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ニッパー
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- 【要約】
【課題】簡単な組み立て工程で製造することができるニッパーを提供する。
【解決手段】ニッパー1は、一対の本体2と、一対の本体2の間を連結する弾性部材10と、を備え、本体2は、基端部に形成された把持部6と、先端部に設けられ、対象物を切断するための切断部分4と、把持部6と切断部分4との間で一対の本体2にそれぞれ形成され、一対の本体2を交差させて該交差部分で互いを係合させることにより、一対の本体2を互いに回動可能に連結可能な連結部8と、を有し、弾性部材10は、連結部8が一対の本体2を連結した状態で、一対の本体2を離間する方向に付勢し、本体2及び弾性部材10は、一体成形されて構成される。

- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
一対の本体と、
一対の本体の間を連結する弾性部材と、を備え、
前記本体は、基端部に形成された把持部と、先端部に設けられ、対象物を切断するための切断部分と、前記把持部と前記切断部分との間で前記一対の本体にそれぞれ形成され、前記一対の本体を交差させて該交差部分で互いを係合させることにより、前記一対の本体を互いに回動可能に連結可能な連結部と、を有し、
前記弾性部材は、前記連結部が前記一対の本体を連結した状態で、前記一対の本体を離間する方向に付勢し、
前記本体及び前記弾性部材は、一体成形されて構成される、
ことを特徴とするニッパー。
【請求項2】
前記連結部は、前記切断部分と前記弾性部材との間に配置される、
請求項1に記載のニッパー。
【請求項3】
前記弾性部材は、板ばねである、
請求項1または2に記載のニッパー。
【請求項4】
前記弾性部材は、角部が形成されず、連続する曲線状に形成されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記一対の本体の対向面から略直角に突出するように延びる接続部分と、これらの前記接続部分の端部を連結するように形成される弾性部分とを有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項6】
前記接続部分は、直線状に形成され、前記弾性部分は、前記接続部分の端部を連結するように円弧状に形成される、
請求項5に記載のニッパー。
【請求項7】
前記弾性部分は、前記連結部から遠ざかる方向に凸に湾曲している、
請求項6に記載のニッパー。
【請求項8】
前記連結部が前記一対の本体を連結し、且つ前記一対の把持部を互いに近接させた状態で、前記接続部分の端部の間には、間隙が形成される、
請求項5から7のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項9】
前記連結部が前記一対の本体を連結しない状態で、前記一対の本体、前記連結部、前記切断部分、及び前記弾性部材は、厚さ方向に重ならないように配置されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項10】
前記連結部が前記一対の本体を連結しない状態で、前記一対の本体は、長手方向に沿って、基端側から先端側に向かって互いに離間する方向に配置されている、
請求項1から9に記載のニッパー。
【請求項11】
前記連結部は、前記一方の本体に形成された筒状部と、前記他方の本体に形成され、且つ前記筒状部の内部に挿入される突出部とを備えて構成される、
請求項1から10のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項12】
前記突出部には、前記筒状部に係合し、前記筒状部の軸方向の移動を規制するための突起が形成されている、
請求項11に記載のニッパー。
【請求項13】
前記一対の本体には、前記連結部が前記一対の本体を連結した状態で、前記一対の本体の回動範囲を規制するためのストッパが形成されている、
請求項1から12のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項14】
前記ストッパは、前記一対の本体にそれぞれ形成された段差部で構成され、前記一対の本体が互いに近接したとき、一方の前記段差部が他方の前記本体に当接し、他方の前記段差部が一方の前記本体に当接することにより、前記本体の回動範囲を規制するように構成される、請求項13に記載のニッパー。
【請求項15】
前記ストッパは、前記一対の把持部の互いに対向する面からそれぞれ突出する突出部で構成され、前記一対の把持部が互いに近接したとき、前記突出部同士が当接することにより、前記本体の回動範囲を規制するように構成される、請求項13に記載のニッパー。
