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シート後処理装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 画像形成装置から排紙されたシートを集積し、そのシート束をステープルするステープル部を具えたシート後処理装置において、前記ステープル部にステープル異常検知手段を設け、このステープル異常検知手段はステープル針がステープルしたシート束を貫通する1対の針先にそれぞれ当接する位置に、互いに電気的に絶縁して配設した1対の電極を有し、この電極は上下方向に移動可能であって通常は上方に位置し、それぞれその下部に前記電極に対応して配置された電気的に絶縁された接点を有し、ステープル時のステープル針押え板の押下力によって、ステープル針がシート束を貫通し、該ステープル針の針先の圧力により、前記接点の導通の有無をチェックすることにより、ステープル不良を検出するステープル不良検出手段を有することを特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】 n個の番号付けされたLEDが配列された表示部を有し、ステープル不良検出手段がi番目のシート束でステープル不良を検出したときに、前記LEDのうちのi番目のLEDが点灯するようになっている請求項1のシート後処理装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、画像形成装置から排紙されたシートを集積し、そのシート束をステープルするステープル部を具えたシート後処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のシート後処理装置は、例えば複写機に付設された原稿送り装置と連動し、該原稿送り装置に積載された原稿が一巡したところで、複写機から搬出されたシートをステープル部に集積してステープルするようになっている。そしてこのようなシート後処理装置においては、ステープラの針ジャム等の異常が発生すると、装置を自動的に停止するようになっているので、多大な時間の無駄を生ずるという問題がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】そこでこのような問題を解消するものとして、特開昭63-116168号公報に開示されたようなものが提案され、それはモータ、プランジャ等からなるステープル針の停止駆動源が作動しないとき、又は作動してもステープラが一定時間内にホームポジションに戻らないときは異常とみなして、搬送路の入口でデフレクタをステープル部からスタック部に切り換えるようになっているものである。しかしながらこのようなものは、ステープル部における処理が面倒であるばかりでなくその発生率が高いので、ステープラによる針づまりや、針止め不良が発生して、ステープル部に搬送されてきたシートがばらばらになり、またステープル部にシートが残存してつぎに搬送されてきたシートと混じってしまうというような問題がある。
【0004】そこでこの考案の目的は、前記のような従来のシート後処理装置のもつ問題を解消し、ステープラによる針づまりや、針止め不良を確実に検出することができて、ステープル部に搬送されてきたシートがばらばらになり、またステープル部にシートが残存してつぎに搬送されてきたシートと混じってしまうというようなことのないシート後処理装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案は、前記のような目的を達成するために、請求項1の考案は、画像形成装置から排紙されたシートを集積し、そのシート束をステープルするステープル部を具えたシート後処理装置において、前記ステープル部にステープル異常検知手段を設け、このステープル異常検知手段はステープル針がステープルしたシート束を貫通する1対の針先にそれぞれ当接する位置に、互いに電気的に絶縁して配設して1対の電極を有し、この電極は上下方向に移動可能であって通常は上方に位置し、それぞれその下部に前記電極に対応して配置された電気的に絶縁された接点を有し、ステープル時のステープル針押え板の押下力によって、ステープル針がシート束を貫通し、該ステープル針の針先の圧力により、前記接点の導通の有無をチェックすることにより、ステープル不良を検出するステープル不良検出手段を有することを特徴とするものである。請求項2の考案は、請求項1の考案において、n個の番号付けされたLEDが配列された表示部を有し、ステープル不良検出手段がi番目のシート束でステープルを検出したときに、前記LEDのうちのi番目のLEDが点灯するようになっているものである。
【0006】
