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ドクタ―ブレ―ド支持装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】ロールと当接するブレード1が長尺帯状板からなるブレードホルダ2を介して取付ねじ3で支持部材4に取り付けられたドクターブレード支持装置において、前記ブレードホルダ2上に長手方向に間隔をおいて配列した複数の長方形板片からなる補強用プレート5を備え、該補強プレート5の各長方形板片を取付ねじ3で各別に支持部材4上に固着して前記ブレード1を保持するとともに、前記補強用プレート5の各長方形板片上のブレード1と反対側にブレードホルダ2との間に間隙を形成する微調整ねじ10を螺合配備し、該微調整ねじ10の螺合長さの調節で前記補強用プレート5の各長方形板片のブレード1側にある自由端縁51を介して前記ブレードホルダ2をブレード1に接離可能に移動させるように構成したことを特徴とするドクターブレード支持装置。
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- 【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、製紙用ロールの埃取りなどに使用されるドクターブレードの支持装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のドクターブレード支持装置では、ロール接触させ、ロール表面に付着した埃類を剥ぎ取るブレードを、その先端がロール表面に対して均一な線圧、即ちロールの軸方向にブレードの接触圧が均一に分布する圧力でロールに接触できるように調節手段を備えて保持することが知られている。
しかしブレードは、強固な保持力と安定性と柔軟性とも要求されるので、比較的薄い板部材、例えば金属製からプラスチック製の各種の材質と各種の厚さのブレードが用いられることが多く、ブレードをロールに対して回動させて使用中その接触圧が変化しやすいために第6図に示すようにブレードGを比較的強固な板部材の保持プレートFで支持部材Cに上下に挟持して、ブレードGの湾曲を保持プレートFでブレードGの姿勢を保つホルダが用いられている。そして支持部材Cは、直接ドクターバックEにねじ止めしたり、或いはピボットロッドDで揺動自在に支えられ、該ドクターバックEと支持部材Cとの間に介在された加圧エアチューブA及び開放チューブBでブレードGを持ち上げ,下げしてブレードGの位置を調整するものであった。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが、この保持プレートではロールの軸方向に連続した一枚物の板部材が用いられているために使用中ブレードの接触圧の分布状態が変化しない利点があるものの、このホルダをロールの外面に取り付けてブレードとロールとの接触圧をロールの軸方向に総て均一に分布させるために、ロール面とブレードの接触を均一に調整するには、かなりの労力を用するほか、保持プレートFの幅は機械にて仕上加工されるが、厚みと長さは素材のまま使用されるため、保持プレートFとブレードGとの接触端部の精度はそれほど期待出来ない。
また、各種の加工でこの端部の精度を上げようとする場合、相当な手間と加工機械が必要となり、コストが非常に上がってしまう。
現状はプレートの湾曲を利用して接触端部の誤差を逃がしているが、高い圧力でロールにドクターブレードを当てる必要な用途の場合には、保持プレートFの湾曲度合を小さくするため逃げしろが無くなり、結果として接触端部の精度を更に高める必要が生じて来てロールに対して一定の線圧で加圧することが難しくなるなど問題があった。
本考案は、これら従来の欠点を適確に排除でき、保持プレートの精密加工する必要がなく、ブレードの良好な姿勢を維持して使用中ブレードの接触圧が相手ロール面に常に均一な分布で当接して変化しないようなホルダであってしかも、ブレードの接触圧をロール面の軸方向で均一に分布させ、保持プレートの厚さも小さくできるドクターブレード支持装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、ロールと当接するブレード1が長尺帯状板からなるブレードホルダ2を介して取付ねじ3で支持部材4に取り付けられたドクターブレード支持装置において、 前記ブレードホルダ2上に長手方向に間隔をおいて配列した複数の長方形板片からなる補強用プレート5を備え、該補強プレート5の各長方形板片を取付ねじ3で各別に支持部材4上に固着して前記ブレード1を保持するとともに、前記補強用プレート5の各長方形板片上のブレード1と反対側にブレードホルダ2との間に間隙を形成する微調整ねじ10を螺合配備し、該微調整ねじ10の螺合長さの調節で前記補強用プレート5の各長方形板片のブレード1側にある自由端縁51を介して前記ブレードホルダ2をブレード1に接離可能に移動させるように構成したことを特徴とするドクターブレード支持装置である。
〔作用〕
