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背貼り装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 長溝(17,18)を設けた一対のガイドレール(15,16)を、前記長溝(17,18)を対向させてヒンジ結合し、開閉機構(36)を介装して倒回自在とし、前記一対のガイドレール(15,16)を倒回した状態で前記長溝(17,18)の開口部に対向する用紙テーブル(37)を設け、前記用紙テーブル(37)上の用紙(40)を前記一対のガイドレール(15,16)間の間隙へ移送する用紙送り機構を設け、背貼り用粘着テープ(12)の裏紙(20,21)を長手方向に分割し、前記裏紙(20,21)が前記用紙送り機構側へ対向するように前記一対のガイドレール(15,16)へ挿入し、前記一対のガイドレール(15,16)を倒回して背貼り用粘着テープ(12)の粘着面を用紙(40)に対向させ、前記用紙送り機構を駆動して用紙(40)をガイドレール(15,16)間へ挿入することにより前記粘着テープ(12)を前記用紙(40)の背及び表裏の表紙へ接着させるように形成した背貼り装置。
【請求項2】 上記ガイドレール(15,16)の側方に凸面ローラ(41)と凹面ローラ(42)とを対向させて配置し、前記凸面ローラ(41)及び凹面ローラ(42)により前記粘着テープ(12)を挟圧して前記ガイドレール(15,16)内へ移送するテープ巻きぐせ矯正手段(41,42)を設けた請求項1記載の背貼り装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、書類等に背貼りを施して綴合わせる背貼り装置に関するものであり、特に、粘着テープを使用する背貼り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書類等を綴合わせて背紙を貼着する背貼り装置には、紙や布製の粘着テープを使用するものがある。此種の背貼り装置は、先ず書類等をホチキス等によって仮綴じした後に、一方の表紙の縁部に粘着テープを貼着し、続いて、図9に示すように書類1の綴じ合わせ部分を背貼り装置のガイド板2,3に沿って移送し、このガイド板2,3によって粘着テープ4を書類1の背及び裏表紙に圧着させるものである。
【0003】ガイド板2,3は、同図に示すようにほぼ直角に折曲げたプレートの一片を三角状に形成し、粘着テープ4を貼着した書類1をガイド板2,3に当接させて摺擦することにより、ガイド板2,3の斜面部5,6が粘着テープ4を折曲げて書類1に圧着させる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前述した従来の背貼り装置は、用紙の背をガイド板に圧接させて長手方向へ移動することによって背貼りを行うので、用紙の巾及び移動量によって装置の巾寸法が規定され、装置の小形化が困難である。そして、背貼り用粘着テープを長手方向にしごきつつ折曲げて貼着けるため、粘着テープにしわやよじれが発生して満足な仕上がり品位が得られないことがある。
【0005】従って、装置の巾を可及的に縮小して設置スペースを削減し、且つ仕上がり品位を向上した背貼り装置が要望されており、この考案は上記課題を解消した背貼り装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記目的を達成するために提案するものであり、長溝(17,18)を設けた一対のガイドレール(15,16)を、前記長溝(17,18)を対向させてヒンジ結合し、開閉機構(36)を介装して倒回自在とし、前記一対のガイドレール(15,16)を倒回した状態で前記長溝(17,18)の開口部に対向する用紙テーブル(37)を設け、前記用紙テーブル(37)上の用紙(40)を前記一対のガイドレール(15,16)間の間隙へ移送する用紙送り機構を設け、背貼り用粘着テープ(12)の裏紙(20,21)を長手方向に分割し、前記裏紙(20,21)が前記用紙送り機構側へ対向するように前記一対のガイドレール(15,16)へ挿入し、前記一対のガイドレール(15,16)を倒回して背貼り用粘着テープ(12)の粘着面を用紙(40)に対向させ、前記用紙送り機構を駆動して用紙(40)をガイドレール(15,16)間へ挿入することにより前記粘着テープ(12)を前記用紙(40)の背及び表裏の表紙へ接着させるように形成した背貼り装置、及び、上記ガイドレール(15,16)の側方に凸面ローラ(41)と凹面ローラ(42)とを対向させて配置し、前記凸面ローラ(41)及び凹面ローラ(42)により前記粘着テープ(12)を挟圧して前記ガイドレール(15,16)内へ移送するテープ巻きぐせ矯正手段(41,42)を設けた背貼り装置を提供するものである。
【0007】
【作用】裏紙を長手方向に分割した粘着テープを、裏紙が用紙テーブルに対向する向きで一対のガイドレールに挿入し、ガイドレールを開閉機構によって倒回させると、粘着テープが折曲がり、粘着テープの中心部位の粘着面が露出する。続いて用紙送り機構によって用紙テーブル上の用紙を一対のガイドレールの間隙へ向けて前進させると、用紙の背が粘着テープの粘着面に圧接する。更に用紙を前進させると、用紙の移動により裏紙は粘着テープから剥離されて脱落し、粘着テープが用紙の表紙と裏表紙とへ圧着されて背貼りが行われる。
【0008】請求項2記載の考案は、凸面ローラと、凹面ローラとにより粘着テープを挟圧して送ることにより、粘着テープが進行方向に直交する方向に反り、粘着テープの巻きぐせが矯正され、直進性が向上してガイドレール内へ確実に挿入される。
【0009】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図1乃至図8に従って詳述する。図1は、背貼り装置11の構成を示し、符号12はロール状に巻かれた背貼り用の粘着テープ、13はテープ送り用のキャプスタンローラであり、同図中キャプスタンローラ13の裏側に配設したアイドラローラ14とキャプスタンローラ13とによって粘着テープ12を挟圧して左のガイドレール15,16へ給送する。