【作用】前記のようなこの考案において、請求項1,2の考案において、針が針押え板によって押下されると、固定電極の接点が、可動電極の接点とショートし、可動電極どおしは針を介してショートし、このようにして固定電極どおしもショートし、針先がシート束を貫通してさらに針が針押え板によって押下され、針先が可動電極に沿って屈曲し、針押え板が針を介してシート束を可動電極に押え付けたとき、針先が確実にシート束をステープルする。このように針押え板が正常に作動しても、針先がシート束を貫通しないで、針のブリッジがずれて両針ジャムが発生する場合には、固定電極の接点と可動電極の接点とがショートすることなく、絶縁されたままとなっているので、ステープル不良が検出される。つぎに転写シートが厚手であって固すぎたり、又は数が多くてシート束が厚くなりすぎたような場合には、針押え板が正常に作動しても、針先がシート束を貫通しないで、針のブリッジがずれて両針ジャムが発生し、この場合には固定電極の接点が、可動電極の接点にショートすることなく、絶縁されたままとなっているので、ステープル不良が検出される。つぎにシート束が厚くなりすぎた別の例の場合は、針先はシート束を貫通したが、(1)両針先が可動電極とショートしない場合、(2)片方の針先が可動電極とショートしない場合、(3)両針先が可動電極とショートしているが、固定電極の接点と可動電極の接点との間に間隔が残存して、これらがショートしない場合等をあげることができるが、これらはいずれも固定電極の接点と可動電極の接点とがショートすることなく、絶縁されたままとなっているので、前記と同様にしてステープル不良が検出される。さらに他のステープル不良の例は、一方の針先はシート束を貫通して一方の可動電極にショートしてそれに沿って屈曲しているが、他方の針先はその根元が押しつぶされてシート束を貫通することなく、したがって他方の可動電極にショートすることがなく、いわゆる片針ジャムということになり、この場合一方の針先が一方の電極にショートするにとどまらず、固定電極の接点も可動電極の接点とショートしても、他方の針先が可動電極にショートしないことにより、前記と同様にしてステープル不良が検出される。つぎに請求項2の考案において、軽微なステープル不良は、作業を続行しても大きな危険をもたらすこともなく、後でオペレータが容易に識別することができるようになっていればよいのでこのためにLEDがn個配列されており、フアイル番号は、始めから数えて何セット目のシート束であるかを示し、nは排紙トレイに排出することができるステープルされたシート束の数に相当する。例えば針押え板の駆動信号の1番目の信号が(1)のときは、正常なステープルが行われてCPU出力信号はHに保持され、第1番目のシート束のステープルの不良か否かを知らせるLED1は点灯しないでステープルが正常に行われたことを示し、一方駆動信号の3番目の信号(3)に対してはLED3が点灯し、3番目のシート束がステープル不良であることを知らせ、このようにしてオペレータはLEDの点灯、不点灯によってシート束にステープル不良があるかないか、及び第何番目のシート束がステープル不良があるかを知ることができる。
【0007】
【実施例】図面に示すこの考案の実施例について説明する。図1はこの考案を付設した複写機の概略を示し、この図1において、1は自動原稿供給装置であって、自動的に原稿を供給して循環させるようになっているが、これとは別に1枚ずつ原稿をセットしてコピーする半自動原稿供給装置として使用してもよい。このような復写機において、反射板9を具えた照明ランプ2、第1ミラー3、結像レンズ4、第2ミラー5を介して感光体ベルト6に投影される。このため予め主チャージャ7により、均一に帯電された感光体ベルト6の表面に静電潜像が形成され、該感光体ベルト6表面の静電潜像は現像装値によって現像されてトナー像が形成される。
【0008】その後このトナー像は、2段の1000枚トレイ21、250枚カセット22及び3000枚ラージトレイ23のいずれかから、レジストローラ対10を介して送られた転写シートに転写分離ユニット11の転写チャージャ部の電界によって転写される。このようにしてトナー像を転写された転写シートは、転写分離ユニット11の分離チャージャ部により感光体ベルト6から分離されるとともに、転写シートは搬送ベルト12に案内され、搬送ベルト12側に吸引されながら上方に位置する定着部13に送られる。そしてここでトナー像を定着された転写シートは、コピートレイ14に排出され、ソータ20が選択されているときは、経路15、反転部16、経路17を経てソータ20に送られ、フィニッシャ30が選択されているときは、転写シートは経路15,17を経てフィニッシャ30のステープル部31に排出される。このフィニッシャ30は、ステープル部31とステープルした転写シートが搬出されるスタッカ部32とを有し、ステープル部31はステープラ33及び転写シートをスタッカ部32に搬送する搬送ベルト34を具えている。そしてステープル部31には、この考案にかかるステープル異常検出手段が設けられている。
