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ロック装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 保持体と、保持体に対して横軸廻りに回動可能な支持体と、支持体に対して横軸に略直角な離脱方向に移動可能で横軸と同心の円弧凸面を備えた掛合体と、支持体に設けられて掛合体の離脱方向並びに横軸に略直角で掛合体から離間する方向に移動可能な可動体と、可動体を掛合体に近接する方向に付勢する弾性体と、可動体に設けられて掛合体の離脱方向の移動を阻止すべく掛合体に掛合すると共に掛合体の復帰方向廻りに回動可能で掛合体の円弧凸面に適合する円弧凹面を備えた可動掛合体と、可動掛合体を掛合体の離脱方向廻りに付勢する付勢手段と、から構成した事を特徴とするロック装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えばエッジ反転式プラウ等に適用されるロック装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロック装置としては、例えば実開昭61−193114号に記載されたものが知られている。これは、基本的には、掛合体と、掛合体に対して離脱方向に移動可能な支持体と、支持体に設けられて掛合体の離脱方向の移動を阻止すべく掛合体に掛合すると共に掛合体の離脱方向に略直角で掛合体から離間する方向に移動可能な可動掛合体と、可動掛合体を掛合体に近接する方向に付勢する弾性体と、から構成されている。而して、この様なものは、平時には、可動掛合体が弾性体に依り掛合体に近接する方向に付勢されて支持体の離脱方向の移動を阻止すべく掛合体に掛合していると共に、離脱力が作用した時には、可動掛合体が弾性体に抗して掛合体から離脱する方向に移動する事に依り掛合体との掛合が解除される様になっている。ところが、この様なものは、原状に復帰させる時には、離脱時と同様、可動掛合体を弾性体に抗して掛合体から離間する方向に移動させねばならなかったので、離脱力より小さいものの、相当大きな復帰力が必要であった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、叙上の問題点に鑑み、これを解決する為に創案されたもので、その目的とする処は、極めて小さな復帰力に依り復帰できるロック装置を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案のロック装置は、基本的には、保持体と、保持体に対して横軸廻りに回動可能な支持体と、支持体に対して横軸に略直角な離脱方向に移動可能で横軸と同心の円弧凸面を備えた掛合体と、支持体に設けられて掛合体の離脱方向並びに横軸に略直角で掛合体から離間する方向に移動可能な可動体と、可動体を掛合体に近接する方向に付勢する弾性体と、可動体に設けられて掛合体の離脱方向の移動を阻止すべく掛合体に掛合すると共に掛合体の復帰方向廻りに回動可能で掛合体の円弧凸面に適合する円弧凹面を備えた可動掛合体と、可動掛合体を掛合体の離脱方向廻りに付勢する付勢手段と、から構成した事に特徴が存する。
【0005】
【作用】平時には、可動体が弾性体に依り掛合体に近接する方向に付勢されていると共に、可動掛合体が付勢手段に依り掛合体の離脱方向廻りに付勢され、可動掛合体が掛合体の離脱方向の移動を阻止すべく掛合体に掛合している。離脱力が作用した時には、支持体に対して掛合体が離脱方向に移動し、可動掛合体が弾性体に抗して可動体と共に離間方向に移動する事に依り掛合体との掛合が解除される。原状に復帰させる時には、支持体に対して掛合体を復帰方向に移動させる。そうすると、可動掛合体が掛合体に依り付勢手段に抗して復帰方向廻りに回動し、掛合体が原状に復帰した後には、可動掛合体が付勢手段に依り離脱方向廻りに回動して掛合体に掛合する。この時、可動掛合体を弾性体に抗して可動体と共に離間方向に移動させる事がなく、付勢手段に抗して復帰方向廻りに回動させるだけであるので、極めて小さい復帰力に依り復帰させる事ができる。保持体に対して支持体を横軸廻りに回動させると、掛合体の円弧凸面と可動掛合体の円弧凹面との掛合量が変化し、掛合体と可動掛合体との掛合を解除する離脱力を可変する事ができる。
【0006】
