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ページ押え具
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- 【要約】
【課題】 図書や書類等において任意のページを開いた状態を保持することが可能な小型且つ汎用性の高いページ押え具を提供する。
【解決手段】 ページ押え具3は、支持部31と、この支持部31の上面に一端が固定された屈曲自在なアーム32と、前記アーム32の他端側の先端部に設けられた係止部33の3部材から構成され、この支持部31は、風圧で移動されることがなく且つ図書等が有する復元力に対して十分に対向し得る程度の重量を有するように構成される。また、アーム32は、屈曲自在で且つ前記復元力に対向してその状態が維持され得るような線状の材質を有する金属ワイヤー等によって形成され、その長さは支持部31の高さ方向の寸法より長く構成される。さらに、係止部33は、その表面が凹凸のついたゴム等の合成樹脂によって球状に形成される。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 配置面に対して固定手段を有する支持部と、前記支持部に設けられた屈曲自在なアームと、前記アームの先端部に設けられ且つ滑り止め材料によって構成された係止部からなることを特徴とするページ押え具。
【請求項2】 前記固定手段が支持部の自重によるものであることを特徴とする請求項1記載のページ押え具。
【請求項3】 前記固定手段が磁石であることを特徴とする請求項1記載のページ押え具。
【請求項4】 前記固定手段が吸盤であることを特徴とする請求項1記載のページ押え具。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、図書や書類等において任意のページを開いた状態を保持するためのページ押え具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に読書等をする際には、図書や書類等の所望のページを開いた状態を維持することが望まれる。しかし、図書の場合には、特に製本自体の構造上から、また左右に開かれたページの厚みがアンバランスになることからページを閉じようとする力が働くことが度々ある。さらに、書類等の場合には風で翻ったり散ったりすることもある。よって、所望のページを開いた状態を維持するためには、両手あるいは片手でそのページを押えることを必要し、人の手を煩わせることが多かった。
【0003】
従来、上記の問題点を解決するために、両端にクリップ等の止め具を付属させた棒からなるページ押え具(特願平6−66376号公報)等が考えられていた。このようなページ押え具は、いずれも図書の背表紙側に前記の棒状部材を配置して、左右のページをそれぞれクリップ等の止め具で固定するものであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、従来の前記背表紙側に配置される棒状部材は、少なくとも本の横幅の2倍以上の長さが必要となるため、文庫本から辞典サイズの様々な図書に対応可能なものにするためには構造上複雑なものにせざるを得なかった。また、棒状部材が一定以上の長さが必要であるため全体的に大きな形状となり、携帯用には向かない以外に、利用しない場合には場所をとるという欠点があった。さらに、通常、図書の厚みやその閉じようとする力は個々の図書ごとに異なっているが、従来の止め具はこのような変化に応じた押圧力を備えたものではなかった。そのため、この押圧力が不足する場合にはページ押え具として役目を果たせないことは言うまでもなく、強すぎる場合にもページが捲りにくくなるという問題点があった。
【0005】
また、従来のページ押え具を書類等に使用した場合、裏面側に配置される棒状部材によりこの書類表面に起伏が生じるため、メモを要する場合には不都合な状態が生じて結局文鎮が必要となる等のように汎用性に極めて乏しかった。
【0006】
本考案は上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、単純で小型な構造を有するとともに、所望のページに対する押圧力の増減が容易で、且つ安定性及び汎用性の高いページ押え具を提供することである。
【0007】
本考案の第2の目的は、磁石を利用することで、より小型でしかも充分な押圧力を有するページ押え具を提供することである。
【0008】
本考案の第3の目的は、吸盤を利用することにより、配置面の材質や角度を選ぶことなく充分な押圧力を有することができるページ押え具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の考案は、配置面に対して固定手段を有する支持部と、前記支持部に設けられた屈曲自在なアームと、前記アームの先端部に設けられた係止部からなることを特徴とする。
