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多機能定規
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 水平基準線aを挟んで一方に半円部2、他方に上記半円部2の直径を長辺bとし、半径を短辺cとする長方形部3を有し、この半円部2と長方形部3に、半円部2の中心点を中心とする角度目盛4を設けた分度器板1と、平行な両側辺d、eに距離目盛6を有し、両側辺d、e間の幅が上記半円部2の半径と同一である直線定規板5とを、分度器板1の半円部2の中心と直線定規板5の一側辺d上の零目盛を回転中心にして両者を回転可能に連結したことを特徴とする多機能定規。
【請求項2】 上記分度器板1の半円部2の中心と直線定規板5の一側辺d上の零目盛とが重なる回転中心に貫通小孔7を形成し、分度器板1と直線定規板5とにそれぞれ、回転中心からの距離が異なるように配列した多数の貫通小孔8、9を形成したことを特徴とする請求項1記載の多機能定規。
【請求項3】 上記分度器板1を持って直線定規板5をぶら下げた状態において、回転中心を通る鉛直線10を直線定規板5に付してあることを特徴とする請求項1又は2記載の多機能定規。
【請求項4】 上記分度器板1と直線定規板5を透明材料によって形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の多機能定規。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、分度器、匂配定規、円定規、角度計、T定規、直線定規等、多種の機能を有する定規に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、分度器と直線定規とが連結された定規として、図12に示すものがある。
【0003】このものは、半円分度器21と2本の直線定規板22、23との組合せからなり、一方の直線定規板22を半円分度器21の直径方向に一体に連結し、もう一方の直線定規板23を半円分度器21の中心に回転可能に連結した構造になっている。
【0004】したがって、この定規は、2本の直線定規板22、23を、半円分度器21の中心の両側に一直線上に伸ばすと、2本の直線定規板22、23を合わせた長さを測ることができ、2本の直線定規22、23を重ねると一本分の長さになるので、コンパクトで持ち運びに便利である。
【0005】また、図12に示すように、2本の直線定規板22、23を交差させた場合、その交差角を半円分度器21によって読み取ることができるので、2本の直線定規板22、23の交差する2辺を、出隅の2つの壁面に沿わせることによって出隅の角度を測ることができる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来の定規で測ることができる角度というのは、出隅、即ち、出っぱった角だけであり、入隅、即ち、内方に凹んだ角には、2本の直線定規板22、23を沿わすことができないので、入隅を測ることができない。
【0007】また、上記従来の定規を使用して、図13に示すように、円を当分に分割しようとしても、2本の直線定規板22、23の両側辺が、半円分度器21の中心線からずれているため、円の中心線を描くことができないし、正しく等分することもできない。
【0008】そこで、この考案は、出隅は勿論、入隅も測ることができ、また、円に中心線を描くこともでき、さらに、種々の大きさの円を描くことができる円定規、あるいは鉛直方向を示す下げ振り等の種々の機能を有する非常に便利な多機能定規を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この考案の定規は、水平基準線aを挟んで一方に半円部2、他方に上記半円部2の直径を長辺bとし、半径を短辺cとする長方形部3を有し、この半円部2と長方形部3に、半円部2の中心点を中心とする角度目盛4を設けた分度器板1と、平行な両側辺d、eに距離目盛6を有し、両側辺d、e間の幅が上記半円部2の半径と同一である直線定規板5とを、分度器板1の半円部2の中心と直線定規板5の一側辺d上の零目盛を回転中心にして両者を回転可能に連結した構成としたものである。
【0010】また、上記分度器板1の半円部2の中心と直線定規板5の一側辺d上の零目盛とが重なる回転中心に貫通小孔7を形成し、分度器板1と直線定規板5とにそれぞれ、回転中心からの距離が異なるように配列した多数の貫通小孔8、9を形成する構成としてもよい。
【0011】また、上記分度器板1を持って直線定規板5をぶら下げた状態において、回転中心を通る鉛直線10を直線定規板5に付してもよい。
【0012】
【作用】この考案の定規は、次のようにして直線定規として使用することができる。
【0013】直線定規板5の一側辺dは、分度器板1の半円部2の中心を通る線上にあって、一側辺dの距離目盛6の零点が上記半円部2の中心に一致するように設けられている。
【0014】したがって、図10に示すように、ある点に分度器板1の半円部2の中心を合わせて、この中心を通る直線定規板5の一側辺dによって直線を引き、この後、分度器板1を手で動かないように押えて直線定規板を180度回転させると、反対側にも直線定規板5の一側辺dによって上記の直線に連なる直線を引くことができるので、直線定規板5の2倍の長さの長さを測ったり、直線を引いたりすることができる。
