スポンサード リンク
スピンドル軸受装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【課題】 軸受外部ケーシング14によって包囲されている軸受内部ケーシング13の中にネック軸受11とフットステップ軸12とを備えている特にリング精紡機そして撚糸機用のスピンドル軸受装置において、これを、スピンドルの半径方向におけるばね弾性が、従来より安価な構造的費用で且つ僅かな所要空間で得られるように、改良する。
【解決手段】 軸受内部ケーシング13がその下端18に軸ピン部15を有し、軸受外部ケーシング14がその底16に縮径された延長ブッシュ17あるいは底開口33を有し、軸受内部ケーシング13の軸ピン部15が軸受外部ケーシング14の延長ブッシュ17,23内にあるいは底開口33内に係止されて、軸受内部ケーシング13が軸受外部ケーシング14内において所定のモーメント強さで揺動自在に取り付けられている。

- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 軸受外部ケーシング(14)によって包囲されている軸受内部ケーシング(13)の中にネック軸受(11)とフットステップ軸受(12)とを備えている特にリング精紡機そして撚糸機用のスピンドル軸受装置において、軸受内部ケーシング(13)がその下端(18)に軸ピン部(15)を有し、軸受外部ケーシング(14)がその底(16)に縮径された延長ブッシュ(17)あるいは底開口(33)を有し、軸受内部ケーシング(13)の軸ピン部(15)が軸受外部ケーシング(14)の延長ブッシュ(17、23)内にあるいは底開口(33)内に係止されて、軸受内部ケーシング(13)が軸受外部ケーシング(14)内にて所定のモーメント強さで揺動自在に取り付けられていることを特徴とするスピンドル軸受装置。
【請求項2】 軸受内部ケーシング(13,21,30,46)および特に軸受外部ケーシング(14,20,32,40)が、非常に薄肉の底(16,18,21,43)を有していることとする請求項1に記載のスピンドル軸受装置。
【請求項3】 軸受内部ケーシング(13,21)の軸ピン部(15)が、軸受外部ケーシング(14,20)の延長ブッシュ(17,23)内に圧入されているか、あるいはねじ込まれていることとする請求項1又は請求項2に記載のスピンドル軸受装置。
【請求項4】 軸受内部ケーシング(30)の軸ピン部(31)が、軸受外部ケーシング(32)の底開口(33)を貫通して延び、ナット(34)がねじ込まれる雄ねじを有していることとする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のスピンドル軸受装置。
【請求項5】 軸受外部ケーシング(40)の延長ブッシュがくびれ部を有し、このくびれ部に、軸受内部ケーシング(46)に対する心出し装置を固定するために雄ねじ付き環状厚肉部(41)が続いていることとする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のスピンドル軸受装置。
【請求項6】 雄ねじ付き環状厚肉部(41)上に、点状隆起部を備えたナットがねじ込まれるか、あるいはナット(42)がねじ込まれ、このナット(42)と軸受外部ケーシング(40)との間に、点状隆起部(45)を備えたリング(44)が配置されることとする請求項5に記載のスピンドル軸受装置。
【請求項7】 軸受内部ケーシング(13,21,30,46)と軸受外部ケーシング(14,20,32,40)との間に減衰媒体(19)が置かれていることとする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のスピンドル軸受装置。
スポンサード リンク
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、軸受外部ケーシングによって包囲されている軸受内部ケーシングの中にネック軸受とフットステップ軸受とを備えている特にリング精紡機そして撚糸機用のスピンドル軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特に、リング精紡機そして撚糸機用のスピンドル軸受装置の場合、高速回転中に常に半径方向に作用する振動が生ずるために、それに対応した減衰装置を設けねばならない。従来この理由から、スピンドル軸受装置は一般に上部に、半径方向に作用するばねを有している。このばねを利用しない公知の方式では、例えばドイツ特許出願公開第4036353号明細書に示されているように、軸受内部ケーシングおよび軸受外部ケーシングが、プラグを介して、ばね弾性の先細領域に結合されている。しかしこの方式では軸受装置の構造が非常に長くなる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の課題は、冒頭に述べた形式のスピンドル軸受装置を、スピンドルの半径方向におけるばね弾性が、従来より安価な構造的費用で且つ僅かな所要空間で得られるように、改良することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題は本考案によれば、冒頭に述べた形式のスピンドル軸受装置において、軸受内部ケーシングがその下端に軸ピン部を有し、軸受外部ケーシングがその底に縮径された延長ブッシュあるいは底開口を有し、軸受内部ケーシングの軸ピン部が軸受外部ケーシングの延長ブッシュ内にあるいは底開口内に係止されて、軸受内部ケーシングが軸受外部ケーシング内において所定のモーメント強さで揺動自在に取り付けられていることによって解決される。
【0005】
