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保護装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】モータ及び該モータの駆動制御を担うトランジスタを有する電気自動車の制御装置の保護装置において、前記制御装置は該制御装置の電源であるバッテリーの端子へ接続されるプラグと同一形態のプラグ受けを備え、該プラグ受けを経て前記トランジスタ、前記モータその他の構成部材に前記バッテリーから印加される電圧のうちの一箇所の電圧と前記トランジスタの短絡を示す下限規定電圧値と前記プラグ受けに別置の充電器のプラグが接続された際の誤接続を示す上限規定電圧値との比較によりトランジスタの短絡状態を検出する短絡検出手段と前記構成部材に印加される過電圧を検出する過電圧検出手段とを併有することを特徴とする保護装置。
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- 【考案の詳細な説明】
〔概要〕
電気自動車の制御装置の保護装置に関し、該制御装置内に存するモータの駆動制御を担うトランジスタ自体が短絡故障した際及びバッテリに接続されるプラグを受けるプラグ受けに不適当なプラグ等が装着されて前記トランジスタや前記モータ等に過電圧が印加された際に、該過電圧の状態や前記短絡の状態を検出してそれに対応の処理を行えるようにすることを目的とし、そのため、前記トランジスタの短絡状態を検出する短絡検出手段と前記トランジスタや前記モータ等に対する過電圧を検出する過電圧検出手段を併有する保護装置を構成し、その結果、そうした故障に対し適切な処理が行えるようになり、部品等の損傷を未然に防止できるようになる。
〔産業上の利用分野〕
本考案は電気自動車の制御装置の保護装置に関する。
〔従来の技術〕
電気自動車、例えば、動力源にバッテリーからの電力を用いるフォークリフト(以下バッテリーフォークリフトという)には、該バッテリーフォークリフトの稼働制御に係る制御装置があり、該制御装置内には動力用モータや荷役用のオイルポンプの駆動に関わる荷役モータの駆動制御を担うトランジスタが設けられている。そして、このトランジスタは温度の影響や何等かの異常に起因して短絡故障を起こすことがある。そうした故障に対処するため、従来から前記制御装置内には第6図に示すような前記トランジスタの短絡状態を検出し、それに基づいて前記動力用モータや前記荷役モータに過電流の流れるのを防止する保護装置が組み込まれている。
同図において、バッテリー1のマイナス端子はグランド(GND)に接続されており、プラス端子はプラグの電極2a、プラグ受けの電極2b及びコンタクタ3を介して動力用モータ4の片端子に接続されている。該動力用モータ4の他端子はトランジスタ5のコレクタに接続されている。尚、図においては、前記動力用モータ4は直巻直流モータであり、その界磁巻線を示すため、等価的に前記他端子と前記コレクタの間にコイルが接続されているように示している。
前記トランジスタ5のエミッタはグランドに接続されており、前記コレクタとグランド間にはサージアブソーバ6が接続されている。
一方、前記プラグ受けの電極2bとグランド間はダイオード7、抵抗8、抵抗9及び抵抗10を順次直列に接続して連結してあり、前記抵抗8と前記抵抗9の接続部位と前記トランジスタ5のコレクタ間はダイオード11と抵抗12を介して接続されている。
前記制御装置には、CPU、RAM、パラレル入出力ポート、タイマー、クロック発振回路等を内蔵するMPU(マイクロプロセッサユニット)13が設けられており、該MPU13内のCPUが実行するプログラムはEPROM14に書き込まれている。また、前記抵抗9と前記抵抗10の接続部位とADU(アナログ・デジタル変換ユニット)15のアナログ入力端子は導線で接続されている。そして、該ADU15及び前記EPROM14は公知のようにデータバス、アドレスバス、制御バスを介して前記MPU13に連結されている。前記MPU13の一ビット分の出力ポートはコンタクタドライバ16に接続されており、該コンタクタドライバ16の出力X1、X2は前記コンタクタ3の駆動コイルX1、X2に接続されている。尚、図示を省略したが、前記トランジスタ5のベースは不図示のドライバ等を介して前記MPU13に連結されたり、或いは専用のコントローラに接続されている。尚、荷役モータの駆動も前記動力用モータ4の駆動と同様であるので、図示を省略した。