【0010】
以上のような請求項1記載の考案では、基本的に3部材のみから構成することが可能となる。また、ページ押え具自身を固定手段によって配置面に対して固定すること、及びアームを屈曲自在に曲げることによって係止部による被係止側への押圧力の増減を調節することが可能となる。
【0011】
請求項2記載の考案は、請求項1記載のページ押え具において、固定手段が支持部の自重によるものであることを特徴とする。このような請求項2記載の考案では、支持部自身によってページを押さえることができる。
【0012】
請求項3記載の考案は、請求項1記載のページ押え具において、固定手段が磁石によるものであることを特徴とする。このような請求項3記載の考案では、支持部が磁性を有する配置面に磁石の磁力で固定される。よって、磁性の部材であれば配置面が垂直であっても、任意の配置面に対してページ押え具全体を固定することができる。
【0013】
請求項4記載の考案は、請求項1記載のページ押え具において、固定手段が吸盤によるものであることを特徴とする。このような請求項4記載の考案では、支持部が吸盤の吸着力によって配置面に固定される。よって、表面が平坦な場所であれば配置場所の材質を選ぶことなく、ページ押え具全体を固定することができる。
【0014】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図面に従って以下に説明する。なお、各実施の形態において同様の構成部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0015】
(1)第1の実施の形態 請求項1,2に記載の考案に対応する実施の形態を、図1に従って以下に説明する。
【0016】
(構成)
図1は、卓上1において図書2を読書する際に本実施の形態のページ押え具3を使用した場合の斜視図である。このページ押え具3は、支持部31と、この支持部31の上面に一端が固定された屈曲自在なアーム32と、前記アーム32の他端側の先端部に設けられた係止部33の3部材から構成されている。
【0017】
支持部31は、それ自身が少なくとも風圧で移動されることがなく、且つ製本自身の形式上または左右に開かれたページの厚みがアンバランスになること等から生じるページを閉じようとする方向への復元力に対して十分に対向し得る程度の重量を有するように構成されている。この支持部31自身の重量が請求項1,2に記載の固定手段に相当するもので、具体的には、鉄、銅、その他の金属、この金属の周囲を合成樹脂や布、紙などで被覆したもの、透明或いは着色ガラス、金属、木材や合成樹脂の中空体の内部に砂などの粉体、水や油などの流体を封入したもの、表面に彫刻を有したものを使用することができる。また、その形状も円柱、円錐状、角柱、角錐状、平板状など適宜選択可能である。
【0018】
また、アーム32は、屈曲自在で且つ前記復元力に対向してその状態が維持され得るような線状の材質を有する金属ワイヤーや金属ワイヤーの表面を合成樹脂で被覆した部材等が使用される。また、適度な剛性と柔軟性を有する合成樹脂単体によって構成することもできる。そして、その長さは支持部31の高さ方向の寸法より長く構成されている。さらに、係止部33は、その表面が凹凸のついたゴムや軟質の合成樹脂などの滑り止め作用を有する部材によって球状に形成されている。この係止部33は、球状態に限定されるものではなく、水滴状、板状、筒状、多面体、木の葉や人の手などの形状を模したものなど自由に選択でき、その大きさも適宜選択可能である(作用)
以上のような構成を有する本実施の形態のページ押え具の作用は、以下の通りである。まず、ページ押え具3は、配置面である卓上1において所望のページを開いた状態で置かれる図書2の近傍に配置される。そして、ページ押え具3のアーム32は左右に開かれた図書2の厚みに応じて任意の方向且つ形状に屈曲され、係止部33が図書2の所望のページ上に接触して配置される。
【0019】
この時、係止部33は、その表面が凹凸のついたゴム等の合成樹脂から形成されているために、図書2のページ表面を傷つけることなくしかも摩擦力が大きくなる。よって、図書2にページを閉じようとする復元力が生じても係止部33と図書2のページ上における接触位置は変化しない。また、屈曲されたアーム32は前記復元力にかかわらず屈曲方向及び形状が維持されるため、この復元力は支持部31へ伝達される。しかし、支持部31は前記復元力に対して十分に対向し得る程度の重量を有するため、ページ押え具3全体の力と図書2の復元力の力が拮抗し、両者は静止した状態が保持される。
【0020】
(効果)
