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電動車用前後進切換えスイッチの回路構造
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】バッテリに前後進切換えスイッチと走行用コンタクタとが直列に接続されている走行制御回路と、電動車の前進状態と後進状態を検出した時に当該前進状態・後進状態に連動して夫々作動させる機器とを備え、前記前後進切換えスイッチは、前後進切換え用接点と、該前後進切換え用接点に連動する前後進検出用接点とを有し、前記前後進切換え用接点に前記走行用コンタクタが接続され且つ前記前後進検出用接点に前記機器が接続されると共に、前記二種類の接点へのバッテリからの入力回路はそれぞれ別に設けられることを特徴とする電動車用前後進切換えスイッチの回路構造。
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- 【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、電動フォークリフト等の電動車の前後進を切り換えるスイッチの回路構造に、電動車の前進及び後進時に連動して作動する機器が接続されている電動車用前後進切換えスイッチの回路構造に関する。
〔従来の技術〕
従来の電動車用前後進切換えスイッチの回路構造は、例えば第3図に示すように、バッテリ1のプラス側にヒューズ2を介して前後進切換えスイッチ3が接続されている。前記前後進切換えスイッチ3は、前進走行用接点3aと後進走行用接点3bとに分岐されて、両接点3a,3bにより前後進切換え用接点を形成し、前記前進走行用接点3aには前進走行用コンタクタ4が接続され、前記後進走行用接点3bには後進走行用コンタクタ5が接続されている。また、スピーカからなる前進表示用機器6が、前記前進走行用接点3aと前記先進走行用コンタクタ4との間から分岐して接続され、ランプからなる後進表示用機器7が、前記後進走行用接点3bと前記後進走行用コンタクタ5との間から分岐して接続されている。さらに、前記前進走行用コンタクタ4,後進走行用コンタクタ5,前進表示用機器6及び後進表示用機器7が、前記バッテリ1のマイナス側に接続されて、電動車用前後進切換えスイッチの回路構造を形成している。
または、第4図に示すように、前記前後進切換えスイッチ3が、前進走行用接点3aと後進走行用接点3bとに分岐されるとともに、前記前進表示用機器6に接続されている前進検出用接点3cと前記後進表示用機器7に接続されている後進検出用接点3dとが別に設けられ、前記前進走行用接点3aと前記前進検出用接点3c,及び前記後進走行用接点3bと前記後進検出用接点3dをそれぞれ連動して、電動車用前後進切換えスイッチの回路構造が形成されているものもある。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来の電動車用前後進切換えスイッチの回路構造では、第3図のように前後進切換え用接点が前後進検出用接点を兼ねている場合には、前後進走行用コンタクタ4,5自体が正常であっても、前進または後進表示用機器6,7の故障で過大な電流が流れるなどして、前後進切換え用接点である前進走行用接点3aまたは後進走行用接点3bが溶着して、前進または後進走行用コンタクタ4,5が解放できずに電動車の走行制御が不能になるおそれがある。
また、第4図のように前後進切換え用接点と前後進検出用接点とが独立していても、バッテリ1のプラス側からの入力回路が一緒のために、ヒューズ2が共用されて前記問題点と同様に、前後進走行用コンタクタ4,5自体が正常であっても、前進または後進表示用機器6,7の故障で過大な電流が流れるなどして、ヒューズ2が切れて走行不能になるおそれがあり、この場合には、作業を中断してその場で表示用機器6,7を修理する必要があるという問題もある。
本考案は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、電動車の走行状態に連動して作動する機器の故障によるトラブルが走行制御回路自体に影響を与えない電動車用前後進切換えスイッチの回路構造を目的にしている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本考案の電動車用前後進切換えスイッチの回路構造は、バッテリに前後進切換えスイッチと走行用コンタクタとが直列に接続されている走行制御回路と、電動車の前進状態と後進状態を検出した時に当該前進状態・後進状態に連動して夫々作動させる機器とを備え、前記前後進切換えスイッチは、前後進切換え用接点と、該前後進切換え用接点に連動する前後進検出用接点とを有し、前記前後進切換え用接点に前記走行用コンタクタが接続され且つ前記前後進検出用接点に前記機器が接続されると共に、前記二種類の接点へのバッテリからの入力回路はそれぞれ別に設けられることを特徴としている。
〔作用〕
前後進切換えスイッチの前後進切換え用接点がオンになると、バッテリのプラス側から前後進切換え用接点及び走行用コンタクタを経てバッテリのマイナス側に電流が流れ、前記走行用コンタクタがモータを正転または逆転させて、電動車を前進または後進させる。このとき、前記前後進切換え用接点がオンになったことに連動して、前後進検出用接点がオンになる。すると、前記バッテリから前後進検出用接点を介して機器に電流が流れ、車体の前進状態または後進状態に合わせて機器が作動する。
