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硯
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 表面に耐摩耗性皮膜を塗布形成した軟質のシ−トを硯本体の少なくとも墨摺り部に貼着してなる硯。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】耐摩耗性に優れた硯に関する。
【0002】
【従来の技術】硯の耐摩耗性を良好にする手段として、硯本体の墨摺り部に耐摩耗性皮膜を形成することは知られている。例えば、セラミックスコ−ティングをしたものがある。また、墨摺り部に耐摩耗性板体を配したものも知られている。例えば、プラスチック製の硯本体の墨摺り部に硯用天然石材の板体を嵌着したものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】製造を容易にする上でまだ工夫の余地が残されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、表面に耐摩耗性皮膜を塗布形成した軟質のシ−トを硯本体の少なくとも墨摺り部に貼着してなる硯を要旨とする。
【0005】
【実施例】添付図1、図2に一例を示す。硯本体1は極めて一般的な形状の長方形状のものとしてある。円盤状その他の形状でもよい。材質も、金属、粘土、木材など適宜でよいが、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタ−ル、ポリアミド、ポリカ−ボネ−トなどのプラスチックは、成形が容易であり、軽量であり、それに、適宜着色も容易でカラフルな商品群を形成し易く、好適なものの一つである。
【0006】この硯本体1の墨摺り部2から墨溜め部3に向う斜面4にかけて、シ−トSが貼着してある。少々の衝撃や変形では割れたり折れたりしない軟質のシ−トである。即席ラ−メンの液体調味料を収容している袋体、食品包装(ラップ)用フィルム、書類のインデックスラベルなどと同等あるいは類似のものが一例として挙げられる。なるべく皺になり難いもの、また、耐水性や耐腐食性に優れたものが好ましく、耐水性の紙や変形容易なアルミ箔なども例示できるが、必要に応じて適宜積層成形された適宜厚さの軟質プラスチックシ−トが好適なものの一つである。
【0007】このシ−トSは表面に耐摩耗性皮膜5を有する。スクリ−ン印刷や転写印刷などの印刷とかスプレ−や刷毛塗りなどの塗装とかによって塗布形成されたものである。必要に応じて適宜表面処理などを施した耐摩耗性粉体、例えば、ガラス、石、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化チタンなど適宜天然、合成物の粉体を印刷インクとか塗料とかに含有しておき塗布すればよい。勿論、耐摩耗性粉体とバインダ−とを主材とする専用のインクや塗料といった塗布材を準備して使用してもよい。焼付塗装のような方法も利用できる。いずれにしても、塗布形成であるから容易に形成できる。
【0008】しかも、全面均一な塗膜としてだけではなく、適宜表面凹凸部、適宜模様部として形成できる。図示の耐摩耗性皮膜5も、部分的な凸部となるように部分的に形成された模様部(塗り潰したところ)としてある。このようにすることは、墨摺り部に水を保持し易くして墨摺り性を良好にする利点を有する。
【0009】硯本体1に対するシ−トSの貼着は、シ−トSが軟質で損傷防止に対する取扱いが煩わしくないので適宜接着や粘着により容易になせる。出荷前だけでなく、購入後のユ−ザ−の手で貼着することも容易である。耐摩耗性皮膜5の模様とか色とかが異なる複数のシ−トSを揃えておき、また、できれば硯本体1も軟種か揃えておき、選択購入可能とし、ユ−ザ−がシ−トSを好みの形状にして貼着することもできる。シ−トSとして、接着剤(粘着剤)を裏面に付け、剥離シ−トで保護したものを準備し、硯本体とのセットあるいは別売として販売することも可能である。また、硯本体をプラスチック射出成形品とする場合、インサ−ト成形を利用することもできる。ラベルインサ−トシステムと呼ばれたりすることもあるが、バキュ−ム(吸引)など利用して型の所定内壁にシ−トSを配した状態で成形する訳で、シ−トSの裏面に成形時のプラスチック温度で溶融する有機物を接着剤として付けておくと、確実に一体化されたものが成形できる。
【0010】次に、図3に別の一例を示す。尚、以下において、前例と基本的に同一の部位には同一の参照符号を使用する。
【0011】図に示す硯本体1はシ−トSを貼着する部分に凹部6を有する。シ−トSを貼着する際、空気が抱き込まれて貼着不良部となることがある。凹部6は、空気の逃げ路となる部分である。尚、図示はしないが、この凹部6はシ−トSの貼着外方まで延びる、適宜方向、適宜数の溝状のものであってもよい。もしも、この凹部6に水が侵入するのを懸念するならば撥水性処理を施すなどしておけばよい。
【0012】また、耐摩耗性皮膜5は隙間のない全面的皮膜として形成してある。但し、適宜模様となる表面凹凸を有する点は前例のものと同様である。
【0013】次に、図4にまた別の一例を示す。前例のものにおける凹部6に代えて孔7を形成したものである。孔7もシ−トS貼着時の空気逃げ路となる部分であるが、バキュ−ムの活用もできる。また、耐摩耗性皮膜5は表面凹凸を有さないものとなっている。非塗り潰し部として示す参照符号8の部分は他機能皮膜部であり、例えば、濡れ性とか光沢性とか多色性とかを所望のものとするために形成された部分である。耐摩耗性皮膜5との耐摩耗性の差により、使用するにつれ凹凸が形成されることも期待できる。
【0014】以上の他にも種々なせる。例えば、シ−トSの貼着部は図示したものより広領域とすることもできるし、狭領域とすることもできる。また例えば、耐摩耗性皮膜5の形成に当たって同種または異種の塗布を複数回なすこともできる。更にまた例えば、耐摩耗性皮膜5を模様として形成する場合、そのパタ−ンも図5に示すような網目跡状のものとか、図示はしないが渦巻状のものとかにすることもできる。
【0015】
【考案の効果】本考案の硯は、表面に耐摩耗性皮膜を塗布形成した軟質のシ−トを硯本体の少なくとも墨摺り部に貼着してなるので、耐摩耗性に優れるだけでなく、シ−トそのものの製造も容易であれば硯本体へのシ−ト貼着も割れや折れの懸念なく容易になせ、従って、極めて容易に製造することができる。
- 【登録番号】第2550612号
【登録日】平成9年(1997)6月20日
【発行日】平成9年(1997)10月15日
【考案の名称】硯
- 【出願番号】実願平4−7476
【出願日】平成4年(1992)1月24日
【出願人】
【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
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