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背貼り装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 背貼り用粘着テープ(17)の案内溝(34)を設けたガイドレール(18)とスライドテーブル(16)をフレーム(13,14)へ前後移動自在に装着し、前記案内溝(34)をスライドテーブル(16)の後縁部に対向させて配置し、前記ガイドレール(18)並びにスライドテーブル(16)の少なくとも一方を昇降自在とし、前記スライドテーブル(16)の上方にスライドテーブル(16)へ圧接自在なクランプ(19)を設け、前記ガイドレール(18)、或いは前記ガイドレール(18)よりも低位置に保持されたスライドテーブル(16)の一方を昇降して前記ガイドレール(18)と前記スライドテーブル(16)の上面を同一平面上に一致させ、且つガイドレール(18)を前進駆動してスライドテーブル(16)を後退させる駆動機構を設け、粘着テープ(17)の裏紙を長手方向に分割し、一方の裏紙(33)を剥離した粘着テープ(17)の裏紙貼付部側を前記案内溝(34)へ挿入し、前記粘着テープ(17)の粘着層露出面を前記クランプ(19)によってスライドテーブル(16)上の冊子(22)の表紙縁部に圧着し、前記ガイドレール(18)を相対的に下降して前記ガイドレール(18)と前記スライドテーブル(16)の上面を一致させた後に前記ガイドレール(18)を前進駆動し、裏紙(32)を剥離しつつ前記粘着テープ(17)を冊子(22)の背及び裏表紙へ貼着するように構成した背貼り装置(11)であって、背貼り装置(11)の本体カバーに裏紙排出口(30)を設けるとともに、前記一方の裏紙(33)を挟圧して前記裏紙排出口(30)へ送り出すローラ(27,28)を設け、ロール状の粘着テープ(17)の先端部から前記一方の裏紙(33)を剥離して前記ローラ(27,28)間に挿入し、前記一方の裏紙(33)に連動して送られる粘着テープ(17)を前記ガイドレール(18)の案内溝(34)内へ給送し、剥離した前記一方の裏紙(33)を裏紙排出口(30)から排出するように構成した背貼り装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、書類等に背貼りを施して綴合わせる背貼り装置に関するものであり、特に、粘着テープを使用する背貼り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、背貼り用の紙や布製の粘着テープを使用して書類を綴じる背貼り装置が知られている。此種の背貼り装置は、先ず書類等をホチキス等によって綴じた後に、一方の表紙の縁部に粘着テープを貼着し、続いて図7に示すように、書類1の綴じ合わせ部分を背貼り装置のガイド板2,3に沿って移送し、ガイド板2,3によって粘着テープ4を書類1の背及び裏表紙に圧着させるものである。
【0003】ガイド板2,3は、同図に示すようにほぼ直角に折曲されたプレートの一片を三角状に形成し、粘着テープ4を貼着した書類1をガイド板2,3に当接させて摺擦することにより、ガイド板2,3の斜面部5,6が粘着テープ4を折り曲げて書類1に圧着させる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来の背貼り装置は、冊子の背をガイド板に圧接させて長手方向へ移動して背貼りを行うので、装置の巾寸法は冊子の移動量を考慮して設計する必要があり、小形化が困難である。また、背貼り用粘着テープを長手方向にしごきつつ折曲げて貼着けるため、粘着テープにしわやよじれが発生することがあり、仕上がり状態に問題がある。
【0005】そして、ガイド板によって粘着テープを冊子の背に圧着するので、冊子の枚数が少量で薄手の場合は、圧着時に冊子の背が押圧力によって変形するため、冊子の厚さが或程度以上でないと背貼りができないという問題がある。そこで、小形化によってスペース効率を改善するとともに、仕上がり品位を向上し、且つ、冊子の枚数に係わらず背貼りを可能とした背貼り装置が要望されており、この考案は上記課題を解消した背貼り装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記目的を達成するために提案するものであり、背貼り用粘着テープ(17)の案内溝(34)を設けたガイドレール(18)とスライドテーブル(16)をフレーム(13,14)へ前後移動自在に装着し、前記案内溝(34)をスライドテーブル(16)の後縁部に対向させて配置し、前記ガイドレール(18)並びにスライドテーブル(16)の少なくとも一方を昇降自在とし、前記スライドテーブル(16)の上方にスライドテーブル(16)へ圧接自在なクランプ(19)を設け、前記ガイドレール(18)、或いは前記ガイドレール(18)よりも低位置に保持されたスライドテーブル(16)の一方を昇降して前記ガイドレール(18)と前記スライドテーブル(16)の上面を同一平面上に一致させ、且つガイドレール(18)を前進駆動してスライドテーブル(16)を後退させる駆動機構を設け、粘着テープ(17)の裏紙を長手方向に分割し、一方の裏紙(33)を剥離した粘着テープ(17)の裏紙貼付部側を前記案内溝(34)へ挿入し、前記