前記状態で、前記機器が故障して過大な電流が流れたりすると、バッテリと前記機器との間にあるヒューズや配線が切れたり,前後進検出用接点が溶着して解放できなくなったりすることがあるが、車体の走行制御回路自体には影響がないために、現在の作業を継続して行うことができると共に、安全な場所に移動してから前記機器の修理が可能になる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、回路構造の構成を説明すると、第1図に示すように、バッテリ1を電源として、そのバッテリ1のプラス側に走行用ヒューズ2を介して前進走行用接点3a及び後進走行用接点3bが並列に接続されて、両接点3a,3bによって前後進切換え用接点を形成している。さらに、前記前進走行用接点3aには前進走行用コンタクタ4が接続され、前記後進走行用接点3bには後進走行用コンタクタ5が接続され、該前進走行用コンタクタ4及び後進走行用コンタクタ5が前記バッテリ1のマイナス側に接続されて走行制御回路を形成している。
また、前記バッテリ1のプラス側には前記走行用ヒューズ2と並列に表示用ヒューズ8が接続され、該表示用ヒューズ8には前進検出用接点3cと後進検出用接点3dとが並列に接続されて、両接点3c,3dにより前後進検出用接点を形成し、さらに前記前後進切換え用接点と前後進検出用接点によって前後進切換えスイッチ3を形成している。このとき、前記前進走行用接点3aと前記前進検出用接点3cが連動し、前記後進走行用接点3bと前記後進検出用接点3dが連動して、前後進切換え用接点がオンになると前後進検出用接点がオンになる。
続いて、前記前進検出用接点3cには前進状態に連動して作動するスピーカからなる前進表示用機器6が接続され、前記後進検出用接点3dには後進状態に連動して作動するランプからなる後進表示用機器7が接続され、該前進表示用機器6及び後進表示用機器7が前記バッテリ1のマイナス側に接続されて、前記走行制御回路とともに前後進切換えスイッチの回路構造を構成している。
前記構成の回路構造では、前記前進走行用接点3aがオンになると、バッテリ1のプラス側から走行用ヒューズ2,前進走行用接点3a及び前進走行用コンタクタ4を経て、バッテリ1のマイナス側に電流が流れる。これによって、前進走行用コンタクタ4が励磁されて図示していないモータを駆動する回路に電流が流れ、それによって図示しないモータが回転して電動車を前進させる。このとき、前進走行用接点3aに連動している前進検出用接点3cもオンになり、前進表示用機器6であるスピーカにも電流が流れて前進状態を知らせる警告音が発せられる。
前記状態で、前進表示用機器6であるスピーカが故障して過大な電流が流れると、表示用ヒューズ8が切れたり前進検出用接点3cが溶着するおそれがあるが、車体を前後進させる走行制御回路自体には影響がないために現在の作業を継続することができるとともに、現在の作業が一段落したときに安全な場所へ移動して故障した前進表示用機器6を修理することができる。
また、後進走行用接点3bがオンになった場合も同様に、後進検出用接点3dが連動してオンになり後進表示用機器7であるランプが点灯する。この状態で後進表示用機器7であるランプが故障して過度に電流が流れると、表示用ヒューズ8が切れたり後進検出用接点3dが溶着するおそれがあるが、前記前進走行時と同様に車体の走行制御回路自体には影響を与えない。
第2図は第2の実施例で、この実施例では前進検出用接点3cと後進検出用接点3dの両接点3c,3dが、独立した別の制御システムからなり車両の前後進状態に連動して作動する機器9に接続され、また前記両接点3c,3dが走行制御回路のバッテリ1のマイナス側に接続されている。
この場合には、前後進切換え用接点の前進走行用接点3aまたは後進走行用接点3bのどちらか一方がオンになると、前記接点3a,3dに連動して前後進検出用接点の一方がオンになり、電動車の前進状態または後進状態の情報が機器9に送られ、該機器9はその前進状態または後進状態に対応した制御を行う。この場合も、走行制御回路から前後進の走行状態の検出用接点3c,3d及び機器9を独立させたことにより、前記機器9の故障等のトラブルが走行制御回路に影響を与えない。
〔考案の効果〕
以上説明してきたように、本考案の電動車用前後進切換えスイッチの回路構造では、車体の前後進切換え用接点と、該前後進切換え用接点に連動する前後進検出用接点とを別に設けるとともに、前記二種類の接点へのバッテリからの入力回路を別にすることで、走行制御回路と電動車の前後進状態に連動して作動する機器とが独立して、機器が故障して過大な電流が流れヒューズを切ったり前後進検出用接点が溶着する等の前記機器のトラブルが、電動車の前後進走行を切り換える走行制御回路に影響しないため、前記機器が故障しても現在の作業を継続できるとともに、安全な場所へ移動して故障して前記機器の修理ができるという効果がある。
- 【登録番号】第2579719号
【登録日】平成10年(1998)6月12日
【発行日】平成10年(1998)8月27日
【考案の名称】電動車用前後進切換えスイッチの回路構造
- 【出願番号】実願平2−122835
【出願日】平成2年(1990)11月22日
【出願人】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【合議体】
【審判長】奥村 寿一
【審判官】飯尾 良司
【審判官】近藤 幸浩
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