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走行型清掃装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】トラクタ等の牽引車に牽引される車輪付の走行車体に前下向き傾斜状にスクレーパを配設し、該スクレーパの後部に塵選別機構と塵収集バケットとを設けてなる走行型清掃装置において、前記走行車体の前部を牽引車にリンクヒッチ機構にて連結し、該リンクヒッチ機構を牽引車側からのリフトアームを介して昇降動可能に構成する一方、前記走行車体の前部には、砂面に接地する接地子を昇降動自在に設け、該接地子にて接地圧または走行車体の前部寄り部位の砂面に対する上下移動量を検出するように構成し、この検出信号に応じて、前記スクレーパ先端部の砂面に対する潜り込み量を調節すべくリフトアームを昇降駆動調節する制御手段を設けたことを特徴とする走行型清掃装置。
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- 【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、海水浴場等の砂浜や、行楽地の砂原(砂丘)等に散らばって落ちている流木片、空き缶、塵埃等の廃棄物を収集するための走行型清掃装置の構造に関し、より詳しくは、トラクタ等により牽引されて走行する走行型清掃装置に関するものである。
〔従来の技術〕
この種の清掃装置の先行技術として、特開昭49-34061号公報に開示されているように、塵掻き寄せ板、塵と砂との選別機構、塵集積箱等を搭載した走行車体の前後部に左右一対の車輪を設け、該走行車体をトラクタ等の駆動走行装置にて牽引されるようにしたものがある。
この構成によれば、塵掻き寄せ板は、走行車体の平面視において前向き開放状のコ字型に配設してあり、側面視においては塵掻き寄せ板の下端縁が走行前方側側で砂面より高い位置になり、後端に行くに従って砂面に接するように傾斜形成してある。
従って、塵掻き寄せ板の下端縁が砂面より浮き上がっている箇所の塵埃は素通りするので塵収集効率が悪いという問題があった。
この問題を解決するため、特開昭49-41870号公報では、走行車体の後部寄り部位に左右一対の車輪を設けてトラクタ等にて牽引されるように構成する一方、この走行車体にスクレーパをその横長の先端部が前方下向きに傾斜となるように配設し、該スクレーパのスクリーン部後端下部に塵受け網つきのスクリーンコンベアを設け、その後部にバケットを配設してある。
〔考案が解決しようとする課題〕
前記先行技術の構成において、砂面上に落ちている塵埃や砂面に若干埋もれている塵埃を収集するには、前述のスクレーパの先端部を砂面に対して若干潜らせるように配置する必要がある。
ところで、トラクタ等の牽引車の後部に対して前述の牽引される走行車体を単に連結して前方に牽引するだけの構成であると、走行車体の前進につれて、スクレーパの先端部が砂面に対して潜り込み勝手となるような力が作用し、走行車体が前方下向き勝手になるので、スクレーパの先端部の砂面下方への潜り込み量が益々増大し、必要以上の砂を掻上げることになると共に牽引抵抗力が増大するという悪循環が発生するのであった。
このような問題は、走行車体に前後対の車輪を設けたものにおいても、走行車体の前輪の接地圧が大きくなり、当該走行車体が前方下向き勝手になるので、走行車体の前輪が益々砂面に潜り込み、スクレーパの先端部の砂面下方への潜り込み量が増大するから同様に生じるのであった。
また、トラクタ等の牽引車に設けたリンクヒッチ機構による連結装置におけるリフトアームにて前述の牽引される走行車体の高さを一定に維持したとしても、前記砂浜の表面は凹凸が激しくうねっていることが多いため、走行車体の前方の砂面が盛り上がっているときには前述の不都合がある一方、前方が多く凹んでいるときには、スクレーパの先端部が砂面に届かず、その箇所だけ清掃ができないという問題もあった。
本考案は、これらの技術的課題を解決することを目的としたものである。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、トラクタ等の牽引車に牽引される車輪付の走行車体に前下向き傾斜状にスクレーパを配設し、該スクレーパの後部に塵選別機構と塵収集バケットとを設けてなる走行型清掃装置において、前記走行車体の前部を牽引車にリンクヒッチ機構にて連結し、該リンクヒッチ機構を牽引車側からのリフトアームを介して昇降動可能に構成する一方、前記走行車体の前部には、砂面に接地する接地子を昇降動自在に設け、該接地子にて接地圧または走行車体の前部寄り部位の砂面に対する上下移動量を検出するように構成し、この検出信号に応じて、前記スクレーパ先端部の砂面に対する潜り込み量を調節すべくリフトアームを昇降駆動調節する制御手段を設けたものである。
〔考案の作用および効果〕
このように、牽引される走行車体の前部に設けた接地子にて、当該走行車体の前部寄り部位の砂面に対する上下移動量を検出することで、砂面の凹凸状態の如何に拘らず、スクレーパ先端部の砂面に対する潜り込み量の大小を検出することができ、この大小に応じてリフトアームを介して走行車体の前部の上下高さ調節、ひいてはスクレーパ先端部の砂面に対する潜り込み量を適正値に調節できるから、牽引抵抗を過大にすることなく、過不足なく砂面を清掃できるという顕著な効果を奏することができる。
〔実施例〕
