スポンサード リンク
平行定規
スポンサード リンク
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 図板(2)の左右両縁部に設けた縦レール(3,4)の一端部位にプーリ(11,16)を配設し、他端部位に夫々2個の中間プーリ(12,13,14,15)を配設し、エンドレスワイヤ(17)を前記中間プーリ(12,13,14,15)を経由して左右のプーリ(11,16)に巻架するとともに、前記縦レール(3,4)に夫々係合したキャリッジ(6,7)を前記エンドレスワイヤ(17)に係止して左右のキャリッジ(6,7)を連動させるキャリッジ同期機構を設けた平行定規に於て、前記左右の中間プーリ(12,13,14,15)間に架設されたエンドレスワイヤ(17)を被蔽するワイヤカバー(18)を設け、該ワイヤカバー(18)内にねじ或いはカムレバー等によるワイヤクランプ装置(19)を配設し、該ワイヤカバー(18)に窓(20)を開穿して前記ワイヤクランプ装置(19)の操作部を外側へ突出させたことを特徴とする平行定規。
スポンサード リンク
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は製図作業に用いる平行定規に関するものであり、特に、定規を図板上で固定するブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平行定規は、図板の左右両縁部に設けた縦レールに夫々キャリッジを係合し、左右のキャリッジを定規によって連結している。定規を平行移動させるために、左右のキャリッジは縦レールの両端部に配設したプーリと、ワイヤ或いはベルトによる同期機構によって連動するように構成されている。
【0003】また、一般に据置形の平行定規にはブレーキ装置が設けられており、定規を図板上の任意の位置で固定することができる。ブレーキ装置は、キャリッジに設けられており、ブレーキ片を縦レールに圧接させてキャリッジ及び定規を制動する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前述した従来のブレーキ装置は、ブレーキ片やブレーキ片を作動させるリンク機構等をキャリッジに組込むので、キャリッジが大形化し、縦レールの断面形状等もブレーキ装置の構成に合わせる必要がある。従って外形寸法やコストの点からA2サイズ等の安価な小型平行定規にはブレーキ装置を採用することが困難な場合がある。
【0005】しかしながら、ブレーキ装置が設けられていない平行定規を運搬する際には、定規が不慮移動して携帯性に問題があるとともに、定規の振動によって機構部に衝撃が加わり、機械精度や耐久性に悪影響を及ぼす虞れがあるため小型平行定規にもブレーキ装置を設けることが望ましい。そこで、この考案はキャリッジやレールの構造の複雑化や重量の増加、コストの上昇等の問題を生ずることなく、キャリッジを確実に固定できるブレーキ装置を備えた平行定規を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達成するために提案するものであり、図板の左右両縁部に設けた縦レールの一端部位にプーリを配設し、他端部位に夫々2個の中間プーリを配設し、エンドレスワイヤを前記中間プーリを経由して左右のプーリに巻架するとともに、前記縦レールに夫々係合したキャリッジを前記エンドレスワイヤに係止して左右のキャリッジを連動させるキャリッジ同期機構を設けた平行定規に於て、前記左右の中間プーリ間に架設されたエンドレスワイヤを被蔽するワイヤカバーを設け、該ワイヤカバー内にねじ或いはカムレバー等によるワイヤクランプ装置を配設し、該ワイヤカバーに窓を開穿して前記ワイヤクランプ装置の操作部を外側へ突出させた平行定規を提供するものである。
【0007】
【作用】左右のキャリッジを連動させる同期機構のエンドレスワイヤは、横方向のワイヤカバー内を経由して左右の縦レール内へ配線されている。ワイヤカバー内にはエンドレスワイヤを圧締するワイヤクランプ装置が配設され、ワイヤクランプ装置のつまみやレバー等の操作部は、ワイヤカバーに設けた窓から外側へ突出している。操作部を操作してエンドレスワイヤを圧締するとエンドレスワイヤに連結されたキャリッジ及び定規が固定される。圧締を解除すれば定規が図板上を自在に平行移動できる状態となる。