今、バッテリーフォクリフトが稼働中に何等かの原因で前記トランジスタ5の短絡故障が発生すると、前記ダイオード11及び前記抵抗12を通って流れている電流が増加する。それに伴って、それまで前記抵抗9及び前記抵抗10を介して流れていた電流が減少する。もし、前記抵抗9及び前記抵抗10の値に比べ前記抵抗12の値がかなり低抵抗のものが前記抵抗12として設けられている場合には、前記抵抗8を流れる電流の大部分が前記トランジスタ11と前記抵抗12を流れるようになる。その結果、電位Vaの電圧、即ち、前記抵抗10の電圧降下は殆ど0若しくは数V程度にまで減少する。この電圧は前述のように前記ADU15のアナログ入力端子に印加されているので、該ADU15でその電圧がデジタル値に変換され、該デジタル値は前記MPU13のCPUに読み込まれる。前記EPROM14には第7図に示す如きフローを含むプログラムが書き込まれており、前記MPU13のCPUはこのプログラムを実行する。そして、前記電位Vaの電圧が異常に低いかどうかを判断する。その判断は前記ADU15のデジタル変換値を読み出して、該変換値と予め前記EPROM14に用意されている規定電圧値とを比較し、その比較結果で決定する。前記電位Vaの電圧が異常に低い場合には、前記コンタクトドライバ16に出力している前記MPU13の出力ポートの状態を変え(例えば“H"から“L"に変え)、前記コンタクタを開成して前記動力用モータ及び又は前記荷役モータへの通電を断って走行及び又は荷役の動作を停止させるようにしている。また、前記電位Vaの電圧が規定電圧値の許容変化範囲内に収まっているときは、正常動作が続行されるようになっている。
〔考案が解決しようとする課題〕
前述したように、従来においては前記トランジスタ5の短絡故障に起因する前記モータ等の過電流を防止する保護回路は設けられている。しかしながら、この保護回路は、あくまで、前記モータのドライブ用トランジスタの短絡故障に対するものであり、以下に述べる過電圧保護は何ら考慮されていない。例えば、バッテリーフォークリフトでは、バッテリーに充電をする必要がある。充電の際は、バッテリーと別置の充電器との電気的接続を要する。また、充電の際の充電電流はかなり大電流であり、そのような大電流に充分耐え且つ極性を間違えずに簡単に操作し、その上、構造的にも簡素となるよう前記バッテリーと前記充電器又は前記制御装置との電気的接続には同一形態のプラグとプラグ受けが用いられることが多い。
このように、プラグとプラグ受けに同一形態のものが用いられている場合には、外観からはプラグか或いはプラグ受けかが区別し難い。そのため、誤って、前記充電器のプラグを前記制御装置のプラグ受けに接続してしまうことがある。この誤接続が為されると、前記充電器の出力電圧は、当然、前記バッテリー1の出力電圧より高いので、過電圧が前記制御装置内の前記トランジスタ5や前記モータ4等に印加される。ところが、従来は、モータドライブ用のトランジスタの短絡故障に関しては対処されているが、プラグの誤接続に起因する構成部品への過電圧の印加に対しては、これを防止すべき何らの手段も講じられていなかったため、過電圧の印加に起因する過電流等により該トランジスタ5や前記モータ等の部品を破壊してしまうといった不都合があった。
本考案は、前記従来の問題点に鑑み、前記トランジスタ5の短絡故障に起因する障害の保護機能のみならず、前記プラグと前記プラグ受けの誤接続等に起因する障害の保護機能をも発揮させることができる保護装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本考案の原理を示す回路図である。同図において、バッテリー17のマイナス端子はグランド(GND)に接続されており、プラス端子はモータ22の片端子に接続されている。該モータ22の他端子はトランジスタ23のコレクタに接続され、該トランジスタ23のエミッタはグランドに接続されている。
一方、前記バッテリー17のプラス端子とグランド間はダイオード18a、抵抗19a、抵抗19b及び抵抗19cを順次直列に接続して連結してあり、前記抵抗19aと前記抵抗19bの接続部位と前記トランジスタ23のコレクタ間はダイオード18bと抵抗19dを介して接続されている。
前記抵抗19bと前記抵抗19cの接続部位と前記グランド間に生ずる電圧即ち前記抵抗19cの電圧降下は過電圧検出手段20と短絡検出手段21に被比較電圧として入力されており、前記過電圧検出手段20は前記被比較電圧と基準電圧Vref1との比較により前記モータ22や該モータ22の駆動制御を担う前記トランジスタ23に過電圧が印加されたとき、これを検出し、その出力(OUT1)の状態を変える。
短絡検出手段21は前記被比較電圧と基準電圧Vref2との比較により前記モータ22や前記トランジスタ23が短絡したかどうかを検出し、該トランジスタ23が短絡すると、その出力(OUT2)の状態を変える。
〔作用〕
前記トランジスタ23や前記モータ22に過電圧が印加されると、前記過電圧検出手段20の前記被比較電圧が前記基準電圧Vref1より高くなる。その結果、前記過電圧検出手段20の出力(OUT1)の状態が例えば“L"から“H"に変わる。
