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レール用カーソルのブレーキ装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 長手方向の全長にわたって互いに平行な側面を有する突条が形成されたレールと、該レールに沿って移動自在に連結されたカーソルと、各一端が前記カーソルに支持され他方の内側面がブレーキシュを介して前記突条の両側面に対向する一対のブレーキ板と、前記カーソルに2方向に移動自在に取り付けられたブレーキレバーと、前記一対のブレーキ板の各他方を互いに接近する方向に挾圧するための一対の係合体を有し、ブレーキばねにより一方向に付勢され、この付勢方向に変位すると前記一対の係合体が前記一対のブレーキ板の各他方を互いに接近する方向に挾圧し、前記付勢方向とは反対方向に変位すると前記係合体の前記一対のブレーキ板に対する挾圧力が解除されるように前記カーソルに変位可能に配置されるとともに、レールの長手方向に対して直角方向に変位可能に前記カーソルに配置された変位部材と、前記ブレーキレバーの一方向の変位を前記変位部材の、その付勢方向とは反対方向の変位に変換する変換機構とを備えたレール用カーソルのブレーキ装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、レールタイプ自在平行定規あるいは、座標解析機等に用いられるレール用カーソルのブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実公昭57−24550号公報には、図9Aに示すようにレール2の一対の突条2a,2bの外側面にブレーキシュ4,6を圧着あるいは離反して、レール2に対して移動自在に支持されたカーソルをレール2に対して、固定あるいは固定解除するブレーキ装置が開示されている。又、実公昭58−21755号公報には、図9Bに示すように、レール2の一対の突条2a,2bの内側面にブレーキシュ5,7を圧着あるいは離反して、レール2に対して移動自在に支持されたカーソルをレール2に対して固定あるいは、固定解除するブレーキ装置が開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする問題点】上記装置は、いづれも、レールに一体的な突条の片側にブレーキシュの圧力がかかるので、レールが変形し、コロを介したカーソルの走行にガタなどの不具合を生じる虞があった。本考案は上記問題点を解決することを目的とするものである。
【0004】
【問題点を解決する手段】上記目的を達成するため、本考案は、長手方向の全長にわたって互いに平行な側面を有する突条が形成されたレールと、該レールに沿って移動自在に連結されたカーソルと、各一端が前記カーソルに支持され他方の内側面がブレーキシュを介して前記突条の両側面に対向する一対のブレーキ板と、前記カーソルに2方向に移動自在に取り付けられたブレーキレバーと、前記一対のブレーキ板の各他方を互いに接近する方向に挾圧するための一対の係合体を有し、ブレーキばねにより一方向に付勢され、この付勢方向に変位すると前記一対の係合体が前記一対のブレーキ板の各他方を互いに接近する方向に挾圧し、前記付勢方向とは反対方向に変位すると前記係合体の前記一対のブレーキ板に対する挾圧力が解除されるように前記カーソルに変位可能に配置されるとともに、レールの長手方向に対して直角方向に変位可能に前記カーソルに配置された変位部材と、前記ブレーキレバーの一方向の変位を前記変位部材の、その付勢方向とは反対方向の変位に変換する変換機構とを備えたものである。
【0005】
【作用】ブレーキ掛け時、ブレーキシュは、レールの突条の両側面を均一の圧力で挾圧するので、突条に偏荷重がかかることがなく、レールが変形しない。
【0006】
【実施例】以下に本考案の構成を添付図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。2は、レールタイプ自在平行定規あるいは座標解析機などの縦レールであり、これにコロ4,6及び8,10を介して、縦カーソル12が移動自在に連結している。前記縦レール2の下部には、図6に示すように、縦レール2の長手方向全長にわたって互いに平行な両側垂直面を有する突条2aが設けられている。14,16は、一対の弾性樹脂板からなるブレーキ板であり、前記突条2aをはさんで対向配置されている。