【請求項16】
前記一対の把持部の互いに対向する面の反対側の面には、滑り止めが設けられている、
請求項1から15のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項17】
前記一対の本体、前記切断部分、前記連結部、前記把持部、及び前記弾性部材は、同一材料で形成される、
請求項1から16のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項18】
前記一対の本体、前記切断部分、前記連結部、前記把持部、及び前記弾性部材は、樹脂で形成される、
請求項17に記載のニッパー。
【請求項19】
前記樹脂は、前記一対の本体が前記連結部を中心に回動できるだけの摺動性を有し且つ前記弾性部材が前記一対の本体を所定の力で付勢することができるだけの弾性を有するように選択される、
請求項18に記載のニッパー。
【請求項20】
前記切断部分は、第1の面及び第2の面を有する楔形に形成され、一対の前記切断部分の間に対象物を配置したときに、前記第1の面が前記対象物の一方に、且つ前記第2の面が前記対象物の他方に接触し、前記切断部分が互いに近接するにしたがって、前記第1の面及び前記第2の面が前記対象物の一方及び他方を互いに引き離すように形成される、
請求項1から19のいずれか1項に記載のニッパー。【請求項1】
一対の本体と、
一対の本体の間を連結する弾性部材と、を備え、
前記本体は、基端部に形成された把持部と、先端部に設けられ、対象物を切断するための切断部分と、前記把持部と前記切断部分との間で前記一対の本体にそれぞれ形成され、前記一対の本体を交差させて該交差部分で互いを係合させることにより、前記一対の本体を互いに回動可能に連結可能な連結部と、を有し、
前記弾性部材は、前記連結部が前記一対の本体を連結した状態で、前記一対の本体を離間する方向に付勢し、
前記本体及び前記弾性部材は、一体成形されて構成される、
ことを特徴とするニッパー。
【請求項2】
前記連結部は、前記切断部分と前記弾性部材との間に配置される、
請求項1に記載のニッパー。
【請求項3】
前記弾性部材は、板ばねである、
請求項1または2に記載のニッパー。
【請求項4】
前記弾性部材は、角部が形成されず、連続する曲線状に形成されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記一対の本体の対向面から略直角に突出するように延びる接続部分と、これらの前記接続部分の端部を連結するように形成される弾性部分とを有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項6】
前記接続部分は、直線状に形成され、前記弾性部分は、前記接続部分の端部を連結するように円弧状に形成される、
請求項5に記載のニッパー。
【請求項7】
前記弾性部分は、前記連結部から遠ざかる方向に凸に湾曲している、
請求項6に記載のニッパー。
【請求項8】
前記連結部が前記一対の本体を連結し、且つ一対の前記把持部を互いに近接させた状態で、前記接続部分の端部の間には、間隙が形成される、
請求項5から7のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項9】
前記連結部が前記一対の本体を連結しない状態で、前記一対の本体、前記連結部、前記切断部分、及び前記弾性部材は、厚さ方向に重ならないように配置されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項10】
前記連結部が前記一対の本体を連結しない状態で、前記一対の本体は、長手方向に沿って、基端側から先端側に向かって互いに離間する方向に配置されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項11】
前記連結部は、一方の前記本体に形成された筒状部と、他方の前記本体に形成され、且つ前記筒状部の内部に挿入される突出部とを備えて構成される、
請求項1から10のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項12】
前記突出部には、前記筒状部に係合し、前記筒状部の軸方向の移動を規制するための突起が形成されている、
請求項11に記載のニッパー。
【請求項13】
前記一対の本体には、前記連結部が前記一対の本体を連結した状態で、前記一対の本体の回動範囲を規制するためのストッパが形成されている、
請求項1から12のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項14】
