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刈払い機用チップソー
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 地面に略平行な面内で回転する円板状の鋸身と、該鋸身の周縁部に形成された多数の凹状のガレットと、これらのガレットの間に設けられた多数の凸状のチップ取付部と、各チップ取付部の先端部に設けられた凹部と、各凹部に取着された多数のチップとを備えた刈払い機用チップソーであって、前記各チップの上面は前記鋸身の上面に一致し、前記チップの刃は前記鋸身の円周方向に対してβ=0〜15゜の角度で形成され、前記各チップの刃先の角度α=25〜45゜とするとともに前記各チップの刃のにげ面が前記鋸身の回転面の下方側に向けて形成され、前記チップ取付部に於ける回転方向側の稜線の前記鋸身の回転中心側への延長線が、前記鋸身の回転中心より回転方向側に延伸していることにより、前記鋸身の回転により前記チップの刃で雑草を切り取るように刈ることを特徴とする刈払い機用チップソー。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、畦道、土手、山林等に生える雑草、笹等を刈り取るための刈払い機に取り付けて使用する刈払い機用チップソーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、畦道、土手、山林等に生える雑草、笹等を刈り取るには、刈払い機が多く用いられている。この刈払い機では、鋸身の周縁部に多数のチップを設けたチップソーが用いられている。このような刈払い機用のチップソーとして、例えば実公昭63−10657号公報に記載のものを挙げることができる。この公報に記載の刈払い機用チップソーの平面図を図6に、側面図を図7に示す。
【0003】このチップソーは鋸身21の周縁部に多数の凸状のチップ取付部24とガレット22とを有し、矢印26に示す方向に回転させて使用される。また、チップ取付部24の回転方向側の稜線の部分には段部25が形成され、この段部25にチップ23が取り付けられている。チップ23の刃23aは、矢印26に示す回転方向に向けられている。更に、図7の側面図に示すように、チップ23の刃23aは鋸身21の上面にのみ突き出し、刃23aの下面と鋸身21の下面とは一致している。また、このチップソーでは、チップ取付部24の回転方向側の稜線24a、即ちガレット22の回転方向側とは反対側の稜線の回転中心側への延長線Lが回転中心の回転方向とは反対側に延伸しているので、ガレット22は比較的深い凹部を形成している。従って、刈り取られるべき雑草等は、鋸身21の回転によりガレット22内に取り込まれ、刃23aによって刈り取られる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のチップソーでは、刃23aが鋸身21の上面に突き出しているため、小石等がチップソーに当たった場合に上方へ飛ばされ易く、刈払い機の使用者のみならず、周囲の人々も危険に曝される。また、チップ23の刃23aが矢印26に示す回転方向に向けられているため、小石等によって刃23aが破損し易く、チップソーの切れ味が低下し易いという問題点がある。更に、従来のチップソーを用いると、ガレット22に草が巻き込まれて刈り取られるため、草が様々な方向へ倒れる。そのため、草を一方向へ寄せながら刈り取ることができないという問題点がある。
【0005】本考案は、このような従来の問題点を解決するものであり、本考案の目的は、小石等が当たっても上方へ弾き飛ばされ難く、チップソーの切れ味が低下し難く、しかも草寄せを行いながら刈り取りを行うことができる刈払い機用チップソーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案に係る刈払い機用チップソーは、地面に略平行な面内で回転する円板状の鋸身と、該鋸身の周縁部に形成された多数の凹状のガレットと、これらのガレットの間に設けられた多数の凸状のチップ取付部と、各チップ取付部の先端部に設けられた凹部と、各凹部に取着された多数のチップとを備えた刈払い機用チップソーであって、前記チップの刃は前記鋸身の半径方向の外側に向けて形成されるとともに、前記チップ取付部に於ける回転方向側の稜線の前記鋸身の回転中心側への延長線が、前記鋸身の回転中心より回転方向側に延伸していることにより、前記鋸身の回転により前記チップの刃で雑草を切り取るように刈ることを特徴とする。
【0007】また、前記各チップの上面は前記鋸身の上面に一致し、前記各チップの刃のにげ面は前記鋸身の回転面の下方側に向けて形成されている構成を付加することができる。
【0008】
【作用】上記の構成よりなる刈払い機用チップソーでは、チップ取付部の先端部に凹部が設けられ、この凹部にチップが取り付けられているので、チップソーが回転して小石などに当たっても、小石はチップには直接当たることなく、チップ取付部の回転方向側の部分に当たる。従って、本考案のチップソーでは、チップの破損は非常に起こり難くなっている。
【0009】また、通常、チップソーの使用に際して生じる刃の欠けは、チップの回転方向側の部分で生じ易い。この点に鑑み、本考案のチップソーでは、各チップの刃を鋸身の半径方向の外側に向けて設けてあるので、刃の回転方向側の部分が少々欠けても、他の残った部分で草などを刈ることができる。また、チップ取付部の回転方向側の稜線、即ちガレットの回転方向側とは反対側の稜線の回転中心側への延長線が回転中心より回転方向側に延伸しているので、ガレットは従来のものよりなだらかな凹部を形成している。従って、ガレット内に取り込まれた雑草は更にチップ取付部の先端部に導かれ、鋸身の半径方向の外側に向けて形成された刃によって刈り取られる。更に、鋸身の外周部に刃を設けることにより、従来のように刈り取るべき雑草をガレットに巻き込んで切断するのではなく、回転により刃で雑草を切り取るようにして刈り取ることができるので、シャープな切れ味が得られると共に、草を一方向に寄せながらの刈り取りが可能となる。
