と略同じ大きさにして、輪部10の周囲を覆うように取り付けてもよい。
【0018】
(実施例2)
図2を用いて実施例2を説明すると、第1鋏刃21の下縁部には刃23が成型され、第2鋏刃22の上縁部には刃24が成型され、第1鋏刃21,第2鋏刃22は、刃縁から近い距離で適当な肉圧を有する断面略楔状に成型されている。そして、第1鋏刃21,第2鋏刃22根元の上部には軸孔を有する軸受部27,28が突設され、この軸受部27,28の軸孔には軸29が挿入されており、第1鋏刃21と第2鋏刃22とが回動可能に軸支されている。さらに、第1鋏刃21の根元下部および第2鋏刃22に設けられた軸受部28の上部には、緩やかに外側に湾曲している第1柄部25および第2柄部26が一体に延設されている。
ここで、第1柄部24及び第2柄部25を緩やかに外側に湾曲している細長い楕円形リング状に成形してもよい。
【0019】
次に、実施例2の鋏の作用を説明すると、第1柄部24及び第2柄部25は、外側に湾曲しているため手で握りやすく、力を入れやすくなる。これにより、指を使って切断するよりも力が入り、硬い物、例えば、木の枝などが容易に切断できる。
また、断面が楔状になっているため、被切断物に食い込んだ後、被切断物を引き裂くように刃が食い込んでいくため、太くて硬い物でも切断できる。
さらに、実施例1と同様に、被切断物を引き込むように切断するため、被切断物が刃から逃げることなく切断できる。
【0020】
(実施例3)
図3を用いて実施例3を説明すると、第1鋏刃31及び第2鋏刃32は細い薄板状に成型され、第1鋏刃31の下縁部には刃33が成型され、第2鋏刃32の上縁部には刃34が成型され、第1鋏刃31若しくは第2鋏刃32の刃縁は、山型の凹凸状に成型されている。さらに、第1鋏刃31および第2鋏刃32の根元には、第1柄部35および第2柄部36が一体に延設されている。
そして、第1鋏刃31および第2鋏刃32の根元の上部には、軸受部37,38がそれぞれ突設され、この軸受部37,38の軸孔に軸39が挿入され、第1鋏刃31と第2鋏刃32とが回動可能に軸支されている。
【0021】
次に、実施例3の鋏の作用を説明すると、第1鋏刃31若しくは第2鋏刃32の刃縁は、山型の凹凸状に成型されているので被切断物に食いつくと共に、被切断物を引き込むように第2鋏刃32に対して第1鋏刃が摺動するため、被切断物が刃から逃げることなく切断できる。
【0022】
(実施例4)
図4を用いて実施例4を説明すると、50は長柄であり、この長柄50は、グラスファイバーなどの軽量かつ丈夫な材質で管状に成型されている。そして、長柄50の一端には鋏部40が設けられ、他端には操作部60が設けられている。
【0023】
鋏部40は図5に詳細に示すように、下縁部に刃が成型されている細い薄板状の第1鋏刃41と、上縁部に刃が成型されている細い薄板状の第2鋏刃42と、第1鋏刃41と第2鋏刃42の根元にそれぞれ延設された第1柄部43及び第2柄部44と、これら第1鋏刃41、第2鋏刃42を軸支する軸45と、第1鋏刃41と第2鋏刃42とを開く方向に付勢しているバネ46とで構成されている。
【0024】
さらに、第2鋏刃42の根元の上部には、軸孔を有する軸受部47が突出しており、軸受部47の軸孔には軸45が挿入され、第1鋏刃41と第2鋏刃42とが回動可能に軸支されている。また、第1柄部43は第1鋏刃41に対して略直角に成型され、第2柄部44は第2鋏刃42に対して緩やかに曲がって成型され、第2柄部44の先端は長柄50の一端に固定されている。さらに、バネ46は捩じりバネであって、バネ46の捩じり部を第2鋏刃42の根元に設けた軸部に取り付け、バネ46の一端を第1柄部43、他端を第2柄部44に固定することにより、第1鋏刃41と第2鋏刃42が開く方向に付勢されている。
【0025】
操作部60は、案内溝64を有する把持部61と、両端にガイド65を有するレバー62と、レバー62と第1柄部43の先端とに接続される連結部63とで構成されている。
把持部61の両内側には、細長い案内溝64が成型され、案内溝64に沿ってレバー62が摺動可能に備えられ、レバー62の両端に設けられたガイド65は、案内溝64から抜けないように案内溝64よりも大きく成型され、把持部61内に収められている。また、レバー62の長柄50側の表面は波状に成型され、中央には連結部63が固定されている。そして、この連結部63は、長柄50内を通り第1柄部43の先端に接続されている。ここで、連結部63に用いられるものとしては鉄製ワイヤーがあり、他にピアノ線などがある。
【0026】
次に、実施例4の鋏の作用を説明すると、長柄50の一端に設けられた操作部60の把持部61とレバー62とを握りしめるようにしてレバー62を引くと、連結部63によってレバー62と連結されている第1柄部43が軸を中心に回転し、第1鋏刃41と第2鋏刃と重なり被切断物を切断する。この時、実施例1と同様に、被切断物を引き込むように切断するため、被切断物が刃から逃げることなく切断できる。
【0027】
切断後、第1柄部43及び第2柄部44に取り付けられたバネ46により、第1鋏刃41と第2鋏刃42とが開き、再び切断が可能となる。
【0028】
【考案の効果】
以上、詳細に説明したように本考案は、切断時に第1鋏刃が軸方向に力が働くように軸の位置を上方にずらしたので、細くて硬い被切断物でも逃がすことなく切断でき、あらゆるものの切断が容易となる。
- 【登録番号】第3005542号
【登録日】平成6年(1994)10月12日
【発行日】平成7年(1995)1月10日
【考案の名称】鋏
- 【出願番号】実願平6−8599
【出願日】平成6年(1994)6月23日
【出願人】
【識別番号】594022622
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 英昭
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