二つ折りにした紙を切るカッターナイフ
- 【要約】
【課題】二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切ることができるカッターナイフを提供する。
【解決手段】ブレード1を裏向きにセットする形状となっているスライダー3と、ブレード1が作業をする台8の表面に対してごく近い位置で平行に出てくるような形状となっているホルダー7、およびそのホルダー7と一体化して作業をする台8の表面に対して直接密着し安定して置ける形状となっているグリップ10を装備する。これにより、該カッターナイフで、二つ折りにした紙13の折り目14に沿って、まっすぐきれいに切ることができる。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切るために、ブレードをセットする段差部分を従来のものとは逆向きに設け、従来のカッターナイフとは表裏逆にブレードをセットする形状となっているスライダーを部品として装備するカッターナイフ。
【請求項2】
二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切るために、ブレードが作業をする台の表面に対してごく近い位置で平行に出てくる形状となっているホルダーを部品として装備するカッターナイフ。
【請求項3】
二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切るために、作業をする台の表面に対してホルダーと一体化して密着し、がたつかず安定して置くことができるように、底面が平らな形状となっているグリップを部品として装備するカッターナイフ。
- 【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、カッターナイフに関するものであり、二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切ることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カッターナイフは替え刃式で、ブレードの刃先の出し入れが可能で、使用していない時はブレードをカッターナイフ本体に収納可能にしてあるものが広く利用されている。それらは対象物を切る場合、刃先を立てて作業をするように作られている。
【特許文献1】特開平11−319336
【特許文献2】特開2002−52268
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のこのようなカッターナイフは、紙を切るという作業をする場合も刃先を立てて作業をするので、作業をする台の表面を傷つけないように専用マットや厚紙のようなものを下に敷かなければならないし、まっすぐ切るために定規等を用いなければならない。そのような準備の手間をかけたくない、あるいは必要な準備ができない場合、紙を二つ折りにして折り目に沿って切ろうとした場合、従来のカッターナイフを使用をした場合、刃先が安定せずまっすぐきれいに切ることが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、本考案によるカッターナイフでは、従来のカッターナイフの利点であるブレードをカッターナイフ本体に収納することができるという機能を保持したままで、ホルダーの底面およびグリップの底面を平らにすることで作業する台に置いたときにガタつかず安定するようにし、ブレードが作業をする台の表面に対してごく近い位置で平行に出てくる形状とした。ブレードが作業をする台の表面に対してごく近い位置で平行に出てくることにより、二つ折りにした紙の折り目に対してブレードの刃先を平らに安定した状態で差し入れることが出来るので作業が容易になる。
【考案の効果】
【0005】
よって、二つ折りにした紙の折り目に沿って本考案によるカッターナイフを滑らせるように移動させれば、二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切ることができる。専用マットや厚紙などを下に敷くことなく、定規を使うこともなく紙の大きさに係らず二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切ることが出来る。包装紙のような大きな紙を使用する店舗においては、包装する品物の大きさに合わせて適切な大きさの包装紙を使用できるようにするために、紙を二つ折りにして、本考案によるカッターナイフを使用し必要な大きさに切れば、容易に適切な大きさの包装紙を準備できる。一般家庭においては、裏側に印刷していない折り込みチラシをメモ用紙として使用する場合なども、容易に必要とする大きさに切ることが出来る。たとえば、A4サイズのチラシを半分に折り2枚に切り、さらにそれぞれを半分に折り2枚に切るという簡単な作業で、まったく同じ大きさのA6サイズのメモ用紙が4枚出来る。また、資源の再利用の観点からも、紙を大量に消費する企業において本考案のカッターナイフを使用することにより、一度使用した紙で裏が使えるものをメモ用紙等に再利用することが可能である。
【考案を実施するための最良の形態】
【0006】
本考案によるカッターナイフは、現在標準サイズとして市販されている大小2種類の替え刃を使用することが可能である。カッターナイフ本体の大きさも使用するブレードのサイズにより大小2種類となるが、請求項1、請求項2および請求項3におけるそれぞれの請求の対象となるものの構造は、カッターナイフ本体およびブレードの大小にかかわらず全く同じであるので、本請求における図面は大きいサイズのブレードを使用するカッターナイフをもとに表す。
【0007】
図1の本考案によるカッターナイフのブレード1を出した状態のものと、図2の従来のカッターナイフのブレード1を出した状態のものとではブレード1の刃先2の向きが違うことがわかる。従来のカッターナイフと同様に、作業をする人は基本的に右手でカッターナイフを使用すると考えた場合、本考案においてはブレード1の刃先2は従来のカッターナイフとは反対側に向く。図3(A)は,本考案によるカッターナイフにおいて、ブレード1を係合的に固定し使用者の操作によりブレード1を出し入れさせるスライダー3を真上から見た図であり、図3(B)は真横から見た図であるが、ブレード1の刃先2の向きを従来のカッターナイフとは反対の向きにセットすることができるようにするために、このスライダー3において、ブレード1が安定するように設けられている段差4を、図4の従来のスライダー5に設けられている段差6とは反対の向きに設けてある。つまり、ブレード1を裏向きにセットする形状となっている。
【0008】
図5は、本考案によるカッターナイフに装備されるブレード1を収納するホルダー7のみを表した図である。このホルダー7は作業をする台8の表面に対して直接密着し平らに置く形状となっており、がたつかず安定して置くことができる。そして、ブレードの出入り口9からブレード1が作業をする台8の表面に対してごく近い位置で平行に出てくるような形状となっている。図6は、本考案によるカッターナイフにおいて、ブレード1をブレードの出入り口9から外に出した状態のものを真横から見た図であるが、図7の従来のカッターナイフにおいて、ブレード1をブレード出入り口9から外に出した状態のものを真横から見た図と比較すると、図6の本考案によるカッターナイフにおけるブレード1が、作業をする台8の表面に対してごく近い位置で平行に出ていることがわかる。図8は、本考案によるカッターナイフをブレード挿入口側から見た図であるが、ホルダー7の底面とグリップ10の底面が作業をする台8の表面に対して一体となって直接密着し平らに置け、ブレード1が作業をする台8の表面にごく近い位置で出てくる形状となっている。一方、図9の従来のカッターナイフをブレード挿入口側から見た図では、グリップ11がホルダー12を包み込むような構造となっていて、作業をする台8の表面に対してブレードが高い位置で出てきて大きく隙間が開く形状となっている。
【0009】
図10は、二つ折りにした紙13に対して本考案のカッターナイフのブレード1を出して折り目14に刃先を近づけた図であるが、ブレード1が作業をする台8の表面に対してごく近い位置で平行に出てくることにより、二つ折りにした紙13の折り目14にブレード1が平らに当たるようになる。よって図11で表しているように、本考案によるカッターナイフの刃先を二つ折りにした紙13の折り目14に差し入れ、折り目14に沿って本考案によるカッターナイフ本体を滑らせるように移動させれば、二つ折りにした紙をまっすぐきれいに切ることが出来る。
- 【登録番号】実用新案登録第3150754号(U3150754)
【登録日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【発行日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【考案の名称】二つ折りにした紙を切るカッターナイフ
- 【出願番号】実願2008−8759(U2008−8759)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】
【識別番号】306016604
【氏名又は名称】
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