【0007】前記ブレーキ板14,16の各々の一端は、これらと一体的な連結板18を介して、カーソル12に固定されている。20は板からなる変位部材であり、これにレール12の長手方向に対して直角方向に長い長孔22が透設され、該長孔22に前記カーソル12に突設された軸体24が嵌合している。前記変位部材20には、その長孔22をはさんだ対称位置にピンから成る係合体26,28が突設され、該係合体26,28がブレーキ板14,16の外側面に対向配置されている。
【0008】前記変位部材20のアーム部20aには、カーソル12に、一端が係止されたコイルばね30の他端が連結し、該コイルばね30の引張力によって、前記変位部材20は、図2中、時計方向に付勢されている。32は、く字状のカムであり、これの略中央部が回転自在に前記カーソル12に軸34支されている。36は、カーソル12の側部に、長穴38,40に沿ってスライド自在に配置されたブレーキレバーであり、これに突設された軸体42,44が前記カーソル12の長穴38,40にスライド自在に嵌合している。前記ブレーキレバー36の平板部に、縦レール2の長手方向に対して直角方向に延びる長孔46が透設され、該長孔46に、前記カム32の一方に突設されたピン48が縦カーソル12に突設された弓状孔50を介して、スライド自在に嵌合している。
【0009】前記カム32の他方は、前記変位部材20のアーム部20aの側面に対向配置されている。ブレーキをかける場合には、図2に示すように、ブレーキレバー36をカーソル12に対して、左方向に移動し、カム32を軸34を中心として反時計方向に移動して、カム32の変位部材20のアーム部20aに対する押圧力を解除する。これにより、変位部材20は、軸24を中心として、ばね30の引張力により、時計方向に回転し、係合体26,28の押圧力によって、ブレーキ板14,16は、ゴム製のブレーキシュ52,54を介して、突条2aの両側面に均等の圧力で圧着する。
【0010】ブレーキを解除する場合には、図1に示すように、ブレーキレバー36を右方向に移動し、カム32によって変位部材20を軸24を中心として、ばね30の引張力に抗して、反時計方向に回動させる。これにより、突条2aに対して直角方向の係合体26,28間距離が拡大し、ブレーキ板14,16に対する係合体26,28の押圧力が解除されて、ブレーキシュ52,54中は、ブレーキ板14,16の自己復帰力によって、突条2aの両側垂直面から離反する。
【0011】次に他の実施例を図5及び図6を参照して説明する。56は、変位部材であり、これに長孔58,60が透設されている。長孔58,60には、縦カーソル12に固設された軸体62,64が遊嵌し、該軸体62,64によって、変位部材56は、図5中、左右方向にスライド自在に及び上下方向に若干移動自在に縦カーソル12に支持されている。変位部材56に突設された一対の係合体66,68は、ブレーキ板14,16の開放端に形成された傾斜面70,72に対向している。前記変位部材56は、ブレーキばね30によって、図5中、右方向に付勢されている。32は、カムであり、縦カーソル12に回転自在に軸34支されている。カム32の一方は、ピン48を介して、ブレーキレバー36の長孔に係合している。
【0012】他の構成は、図1に示す構成と同一なので、対応する構成に同一の符号を付し、その説明を省略する。上記した構成において、ブレーキをかけるときは、ブレーキレバー36を、図5中、左方向に押動し、カム32を軸34を中心として、反時計方向に揺動する。これにより、カム32一端の、変位部材56に対する押圧力が解除され、変位部材56は、ブレーキばね30の引張力によって、右方向に移動し、係合体66,68は、ブレーキ板14,16の傾斜面70,72をこれらが互いに接近する方向に付勢する。ブレーキ板70,72は、係合体66,68からの押圧力によって、ブレーキシュ52,54を介して、突条2aの両側垂直面に圧着する。
【0013】ブレーキを解除するときは、ブレーキレバー36を、右方向に移動し、カム32の一端で、ブレーキばね30の引張力に抗して、変位部材56を、左方向に押動する。これにより、係合体66,68は、傾斜面70,72から後退し、係合体66,68の傾斜面70,72に対する押圧力が解除され、ブレーキシュ52,54は、突条2aの両側垂直面から離反する。
