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直線往復運動案内装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 それぞれが断面矩形状の中空部を有すると共に、該中空部を外部に連通する開口が長手方向に沿ってそれぞれに設けられて、互いに平行に配された一対のレールと、各レールの中空部に配された可動体と、各可動体の両側面のそれぞれにそれぞれ回転自在に複数個装着されて、中空部の底面及び前記開口により二分された中空部の上面のそれぞれに転がり接触し得る樹脂製の第一のローラと、それぞれが第一のローラの回転面に直交する回転面を有して各可動体に回転自在に装着されて、中空部の両側面に転がり接触し得る二個の樹脂製の第二のローラとを具備しており、各可動体の一方の側面の複数の第一のローラのそれぞれは、その回転軸心が当該可動体の他方の側面に装着された複数の第一のローラのそれぞれの回転軸心に対して可動体の可動方向において偏心して当該可動体の一方の側面に装着されており、第二のローラのそれぞれの側面と中空部の底面との間には隙間が形成されており、各可動体の二個の第二のローラは、可動体の可動方向において第一のローラを間にして可動体の両端部に配されており、黒板又はホワイトボードの一方の縁部が一方の可動体における開口に臨んだ部位に、その他方の縁部が他方の可動体における開口に臨んだ部位にそれぞれ取付けられて、当該黒板又はホワイトボードが両可動体を介して一対のレールにより移動自在に支持されるようになっている黒板又はホワイトボード用の直線往復運動案内装置。
【請求項2】 可動体の下面の両端には段部が形成されており、この段部のそれぞれにおいて可動体には、第二のローラが装着されている請求項1に記載の直線往復運動案内装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は会議室、ホール等の黒板、ホワイトボード又は間仕切り等に用いられ直線往復運動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、会議室、ホール等の黒板、ホワイトボードを自在に引き出し、また収容するため、これら黒板、ホワイトボードは、一般に、ボールベアリング機構を具備してなる直線往復運動案内機構に取り付けられる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、従来のこの種の直線往復運動案内機構は、レール等の施工の精度に対して過剰な精度を有している上に、耐荷重性能、価格に対しても過剰である。更に従来の直線往復運動案内機構では、初期設定でレールとベアリング機構とのクリアランスが零に設定されており、異物等が侵入すると、滑らかに所望に黒板、ホワイトボードを移動案内することが困難となり、最悪の場合は、黒板、ホワイトボードの引き出しまたは収容ができなくなる場合がある。また鋼球を具備するベアリング機構では、移動に際して極めて大きな騒音を発生し、不都合な場合がある。
【0004】一方、黒板、ホワイトボードを自在に引き出し、また収容するために、直線往復運動案内機構として従来の戸車機構を用いることも考えられるが、しかしながらこの従来の戸車機構では、一方向の荷重しか受けることができず、使用条件が限られ、汎用性に問題がある。
【0005】本考案は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、極めて静粛に直線往復運動を案内することができ、また正立、逆吊り、横方向等あらゆる方向の荷重を支持し得、異物の侵入に対しても作動不良を起こし難く、加えて必要により耐荷重性能を増大させることができる直線往復運動案内装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案によれば前記目的は、断面矩形状の中空部を有すると共にこの中空部を外部に連通する開口が長手方向に沿って設けられたレールと、このレールの中空部に配された可動体と、この可動体の両側面にそれぞれ回転自在に複数個装着されて、中空部の上面及び底面に転がり接触し得る樹脂製の第一のローラと、この第一のローラの回転面に直交する回転面を有して可動体に回転自在に装着されて、中空部の両側面に転がり接触し得る少なくとも一個の樹脂製の第二のローラとを具備しており、可動体の一方の側面の第一のローラは、その回転軸心が可動体の他方の側面に装着された対応の第一のローラの回転軸心に対して可動体の可動方向において偏心して、当該可動体の一方の側面に装着されており、第二のローラの側面と中空部の底面との間には隙間が形成されている直線往復運動案内装置によって達成される。
【0007】本考案の好ましい一つの例では、可動体の下面の両端には段部が形成されており、この段部のそれぞれにおいて可動体には第二のローラが装着されている。
【0008】
【作用】本考案の直線往復運動案内装置では、複数個の第一のローラが一方の荷重を受け、第二のローラが一方の荷重に直交する他方の荷重を受ける。そして第一及び第二のローラは、レールの中空部に案内されて転がり移動し、而してこれら第一及び第二のローラが回転自在に装着された可動体もまたレールに沿って移動される結果、可動体に支持された黒板、ホワイトボード又は間仕切りは、同じくレールに沿って自在に案内移動されることになる。
