開封器
- 【要約】
【課題】内容物を切断することなく安全、かつ簡単に開封する。
【解決手段】刃の出入口11を除く外周を曲面に形成した本体1、これと同形で外周に側壁を設けたカバ−の内部に、先端部分へ長尺状の案内部31を設けるとともに、その根本に刃を備える。スライドボタンが保持するレバ−13を移動させることにより、刃を本体から出し入れする。長形本体の内側に、上下両縁を同一方向に折り返すとともに一方の縁を波形に成形したスライドレ−ルを挿入する。スライドレ−ルの内側に、先端部分が長尺状の案内部を設け、その根本部33に刃部3を保持するとともに、長形本体から刃を押出し或いは収納するためのスライド片を摺動自在に挿入する。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】刃の出入口(11)を除く外周を曲面に形成した本体(1)と、刃の出入り口(11)を除く外周に側壁(21)を突設するとともに、該本体(1)と同形に形成したカバ−(2)の内部に、先端部分に長尺状の案内部(31)を設けると共にその根本部(33)に刃(34)を設けた刃部(3)を内設し、スライドボタン(23)によって把持されたレバ−(13)を移動させることにより、刃(34)を本体(1)より出し入れすることを特徴とする開封器。
【請求項2】カバ−(2)に突設した側壁(21)の一部に開口部(22)を設け、刃部(3)を取替可能としたことを特徴とする請求項1記載の開封器。
【請求項3】長形本体(40)の内側に、上下両縁を同一方向に折り返すとともに、一方の縁を波形(41)に成形したスライドレ−ル(42)を嵌入し、該スライドレ−ル(42)の内側に、先端部分に長尺状の案内部(31)を設け、その根本部(33)に刃(34)を設けた刃部(3)を保持すると共に、長形本体(40)から刃(3)を押出し或いは収納するためのスライド片(43)を摺動自在に挿入したことを特徴とする開封器。
【請求項4】刃部(3)の先端部分に長尺状の案内部(31)と保護部(32)を設け、その根本部(33)には刃(34)を設けたことを特徴とする、請求項3記載の開封器。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は,封筒や各種袋物の開封部分を切断するときに用いる開封器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、封筒を開封する際には、鋏で開封すべき部分を切断するか、ペーパーナイフを用いて封筒の隙間部分に差込んで開封するのが一般的である。また、封筒専用の開封器や電動式の開封器も市販されており、例えば、実開昭52−124796に示す開封カッターや実開昭55ー60396に示す電動式の開封機が開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
鋏で封筒を開封する際には、封筒の端部を数ミリ程度切り取らなければならないが、封筒の長さ一杯に内容物が入っている場合には、内容物の端を切断してしまうことになり不都合が生じる。また、内容物を切断しないようにして開封するには封筒一枚毎に慎重にかつ切断箇所に注意する必要があるため、非常に手数のかかる作業となっていた。さらに、糊等で完全に封緘してある封筒をペーパーナイフで開封することは、ペーパーナイフの差込口がないため作業が著しく困難であった。実開昭52−124796に示す開封カッターは、封筒の封緘部を切欠溝内に挿入し、溝内に露出する刃部で切断させるものであるが、封緘部への最初の切り込みが容易でなく、また真直に切断することが困難である。従って、内容物を傷つけたり、切断したりする可能性が非常に多い。一方、実開昭55ー60396のような電動式の開封機においては、封筒案内溝に封緘部を差込んで切断をするため、前記の開封カッターよりは確実に開封できるものの、やはり封緘部を数ミリ程度切断しなければならず、内容物を傷つけるという欠点を絶えず内包していた。そこで考案者は、実願平5−4936号に示す開封器を考案したが、本考案はこれを更に改良したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本考案では、刃の出入口を除く外周を曲面に形成した本体と、外周に側壁を突設した該本体と同形に形成したカバ−の内部に、先端部分に長尺状の案内部を設けると共にその根本部に刃を設けた刃部を内設し、スライドボタンによって把持されたレバ−を移動させることにより、刃を本体より出し入れしている。