前記トランジスタ23が短絡すると、短絡検出手段21の前記被比較電圧が前記基準電圧Vref2より低くなる。その結果、前記短絡検出手段21の出力(OUT2)の状態が例えば“L"から“H"に変わる。これらの変化を利用して例えばブザーを鳴らすとか、表示灯を点滅させたりして異常を知らせるようにすることができ、或いはモータへの電力供給を断ったり、バッテリーから負荷全体への電路を断つことができる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例について、図面を参照しながら詳述する。
第2図は本考案の一実施例を示す要部概略構成図である。
同図において、バッテリー25のマイナス端子はグランド(GND)に接続されており、プラス端子はプラグ26の一方の電極に接続され、該プラグ26の他方の電極はグランドに接続されている。該プラグ26を受けるプラグ受け27の一方の電極は動力用(走行用)のモータ28の片端子に接続されており、前記プラグ受け27の他方の電極はグランド(GND)に接続されている。前記モータ28の他端子はコンタクタ29を介してトランジスタ30のコレクタに接続され、該トランジスタ30のエミッタはグランドに接続されている。
一方、前記プラグ受け27の前記バッテリー25のプラス端子が繋がる電極とグランド間はダイオード31、抵抗32、抵抗33及び抵抗34をそれぞれ直列に接続した電路で結ばれている。前記抵抗32と前記抵抗33の接続部位と前記トランジスタ30のコレクタ間はダイオード35と抵抗36を介して接続されている。また、前記抵抗33と前記抵抗34との接続部位はコンパレータ37とコンパレータ38のそれぞれの一方の入力端子に接続されている。そして、前記コンパレータ37の他方の入力端子(−)には過電圧検出のための基準電圧Vref1が印加され、前記コンパレータ38の他方の入力端子(+)には前記トランジスタ30の短絡を検出するための基準電圧Vref2が印加されている。
前記コンパレータ37と前記コンパレータ38のそれぞれの出力は、CPU、RAM、ROM、パラレル入出力ポート、タイマー、クロック発振回路等を内蔵するMPU(マイクロプロセッサユニット)39の入力ポートI1及びI2に入力している。また、前記MPU39の出力ポートP1は前記コンタクタ29のドライバ40に接続されている。そして、前記MPU39の他の出力ポートP2はインバータ41を介してフォトカプラ42内のLEDのカソードに接続されている。また、前記フォトカプラ42内のトランジスタのエミッタは抵抗43を介して前記トランジスタ30のベースに接続されている。前記フォトカプラ42内のLEDのアノードと前記フォトカプラ42内のトランジスタのコレクタは共に電源(5V)に接続されている。また、前記トランジスタ30のベースは抵抗44を介してグランドに接続されている。
尚、前記MPU39のX、X端子に接続されている水晶発振子は内部のクロック発振回路に接続されている。また、前記MPU39のCPUが実行するプログラムは内蔵のROMに書き込まれている。
尚、荷役用モータ側にも前記トランジスタ30、前記コンタクタ29、前記ドライバ40、前記コンパレータ38等と同様の構成を併設することもできる。
前記動力用モータや前記荷役用モータの駆動制御は図においては一個のトランジスタが示されているだけであるが、必要により複数のトランジスタで制御することもあり、且つ前記MPU39によらず専用のコントローラを用いたり、専用の制御用ICを介して前記MPU39に連結して構成することもある。
而して、前記トランジスタ30や前記モータ28に過電圧が印加されると、前記コンパレータ37の入力被比較電圧、即ち、前記抵抗34の電圧降下が前記基準電圧Vref1より高くなる。その結果、前記コンパレータ37の出力の状態が例えば“L"から“H"に変わり前記入力ポートI1が“H"レベルになる。前記トランジスタ30が短絡すると、前記コンパレータ38の入力被比較電圧、即ち、前記抵抗34の電圧降下が前記基準電圧Vref2より低くなり、前記コンパレータ38の出力の状態が例えば“L"から“H"に変わり前記入力ポートI2が“H"レベルになる。
前記MPU39のROM内には第3図に示す如きフローの例えばタイマー割り込みプログラムが書き込まれており、例えば、100ms毎に該割り込みプログラムが実行されるようになっている。
