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工事用養生布粘着テープ
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- 【要約】
【目的】長期間の工期を要する用途に使用することの可能な、耐水性、耐候性に優れ、かつ、粗面に対して順応性が良く、手切れ性の良い工事用養生布粘着テープを提供すること。
【構成】上記目的は、織布を基材とする粘着テープにおいて、上記織布を構成する緯糸、経糸ともにスパン糸を用い、経糸として1本当たりの強度が200〜350gfのポリエステル・レーヨン糸またはポリエステル糸、緯糸として1本当たりの強度が上記経糸以上の値を有するポリエステル糸を使用し、織布の厚さが0.17mm以上であって、かつ、粘着テープの長手方向(経糸方向)の引張り強さが25mm幅当たり20kgf以上であり、かつ、上記織布の背面に紫外線の透過を遮断する黒色フィルムをラミネートした構成からなることを特徴とする工事用養生布粘着テープとすることによって達成することができる。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】織布を基材とする粘着テープにおいて、上記織布を構成する緯糸、経糸ともにスパン糸を用い、経糸として1本当たりの強度が200〜350gfのポリエステル・レーヨン糸またはポリエステル糸、緯糸として1本当たりの強度が上記経糸以上の値を有するポリエステル糸を使用し、織布の厚さが0.17mm以上であって、かつ、粘着テープの長手方向(経糸方向)の引張り強さが25mm幅当たり20kgf以上であり、かつ、上記織布の背面に紫外線の透過を遮断する黒色フィルムをラミネートし、さらに、その上層に該黒色フィルムを隠蔽する着色フィルムをラミネートした構成からなることを特徴とする工事用養生布粘着テープ。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は塗装時のマスキングに使用する養生布粘着テープに係り、特に、橋梁工事、造船など長期間の工期を要する用途に使用可能な工事用養生布粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
養生用布粘着テープは、一般に、スフ布または綿布にポリエチレンをラミネートした加工布を基材としてこれに天然ゴム系粘着剤を塗工してなるものであり、粗面に対して順応性が良く、また、手で簡単に切れることを特徴として、広く用いられている。養生用布粘着テープは屋外使用の場合が多く、風雨、太陽光線、気温変化等過酷な条件下で使用される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の養生用布粘着テープは、板金塗装や建築塗装のように比較的工期の短い工事に用いられ、1〜2カ月間の施工期間での使用にも拘らず、雨水による基材の収縮、紫外線による粘着剤の劣化及びこれに起因する被着体への糊残り等が見られていて、橋梁工事や造船などのように3〜6カ月の長期間にわたる工期を要する用途には、到底耐え得るものではなかった。
【0004】
本考案の目的は、上記従来技術の有していた課題を解決して、橋梁工事や造船などのように長期間の工期を要する用途に使用することの可能な、耐水性、耐候性に優れ、かつ、粗面に対して順応性が良く、手切れ性の良い工事用養生布粘着テープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、織布を基材とする粘着テープにおいて、上記織布を構成する緯糸、経糸ともにスパン糸を用い、経糸として1本当たりの強度が200〜350gfのポリエステル・レーヨン糸またはポリエステル糸、緯糸として1本当たりの強度が上記経糸以上の値を有するポリエステル糸を使用し、織布の厚さが0.17mm以上であって、かつ、粘着テープの長手方向(経糸方向)の引張り強さが25mm幅当たり20kgf以上であり、かつ、上記織布の背面に紫外線の透過を遮断する黒色フィルムをラミネートし、さらに、その上層に該黒色フィルムを隠蔽する着色フィルムをラミネートした構成からなることを特徴とする工事用養生布粘着テープとすることによって達成することができる。
【0006】
【作用】
基材の織布を構成する緯糸、経糸ともにスパン糸を用い、経糸に1本当たりの強度が200〜350gfの糸、緯糸に1本当たりの強度が経糸以上の糸を用い、織布の厚さを0.17mm以上、粘着テープの長手方向の引張り強さが25mm幅当たり20kgf以上である化学合成繊維の織布を基材とすることによって、粗面に対する順応性が良く、かつ、手切れ性に優れ、工事用養生布粘着テープとして十分な強度を保持することができる。また、経糸としてポリエステル・レーヨン糸またはポリエステル糸、緯糸としてポリエステル糸を用いることによって、十分な耐水性、耐候性を得ることができる。