以上のような本実施の形態の効果は以下の通りである。すなわち、まず3部材のみから形成され且つページの片側のみを押えるものであるため、構造を単純化及び小型化することが可能となる。また、アームの長さが支持部の高さ方向の寸法より長く構成されているため、様々な屈曲態様が可能となり、使用する状況や図書の形状に適宜対応することができる。さらに、係止部の表面が凹凸のついたゴムや合成樹脂の滑り止め作用を有する部材によって形成されているので、接触部を傷付けることなく且つページ上を滑りにくくなっており、所望のページ上に確実に接触させることができる。しかも、係止部は球状に形成されているのでページ上との接触部を適宜変更させることができ、凹凸のついた表面が摩耗しにくい。さらに、本実施の形態のページ押え具は係止部の一点のみにおいてページと接触しするため、図書を読書する場合に限らず書類に書き込みする場合においても使用することが可能となり、汎用性が増す。また、配置面に対する固定手段が自重にのみにより、且つ配置面との接触面が支持部のみによるため、従来の文鎮としの使用も可能である。
【0021】
(2)第2の実施の形態 請求項3記載の考案に対応する実施の形態を、第2の実施の形態として、図2に従って以下に説明する。
【0022】
本実施の形態において、支持部31の底部には磁石34が埋めこまれており、この磁石34を含めた支持部31の重量は、前記復元力に対して十分に対向し得る程度に構成されている。また、磁石34は、前記支持部31の総重量及び前記復元力に対向し得る程度の磁力が備えられている。さらに、支持部31、アーム32及び係止部33は、合成樹脂からなる外形部35によって一体的に被覆されている。
【0023】
以上のような本実施の形態では、支持部31の底部に埋め込まれた磁石34によって、冷蔵庫、スチールデスク及びキャビネット等のように磁性を有する部材であれば仮に配置面が垂直であったとしても、ページ押え具3全体が固定される。その結果、広範囲の配置場所への使用が可能となるとともに、特に磁石部分を利用して磁性を有する配置面へ一時的に書類等を固定することもできる。
【0024】
(3)第3の実施の形態 請求項4記載の考案に対応する実施の形態を、第3の実施の形態として、図3に従って以下に説明する。
【0025】
本実施の形態においては、支持部31が吸盤により形成され、この吸盤には本実施の形態のページ押え具3全体の重量及び前記復元力に対して十分に対向し得る程度の吸着力が備えられている。
【0026】
以上のような本実施の形態においては、支持部31が吸盤の吸着力によって配置面に固定される。その結果、表面が平坦な場所であれば配置場所の材質を選ぶことなく、確実に固定できる。また、配置面が垂直な箇所でも使用可能である。
更に、支持部が軽量でも確実に固定できるため、携帯に便利であり、販促品として頒布する場合にも適している。
【0027】
(4)他の実施の形態 本考案は、以上のような実施の形態に限定されるものではなく、各部材の材質、大きさ、形状及び数量等は適宜変更可能である。
【0028】
例えば、本考案のページ押え具は単純な構造を有するため、その全体の形状は上記の図面に記載された形状に限定されるものではなく、図4,5及び図6に示すような動植物や機器など多種多様な形状に作ることが可能であり、ページ押え具として使用しない場合にはインテリアとして使用することもできる。
【0029】
また、上記実施の形態は、単独での使用例を示しているが、同時に複数個使用することによって、図書の厚みや横幅等の形状を考慮することなく確実にページを押えることも可能である。更に、図1、図2、図3において一点鎖線で示すように一個の支持部に対して複数のアーム32を設けて、図書の左右のページを同時に押さえることも可能である。
【0030】
さらに、図7,8に示すように支持部31またはアーム32を伸縮自在なコイル状で形成し、支持部31への収納を可能な構成とすることによって、より小型化できる。
【0031】
なお、上記の請求項1〜4記載の考案における各部材は、適宜自由に組み合わせることも可能である。
【0032】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、単純な構成で小型且つ所望のページに対する押圧力の増減が容易なページ押え具を提供することができる。また、図書の厚みに何等限定されることなく、しかも書類等のページ押え具としても使用可能な安定性及び汎用性の高いページ押え具を提供することができる。
- 【登録番号】第3036723号
【登録日】平成9年(1997)2月12日
【発行日】平成9年(1997)5月2日
【考案の名称】ページ押え具
- 【出願番号】実願平8−9964
【出願日】平成8年(1996)10月3日
【出願人】
【識別番号】596144012
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
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