本考案のドクターブレード支持装置では、ブレード1をローラ表面に接触させて運転すると、運転中に生ずるロールやドクターの歪みを吸収してブレード全幅にわたって自動的にドクターの線圧を均一の状態に修正することができる。そして、ブレードホルダ2は取付ねじ3で固定化される補強用プレート5で押圧固着され、この補強用プレート5のブレード側にある自由端縁51を介して前記ブレードホルダ2をブレード1に接離可能に移動させるように微調整ねじ10でブレードホルダ2と補強用プレート5又は支持部材4との間に間隙を形成する構成としていることで、微調整ねじ10を左右に回動すると補強用プレート5の自由端縁51が上下し、補強用プレート5の自由端縁51が下がることでブレード1の先端も下がってロール側に強く当たり、逆に、補強用プレート5の自由端縁51が上がることでブレード1の先端も上がってブレード1のロール側に対する圧接力が小さくなりこの圧接力の大小でブレード1の変形の度合いを調節できるため、ブレード1の強固な保持とその安定性を損なうこと無く、接触相手のロールに一定の線圧で加圧できることとなり、しかもプレートの厚み方向の湾曲は強化されているのでプレート自体の厚さを従来のものより薄くでき、その結果長さ方向のねじれや曲がりの応答性能は向上させることが可能である。
〔実施例〕
本考案の実施例を第1〜2図例で説明すると、ロールRと当接するブレード1がブレード1と略同一長さのブレードホルダ2、即ち保持プレートを介して組立用の取付ねじ3で支持部材4に取付けられたドクターブレード支持装置において、前記ブレードホルダ2にに長手方向間欠的に重合する補強用プレート5を備え、かつ該補強用プレート5のブレード側にある自由端縁51を介して前記ブレードホルダ2をブレード1に接離可能に移動させるように微調整ねじ10でブレードホルダ2と補強用プレート5又は支持部材4との間に間隙を形成する構成とし、ブレード1を支持部材4に強固に保持したドクターブレード支持装置としてある。
この場合、前記補強用プレート5が、複数の長方形板片であって、ブレードホルダ2上に間隔をおいて配列したのであり、取付ねじ3で各別に支持部材4上に固着してブレード1を保持するのがよく、プレート側の長さ方向のねじれや曲がりの作用が損なわれることがなく、長さ方向の応答性も大幅に向上でき便利であり、殊にブレード1が支軸8で揺動自在に備えられ、ドクターバック7上にエアーチューブ6を介して取付けられたフィンガーの支持部材4で保持されたものである場合には、フィンガーと同じ位置に取付ねじ3でブレードホルダー2と共に、フィンガーと同様巾の補強用プレート5をそれぞれ固着するのがよい。
そして前記微調整ねじ10は、補強用プレート5に設けた螺合部9に進退自在に備えられ、ブレードホルダ2に形成した貫通孔に嵌挿されて支持部材4上に当接できるようにし、この微調整ねじ10のねじ込みで補強用プレート5の他端がブレードホルダ2に対して接離して間隙を形成する構成となっている。
第3図の具体例では、ブレードホルダ2に形成した貫通孔に嵌挿された微調整ねじ10を支持部材4にタップ立てし、該微調整ねじ10の頭部を補強用プレート5の下面に当接し、前記補強用プレート5に六角レンチが操作用孔101を設けて前記微調整ねじ10の頭部を上下動させて補強用プレート5の他端を上げ下げして補強用プレート5とブレードホルダ2との間に隙間が形成される構成とし、ブレード1のロールRに対する接触姿勢を調整できるようにしてある。
なお、第1図及び第3図例において調整の際に組立用の取付ねじ3の一方又は両方を若干弛めて操作しやすいようにすることもできるが、係合孔11の形態の補強用プレート5としてもよい。
第4図例では、補強用プレート5が、櫛状乃至凹凸状の自由端縁を持った板片であって、補強用プレート5の組立取付,取扱いを簡便化できるものである。
第5図の例では、補強用プレート5とブレードホルダ2との重合部分のブレード側の組立用の取付ねじ3の支持部材4に間隙12を形成して、取付ねじ3のねじ込みで補強用プレート5及びブレードホルダ2をともに移動させ、ブレード1の接触端部を上げ下げ調整できるようにしたもので組立用取付ねじ3が微調整ねじを兼用することとなる。
〔考案の効果〕
本考案は、ブレードホルダ上に長手方向に間隔をおいて配列した複数の長方形板片からなる補強用プレートを備え、該補強プレートの各長方形板片を取付ねじで各別に支持部材上に固着して前記ブレードを保持するとともに、前記補強用プレートの各長方形板片上のブレードと反対側にブレードホルダとの間に間隙を形成する微調整ねじを螺合配備し、該微調整ねじの螺合長さの調節で前記補強用プレートの各長方形板片のブレード側にある自由端縁を介して前記ブレードホルダをブレードに接離可能に移動させるように構成したことにより、プレートの接触端部を高精密度に加工することなく逃げしろがあって微調整できブレードを加圧する際にプレートの湾曲を小さくすることも可能でドクターブレードの姿勢を良好に保つことができると共に、ロールに一定の線圧で加圧できる機能を損なうことなくプレートの湾曲に対しては強化されているのでブレードホルダ自体の厚さを従来より薄くすることができ、その結果長さ方向のねじりや曲がりの作用は、より効果が増すことが可能であり、しかもロール半径方向の湾曲は小さく長さ方向の応答性能は大幅に向上できるし、ドクター線圧をロール全幅にわたって均一化しやすく既設機械への適用も容易簡単で汎用性に富み、安価な形態でブレードの確実な作動を保証でき、堅固な保持力と安定性と柔軟性をも容易に兼ね備える特性をも持たせられ、信頼性の高いホルダとすることができるものである。
- 【登録番号】第2508790号
【登録日】平成8年(1996)6月11日
【発行日】平成8年(1996)8月28日
【考案の名称】ドクタ―ブレ―ド支持装置
- 【出願番号】実願昭63−148436
【出願日】昭和63年(1988)11月16日
【出願人】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】薬師 稔 (外1名)
【合議体】
【審判長】宮本 晴視
【審判官】河合 厚夫
【審判官】久保田 健
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