【0009】図2にはフィニッシャ30の制御系の1例のブロック図が示されており、CPU41は、制御プログラム、定数データを格納したROM44、変数データをメモリするRAM45、オペレータからの指示を入力する入力キー46、例えば発光ダイオードLEDを具えた表示部43を作動するLEDドライバ42、ステープラ33のステープル不良検出手段48、その他の図示しないセンサ群、ステープラ33を駆動するステープラ駆動部47、及びその他の図示しない駆動部とそれぞれ結ばれてフィニッシャ30全体の制御を行っている。
【0010】図3にはステープル不良検出手段48の1例の要部の構成が示されており、このステープル不良検出手段48は、電気絶縁性の固定基板56と、この固定基板56の凹部内に収納されて固定基板56に対してばね58によって、上下動可能に支持されている電気絶縁性の可動基板57とを有し、両基板56及び57にはそれぞれ1対の電極51,52及び53,54が埋設されており、各電極51,52,53,54はそれぞれ接点61,62,63,34を有し、各接点61と63,62と64はそれぞれ相対向していて、同図に示すように可動基板57が押下されていない場合は、各接点61と63との間、及び62と64との間にはばね58の力によって間隙が構成されるようになっている。固定基板56の一方の電極51はアース接続されており、他方の電極52はコンパレータ60の+端子及びプルアップ抵抗R1を介して正の電源Vccにそれぞれ接続されて、Hにプルアップされている。コンパレータ60の−端子には、電源Vccの電圧が抵抗R2,R3からなる分圧器によって分圧された参照電圧Vrefが印加されていて、コンパレータ60の出力はプルアップ抵抗R4によってプルアップされ、CPU41の入力端子66に接続されている。このようにして常時には電極52がHであるから、参照電圧Vrefに対して正であり、コンパレータ60はCPU41に対してHの信号を出力する。また可動基板57の上方に図示しないモータ等の駆動部材によって上下動する針押え板68が設けられている。このようなものにおいて、シート束69がステープラ33の固定基板56上の所定位置にセットされ、ステープラ駆動部47にCPU41から指令が出されると、図示しない駆動部材が作動して図3において矢印に示すように、針押え板68を逆U字形の針70とともに押下し、針70の針先71,72がシート束69を貫通して可動基板57の電極53,54にショートする。このとき可動基板57はばね58の力によってまだ下動しない。
【0011】さらに針70が針押え板68によって押下されると、図4に示すように固定基板56の電極51,52の接点61,62が、可動基板57の電極53,54の接点63,64にショートし、また電極53,54は針70のブリッジ73を介してショートし、さらに電極51,52もショートして、コンパレータ60の+端子はLとなり、針70の針先71,72がシート束69を貫通していることとなる。さらに針70が針押え板68によって押下されると、図5に示すように針先71,72が電極53,54の凹部75,76の凹面に沿って屈曲し、針押え板68が針70を介してシート束69を電極53,54に押え付けたとき、針先71,72が確実にシート束69をステープルすることとなる。その後針押え板68が前記駆動部材によって上動してホームポジションに復帰してステープル作業を完了する。前記の場合において、針押え板68を押下する力(F)と、接点61,62と接点63,64との間の間隔(d)と、ばね58との関係はつぎの式によって決定される。
F>k(l+d)(この式において、kはばね係数、lは組立時のばねの自然長からの縮み分)
【0012】つぎにステープル不良の例について説明する。まず例えば転写シートが厚手であって固すぎたり、又は数が多くてシート束69が厚くなりすぎたような場合には、針押え板68が正常に作動しても、針70の針先71,72が図6に示すようにシート束69を貫通しないで、針70のブリッジ73がずれて両針ジャムが発生する。この場合には接点61,62と接点63,64とがショートすることなく、絶縁されたままとなっているので、ステープル不良が検出される。つぎにシート束69が厚くなりすぎた別の例について図7を参照して説明すると、この場合は針70の針先71,72はシート束69を貫通したが、(1)両針先71,72が両電極53,54にショートしない場合、(2)片方の針先71又は72が電極53又は54にショートしない場合、(3)両針先71,72が両電極53,54にショートしているが、接点61,62と接点63,64との間に間隔が残存して、これらがショートしない場合等をあげることができるが、これらはいずれも接点61,62と接点63,64とがショートすることなく、絶縁されたままとなっているので、前記と同様にしてステープル不良が検出される。