【0005】
また、長形本体の内側に、上下両縁を同一方向に折り返すとともに、一方の縁を波形に成形したスライドレ−ルを嵌入し、該スライドレ−ルの内側に、先端部分に長尺状の案内部を設け、その根本部に刃を設けた刃部を保持すると共に、長形本体から刃を押出し或いは収納するためのスライド片を摺動自在に挿入した。
また、刃部の先端部分に長尺状の案内部と保護部を設け、その根本部には刃を設けた。
【0006】
【考案の実施の形態】
本考案の開封器では、本体は、刃の出入口を除く全周を曲面に形成している。
また、端部には紐等を係止できる挿入穴を設けている。
【0007】
カバ−は本体と同形に成形し、刃の出入口を除く全周には側壁を突設し、該側壁の一部に、刃を交換するときに棒を装入するための開口部を設けている。
【0008】
刃部の先端部分には長尺状の案内部を設け、その根本部には刃を設ける。案内部の先端は容易に紙を切開出来るよう尖っており、先端から根本部に向かって勾配またはテーパーをつけて形成し、根本部には円弧状の刃を設けている。また、案内部と反対側の刃部本体には、穴を設けている。
【0009】
また、刃部は本体内部に設けられたレバ−、押えレバ−、及びスプリングによって保持されている。
【0010】
第2実施例による開封器では、長形本体の内側に、上下両縁を同一方向に折り返すとともに、一方の縁を波形に成形したスライドレ−ルを嵌入し、該スライドレ−ルの内側には、刃部を保持するとともに、長形本体から刃を押出し或いは収納するためのスライド片を摺動自在に挿入している。
【0011】
第3実施例による開封器では、刃部の形状を、刃部の先端部分には長尺状の案内部と保護部を設け、その根本部に刃を設けた。これにより、保護部で案内部の先端の尖りや刃に人体が触れることによる損傷等を防止することができる。
【0012】
【実施例】
以下、この考案をその実施例を示す図に基づいて説明する。図1は本考案の第1実施例の本体を示す平面図であり、図2はカバ−の平面図である。図において本体1はプラスチックで成形し、刃部3の刃の出入口11を除く全周を曲面に形成する。また、端部には紐等を係止できる挿入穴12を設ける。
【0013】
カバ−2はプラスチックで本体1と同形に成形して、刃の出入口11を除く全周には側壁21を突設する。該側壁21には、刃部3交換のときに棒を挿入する開口部22を設ける。刃部3は略短冊状とし、鋼、ステンレス鋼、セラミッック或はその他非鉄材料を用いて成形する。刃部3の先端部分には長尺状の案内部31を設け、その根本部33には刃34を設ける。案内部31の先端は容易に紙を切開出来るよう尖っており、先端から根本部33に向かって勾配またはテーパーをつけて形成し、根本部33には円弧状の刃34を設ける。また、案内部31と反対側の本体1には、穴35を設ける。なお、刃部3を使い捨てとする場合には、前記開口部22を設けなくてもよい。また、本体1の裏面に磁石を取付て、冷蔵庫の側面等に吸着できるようにする。
【0014】
刃部3は本体1内部に設けられたレバ−13、押えレバ−14、及びスプリング15によって保持されている。また、刃部3の後部側に設けた穴35に、押えレバ−14の先端部に設けたボス17を取付取り外し自在に挿入している。レバ−13の一端は回動自在に係止し、他端は刃部3を本体1外部に押し出し易いよう曲面に形成する。押えレバ−は、一端を本体1に固定する。カバ−2に設けた側壁21の開口部22より適当な棒を挿入して、押えレバ−14の中間部を持ち上げると、押えレバ−14の他端は、刃部3の後部側に設けた穴35に、先端部に設けたボス17を取付取り外し自在に挿入しているから、ボス17が穴35から外れて刃の出入口11から刃部3を取り出すことができる。なお、刃部3を使い捨てとするときは、開口部22を設けなくてもよい。スプリング15はU字形に形成し、一端を保持片16で係止し、他端は刃部3の後端部を保持している。
【0015】