前記ストッパは、前記一対の本体にそれぞれ形成された段差部で構成され、前記一対の本体が互いに近接したとき、一方の前記段差部が他方の前記本体に当接し、他方の前記段差部が一方の前記本体に当接することにより、前記本体の回動範囲を規制するように構成される、請求項13に記載のニッパー。
【請求項15】
前記ストッパは、一対の前記把持部の互いに対向する面からそれぞれ突出する突出部で構成され、一対の前記把持部が互いに近接したとき、前記突出部同士が当接することにより、前記本体の回動範囲を規制するように構成される、請求項13に記載のニッパー。
【請求項16】
一対の前記把持部の互いに対向する面の反対側の面には、滑り止めが設けられている、 請求項1から15のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項17】
前記一対の本体、前記切断部分、前記連結部、前記把持部、及び前記弾性部材は、同一材料で形成される、
請求項1から16のいずれか1項に記載のニッパー。
【請求項18】
前記一対の本体、前記切断部分、前記連結部、前記把持部、及び前記弾性部材は、樹脂で形成される、
請求項17に記載のニッパー。
【請求項19】
前記樹脂は、前記一対の本体が前記連結部を中心に回動できるだけの摺動性を有し且つ前記弾性部材が前記一対の本体を所定の力で付勢することができるだけの弾性を有するように選択される、
請求項18に記載のニッパー。
【請求項20】
前記切断部分は、第1の面及び第2の面を有する楔形に形成され、一対の前記切断部分の間に対象物を配置したときに、前記第1の面が前記対象物の一方に、且つ前記第2の面が前記対象物の他方に接触し、前記切断部分が互いに近接するにしたがって、前記第1の面及び前記第2の面が前記対象物の一方及び他方を互いに引き離すように形成される、
請求項1から19のいずれか1項に記載のニッパー。
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- 【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、対象物を切断するためのニッパーに関し、例えばプラスチック部品を切断するためのニッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ニッパーとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載のもの等、様々な形態のものが知られている。これらの特許文献1及び特許文献2に記載されるように、ニッパーは、通常、連結部で互いに回動可能に連結された一対の本体と、一対の本体の一端にそれぞれ設けられ、手でニッパーを把持するための一対の把持部と、一対の本体の他端にそれぞれ設けられた一対の刃と、を備える。使用者が把持部を把持してこれらを近接させると、本体が連結部を中心に回動し、他端側の刃が互いに近接して対象物を切断する。このようなニッパーには、把持部を互いに離間する方向に付勢するばねが設けられているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−288134号公報
【特許文献2】特開2005−21594号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなニッパーは、通常、把持部、刃、一対の本体、及びばねのように、複数部品から構成されている。したがって、このようなニッパーを製造する際には、これら複数の部品の仕分け工程、組み立て工程等、或る程度の製造工程が必要であり、それ以上の製造工程の簡略化は難しい。
【0005】
本考案は、簡単な製造工程で製造することができるニッパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本考案の第1の観点に係るニッパーは、一対の本体と、一対の本体の間を連結する弾性部材と、を備え、本体は、基端部に形成された把持部と、先端部に設けられ、対象物を切断するための切断部分と、把持部と切断部分との間で一対の本体にそれぞれ形成され、一対の本体を交差させて該交差部分で互いを係合させることにより、一対の本体を互いに回動可能に連結可能な連結部と、を有し、弾性部材は、連結部が一対の本体を連結した状態で、一対の本体を離間する方向に付勢し、本体及び弾性部材は、一体成形されて構成される、ことを特徴としている。
【0007】
このように構成された本考案においては、切断部分、連結部、及び把持部を有する本体と、弾性部材とが一体成形されて構成されるので、一対の本体が弾性部材によって連結され、これらの構成部品が1つの部品となる。したがって、ニッパーの製造工程において部品の仕分けが不要となる。また、ニッパーを組み立てる際には、弾性部材によって連結された一対の本体を交差させて、連結部を互いに連結するのみでよいので、ニッパーの製造工程を簡略化することができる。さらに、切断部分、連結部、及び把持部を有する本体と、弾性部材とが一体成形されて構成されているので、例えばこれらの構成部品を樹脂等で射出成形すれば、1つの工程でニッパーを簡単に製造することができる。