【実施例】以下、本考案の実施例を、図面に基づいて説明する。図1は、本考案の実施例に係るロック装置を示す縦断側面図。図2は、図1の要部縦断正面図。図3は、図2の底面図。図4は、掛合体と可動掛合体との掛合が解除される直前の状態を示す要部縦断側面図。図5は、掛合体と可動掛合体との掛合が完全に解除された状態を示す図4と同様図。図6は、掛合体を復帰させる直前の状態を示す図4と同様図。図7は、保持体に対して支持体を横軸廻りに回動させた状態を示す図4と同様図。図8は、掛合体と可動掛合体との関係を示す要部拡大側面図である。ロック装置1は、保持体2、支持体3、掛合体4、可動体5、弾性体6、可動掛合体7、付勢手段8とからその主要部が構成されて居り、この例では、エッジ反転式プラウ9に適用している。エッジ反転式プラウ9は、トラクタショベル等の建設車両(図示せず)に俯仰並びに旋動可能に支持されたプラウ本体10と、これの下部に上下のリンク11に依り反転可能に設けられた反転エッジ12とから成っている。保持体2は、ロック装置1の基本部分を為すもので、この例では、プラウ本体9に設けられて居り、プラウ本体9に傾斜状態に設けられたプレート13と、これに穿設された貫孔14と、これを挾んでプレート13に設けられた左右のブラケット15とから成っている。支持体3は、保持体2に対して横軸16廻りに回動可能なもので、この例では、下方が開口されたシリンダ17と、これの内部に摺動可能に設けられたスプリングホルダ18と、シリンダ17の上部に設けられてスプリングホルダ18を移動させる調整ボルト19と、シリンダ17の下部に設けられて貫孔14を貫通してブラケット15に横軸16に依り枢着される左右の支板20と、シリンダ17の上部に設けられた支片21と、これとプラウ本体10との間に介設されて支持体3を横軸16廻りに回動させる調節ボルト22とから成っている。掛合体4は、支持体3に対して横軸16に略直角な離脱方向に移動可能で横軸16と同心の円弧凸面23を備えたもので、この例では、反転エッジ12に設けて居り、略円柱状を呈して横軸16と同心Oの円弧凸面23を備え、図1に於て前上斜め方向に曲線状に移動する様にしてあり、図8に於て掛合体4の外端点Aが線B上を移動する様にしてある。可動体5は、支持体3に設けられて掛合体4の離脱方向に略直角で掛合体4から離間する方向に移動可能なもので、この例では、シリンダ17に摺動可能に設けた中空状のピストン24と、これの下部に設けられて貫孔13から下突するブラケット25とから成って居り、図1に於て後上斜め方向に直線状に移動する様にしてある。而して、可動体5は、規制手段26に依り前下斜め方向の移動が規制されている。規制手段26は、シリンダ17の開口部分に設けたストッパと、これに当合するピストン24とから成っている。弾性体6は、可動体5を掛合体4に近接する方向に付勢するもので、この例では、圧縮スプリングにしてあり、スプリングホルダ18とピストン24との間に介設してある。可動掛合体7は、可動体5に設けられて掛合体4の離脱方向の移動を阻止すべく掛合体4に掛合すると共に掛合体4の復帰方向廻りに回動可能で掛合体4の円弧凸面23に適合する円弧凹面27を備えたもので、この例では、カム状を呈して横軸28に依りブラケット25に枢着してあり、掛合体4の円弧凸面23に適合する円弧凹面27を備え、図1に於て反時計方向に回動できる様にしてある。可動掛合体7の円弧凹面27の掛合端Cは、図8に示す如く、横軸16の中心Oと横軸28の中心Pを結ぶ直線Dと、掛合体4の円弧凸面23の円周との交点に位置する様にしてある。而して、可動掛合体7は、回動規制手段29に依り図1に於て時計方向の回動が規制されている。回動規制手段29は、可動掛合体7に形成したストッパと、これが当合するピストン24とから成っている。付勢手段8は、可動掛合体7を掛合体4の離脱方向廻りに付勢するもので、この例では、可動掛合体7に設けたスプリングホルダ30と、プラウ本体10に設けたスプリングホルダ31と、これらの間に介装されて可動掛合体7を図1に於て時計方向に回動すべく付勢する引張スプリング32とから成っている。而して、引張スプリング32の弾力は、弾性体6より遙かに小さなものにしてある。次に、この様な構成に基づいて作用を述解する。平時には、図1に示す如く、可動体5が弾性体6に依り掛合体4に近接する方向(前下斜め方向)に付勢されて規制手段26に依りその移動が規制されていると共に、可動掛合体7が付勢手段8に依り掛合体4の離脱方向廻り(時計方向)に付勢されて回動規制手段29に依りその回動が規制され、可動掛合体7の円弧凹面27と掛合体4の円弧凸面23が掛合して掛合体4の離脱方向(前上斜め方向)並びに復帰方向(後下斜め方向)の移動が阻止されている。