【0009】次に本考案を、図面に示す好ましい具体例に基づいて説明する。なお、本考案はこれら具体例に何等限定されないのである。
【0010】
【具体例】図1から図4において、本例の直線往復運動案内装置1は、断面矩形状の中空部2を有すると共に中空部2を外部に連通する開口2aが長手方向に沿って設けられたレール3と、開口2aに一部が臨んでレール3の中空部2に配された可動体4と、可動体4の両側面5及び6にそれぞれ回転自在に複数個、本例では2個装着されて、中空部2の上面7及び底面8に転がり接触し得るアセタール樹脂製の第一のローラ9と、ローラ9の回転面に直交する回転面をそれぞれ有して可動体4の下面12の両端段部12及び13にそれぞれ回転自在に装着されて、中空部2の両側面14及び15に転がり接触し得るアセタール樹脂製の第二のローラ16とを具備しており、第二のローラ16の側面17と中空部2の底面8との間には隙間18が形成されている。
【0011】レール3は本例ではアルミ製であって、押し出し成形によって形成されており、基部31には、取り付け用のねじ32が挿着される貫通孔33が長手方向に適宜の間隔をもって複数個形成されている。
【0012】可動体4は金属からなり、一方の端面41側には、黒板42の一縁に取り付けられたブラケット55をねじ止めするねじ穴43が複数個形成されており、ねじ穴43にねじが適用されて黒板42の一縁はブラケット55を介して可動体4に連結される。ローラ9を回転自在に支持するそれぞれの軸51は、可動体4に形成された貫通孔52に嵌着されている。特に図1及び図2に示すように、側面5のローラ9の軸51と側面6のローラ9の軸51とは、互いにその軸心を一致させないで可動体4に設けられており、而して、可動体4の側面5のローラ9は、その回転軸心が可動体4の側面6に装着された対応のローラ9の回転軸心に対して可動体4の可動方向において偏心して、当該可動体4の側面5に装着されている。ローラ16は、可動体4に形成された貫通孔53に嵌着された軸54に回転自在に支持されている。
【0013】以上のように形成された直線往復運動案内装置1は、図4に示すように黒板42をA方向に関して移動自在に案内支持する。ここで平行に配された一対のレール3はそれぞれねじ32を介して壁、床又は天井等に取り付けられ、それぞれのレール3に、ローラ9及び16並びに可動体4等からなる組立体が例えば一対挿着され、それぞれ可動体4に黒板42の一縁が支持される。そして直線往復運動案内装置1においては、黒板42のA方向の移動では、樹脂製のローラ9及び16の回転で滑らかに且つ極めて静粛にそれが行われるようになっている。また中空部2の底面8に塵埃等の異物等が侵入しても、隙間18が設けられているため、異物等の噛込を避けることができ、ローラ16の滑らかな回転が維持され得る。更に直線往復運動案内装置1は、中空部2の上面7及び底面8に転がり接触し得るローラ9と、ローラ9の回転面に直交する回転面をそれぞれ有して、中空部2の両側面14及び15に転がり接触し得るローラ16とを具備している故、正立、逆吊り、横方向等あらゆる方向の荷重を支持することができ、極めて優れた汎用性を有している。
【0014】なお具体例では、ローラ16を2個設けて直線往復運動案内装置1を構成したが、支持する荷重との関連で適宜1個若しくは2個以上これらを設けて構成してもよい。また、一個のローラ16で直線往復運動案内装置1を構成する場合には、ローラ9間において可動体4に凹所を設け、この凹所においてローラ16を回転自在に可動体4に装着するようにしてもよい。
【0015】
【考案の効果】以上のように本考案の直線往復運動案内装置によれば、極めて静粛に案内し得、また正立、逆吊り、横方向等あらゆる方向の荷重を支持し得、異物の侵入に対しても作動不良を起こし難く、加えて必要により耐荷重性能を増大させることができる。そして、本考案の直線往復運動案内装置によれば、第一及び第二のローラが樹脂製であるために、装置の軽量化を図り得ると共に、可動体の移動においてレールとの間での転がり騒音を大幅に低減でき、極めて滑らかな低騒音の可動体の移動を実現でき、加えて、可動体の一方の側面の第一のローラの回転軸心が可動体の他方の側面の第一のローラの回転軸心に対して偏心して、可動体の各側面に複数個の第一のローラが装着されているために、可動体の移動方向における第一のローラのレールへの接触点が、偏心していない場合と比較して二倍となり、而して、偏心していない場合と比較して可動体の移動方向において二倍の個数の第一のローラを可動体に配したものと等価となり、それ故に、可動体の移動方向において多数の異なる位置で第一のローラがレールへ接触することになり、可動体の揺動を低減できると共に、レールの微小な凹凸に起因する影響をなくすことができ、したがって、樹脂製のローラによる作用と相俟って、更に極めて滑らかな低騒音の可動体の移動を実現できる。
- 【登録番号】第2602150号
【登録日】平成11年(1999)10月22日
【発行日】平成11年(1999)12月27日
【考案の名称】直線往復運動案内装置
- 【出願番号】実願平5−47792
【出願日】平成5年(1993)8月9日
【出願人】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
【審査官】 南澤 弘明
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