本考案は上記のように構成されているので、図3に示すように親指等でスライドボタン23を矢印方向へ押し出すと、スライドボタン23の係止部に把持されたレバ−13の先端部が、刃部3の側面を押し出すように移動するから、ボス17を支点として刃部3を本体1の外方に押し出す。これにより案内部31と刃34が本体1より露出する。案内部31の先端を封筒50の折返し面51に挿入してそのまま前進させると、案内部31の根本部33に設けられた刃34が封筒50の折返し面51に接触して切断する。また、封筒50だけでなく日用品や食品類の包装についても同様に自在に開封することができる。スライドボタン23を元に戻すと、刃部3が本体1の内部に収納される。
【0016】
図4は第2実施例を示す平面図である。長形本体40の内側に、上下両縁を同一方向に折り返すとともに、一方の縁を波形41に成形したスライドレ−ル42を嵌入する。該スライドレ−ル42の内側には、刃部3を保持するとともに、長形本体40から刃3を押出し或いは収納するためのスライド片43を摺動自在に挿入する。刃部3は略短冊状とし、鋼、ステンレス鋼、セラミッック或はその他非鉄材料を用いて成形する。刃部3の先端部分には長尺状の案内部31を設け、その根本部33には刃34を設ける。案内部31の先端は容易に紙を切開出来るよう尖っており、先端から根本部33に向かって勾配またはテーパーをつけて形成し、根本部33には円弧状の刃34を設ける。また、案内部31と反対側の刃部本体には、スライド片43に係止するための穴35を設ける。
【0017】
図5は第3実施例を示す平面図である。長形本体40の内側に、上下両縁を同一方向に折り返すとともに、一方の縁を波形41に成形したスライドレ−ル42を嵌入する。該スライドレ−ル42の内側には、刃部3を保持するとともに、長形本体40から刃34を押出し或いは収納するためのスライド片43を摺動自在に挿入する。刃部3は略短冊状とし、鋼、ステンレス鋼、セラミッック或はその他非鉄材料を用いて成形する。刃部3の先端部分には長尺状の案内部31と保護部32を設け、その根本部33には刃34を設ける。保護部32は、案内部31の先端の尖りや刃に人体が触れることによる損傷等を防止するものである。案内部31の先端は容易に紙を切開出来るよう尖っており、先端から根本部33に向かって勾配またはテーパーをつけて形成し、根本部33には円弧状の刃34を設ける。また、案内部31と反対側の刃部本体には、スライド片43に係止するための穴35を設ける。
【0018】
【考案の効果】
本考案は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0019】
刃部の先端部分に長尺状の案内部を設け、その案内部の先端は容易に紙を切開出来るよう尖っており、先端から根本部に向かって勾配またはテーパーをつけて形成し、根本部には円弧状の刃を設けたので、封筒を開封する際には、案内部の先端で切断すべき箇所に切り込みを入れ、次に案内部をつうじて刃で封筒の切断すべき箇所を切断できるため、内容物を全く傷つけることがなく開封できる。
【0020】
また、スライドボタンを元に戻すと、刃部が本体内部に収納されるので安全である。
【0021】
また、封筒だけでなく、日用品や食品類の包装についても先端で切断穴を簡単にあけることができるので、開封等に用いると非常に便利である。さらに、部分的に切り抜くことも簡単にできるので、従来品にはない多用途性がある。
【0022】
第2実施例の開封器においては、刃部がスライド式であるから、使用時には刃を押出し、未使用時には刃を本体内部に収納出来るので安全である。
【0023】
また、第3実施例の開封器においては、刃部の先端に保護部を設けたので、先端の尖りや刃に人体が触れることによる損傷等を防止することができる。
- 【登録番号】第3038300号
【登録日】平成9年(1997)3月26日
【発行日】平成9年(1997)6月10日
【考案の名称】開封器
- 【出願番号】実願平8−11463
【出願日】平成8年(1996)10月21日
【出願人】
【識別番号】592215745
【氏名又は名称】
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