プロッタにおける用紙検出装置
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 画線ヘッド(2)の底部に、作画面(4)に所定間隔を存して対向するように光反射型の物体検出センサ(20)を配設し、該物体検出センサ(20)で作図面(4)上の用紙(6)を少なくとも1軸方向に無接触で走査して前記用紙(6)のエッジを検出するようにしたプロッタにおける用紙検出装置において、前記画線ヘッド(2)に前記物体検出センサ(20)とは別体の紙押え(18)を前記物体検出センサ(20)の下方に昇降可能に配設し、該紙押え(18)の紙押え面によって前記用紙(6)の、前記物体検出センサ(20)の検出点の周囲を押圧するようにしたことを特徴とするプロッタにおける用紙検出装置。
【請求項2】 前記紙押え(18)を前記画線ヘッド(2)のペン昇降用の昇降駆動装置(8)に連結し、前記紙押え(18)の紙押え面を前記画線ヘッド(2)の保持するペン(22)の先端よりも上方に設定したことを特徴とする請求項1に記載のプロッタにおける用紙検出装置。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ペーパームービングタイプ(用紙駆動型)あるいは、フラットベッドタイプのプロッタにおける用紙検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平3−221496号公報に示すように、画線ヘッドに光反射型の光学的物体検出センサを取り付け、画線ヘッドの移動によって、作図面上の用紙を前記センサによって無接触で走査し、該センサによって用紙のエッジを検出して、コントローラにより、用紙のサイズを認識するようにしたプロッタが知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする問題点】作図面上の用紙は、巻きぐせがついている等の理由により、作図面からエッジが浮き上がっている場合がある。この場合、センサと用紙との間隔が変わってしまう。センサの反応は検出物との距離に影響されるので、センサの用紙エッジの検出精度が悪化してしまうことがある。本考案は、この問題点を解決することを目的とするものである。
【0004】
【問題点を解決する手段】上記目的を達成するため、本考案は、画線ヘッド2の底部に、作画面4に所定間隔を存して対向するように光反射型の物体検出センサ20を配設し、該物体検出センサ20で作図面4上の用紙6を少なくとも1軸方向に無接触で走査して前記用紙6のエッジを検出するようにしたプロッタにおける用紙検出装置において、前記画線ヘッド2に前記物体検出センサ20とは別体の紙押え18を前記物体検出センサ20の下方に昇降可能に配設し、該紙押え18の紙押え面によって前記用紙6の、前記物体検出センサ20の検出点の周囲を押圧するようにしたものである。
【0005】
【作用】用紙エッジ検出動作中、用紙6のセンサ20による検出点の周囲は、紙押え18によって押圧され、用紙6の浮き上がりが阻止される。これによって、用紙6のエッジがセンサ20によって正確に検出される。
【0006】
【実施例】以下に本考案の構成を添付図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。2は用紙駆動型プロッタの画線ヘッドであり、作図面4に対してY軸方向(図1中左右方向)に平行移動可能に支持されている。作図面4上の用紙6は、駆動ローラとこれに圧接する加圧ローラとで挾持され、駆動ローラの正逆回転によって図1中、紙面垂直方向即ちX軸方向に駆動されるように構成されている。前記画線ヘッド2の基板にはムービングコイルから成る昇降駆動装置8が固設されている。
【0007】前記昇降駆動装置8の昇降出力体8aに昇降体10が固定されている。前記昇降体10の一方には、ペン保持アーム12,14が設けられている。前記昇降体10の他方には、スリットからヘッド2の下方に延びる紙押えホルダー16が一体的に形成され、該ホルダー16にリング状の紙押え面を有する紙押え18が設けられている。前記画線ヘッド2の底部には、前記紙押え18の内側空間部の直上に位置して光反射型の光学的物体検出センサ20が配設されている。
【0008】前記センサ20は、作図面4と用紙6の反射率の相異を検出し且つ出力する。コントローラは、このセンサ20の出力の相異によって用紙6のエッジ6aの位置を検出するように構成されている。プロッタの機体には、作図範囲外で且つ、画線ヘッド2のY軸方向の移動領域内に位置して、ペンストッカー(図示省略)が回転可能に配設され、該ペンストッカーの複数のペン保持機構と前記画線ヘッド2のペンアーム12,14との間で、相互にペン22の交換を自動的に行うことができるように構成されている。
【0009】前記ペンアーム12,14がペン22を軸方向にずれないように脱着自在に保持した状態において、前記紙押え18の下面は、図2に示すように、ペン22の先端より所定間隔S上方となるように両者の高さ関係が設定されている。これにより、作画時、紙押え18が用紙6に接触することがない。24はバランスばねであり、昇降体10の重量と略相殺する力で、昇降体10を上方向に付勢している。
【0010】次に本実施例の作用について説明する。用紙6のエッジ6aの位置を読み取る場合には、まず、画線ヘッド2のペン保持アーム12,14が保持するペン22をペンストッカーに返却する。次に、紙押え18を作図面4から上昇させた状態で画線ヘッド2を用紙6の略中央に移動させ、該位置において、コントローラは、昇降駆動装置8を駆動して、昇降体10を下降し、紙押え18を用紙6の上から作図面4に所定の圧力で当接する。このときの昇降体10の下降位置は、図2に示す、ペン22の先端が用紙6に当接する位置より更に下方となる。
【0011】次に、コントローラは、画線ヘッド2を図1中、Y軸に沿って、左方向に移動する。このときの画線ヘッド2のY軸上の座標値は、コントローラ内の現在値カウンタによりカウントされる。コントローラはセンサ20の出力を監視し、用紙6と作図面4の反射率の相異に基づくセンサ20の出力の変化を検出すると、この検出したときの現在値カウンタのYカウント値を用紙6のエッジ6aのY座標値と認識する。
【0012】同様に、用紙6の他方のエッジのY座標値も検出し、用紙の両側のエッジのY座標値から、コントローラは、用紙6の幅を認識することができる。上記用紙エッジの読み取り時、紙押え18は、用紙6の、センサ20による検出部分の周囲を加圧し、該検出部分の浮き上がりを阻止する。
【0013】紙押え18は、X−Yのどの方向に対しても、用紙に対して一定の押圧力が生じるように本実施例のように円形が望ましいが、三角形や正方形等の多角形でも良い。また、本実施例は、用紙駆動型プロッタに応用した場合について説明したが、画線ヘッドが作画テーブルに対してXY方向の任意の方向に平行移動可能なフラットベッド型のプロッタに応用しても良い。
【0014】
【効果】本考案は上述の如く、用紙エッジの浮き上がりを防止しながら用紙エッジの検出を行うので、正確に用紙エッジの検出を行うことができる。
- 【登録番号】第2600376号
【登録日】平成11年(1999)8月13日
【発行日】平成11年(1999)10月12日
【考案の名称】プロッタにおける用紙検出装置
- 【出願番号】実願平5−66801
【出願日】平成5年(1993)11月19日
【出願人】
【識別番号】000238566
【氏名又は名称】武藤工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
【審査官】 三輪 学
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