【0008】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図に従って詳述する。図1は平行定規1を示し、図板2の左右両縁部に沿って縦レール3,4が装着され、前縁部には図板2の全幅に亘る凹面のペンシルケース5が固着されている。中空の縦レール3,4は外側面の長手方向にガイド溝3a,4aが開設され、ガイド溝3a,4aを通じてキャリッジ6,7のローラ(図示せず)を縦レール3,4内に係合させている。
【0009】キャリッジ6,7の側面には定規取付板8,9が枢着され、定規10の両端部を夫々定規取付板8,9に固定して左右のキャリッジ6,7が連結されている。左右のキャリッジ6,7を連動させる同期機構は、プーリ11,12,13,14,15,16とエンドレスワイヤ17とによって構成されている。縦レール3,4には、夫々後端部位に1個のプーリ11,16と前端部位に2個の中間プーリ12,13,14,15が配設され、中間プーリ12,13,14,15は上下に配置されて夫々別個に遊転自在となっている。
【0010】エンドレスワイヤ17は、一方の縦レール3のプーリ11から前方の中間プーリ12,13を経由してペンシルケース5の前部に設けたワイヤカバー18内を通り、他方の縦レール4の中間プーリ14,15から後方のプーリ16へと巻回されており、一方の中間プーリ12,13と他方の中間プーリ14,15との間で交差させて上下位置を逆転している。そして、キャリッジ6,7を夫々エンドレスワイヤ17の一点に係止して、左右のキャリッジ6,7が相互に同期して走行する構成となっている。
【0011】ペンシルケース5の前部に設けたワイヤカバー18の一端部近傍にはブレーキ機構であるワイヤクランプ装置19を設け、ワイヤカバー18の前面に開穿した窓20からワイヤクランプ装置19のノブ21を突出させている。図2に示すように、ワイヤクランプ装置19は縦レール4の側壁4bにブラケット22を介して取付けてある。ブラケット22はねじ23,23によって縦レール4へ固着され、平面視L字状に折曲げた立上げ部22aにボス22bを設けている。ボス22bにはスタッドボルト24を植込み、スタッドボルト24に座金25を遊挿してノブ21を設けたナット26を螺合してある。
【0012】図3に示すように、スタッドボルト24は左右方向へ配線された二条のエンドレスワイヤ17a,17bの中間に配置されており、座金25の直径を上下のエンドレスワイヤ17a,17bの間隔よりも大として図2に示すように座金25とボス22bとの間をエンドレスワイヤ17a,17bが通過するように形成されている。
【0013】ノブ21を回転してナット26を緩めた状態では、図2に示すようにエンドレスワイヤ17は走行を妨げられることがなく、図板2上の定規10を自在に移動することができる。そして、作画時或いは平行定規1の運搬時等、定規10を固定する必要があるときは、ナット26を締めれば二条のエンドレスワイヤ17a,17bがボス22bと座金25とによって挟圧されて制動され、キャリッジ6,7及び定規10が固定される。
【0014】尚、ワイヤクランプ装置19の構成としては上記実施例のスタッドボルト24とナット26によるものの他に、図4に示すようにブラケット27から突設した軸28にカムレバー29を枢着し、カムレバー29の回動操作によってエンドレスワイヤ17を挟圧するように形成する等、種々の改変ができる。そして、この考案がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0015】
【考案の効果】この考案は、上記一実施例において詳述したように、エンドレスワイヤによるキャリッジ同期機構のエンドレスワイヤを挟圧して制動するように構成したので簡素な構成で確実にキャリッジを制動して固定できる。よって、キャリッジに組込まれた従来のブレーキ装置と比較してキャリッジの構造の複雑化及び平行定規の大形化や重量の増加、コストの上昇を可及的に抑制できる実用的価値ある考案である。
- 【登録番号】第2595555号
【登録日】平成11年(1999)3月19日
【発行日】平成11年(1999)5月31日
【考案の名称】平行定規
- 【出願番号】実願平5−41594
【出願日】平成5年(1993)7月29日
【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【審査官】 三輪 学
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
-
当サイトではIPDL(特許電子図書館)の公報のデータを著作権法32条1項に基づき公表された著作物として引用しております、
収集に関しては慎重に行っておりますが、もし掲載内容に関し異議がございましたらお問い合わせください、速やかに情報を削除させていただきます。