反転エッジ12に離脱力が作用した時には、図4に示す如く、支持体3に対して掛合体4が離脱方向に移動し、可動掛合体7が弾性体6に抗して可動体5と共に離間方向(後上斜め方向)に移動する事に依り図5に示す如く、掛合体4との掛合が解除される。反転エッジ12を原状に復帰させる時には、プラウ本体10に対して反転エッジ12を復帰方向に移動させる。そうすると、図6に示す如く、可動掛合体7が掛合体4に依り付勢手段8に抗して復帰方向廻り(反時計方向)に回動し、掛合体4が原状に復帰した後には、図1に示す如く、可動掛合体7が付勢手段8に依り離脱方向廻りに回動して掛合体4に掛合する。この時、可動掛合体7を弾性体6に抗して可動体5と共に離間方向に移動させる事がなく、付勢手段8に抗して復帰方向廻りに回動させるだけであるので、極めて小さい復帰力に依り復帰させる事ができる。掛合体4の円弧凸面23と可動掛合体7の円弧凹面27は、円弧状を呈するので、掛合体4を図1の位置から僅かに後下斜め方向に後退させるだけで可動掛合体7が図1に示す位置に復帰する。そして、掛合体4と可動掛合体7には、円弧凸面23と円弧凹面27が設けてあるので、掛合体4が図1の位置に保持されてガタツク事がない。調整ボルト19を螺動すれば、弾性体6の弾力が変化し、離脱力を可変する事ができる。他方、調節ボルト22を螺動させる事に依り保持体2に対して支持体3を横軸16廻りに回動させると、掛合体4の円弧凸面23と可動掛合体7の円弧凹面27との掛合量Lが変化し、掛合体4と可動掛合体7との掛合を解除する離脱力を可変する事ができる。例えば図1並びに図8の実線で示す状態から支持体3を角度θだけ仰起回動して図7並びに図8の鎖線で示す状態にすると、掛合体4の円弧凸面23と可動掛合体7の円弧凹面27との掛合量がL´という様に大きくなり、離脱力を大きくせねばならない。逆に、図略しているが、支持体3を俯伏回動すると、掛合体4の円弧凸面23と可動掛合体7の円弧凹面27との掛合量Lが小さくなり、離脱力を小さくせねばならない。
【0007】尚、保持体2と掛合体4は、先の実施例では、保持体2が固定で、掛合体4が移動するものであったが、これに限らず、例えばこれらを逆にしたり、或は、両者を相対的に移動させても良い。掛合体4は、先の実施例では、支持体3に対して曲線状に移動するものであったが、これに限らず、例えば直線状に移動するものでも良い。可動体5は、先の実施例では、支持体3に対して直線状に移動するものであったが、これに限らず、例えば曲線状に移動するものでも良い。弾性体6は、先の実施例では、圧縮スプリングであったが、これに限らず、例えば引張スプリングにしても良い。付勢手段8は、先の実施例では、引張スプリングを用いたが、これに限らず、例えば圧縮スプリングを用いたり、重力を利用しても良い。
【0008】
【考案の効果】以上、既述した如く、本考案に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。(1) 保持体、支持体、掛合体、可動体、弾性体、可動掛合体、付勢手段とで構成したので、極めて小さな復帰力に依り復帰する事ができる。(2) 支持体に対して掛合体を復帰させる際には、可動掛合体が復帰方向廻りに回動するので、掛合体と可動掛合体とが損傷したり、損耗する惧れが全くない。(3) 保持体に対して支持体を横軸廻りに回動可能にすると共に、掛合体には横軸と同心な円弧凸面を、可動掛合体には円弧凸面に適合する円弧凹面を夫々形成したので、支持体を横軸廻りに回動する事に依り掛合体と可動掛合体の掛合量を変える事ができ、これに依っても離脱力を可変する事ができ、調整範囲を飛躍的に大きくできる。この為、例えば、エッジ反転式プラウに適用した場合には、通常の作業から圧雪剥がし作業まで容易に行なう事ができる。
- 【登録番号】第2505839号
【登録日】平成8年(1996)5月16日
【発行日】平成8年(1996)8月7日
【考案の名称】ロック装置
- 【出願番号】実願平3−16696
【出願日】平成3年(1991)1月23日
【出願人】
【識別番号】000003241
【氏名又は名称】東洋運搬機株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】岩越 重雄 (外1名)
【審査官】 小野村 恒明
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