【0014】次に、他の実施例を、図7及び図8を参照して説明する。74,76は、各一端が連結板78を介して、縦カーソル12に固定された、樹脂製の弾性ブレーキ板であり、内側のブレーキ板76が外側のブレーキ板74よりも長く構成されている。前記ブレーキ板74,76の各開放端の内側面にはブレーキシュ80,82が固着され、該ブレーキシュ80,82は、縦レール2の突条2aの両側垂直面に対向している。
【0015】84は、L型の変位部材であり、その中間部の内側がピンから成る係合体86によって、前記ブレーキ板76の開放端に回転自在に連結している。前記変位部材84の中間部の外側にピンから成る係合体88が突設され、該係合体88は、前記ブレーキ板74の開放端に形成された長孔90にスライド自在に係合している。
【0016】92は、縦カーソル12の側部に左右方向にスライド自在に取り付けられたブレーキレバーであり、傾斜面94を有するカム96が固設されている。前記傾斜面94には、ばね30の引張力によって、変位部材84の一端に固設されたピン98が弾接している。100は、前記縦カーソル12に固設されたストッパーであり、これに前記ブレーキ板76の開放端76aの外側面が対向している。
【0017】上記した構成において、変位部材84は、係合体86,88を介してブレーキ板74,76の開放端74a,76aに結合しているが、ブレーキ板(74)(76)は弾性によって変形自在なため、変位部材84は、レール2の長手方向に対して直角な方向即ち、図7中、上下方向に移動自在である。図7に示すように、ブレーキを掛けるときは、ブレーキレバー92を、縦カーソル12の側部に沿って左方向に移動する。これにより、ばね30の引っ張り力によって傾斜面94に弾接しているピン98は、ブレーキレバー92の、図7中、左方向の移動に伴い、傾斜面94に沿ってその右側即ち、図7中、上方向に移動する。変位部材(84)は、このピン98の上方向の移動に伴い、ブレーキ板74,76を撓ませピン98と連動して上方向に移動する。これにより、先ずブレーキシュ82が、突条2aの一方の垂直面に当接する。このブレーキシュ82が突条2aの一方の垂直面に衝突した状態で、なおもピン98が、図7中、上方向に移動すると、変位部材84は、係合体86を中心として、図7中、反時計方向にわずかに回動し、ブレーキシュ82を支点として、ブレーキシュ80が、ばね30の弾力により、突条2aの他方の垂直面に圧接する。【0018】上記ブレーキを解除するときは、図8に示すように、ブレーキレバー92を、カーソル12に対して、右方向に移動する。これにより、ピン98は傾斜面94によって、押圧され、図中下方向に移動し、ブレーキ板76の開放端76aの側面がストッパー100に当接する。尚も、ピン98が傾斜面94に沿って左方向に移動すると、変位部材84は、ストッパー100を支点として傾斜面94からの押圧力により、ブレーキばね30の引張力に抗して、時計方向に回動し、突条2aの長手方向に対して直角方向の係合体86,88間距離が増大し、ブレーキ板74,76に対する係合体86,88の押圧力が解除され、ブレーキシュ80,82は、突条2aの両側垂直面から離反する。
【0019】上記の説明から明らかなように、図1に示す実施例において、アーム部20a及びカム32は、ブレーキレバー36の一方向の変位を、変位部材20の、その付勢方向とは、反対方向の変位に変換する変換機構を構成している。又、図5に示す実施例において、カム32は、上記変換機構を構成している。又、図7に示す実施例において、ストッパー100,ピン98,カム96は、上記変換機構を構成し、これら変換機構は、特に図示する構成に限定されるものではない。
【0020】
【効果】本考案は上述の如く構成したので、ブレーキの圧力によるレールの変形を防止することが出来る効果が存する。
- 【登録番号】第2599554号
【登録日】平成11年(1999)7月16日
【発行日】平成11年(1999)9月13日
【考案の名称】レール用カーソルのブレーキ装置
- 【出願番号】実願平5−19182
【出願日】平成5年(1993)3月23日
【出願人】
【識別番号】000238566
【氏名又は名称】武藤工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
【審査官】 三輪 学
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