粘着テープ(17)の粘着層露出面を前記クランプ(19)によってスライドテーブル(16)上の冊子(22)の表紙縁部に圧着し、前記ガイドレール(18)を相対的に下降して前記ガイドレール(18)と前記スライドテーブル(16)の上面を一致させた後に前記ガイドレール(18)を前進駆動し、裏紙(32)を剥離しつつ前記粘着テープ(17)を冊子(22)の背及び裏表紙へ貼着するように構成した背貼り装置(11)であって、背貼り装置(11)の本体カバーに裏紙排出口(30)を設けるとともに、前記一方の裏紙(33)を挟圧して前記裏紙排出口(30)へ送り出すローラ(27,28)を設け、ロール状の粘着テープ(17)の先端部から前記一方の裏紙(33)を剥離して前記ローラ(27,28)間に挿入し、前記一方の裏紙(33)に連動して送られる粘着テープ(17)を前記ガイドレール(18)の案内溝(34)内へ給送し、剥離した前記一方の裏紙(33)を裏紙排出口(30)から排出するように構成した背貼り装置を提供するものである。
【0007】
【作用】裏紙を長手方向に分割された粘着テープの先端部から一方の裏紙を剥離し、剥離した裏紙を送りローラ間に挿入して、他方の裏紙を貼付した状態の粘着テープをガイドレールの案内溝へ挿入する。送りローラを駆動すると裏紙が送られると同時に粘着テープも連動してガイドレールの案内溝内へ給送される。送りローラによって剥離された裏紙は本体カバーの裏紙排出口から排出される。ガイドレールへ給送された粘着テープは裏紙貼付側が案内溝によって支持され、裏紙剥離側が案内溝から突出している。所定の長さの粘着テープがガイドレール内にセットされると、クランプが粘着層露出面をスライドテーブル上の冊子の表紙に圧着し、ガイドレールが下降して粘着テープを冊子の背に貼るとともに、ガイドレールが前進して粘着テープをしごき、残余の裏紙を剥離しつつクランプで固定されている冊子の裏表紙へ粘着テープを圧着する。
【0008】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図に従って詳述する。図1は背貼り装置11を示し、符号12はベースである。ベース12に固設した左右のフレーム13,14には、図2乃至図5に示すように前方(図1中手前)から固定テーブル15とスライドテーブル16と粘着テープ17のガイドレール18が取付けられている。スライドテーブル16は前後に一定範囲摺動できるように装着され、ばね(図示せず)によって後方(図2中左)へ付勢されている。固定テーブル15とスライドテーブル16の上方には夫々クランプ19,20が配設されており、之等のクランプ19,20並びにガイドレール18は、図1に示す左右のフレーム13,14に開穿したガイド溝(図示せず)と、カムプレート21,21のカム溝(図示せず)に係合されており、クランプ19,20はモータ(図示せず)によって駆動されるカムプレート21,21の動きによりガイド溝に沿って昇降し、後述する背貼り工程において図示した位置から下降して冊子22を固定テーブル15とスライドテーブル16に挟圧するものである。また、図1に示すように、左右のフレーム13,14には冊子22の位置決め用のガイド板23が左右スライド自在に装着されている。
【0009】右側のフレーム14の外側には固定ガイドレール24とガイドローラ25及びテープホルダ26が設けられている。テープホルダ26の下方にはキャプスタンローラ27とアイドラローラ28とキャプスタンモータ(図示せず)とが配置され、本体カバー29には裏紙排出口30が設けられている。テープホルダ26に装填した長巻の背貼り用粘着テープ17は、図6に示すように粘着層31に貼着した裏紙を長手方向に二分割されており、細幅の裏紙32と太幅の裏紙33の幅の比率は1対2程度となっている。そして、テープホルダ26へ装填した状態において細幅の裏紙32がガイドレール18側に位置し、太幅の裏紙33がスライドテーブル16側に対向するように形成されている。
【0010】この粘着テープ17の先端をテープホルダ26から引出して太幅の裏紙33のみを粘着層31から剥離し、図1に示すように太幅の裏紙33をガイドローラ25によって方向変換してキャプスタンローラ27とアイドラローラ28との間に挿入する。粘着テープ17の先端部は、固定ガイドレール24を通じてガイドレール18の案内溝34へ挿入し、キャプスタンローラ27を駆動すると、粘着テープ17は裏紙32,33と一体的にテープホルダ26から引出され、ガイドローラ25の位置で粘着テープ17と太幅の裏紙33とが分離されて、細幅の裏紙32を貼着した粘着テープ17がガイドレール18の案内溝34内へ給送される。また、太幅の裏紙33は裏紙排出口30から外部へ排出される。
【0011】ガイド板23にはホトセンサ等のテープ検出センサ35が設けられ、給送された粘着テープ17の先端がテープ検出センサ35に達したときにキャプスタンローラ27が停止するように構成されている。また、固定ガイドレール24側にカッター装置36を配設し、カッター装置36による粘着テープ17の切断位置を前記フレーム14の内側面と一致させている。このカッター装置36は、テープ検出センサ35の出力信号に応じて制御装置37によって制御され、粘着テープ17を冊子22の寸法に合わせて切断する。