割り込みがかかると、判断J1で前記入力ポートI1の状態が“H"か“L"かを調べ前記モータ等に過電圧が印加されているかどうかを判断する。もし該入力ポートI1の状態が“H"レベルになっていると処理S1に分岐し、前記出力ポートP1の状態を“H"レベルから“L"レベルに変える。その結果、前記コンタクタ29が開成され前記モータ28への電力供給が断たれてモータはその回転を停止する。その後、割り込み処理を終えて、メインプログラムに戻る。前記判断J1において、前記入力ポートI1の状態が“L"レベルであるときは、判断J2に進み、今度は前記入力ポートI2の状態が“H"か“L"かを調べ前記トランジスタ30が短絡状態か否かを判断する。もし該入力ポートI2の状態が“H"レベルになっていると処理S2に分岐し、前記出力ポートP1の状態を“H"レベルから“L"レベルに変える。その結果、前記コンタクタ29が開き前記モータ28への電力供給が断たれてモータはその回転を停止する。その後、割り込み処理を終えて、メインプログラムに戻る。そして、前記判断J2において、前記入力ポートI2の状態が“L"レベルであるときは、正常状態と判断し、続行中の状態を継続させたまま、割り込み処理を終えて、メインプログラムに戻る。尚、動力用モータと同様の構成を荷役用モータにも適用した場合には前記コンパレータ38、前記入力ポートI2、前記ドライバ40、前記出力ポートP1のそれぞれに相当する他のコンパレータ、他の入力ポート、他のドライバ、他の出力ポートが設けられる構成となるから、前記判断J2の後に該判断J2と同様の判断ルーチンが実行され、前記判断J2と同様の処理が荷役用モータ側に対しても為される。
第4図は、本考案を従来の制御装置に適用した他の実施例を示す要部概略構成図である。同図において、図面に現れる構成は、第6図に示し従来の技術の欄で説明したのと同様であるので、同じ構成部材には同じ記号を付して、それらの説明は省略する。
EPROM14内には、第5図に示すフローのプログラムが書き込まれている。このプログラムも前述のプログラムと同様にタイマー割り込み等で実行される。
割り込みがかかると、ステップST1で電位Vaに対応するADU15のデジタル変換値を読み出して、該変換値と予め前記EPROM14に用意されている上限規定電圧値とを比較し、前記変換値が前記上限規定電圧値より大きいとき、動力用モータ4等に過電圧が印加されていると判断する。その場合、ステップST2に分岐し、コンタクトドライバ16に出力している前記MPU13の出力ポートの状態を例えば“H"から“L"に変え、前記コンタクタ3を開成させ動力用モータ4への電力供給を断つ。その結果、前記動力用モータ4はその回転を停止する。前記ステップST2の実行完了後、割り込み処理を終えて、メインプログラムに戻る。
前記ステップST1において、前記電位Vaが前記上限規定電圧値を超えていないときはステップST3に進み、今度は前記電位Vaに対応する前記ADU15のデジタル変換値が予め前記EPROM14に用意され、且つ0乃至数ボルトに設定されている下限規定電圧値より低下しているかどうかを調べトランジスタ5が短絡状態か否かを判断する。もし前記デジタル変換値が前記下限規定電圧値より低下していれば、ステップST4に進み、前記出力ポートの状態を“H"から“L"に変え、前記コンタクタ3を開成させ動力用モータ4への電力供給を断つ。その結果、前記動力用モータ4はその回転を停止する。前記ステップST3の実行終了後、割り込み処理を終えて、メインプログラムに戻る。
前記ステップST3において、前記電位Vaが前記下限規定電圧値より高い正常な電圧になっているときには、正常状態と判断し、続行中の状態を継続させたまま、割り込み処理を終えて、メインプログラムに戻る。尚、荷役用モータ側にも前記トランジスタ5、前記コンタクタ3、前記コンタクタドライバ16等と同様の構成を併設することもできる。
〔考案の効果〕
以上、詳細に説明したように、本考案によれば、モータの駆動制御を担うトランジスタが短絡故障したり、プラグ受けに不適当なプラグが接続されて前記トランジスタや前記モータ等に過電圧が印加されたような場合、これらを直ちに検出して、それに基づいて前記モータや前記トランジスタ等の印加電圧を断ち、構成部品が損傷する恐れを解消できる。そして、トランジスタの短絡検出の場合も、構成部材に印加される過電圧を検出する場合も、一個所の同じ部位に生ずる電圧に基づきそれらを検出するよう構成したので回路構成を簡素化することができ、従って経済的にも有利な保護装置を得ることができる。
- 【登録番号】第2553026号
【登録日】平成9年(1997)7月11日
【発行日】平成9年(1997)11月5日
【考案の名称】保護装置
- 【出願番号】実願平1−45189
【出願日】平成1年(1989)4月18日
【出願人】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
【審査官】 西村 泰英
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