【0008】
本考案において、好ましくは、連結部は、切断部分と弾性部材との間に配置される。
このように構成された本考案においては、連結部が切断部分と弾性部材との間に配置されているので、弾性部材は一対の把持部側に配置されることとなる。したがって、弾性部材による付勢力が把持部側に直接及ぼされるので、一対の把持部の近接、離間の動作が安定する。
【0009】
本考案において、好ましくは、弾性部材は、板ばねである。
このように構成された本考案においては、弾性部材が板ばねであるので、簡単な構造で本体を付勢することができるとともに、生じる付勢力の方向が安定する。
【0010】
本考案において、好ましくは、弾性部材は、角部が形成されず、連続する曲線状に形成されている。
このように構成された本考案においては、弾性部材が角部が形成されない、連続する曲線状に形成されているので、一対の本体が近接して弾性部材が撓んだ時に、弾性部材に集中応力が発生しない。したがって、弾性部材が破損しにくくなるので、繰り返し本体を近接離間させることができ、ニッパーの耐久性が向上する。これは特に、ニッパーを樹脂等の材料で形成した場合には、弾性部材が割れにくく、耐久性が向上するので、有用である。
【0011】
本考案において、好ましくは、弾性部材は、一対の本体の対向面から略直角に突出するように延びる接続部分と、これらの接続部分の端部を連結するように形成される弾性部分とを有する。
このように構成された本考案においては、弾性部材が、接続部分と弾性部分とを有し、接続部分が一対の本体の対向面から略直角に突出しているので、本体を近接させたときに、弾性部材による弾性力が、接続部分から本体に略直角に作用する。したがって、弾性部材の弾性力を効率的に本体に伝達することができると共に、本体の近接離間動作が安定する。
【0012】
本考案においては、好ましくは、接続部分は、直線状に形成され、弾性部分は、接続部分の端部を連結するように円弧状に形成される。
このように構成された本考案においては、接続部分が直線状に形成されているので、弾性部材による弾性力を効率よく本体に伝達することができる。また、弾性部分が円弧状に形成されているので、本体を近接させることによる変形量の変化が滑らかとなる。したがって、本体の滑らかな付勢力の変化が得られる。
【0013】
本考案において、好ましくは、弾性部分は、連結部から遠ざかる方向に凸に湾曲している。
このように構成された本考案においては、弾性部分が連結部から遠ざかる方向に凸の円弧状に湾曲しているので、接続部分を連結部に近い位置で本体に連結することができる。したがって、接続部分を連結部から遠い位置に連結する場合に比べて、一対の本体を近接離間させた場合の弾性部材の変形量が少なくて済む。したがって、繰り返し本体を近接離間させても弾性部材が破損しにくく、ニッパーの耐久性が向上する。
【0014】
本考案において、好ましくは、連結部が一対の本体を連結し、且つ一対の把持部を互いに近接させた状態で、接続部分の端部の間には、間隙が形成される。
このように構成された本考案においては、把持部を近接させた状態で接続部分の端部間に間隙が形成されるので、把持部を近接させても、弾性部材の接続部分が互いに干渉することなく、付勢力を本体に確実に及ぼすことができる。
【0015】
本考案においては、好ましくは、連結部が一対の本体を連結しない状態で、一対の本体、連結部、切断部分、及び弾性部材は、厚さ方向に重ならないように配置されている。
このように構成された本考案においては、連結部が一対の本体を連結しない状態では、本体、連結部、切断部分、及び弾性部材が厚さ方向に重ならないように配置されているので、部品を重ねやすく、部品の在庫管理や輸送が容易になる。また、例えばニッパーを樹脂で射出成形する場合等には、各部分が厚さ方向に重なっていないので、金型の設計が非常に容易になるとともに、ニッパーの成形も容易になる。
【0016】
本考案において、好ましくは、連結部が一対の本体を連結しない状態で、一対の本体は、長手方向に沿って、基端側から先端側に向かって互いに離間する方向に配置されている。
このように構成された本考案においては、一対の本体が長手方向に沿って基端側から先端側に向かって互いに離間する方向に配置されているので、切断部分と把持部との間に位置する連結部が、例えば本体から内側に突出している場合でも、連結部同士が干渉するのを回避することができ、連結部が厚さ方向に重ならないように配置するスペースを確保することができる。
【0017】
本考案において、好ましくは、連結部は、一方の本体に形成された筒状部と、他方の本体に形成され、且つ筒状部の内部に挿入される突出部とを備えて構成される。