さらに他のステープル不良の例について図8を参照して説明すると、この例は一方の針先71は、シート束69を貫通して電極53の凹部75の凹面に沿って屈曲してショートしているが、他方の針先72はその根元が押しつぶされてシート束69を貫通することなく、したがって電極54にショートすることがなく、いわゆる片針ジャムということになる。そしてこの場合針先71が電極53にショートするにとどまらず、接点61,62も同図に示すように接点63,64とショートしても、針先72が電極54にショートしないことにより、前記と同様にしてステープル不良が検出される。前記のことからこの考案は、つぎの3点においてその導通の有無により、ステープル不良の検出が行われることになり、それは3つの要素■針先71と電極53とのショート、■針先72と電極54とのショート、■接点61と接点63とのショート、又は接点62と接点64とのショートの論理積(AND)で判定されることとなる。
【0013】図9は図3に示した回路部分の各信号を示す波形図であり、その(A)はステープラ33の排紙トレイ上のファイルの有無を検知するセンサの信号出力、(B)はステープルモードが選択されてプリントキーが押下され、ステープルモードが開始されたときと、ファイルが全て処理完了したときの合図信号をそれぞれ示し、ステープル開始信号(B)がLとなって、CPU41からの駆動信号(C)がHになると、ステープラ駆動部47が作動して針押え板68が下動を開始し、針先71,72がシート束69を貫通して電極53,54とショートすると同時に、接点61が接点63とショートし、接点62が接点64とショートすることによって、コンパレータ60の入力信号(D)が矢印Gに示すようにLとなってその出力信号(E)もLとなる。前記とは逆に針押え板68が上動を開始すると、まず接点61と接点63及び接点62と接点64とが離間するから、コンパレータ60の入力信号(D)がHとなり、所定時間T後の駆動信号(C)がLになって1サイクルが終了する前に、針押え板68がホームポジションに復帰するようになっている。
【0014】ここで駆動信号(i)(i=1〜n;nはオペレータの所望のファイルセット部数)がHである所定時間T内に、コンパレータ60の入力信号(D)がLにならなければ、図9のCPU出力信号(F)の信号OiがH→Lとなって、図3のLED(i)が点灯し、オペレータによりステープル排紙トレイ上のシート束が取り除かれて、信号(A)のα点のように排紙トレイ上に紙無の信号が検知されると、CPU出力信号(F)の信号O3をL→HとしてLEDの点灯を解除する。一方駆動信号(i)がHである所定時間T内に矢印Nで示したようにLになれば、CPU出力信号(F)の信号OiはHを保持して、LED(i)は点灯しない。これらの作動はフロー図を用いて詳細に後記する。ここで図示していないが、例えば針押え板68がホームポジションにあるか否かを検知するスイッチを設けておけば、駆動信号がHになっても針押え板68がホームポジションに残っていれば不作動、また一度ホームポジションを離れたが、駆動信号がHに戻らなければステープラ作動異常と判定される。これらのステープル不良はステープラ内部に起因するものであって、一度発生するとそれ以降トラブル状態のままになるか、そうなる前兆を示すものであり、重大な事故を起こす恐れがあるから、システム全体を停止させて警報を出し、オペレータか保守員に解決を委せるのがよい。
【0015】一方前記した図6〜8に示したようなステープル不良は、偶発的なトラブルであって、作業を続行しても大きな危険をもたらすこともなく、効率の面から作業を続行するのが好ましいので、ステープル不良のファイルは、後でオペレータが容易に識別することができるようになっているのが好ましい。図2,3,10に示すLEDドライバ42、表示部43がこのために設けられたものであり、図3,10においてLEDがn個配列されており、図10においてファイル番号は、始めから数えて何セット目のシート束であるかを示し、LEDiのiは1……nに相当している。ここでnはフィニッシャ30の排紙トレイに排出することができるステープルされたシート束の数に相当する。図9のタイミングチャートにおいて、駆動信号(C)の信号(1)のときは、正常なステープルが行われてCPU出力信号(F)の信号O1はHに保持され、第1番目のシート束のステープルの不良か否かを知らせるLED1は点灯しない。また第2番目のシート束のステープル処理に対する駆動信号(C)に対して、CPU出力信号(F)の信号O2はHに保持され、この結果LED2は点灯しないでステープルが正常に行われたことを示す。なお何番目のシート束のステープルが行われているかは、図3においてフィニッシャ30のCPU41が複写機本体と図示しないインターフェースを介して結ばれているため、認識することができる。その結果駆動信号(C)のi番目の信号(i)に対してCPU41は信号Oiに対して出力が行える。