【0010】更に、本考案の刈払い機用チップソーでは、各チップの上面は鋸身の上面に一致するように取り付けられているので、チップソーに当たった小石は鋸身の上面で弾き飛ばされることはない。それと共に、各チップの刃のにげ面は回転面の下方側に向けて形成されているので、チップソーの下面に当たった小石は地面に向かって弾き飛ばされ、上方に向かって弾き飛ばされることはない。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいてより詳細に説明する。図1に本考案の一実施例に係る刈払い機用チップソーの平面図を示し、図2にその部分拡大図をす。本実施例の刈払い機用チップソーは、円板状の鋸身1と、鋸身1の周縁部に形成された多数の凹状のガレット2と、これらのガレット2の間に設けられた多数の凸状のチップ取付部4とを有している。本実施例のチップソーは、鋸身1の中心の取付穴9によって刈払い機の回転軸に取り付けられ、矢印6に示す方向に回転する。
【0012】また、図2に示すように、本実施例ではチップ取付部4の先端部に凹部5が設けられ、この凹部5にチップ3が鑞付け等により取り付けられている。また、チップ3は鋸身1の半径方向の外側に向けて形成された刃3aを有している。刃3aの稜線と鋸身1の外周円8との成す角度βは、0゜〜15゜の範囲であればよい。この角度βが大きいほど切れ味が良くなる。本実施例では角度βを15゜とした。更に、図1に示すように、チップ取付部4に於ける回転方向側の稜線4aの鋸身1の回転中心10側への延長線Lは、鋸身1の回転中心10より回転方向側に延伸している。従って、ガレット2は従来のチップソーよりなだらかな形状を成している。この構成により、ガレット2内に入り込んだ雑草は、ガレット2内に滞留することなくチップ3の刃3aへ導かれる。
【0013】図3に図2のA−A’矢視図を示し、図4に図2のB−B’矢視図を示す。図3に示すように、本実施例のチップソーでは各チップ3,3…の上面は鋸身1の上面に一致するように取り付けられている。また、図4に示すように、チップ3の刃3aのにげ面3bは、鋸身1の回転面の下方側に向けて形成され、刃先の角度αは25゜〜45゜が好ましい。本実施例ではこの角度αを35゜に設定した。
【0014】本実施例の刈払い機用チップソーでは、チップ取付部4の先端部の凹部5にチップ3が取り付けられているので、回転により小石などに当たっても、小石はチップ取付部4の回転方向側の部分に当たり、チップ3には直接当たらない。従って、本実施例の刈払い機用チップソーでは、チップ3の破損が非常に起こり難い。また、たとえチップ3の破損が生じても、刃3aの欠けは刃3aの回転方向側の部分に生じるので、刃3aの残った部分で草などを刈ることができる。
【0015】また、本実施例では鋸身1の円周方向に沿って刃3aを設けたので、刈り取るべき雑草をガレット2内に巻き取って切断するのではなく、回転により刃3aで雑草を切り取るように刈ることができる。従って、刃3aの刃先の角度α(図4)を従来より鋭角とすることができ、低回転速度でもシャープな切れ味が得られる。また、雑草の絡まりもなく滑らかな刈り取りが可能となり、刈払い機の燃費の低減を図ることができる。また、使用後の刃3aの再研磨も容易に行うことができるという利点も得られる。更に、外周に刃3aを設けたことにより、雑草に対してチップソーを任意の角度で任意の方向で使用することができるので、刈り取りと同時に草寄せが可能となる。
【0016】また、本実施例では、チップ取付部の稜線の延長線Lは、回転中心10より回転方向側に延伸しているので、ガレット内に取り込まれた雑草は更にチップ取付部4の先端部に導かれ、鋸身1の外周部の円周方向に沿って形成された刃3aによって刈り取られる。
【0017】更に、本考案の刈払い機用チップソーでは、各チップ3の上面は鋸身1の上面に一致するように取り付けられているので、小石などが上方へ弾き飛ばされることはない。また、各チップ3の刃のにげ面3bは回転面の下方側に向けて形成されているので、チップソーの下面に当たった小石は地面に向かって弾き飛ばされ、上方に弾き飛ばされることはない。従って、背丈の低い草を刈り取る場合にも、チップソーによる小石などの弾き飛ばしは少なく、安全に刈り取り作業を行うことができる。
【0018】また、本実施例ではチップ取付部4の先端部の凹部5にチップ3が取り付けられるので、鑞付けの面積を従来より大きくすることができる。従って、鋸身1を薄くすることができ、チップソーの軽量化を図ることができる。更に、図5に示すように、鋸身1に穴7、7…を設けることにより、チップソーを更に軽量化すると共に、デザイン的にも優れたチップソーとすることができる。
【0019】
【考案の効果】本考案に係る刈払い機用チップソーでは、チップ取付部の先端部の凹部にチップが取り付けられているので、回転によって小石がチップに直接当たることを避けることができる。しかも、刃は鋸身の円周方向に沿って形成されているので、少々の刃の欠けが生じても、チップソーの切れ味の低下は小さい。
【0020】また、本考案ではガレットは従来のものよりなだらかな凹部を形成しているのて、雑草はガレットからチップ取付部の刃に容易に導かれ、回転により刃で切り取るようにして刈り取られる。
【0021】更に、本考案の刈払い機用チップソーでは、各チップの上面は鋸身の上面に一致するように取り付けらると共に、各チップの刃のにげ面は回転面の下方側に向けて形成されているので、チップソーに当たった小石は上方に向かって弾き飛ばされることはなく、地面に向かって弾き飛ばされる。
- 【登録番号】第2530063号
【登録日】平成8年(1996)12月20日
【発行日】平成9年(1997)3月26日
【考案の名称】刈払い機用チップソー
- 【出願番号】実願平4−62706
【出願日】平成4年(1992)9月7日
【出願人】
【識別番号】390011224
【氏名又は名称】三陽金属株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 嘉宏
【審査官】 大久保 好二
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