このように構成された本考案においては、連結部が、筒状部と突出部とで構成されているので、突出部を筒状部に挿入することによって、一対の本体を互いに回動可能に、簡単に連結することができる。
【0018】
本考案において、好ましくは、突出部には、筒状部に係合し、筒状部の軸方向の移動を規制するための突起が形成されている。
このように構成された本考案においては、突出部に突起が設けられているので、突出部を筒状部に挿入すると、突起が筒状部に係合して、筒状部の軸方向の移動が防止される。これにより、本体を繰り返し互いに回動させるうちに突出部が筒状部から抜けてしまうのを防止することができる。また、突起が筒状部に係合することにより、突出部の筒状部に対する位置が規定されるので、一対の本体の互いに対する位置決めが正確となる。したがって、本体を近接させたときの切断部分の位置ずれを防止することができ、良好な切断性能を維持できる。
【0019】
本考案において、好ましくは、一対の本体には、連結部が一対の本体を連結した状態で、一対の本体の回動範囲を規制するためのストッパが形成されている。
このように構成された本考案においては、一対の本体にストッパが形成されているので、一対の本体が所定の距離以上に離間して回動するのを防止することができる。したがって、本体を把持しやすく、取扱い性が向上する。
【0020】
本考案において、好ましくは、ストッパは、一対の本体にそれぞれ形成された段差部で構成され、一対の本体が互いに回動したとき、一方の段差部が他方の本体に当接し、他方の段差部が一方の本体に当接することにより、本体の回動範囲を規制するように構成される。
このように構成された本考案においては、ストッパが段差部で構成されているので、一対の本体を回動させると、本体が段差部に当接してそれ以上回動するのを規制する。したがって、簡単な構造で確実に本体の回動範囲を規制することができる。
【0021】
本考案において、好ましくは、ストッパは、一対の把持部の互いに対向する面からそれぞれ突出する突出部で構成され、一対の把持部が互いに近接したとき、突出部同士が当接することにより、本体の回動範囲を規制するように構成される。
このように構成された本考案においては、ストッパが突出部で構成されているので、一対の把持部を互いに近接させると、突出部が当接してそれ以上の本体の回動を規制する。したがって、簡単な構造で確実に本体の回動範囲を規制することができる。
【0022】
本考案において、好ましくは、一対の把持部の互いに対向する面の反対側の面には、滑り止めが設けられている。
このように構成された本考案においては、把持部に滑り止めが設けられているので、把持部が掴みやすくなり、ニッパーの取扱い性が向上する。
【0023】
本考案において、好ましくは、一対の本体、切断部分、連結部、把持部、及び弾性部材は、同一材料で形成される。
このように構成された本考案においては、本体、切断部分、連結部、及び弾性部材が同一材料で形成されているので、材料の共通化を図ることができ、製造工程を格段に簡略化することができる。
【0024】
本考案において、好ましくは、一対の本体、切断部分、連結部、把持部、及び弾性部材は、樹脂で形成される。
このように構成された本考案においては、本体、切断部分、連結部、及び弾性部材が樹脂製なので、射出成形等によって簡単に成形することができ、製造工程を簡略化することができる。また、各部分が樹脂製であるので、大量生産にも適している。
【0025】
本考案において、好ましくは、樹脂は、一対の本体が連結部を中心に回動できるだけの摺動性を有し且つ弾性部材が一対の本体を所定の力で付勢することができるだけの弾性を有するように選択される。
このように構成された本考案においては、樹脂が、本体の摺動性と弾性部材の弾性とを考慮して選択されるので、本体及び弾性部材を同一材料で製造しても、本体を滑らかに回動させながら、適切な弾性を得ることができる。
【0026】
本考案において、好ましくは、切断部分は、第1の面及び第2の面を有する楔形に形成され、一対の切断部分の間に対象物を配置したときに、第1の面が対象物の一方に、且つ第2の面が対象物の他方に接触し、切断部分が互いに近接するにしたがって、第1の面及び第2の面が対象物の一方及び他方を互いに引き離すように形成される。
このように構成された本考案においては、切断部分が、楔形に形成され、第1の面及び第2の面が対象物の一方及び他方を互いに引き離すように形成されているので、切断部分は、先端部分によって対象物を切断するのではなく、楔形の第1の面及び第2の面が、対象物を互いに引き離すことによって切断する。したがって、切断部分に鋭利な刃を形成する必要がなく、安全性が高い。また、これにより、切断部分をも樹脂等の軟らかい材料で形成することができる。
【0027】