【0012】スライドテーブル16の後方に配置されたガイドレール18は、図2に示すように上側部材38と、上側部材38の下面に当接する下側部材39とからなり、下側部材39の上面ガイド壁は3段階の階段状に形成され、上側部材38とによって形成される案内溝34の幅は開口側から中間部迄が広く、中間部から奥が狭小となっている。
【0013】ガイドレール18は、図1に示すカムプレート21,21の動きによりガイド溝に沿って上下及び前後に一定範囲移動されるとともに、図5に示すように上側部材38に対し下側部材39を回動して案内溝34の開口幅を縮小することができる。尚、ガイドレールの駆動機構はモータとリンク以外にソレノイドアクチュエータ等の任意の手段を応用することが可能である。
【0014】次に、背貼り装置11の動作を説明する。粘着テープ17の給送から背貼り完了までの一連の動作は前述した制御装置37によって逐次制御される。先ず、綴じるべき書類等の冊子22をホチキスで仮綴じし、この仮綴じ部分をスライドテーブル16の後縁部に合わせてスライドテーブル16上に載置し、図1に示すようにガイド板23を冊子22の左端部に当接させる。スタートスイッチ(図示せず)等により制御装置37に動作開始指令を入力すると、キャプスタンローラ27が駆動されて太幅の裏紙33を剥離された粘着テープ17がガイドレール18の案内溝34内へ給送される。このとき、図2に示すように粘着テープ17の粘着層露出部40は、案内溝34の幅広部34aに位置し、裏紙32を貼付した部分が狭小な奥部34bに保持されるので粘着層露出部40が下側部材39に接着することはない。
【0015】そして、粘着テープ17の先端がテープ検出センサ35の位置に達すると、制御装置37がキャプスタンローラ27の駆動を停止し、カッター装置36を動作させることによって粘着テープ17は冊子22の寸法に合わせて切断される。続いて、クランプ19,20が図2に示す状態から下降され、図3に示すように粘着テープ17の粘着層露出部40を冊子22の表紙に圧着する。そして、同図に示すようにカム機構によってガイドレール18が下降されて冊子22の背に粘着テープ17が貼られる。同図に示すように、ガイドレール18が下降したときは、ガイドレール18の上面とスライドテーブル16の上面とは、ほぼ同一平面上に位置している。
【0016】次に、図4に示すようにガイドレール18の下側部材39が回動されて案内溝34の開口幅が縮小され、図5に示すようにガイドレール18が前方へ駆動され、前端部にてスライドテーブル16を押圧してスライドテーブル16を後退させる。このとき、クランプ20によって固定テーブル15へ圧接されている冊子22は移動せず、粘着テープ17の一側部もクランプ19によって挟圧されているのでガイドレール18の移動に伴って案内溝34から粘着テープ17が引出される。そして、粘着テープ17は、ガイドレール18の上側部材38の角部によってしごかれつつ引出されるため細幅の裏紙32が剥離され、粘着テープ17はガイドレール18の上面部によって冊子22の裏表紙へ圧着される。
【0017】図3に示す状態でガイドレール18を前進させた場合は、粘着テープ17の裏紙貼付部が案内溝34の幅広部34aにあるため粘着テープ17の折曲げ角度が充分でなく、裏紙32が剥離されない虞れがあるが、本考案では案内溝34の開口幅を縮小してガイドレール18を前進させることにより粘着テープ17が充分にしごかれることになり、裏紙32は確実に剥離される。そして、粘着テープが折曲がる方向と折曲げ力を加える方向とが一致しているためテープの捩じれが発生せず、また角部が鋭角的に折曲げられて高品位の仕上がりが得られる。
【0018】尚、上記実施例はガイドレール18が下降するように構成しているが、スライドテーブル16が上昇するように構成する等、種々の改変が可能であり、この考案がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0019】
【考案の効果】この考案は、上記一実施例において詳述したように、送出された粘着テープを冊子の表裏一方の表紙から背及び他方の表紙へと貼着するので、従来のものとは異なり冊子を長手方向へ移動させる必要がなく、装置の巾を小形化できる。また、背貼り用粘着テープは、表紙から背及び裏表紙へと折曲げられて圧着されるので、粘着テープにしわや捩れが発生することがなく、仕上がり品位が向上する。そして、冊子の背部近傍を表裏から挟圧して粘着テープを圧着するため、冊子の厚さに係わらず均質な仕上がりが得られ、従来困難であった少枚数の冊子の背貼りが行える。また、背貼り用粘着テープは送りローラによって裏紙を剥離されつつ、ガイドレールの案内溝へ給送され、剥離された裏紙は裏紙排出口から排出されるので、背貼り機本体内に裏紙が滞留することがなく、裏紙の処理が容易になる。
- 【登録番号】第2555765号
【登録日】平成9年(1997)8月8日
【発行日】平成9年(1997)11月26日
【考案の名称】背貼り装置
- 【出願番号】実願平4−71721
【出願日】平成4年(1992)10月14日
【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【審査官】 原 光明
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