【0015】また、次のようにして、角度計として使用することができる。
【0016】分度器板1の長方形部3の長辺bは、分度器板aの水平基準線aと平行になっている。
【0017】したがって、出隅の角度は、図4、図5、及び図6に示すように、出隅の一方の壁面に、分度器板1の長方形部3の長辺bを当て、分度器板1の中心を通る直線定規板5の一側辺dを、出隅の他方の壁面に当てて、水平基準線aから直線定規板5の一側辺dまでの角度を、分度器板1の角度目盛4によって読み取ることによって測定することができる。
【0018】また、分度器板1の長方形部5の短辺cは、分度器板1の水平基準線aに対して直角になっている。また、直線定規板5の両側辺d、eは平行で、その幅は、分度器板1の半円部2の半径と同一である。
【0019】したがって、入隅の角度は、図7に示すように、入隅の一方の壁面に、分度器板1の長方形部3の短辺cを当て、分度器板1の中心を通る直線定規板5の一側辺dに対して平行な他方の側辺eを、入隅の他方の壁面に当てて、水平基準線aに直交する垂直基準線fから、分度器板1の中心を通る直線定規板5の一側辺dまでの角度を、分度器板1の角度目盛4によって読み取ることによって測定することができる。
【0020】また、上記分度器板1の半円部2の中心と直線定規板5の一側辺d上の零目盛とが重なる回転中心に貫通小孔7を形成し、分度器板1と直線定規板5とにそれぞれ、回転中心からの距離が異なるように配列した多数の貫通小孔8、9を形成した場合、次のようにして、円定規として使用することができる。
【0021】まず、小さな半径の円を描く場合には、図8に示すように、分度器板1の半円部2の中心の貫通小孔7を描く円の中心に置き、それから分度器板1に配列された多数の貫通小孔8のうちから、分度器板1の半円部2の中心から描く円の半径位置に形成されている貫通小孔8を選択し、この貫通小孔8に鉛筆等の芯を挿し入れ、直線定規板5を手で押えて分度器板1の中心が動かないようにして、分度器板1を回転させる。これにより、分度器板1の半円部2の中心から貫通小孔8までの距離に応じた半径の円を描くことができる。
【0022】また、大きな半径の円を描く場合には、図9に示すように、分度器板1の半円部2の中心の貫通小孔7を描く円の中心に置き、それから直線定規板5に配列された多数の貫通小孔9のうちから、分度器板1の半円部2の中心から描く円の半径位置に形成されている貫通小孔9を選択し、この貫通小孔9に鉛筆等の芯を挿し入れ、分度器板1を手で押さえて分度器板1の中心が動かないようにして、直線定規板5を回転させる。これにより、分度器板1の半円部2の中心から直線定規板5の貫通小孔9までの距離を半径とする円を描くことができる。
【0023】また、直線定規板5をぶら下げた状態において、その直線定規板5に分度器板1に対する回転中心を通る鉛直線10を付した場合には、この鉛直線10を使用して下げ振りとして使用できるし、また、図11に示すように、分度器板1の長方形部3の長辺bをある壁面に当て、垂直基準線fと鉛直線10との角度を読みとれば、その壁面の匂配を知ることもできるので、勾配計または水準器として使用することができる。
【0024】また、図10に示すように、分度器板1の中心を通る直線を直線定規板5によって描くことができるので、分度器板1の角度目盛4により円を等分に分割することができる。
【0025】
【実施例】図1乃至図3に示す実施例は、分度器計1と直線定規板5とを、透明なアクリル樹脂などによって形成している。
【0026】直線定規板5の一側辺dの零目盛部分には、回転軸部11が下面側に突出するように形成され、分度器板1の中心部分には上記回転軸部11が嵌まる軸穴12が形成されている。上記回転軸部11の下端には外向に突出する係止板13が設けられ、分度器板1の軸穴12の下端には上記回転軸部11の係止板13を係止する係止段部14が形成されている。上記係止板13の中心には、分度器板1の中心に一致する上記貫通小孔7が形成されている。
【0027】上記直線定規板5は、分度器板1の表面側に、重なるように連結されているが、直線定規板1の下面と分度器板1の下面とが同一平面になるように、回転する分度器板1と重なる部分の直線定規板5の下面を薄肉の段部15に形成している。
【0028】また、回転する分度器板1が重なる直線定規板5の部分は、分度器板1の半円部2の中心を通る一側辺dの部分だけが細幅で残るように大きく切欠かれており、分度器板1の貫通小孔8によって円を描く場合に、直線定規板5の幅ができるだけ邪魔にならないようにしてある。
【0029】
【考案の効果】以上のように、この考案に係る定規は、分度器、勾配定規、円定規、角度計、T定規、直線定規等の多種の機能を有するので、この定規1つで、建築設計、土木設計、洋裁、各種デザイン等に対応できるという効果がある。
- 【登録番号】第2592394号
【登録日】平成11年(1999)1月14日
【発行日】平成11年(1999)3月17日
【考案の名称】多機能定規
- 【出願番号】実願平5−66920
【出願日】平成5年(1993)12月15日
【出願人】
【識別番号】591134007
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【審査官】 三輪 学
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