【0010】粘着テープ12は、上下両縁部をガイドレール15,16の長溝17,18内に挿入されて案内され、カッター装置19により所定の長さで切断される。粘着テープ12の裏紙20,21は長手方向に2分割されている。図2に示すように上下のガイドレール15,16は、両端に設けた側板22,22の長溝側の端部をヒンジピン23,23にて枢着し、他端部近傍から外側へガイドピン24,24、25,25を突設している。そして、上下のガイドピン24,25を夫々2本のリンク26,27、26,27にて連結し、図3に示すようにフレーム28に開穿したガイド孔29,30,31にヒンジピン23,23とガイドピン24,25、24,25を遊嵌している。
【0011】また、図2に示すようにリンク26,27の連結ピン32とヒンジピン23とに引張コイルばね33を介装して上下のガイドレール15,16を拡開方向へ付勢し、長溝17,18を対峙させている。そして、連結ピン32は引張コイル34ばねを介して前後摺動自在なスライダ35に連結され、スライダ35はモータ(図示せず)によって後方(図中左)へ摺動されてガイドレール15,16を折たたむ開閉機構36を形成している。
【0012】ガイドレール15,16の前面には用紙テーブル37を対向させて配設し、用紙テーブル37とガイドレール15,16との間に用紙送りローラ38,39を配設している。前述したキャプスタンローラ13、カッター装置19、開閉機構36及び用紙送りローラ38,39は、制御装置(図示せず)によって逐次制御される。
【0013】次に、当該制御装置11の動作を説明する。先ず、綴じるべき書類等の用紙40をホチキスで仮綴じし、仮綴じした側をガイドレール15,16に対向させて用紙テーブル37上に載置し、制御装置に動作開始指令を入力すると、キャプスタンローラ13が駆動されて粘着テープ12がガイドレール15,16へ給送され、上下両縁部が長溝17,18に沿って案内される。所定の長さの粘着テープ12が繰出されると、制御装置はキャプスタンローラ13の駆動を停止し、カッター装置19を作動させることによって粘着テープ12が切断される。
【0014】続いて、モータを駆動してスライダ35を後方(図2中左)へ移動すると、ガイドレール15,16が図2に示す状態から折畳まれて図4に示す状態となり、粘着テープ12が折曲げられ、裏紙20,21が弾性により粘着テープ12の中央部位から剥離して粘着テープ12の粘着面の中央部分が露出される。次に、用紙送りローラ38,39が駆動され、用紙40が露出された粘着面へ向けて移動し、用紙の背が粘着面へ密着する。これと同時にスライダ35が更に後方へ駆動されてガイドレール15,16も更に閉じ、引張コイルばね34の弾性によって長溝開口部の端面17a,18aが用紙40の表裏に圧接する。そして、用紙送りローラ38,39によって用紙40が更に前進され、図5に示すように粘着テープ12は裏紙20,21を剥離されつつ、前記端面17a,18aによって表紙40a及び裏表紙40bに圧着される。
【0015】用紙40が一定距離移動された後にスライダ35が前方へ駆動され、ガイドレール15,16は戻り行程に移行して図2に示す状態に復帰し、用紙送りローラ38,39が逆転され、背貼りが完了した用紙40は用紙テーブル37の所定位置へ復帰して一連の背貼り行程を完了する。尚、図示は省略するがガイドレール15,16の開閉はモータに代えて電磁アクチュエータ等を使用してもよく、開閉機構36の構成も種々の改変ができ、上記一実施例に限定されるべきものではない。
【0016】次に、図6は請求項2記載の考案の実施例を示し、凸面キャプスタンローラ41と、凹面アイドラローラ42とによってテープ巻きぐせ矯正手段を構成している。ロール状に巻かれた粘着テープ12は、巻きぐせがついているため、従来の円柱状のキャプスタンローラとアイドラローラとによって引出した場合は、鎖線で示すように粘着テープ12の進行方向が偏向してガイドレール15,16に挿入されない場合がある。一方、本考案の巻きぐせ矯正手段を通過した裏紙つきの粘着テープ12は、図7に示すように反って進行方向の巻きぐせが矯正され、直進性が向上してガイドレール15,16内へ確実に挿入される。
【0017】図8は、請求項1及び2記載の背貼り装置11のテープ送り機構の他の実施例を示し、粘着テープ43の裏紙を長手方向に3分割し、二つのガイドローラ44,45にて挟圧した粘着テープ43の中央部の裏紙46を、二つのガイドローラ44,45の下流で巻き取りローラ47によって巻き取る。そして、巻き取りローラ47の牽引力により上下両縁部に裏紙48,49を残した粘着テープ43をガイドレール15,16へ給送する。粘着テープ43の粘着面中央部位Aを予め露出しておくことによって粘着面の露出面積が拡大され、厚手の冊子への貼着作業がより確実に行える。
【0018】
【考案の効果】この考案は上記一実施例において詳述したように構成したので、従来の用紙を背の長手方向へ移動させて粘着テープを貼着するものに比較して装置の巾を小形化できる。また、粘着テープを用紙の背から表紙並びに裏表紙へと折曲げて圧着するので、粘着テープにしわやよじれが発生することがなく、仕上がり品位が向上する。
【0019】更に、請求項2記載の考案は、粘着テープの巻きぐせが矯正されてテープ送り時の直進性が向上し、ガイドレールへの挿入が安定して行われる。また、粘着テープの進行方向への曲がりやねじれが矯正されるため、背貼りの仕上がりが更に向上する。
- 【登録番号】第2555760号
【登録日】平成9年(1997)8月8日
【発行日】平成9年(1997)11月26日
【考案の名称】背貼り装置
- 【出願番号】実願平4−64807
【出願日】平成4年(1992)9月17日
【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【審査官】 原 光明
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