また、上記のようなニッパーにおいては、例えばニッパー全体を射出成形により成形する場合、複数の箇所から樹脂等の材料を射出すると、材料が金型内で出合うことによりニッパーにウェルドラインが形成される。このウェルドラインが形成される部分では、部材の強度が他の箇所に比べて比較的弱くなる。このため、ウェルドラインが弾性部材中に形成されると、弾性部材を繰り返し変形させる間に、弾性部材が破損する可能性があり、ニッパーの耐久性を確保することができない場合がある。
【0028】
そこで、本考案は、簡単に製造でき、且つ良好な耐久性を確保できるニッパーの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案の第2の観点に係るニッパーの製造方法は、一対の本体と、一対の本体の間を連結する弾性部材と、を備え、本体は、基端部に形成された把持部と、先端部に設けられ、対象物を切断するための切断部分と、把持部と切断部分との間で一対の本体にそれぞれ形成され、一対の本体を交差させて該交差部分で互いを係合させることにより、一対の本体を互いに回動可能に連結可能な連結部と、を有するニッパーを製造する方法であって、連結部を連結させない状態で、弾性部材で連結された一対の本体の形状に対応した型を用意するステップと、一方の本体に配置された第1の射出位置と他方の本体に形成された第2の射出位置とから材料を射出するステップとを有し、弾性部材の一方の本体への連結位置に対応する型上の位置から第1の射出位置までの距離と、弾性部材の他方の本体への連結位置に対応する型上の位置から第2の射出位置までの距離とは、互いに異なることを特徴としている。
【0029】
このように構成された本考案においては、弾性部材の本体への連結位置から第1の射出位置までの距離と、弾性部材の本体への連結位置から第2の射出位置までの距離が、互いに異なるので、これらの射出位置から材料を射出すると、材料が出合うウェルドラインが、弾性部材の中央部からずれた位置に形成される。ここで、弾性部材は、一対の本体の連結部を中心とする回動運動により、繰り返し弾性変形を受ける。本考案では、特に弾性変形の大きい弾性部材の中央部においてウェルドラインが形成されないので、弾性部材の中央部における強度が向上し、ニッパーの耐久性が向上する。
【0030】
本考案において、好ましくは、第1の射出位置及び第2の射出位置は、これらの射出位置から射出された材料によるウェルドラインが、弾性部材中に形成されない位置に配置される。
このように構成された本考案においては、弾性部材中にウェルドラインが形成されないことにより、弾性部材の中央部のみならず、弾性部材全体に関して強度が向上し、ニッパーの耐久性が向上する。
【0031】
本考案において、好ましくは、第1の射出位置は、弾性部材の一方の本体への連結位置の近傍である。
このように構成された本考案においては、第1の射出位置が、弾性部材の一方の本体への連結位置の近傍に配置されているので、第1の射出位置から射出された材料が、弾性部材を形成し、他方の本体まで到達することができる。したがって、弾性部材をウェルドラインなしに形成することができ、弾性部材の強度が向上する。
【0032】
本考案において、好ましくは、弾性部材の端部に連続するリブを本体に形成する。
このように構成された本考案においては、弾性部材の端部が本体のリブに連続しているので、弾性部材中を流れた材料がリブに向かって流れるから、弾性部材中に材料を充填しやすく、弾性部材の形成が容易になる。
【0033】
本考案において、好ましくは、型から取り出した後、一対の本体を交差させて連結部を互いに結合させる。
このように構成された本考案においては、型から取りだした状態では、一対の本体は連結部で連結されず、弾性部材によって連結された状態となっている。このニッパーの本体を交差させて連結部を互いに結合させることによって、一対の本体が連結部を中心に回動可能となり、また弾性部材が本体を離間する方向に付勢する。したがって、簡単な組立手順でニッパーを製造することができる。
- 【登録番号】実用新案登録第3153480号(U3153480)
【登録日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【発行日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【考案の名称】ニッパー
- 【出願番号】実願2009−3172(U2009−3172)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
- 【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
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