これによって、スピンドル軸受装置の構造長さが短縮される。ドイツ特許出願公開第4036353号明細書での公知のばね弾性プラグが省かれることによって、スピンドルの構造長さが減少する。軸受内部ケーシングと軸受外部ケーシングとの結合箇所は、軸受内部ケーシングが軸受外部ケーシング内でそれを中心として揺動できるヒンジ継手のように作用する。
【0006】
軸受内部ケーシングおよび特に軸受外部ケーシングは、非常に薄肉の底を有している。これによって薄肉底はダイヤフラムのように作用する。薄肉底の厚さおよび形状によって、ネック軸受の所望の半径方向ばね剛さが生じさせられる。
このようにして薄肉底は、これが軸受内部ケーシングの軸ピン部の撓み性と共に所望のネック軸受剛性を得るように、設計されている。
【0007】
安価に製造できるようにするために、軸受内部ケーシングの軸ピン部は、軸受外部ケーシングの延長ブッシュに圧入されているか、あるいはねじ込まれる。
【0008】
組立および分解を容易にするために、軸受内部ケーシングの軸ピン部は、軸受外部ケーシングの底開口を貫通して延び、ナットがねじ込まれる雄ねじを有する。
【0009】
軸受外部ケーシング内における軸受内部ケーシングの心出しが容易にできるようにするために、軸受外部ケーシングの延長ブッシュがくびれ部を有し、このくびれ部に、軸受内部ケーシングに対する心出し装置を固定するために雄ねじ付き環状厚肉部が続いている。
【0010】
また、これと同じ理由から、雄ねじ付き環状厚肉部上に、点状隆起部を備えたナットがねじ込まれるか、あるいはナットがねじ込まれ、このナットと軸受外部ケーシングとの間に、点状隆起部を備えたリングが配置される。その点状隆起部はナットが締めつけられた際に、軸受外部ケーシングの底に押しつけられ、これによって軸受外部ケーシングの延長ブッシュが横に押され、軸受内部ケーシングが傾斜する。
【0011】
振動の減衰作用を向上するために、軸受内部ケーシングと軸受外部ケーシングとの間に減衰媒体が置かれる。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本考案に基づくスピンドル軸受装置の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1には、ネック軸受11とフットステップ軸受12とを備えたスピンドル軸受装置10が示されている。このスピンドル軸受装置10は軸受内部ケーシング13を有し、この軸受内部ケーシング13は軸受外部ケーシング14によって包囲されている。軸受内部ケーシング13は下端に軸ピン部15を有している。軸受外部ケーシング14は底16に縮径された延長ブッシュ17を有し、この中に軸ピン部15が圧入されている。これの製造技術は非常に簡単である。軸受外部ケーシング14の底16および軸受内部ケーシング13の底18は非常に薄肉の底として形成されている。その薄肉底16,18はダイヤフラムあるいは自在継手として作用する。薄肉底16,18および軸ピン部15の撓み性により、軸受内部ケーシング18がネック軸受11およびフットステップ軸受12と共に半径方向に弾性変形できる。薄肉底16,18の厚さおよび形状によって、所望の半径方向ばね剛さが決定される。軸受外部ケーシング14と軸受内部ケーシング13との間に、補助的に半径方向振動を減少する目的を有する減衰媒体19が置かれている。
【0014】
図2には、軸受外部ケーシング20と軸受内部ケーシング21との異なった結合方式が示されている。軸受内部ケーシング21はその下端に雄ねじ付き軸ピン22を有している。軸受外部ケーシング20はその下端に雌ねじ付きの縮径された延長ブッシュ23を有している。軸受内部ケーシング21は軸受外部ケーシング20にねじによってねじ込み結合されている。
【0015】
図3には、下端に雄ねじ付き軸ピン31を有している軸受内部ケーシング30が示されている。軸受外部ケーシング32はその下端に開口33を有している。
この開口33を貫通して導かれる軸ピン31およびこの軸ピン31に外からねじ込まれるナット34によって、軸受内部ケーシング30および軸受外部ケーシング32は互いに結合される。
【0016】
図4には、縮径された延長ブッシュに環状厚肉部41が設けられている軸受外部ケーシング40が示されている。この環状厚肉部41上にナット42がねじ込まれている。ナット42と軸受外部ケーシング40の底43との間に、点状隆起部45を有するリング44が配置されている。ナット42が締めつけられると、リング44の点状隆起部45が軸受外部ケーシング40の底43に押しつけられ、これによって環状厚肉部41は横に押され、これによって軸受内部ケーシング46が所望の方向に傾斜する。このようにして、軸受内外ケーシング40,46の心合わせが容易に実現される。
- 【登録番号】実用新案登録第3079279号(U3079279)
【登録日】平成13年5月23日(2001.5.23)
【発行日】平成13年8月10日(2001.8.10)
【考案の名称】スピンドル軸受装置
- 【出願番号】実願2001−358(U2001−358)
【出願日】平成11年11月18日(1999.11.18)
【出願人】
【識別番号】599091944
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【識別番号】100084180
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
-
当サイトではIPDL(特許電子図書館)の公報のデータを著作権法32条1項に基づき公表された著作物として引用しております、
収集に関しては慎重に行っておりますが、もし掲載内容に関し異議がございましたらお問い合わせください、速やかに情報を削除させていただきます。