【0007】
さらに、ポリエステル・レーヨン糸(または、ポリエステル糸)とポリエステル糸とからなる織布の表面に紫外線の透過を遮断する着色フィルムをラミネートすることによって、織布に塗工してある天然ゴム系粘着剤の紫外線劣化を防止することができる。上記着色フィルムの色彩としては黒色が最も望ましいが、黒色は工事現場で夜間見にくいために貼り残しを起こすなどの問題もあり、余り好まれない。この問題については、黒色フィルムの上に黒色を隠蔽する他の着色フィルムをラミネートすることによって、黒色以外の色彩にすることも可能である。例えば、白色を重ね塗りすることによって灰色にすることも可能である。なお、フィルムとしては、通常、ポリエチレンを使用する。
【0008】
以上の構成とすることによって、貼り付け時には手切れ性が良く、屋外での長期間使用後には基材収縮や被着体への糊残しを生じることのない粘着テープを得ることができる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の工事用養生布粘着テープについて、実施例及び比較例によって具体的に説明する。
【0010】
【実施例1】
織布を構成する経糸、緯糸ともスパン糸を用い、経糸としてポリエステル・レーヨン糸40番手(強度 350gf/本)、打込み本数44本/25.4mm、緯糸としてポリエステル糸30番手(強度 700gf/本)、打込み本数34本/25.4mmを用いた、厚さ0.19mmの織布の背面に黒色着色剤入りのポリエチレンを厚さ0.045mmラミネートし、さらに、その上層に白色着色剤入りのポリエチレンを厚さ0.020mmラミネートした灰色の基材に天然ゴム系粘着剤を厚さ0.075mm塗工して粘着テープを作製した。
【0011】
【実施例2】
織布を構成する経糸、緯糸ともスパン糸を用い、経糸としてポリエステル・レーヨン糸55番手(強度 200gf/本)、打込み本数44本/25.4mm、緯糸としてポリエステル糸30番手(強度 700gf/本)、打込み本数34本/25.4mmを用いた、厚さ0.19mmの織布の背面に黒色着色剤入りのポリエチレンを厚さ0.045mmラミネートし、さらに、その上層に白色着色剤入りのポリエチレンを厚さ0.020mmラミネートした灰色の基材に天然ゴム系粘着剤を厚さ0.075mm塗工して粘着テープを作製した。
【0012】
【比較例1】
織布を構成する経糸、緯糸ともスパン糸を用い、経糸としてポリエステル・レーヨン糸40番手(強度 350gf/本)、打込み本数44本/25.4mm、緯糸としてポリエステル糸30番手(強度 700gf/本)、打込み本数34本/25.4mmを用いた、厚さ0.19mmの織布の背面に黒色着色剤入りのポリエチレンと白色着色剤入りのポリエチレンとを混合した物を厚さ0.065mmラミネートした灰色の基材に天然ゴム系粘着剤を厚さ0.075mm塗工して粘着テープを作製した。
【0013】
【比較例2】
織布を構成する経糸、緯糸ともスパン糸を用い、経糸としてポリエステル・レーヨン糸40番手(強度 350gf/本)、打込み本数44本/25.4mm、緯糸としてポリエステル糸30番手(強度 700gf/本)、打込み本数34本/25.4mmを用いた、厚さ0.19mmの織布の背面に灰色着色剤入りのポリエチレンを厚さ0.065mmラミネートした灰色の基材に天然ゴム系粘着剤を厚さ0.075mm塗工して粘着テープを作製した。
【0014】
上記4種の試料について、手切れ性と、6カ月間屋外暴露試験後の基材収縮、剥がれ及び粘着剤の糊残りについて評価を行った結果をまとめて表1に示す。
【0015】
【表1】【0016】
表の結果から、手切れ性は何れも良好、比較例1と比較例2は糊残りが発生しているのに対して、実施例1、2は手切れ性、基材収縮、剥がれ、糊残りともに良好な結果を示していることがわかる。
【0017】
なお、本考案工事用養生粘着テープの概略構造を図1の断面図に示す。
【0018】
【考案の効果】
以上述べてきたように、工事用養生粘着テープを本考案構成の粘着テープとすることによって、従来技術が有していた課題を解決して、橋梁工事や造船などのように長期間の工期を要する用途に使用することの可能な、耐水性、耐候性に優れ、かつ、粗面に対して順応性が良く、手切れ性の良い工事用養生布粘着テープを提供することができた。
- 【登録番号】第3005686号
【登録日】平成6年(1994)10月19日
【発行日】平成7年(1995)1月10日
【考案の名称】工事用養生布粘着テープ
- 【出願番号】実願平6−7508
【出願日】平成6年(1994)6月27日
【出願人】
【識別番号】000194332
【氏名又は名称】株式会社スリオンテック
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 純之助
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