一方駆動信号(C)の3番目の信号(3)に対しては、コンパレータ出力信号(E)がHであって、ステープル不良であり、このときはCPU出力信号(F)の信号O3はH→Lへ推移して図3においてLED3が点灯し、3番目のシート束がステープル不良であることを知らせる。このようなLEDを図10のように配列させておけば、オペレータはLEDの点灯、不点灯によってシート束にステープル不良があるかないか、及び第何番目のシート束がステープル不良があるかを即座に知ることができる。なおこれらのステープル不良によるLEDの点灯は、図6の信号(A)のα点のようにオペレータがステープル排紙トレイからシート束を取り除いたとき、又は図2の入力キー46によってステープルモードが解除されるまで保持される。
【0016】図11は前記の作用を示すフローチャートであって、プログラムがスタートしてオペレータがスタートキーを押すと、ステープルモードであるか否かを判定し、否であればルーチンAに行くが、これは通常のルーチンであるから説明を省略する。そしてステープルモードであればルーチンBに進み、1組分のコピーを行ってiセット目のファイルを作成し、ステープラ33を作動させる。ついでステープル不良検知手段48の出力によって、ステープル不良であるか否かを判定し、否すなわち正常であれば、ルーチンCに進んでステープルしたファイルを排出して終了判定に進む。そしてiセット目のファイルがステープル不良であれば、ステープラ33の作動が正常か否かの判定、すなわちステープラ33が針70のひっかかり等によって作動しないのか否か等の基本動作上の判定が行われる。ここでステープラ33自体に不良の原因があれば、ルーチンDに進んでシステム全体を停止させ、複写機本体の図示しない操作表示部にその旨の警告メッセージを表示する。このルーチンDはステープラ33の基本動作のエラーに関わり、重大な事故を招く恐れがあるので、その解決を保守員に委せる。一方iセット目のファイルがステープル不良で、ステープラ33の作動が正常なら、それは図5〜7のいずれかの状態となっていることを示し、偶発的なトラブルにすぎなくて重大な事故を招く可能性が少ないので、そのまま作業を続行するのが好ましく、そのためフィニッシャ30に図10に示すようなLEDパネル49を設け、そのi番目のLEDを点灯させ、このようにしてこのLEDパネル49の何番目のLEDが点灯するかによって、何セット目のファイルにステープル不良があるかを知り、このLED点灯のファイルを排紙トレイ上に排紙してつぎのファイルのステープルに備える。このようにしてルーチンC又はEを終了すると、所定部数のコピーが終了したか否かを判定し、否であればステープルした部数をカウントしている指標iを1インクリメントして、ルーチンBへ戻ってループを繰り返す。そして所望のコピーセット部数に達したらコピー動作を終了する。
【0017】
【考案の効果】この考案は、前記のようであって、請求項1,2の考案は、画像形成装置から排紙されたシート束をステープルするステープル部にステープル異常検知手段を設け、このステープル異常検知手段はステープル針がステープルした記録紙を貫通する1対の針先にそれぞれ当接する位置に、互いに電気的に絶縁して配設して1対の電極を有し、この電極は上下方向に移動可能であって通常は上方に位置し、それぞれその下部に電気的に絶縁された接点を有し、ステープル時のステープル針押え板の押下力によって、ステープル針が記録紙を貫通し、該ステープル針の針先の圧力により、前記接点の導通の有無をチェックすることにより、ステープル不良を検出するステープル不良検出手段を有するので、ステープラによる針づまりや、針止め不良を確実に検出することができて、ステープル部に搬送されてきたシートがばらばらになり、またステープル部にシートが残存してつぎに搬送されてきたシートと混じってしまうというようなことがないという効果がある。請求項2の考案は、請求項1の考案において、n個の番号付けされたLEDが配列された表示部を有し、ステープル不良検出手段がi番目のシート束でステープル不良を検出したときに、前記LEDのうちのi番目のLEDが点灯するようになっているので、さらにステープル不良のシート束の有無及びステープル不良のシート束が何番目であるかが迅速かつ確実に認識され、オペレータ及び機器の作業効率を総合的に向上することができるという効果がある。
- 【登録番号】第2543491号
【登録日】平成9年(1997)4月25日
【発行日】平成9年(1997)8月6日
【考案の名称】シート後処理装置
- 【出願番号】実願平3−100343
【出願日】平成3年(1991)12月5日
【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】佐田 守雄
【審査官】 原 光明
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