次に実施例について説明すると、符号1は牽引車であるトラクタを示し、その後部には一本の上部リンク3と左右一対の下部リンク4,4とからなるリンクヒッチ機構2を介して走行型清掃装置の走行車体5を牽引するものであり、走行車体5の前部には、リンクヒッチ機構2に着脱自在自在に縦ピン6連結するための連結枠7を前向きに突出させてあり、リンクヒッチ機構2における左右一対の下部リンクにはリフトアーム8,8を連結し、該リフトアーム8,8を油圧源9及び油圧アクチェータ10にて昇降回動し、リンクヒッチ機構2を介して走行車体5の前部を昇降駆動可能に構成するものである。
第1図及び第2図から理解できるように、走行車体5の前部に左右一対の前輪11,11を、後部に左右一対の後輪12,12をそれぞれ設けてあり、走行車体5の下面側には、側面視略半月状のスクレーパ板13を走行車体5の車巾方向に適宜隙間間隔開けて多数枚配設してなるスクレーパ14を、その先端部が砂面Sに対して若干寸法(H1)潜り込むように前方下向き傾斜配設し、該スクレーパ14の基端部(後端)を支軸15にて上下回動可能に支持し、スクレーパ14の先端側を横向きに貫通する軸17を左右一対の油圧シリンダ16,16にて昇降可能に構成し、作業者が任意にスクレーパ14先端部の砂面Sに対する潜り込み量をセットすることができる。そして、該スクレーパ14の後端に隣接させて塵選別機構と塵収集バケットとを設ける。
即ち、塵選別機構は、広幅の選別網からなるエンドレス状の選別コンベア18を、駆動ローラ19および従動ローラ20に巻掛けして配設し、その後端下部には滑り台21を介して塵収集バケット22を油圧等のアクチェータ24によるリフト機構23を介して曙光動及び後向き反転動可能に装着されている。
前記選別コンベア18の駆動ローラ19はトラクタ1の油圧源9からの油圧による油圧モータ25にて回転駆動しても良いし、別途走行車体5に搭載したエンジンまたは電気モータにて駆動するようにしても良い。
符号26は前記走行車体5前部の連結枠7の支持枠27に支持アーム28を介して上下回動可能に取付く車輪状の接地子で、ポテンショメータ29を支持アーム28に関連させて設け、該支持アーム28の回動角度、ひいては、接地子26の上下移動量を検出するように構成する。
この場合、接地子26の横巾を走行車体5の車体横巾寸法の略1/3程度の長手形状とすることにより、接地子26自体の砂面Sへの潜り込み量を少なくして検出誤差をなくするようにするのが好ましい。
このように構成すれば、トラクタ1にて牽引される走行車体5が前進するにつれてスクレーパ14の先端部は砂面Sに若干潜った状態となり、砂面S上の塵や若干埋もれた塵をスクレーパ14の上面に掬い揚げ、その後方の塵選別機構である選別コンベア18の選別網箇所で細かい砂を落下させることができるから、塵Gだけを塵収集バケット22に収集することができる。
この場合、実施例では、前輪11の下端に対してスクレーパ14の先端部が前記寸法(H1)だけ下位置にあるようにセットすることで、当該スクレーパ14の先端部が砂面Sに対して若干寸法(H1)潜り込むように設定し、前輪11の下端に対する前記接地子26の下端の上下移動量(Hs)をポテンショメータ29の検出値で知ることで、間接的にスクレーパ14先端部の砂面Sに対する潜り込み量の大小を感知する。
そして、この検出値をマイクロコンピュータなどの制御手段30に入力して換算した上下移動量(Hs)(下向き側プラス値)を前記予め設定された潜り込み量(H1)(下向きにプラス値)と比較し、(H1-Hs)の絶対値が所定誤差範囲内であると判別するときは、前記リフトアーム8,8をその姿勢に保持する。この状態ではスクレーパ14の先端部の砂面Sに対する潜り込み量が基準範囲内であるので、走行車体5の前輪11に適性な接地圧が掛かり、前のめりになることがなく、良好な清掃作業を実行できる。
走行車体5前方の砂面Sが盛り上がっている場合等の箇所を通過するとき、接地子26が上向き移動し、当該接地子26の下端が前輪11の下端より上位置になると、前記潜り込み量が基準範囲を越えたと判別する。この状態のままでは、前輪11側の接地圧が過大となり、走行車体5は前のめり勝手となり、スクレーパ14先端部の砂面Sに対する潜り込み量が過大となって牽引抵抗が増大するので、制御手段30から所定の出力信号を出して電磁制御弁31の電磁ソレノイドを作動させ、前記油圧アクチェータ10を介してリフトアーム8,8を上向き回動して走行車体5の前部側を適正位置まで持ち上げる。これにより、スクレーパ14の先端部の砂面Sに対する潜り込み量が基準範囲内にあるように修正できることになる。
反対に、走行車体5の前方が凹むようにうねっている箇所を通過すると、接地子26が下向き回動して、当該接地子26の下端は前輪11の下端より下位置となり、前記潜り込み量が基準範囲より少なくて不足すると判断する。この場合には、前記制御手段30から所定の出力信号を出して電磁制御弁31の電磁ソレノイドを作動させ、前記油圧アクチェータ10を介してリフトアーム8,8を下向き回動して走行車体5の前部側を適正位置まで下降させる。これにより、スクレーパ14の先端部の砂面Sに対する潜り込み量が基準範囲内にあるように修正できることになる。
なお、前記実施例では前輪11の下端と接地子26の下端との高さ位置の比較にて、スクレーパ14の先端部の砂面Sに対する潜り込み量が基準範囲内にあるか否かを判別したが、スクレーパ14の先端部と接地子26下端との高さ位置の直接比較とするように、プログラム設定しても良いのである。
この場合及び以下の各実施例において、前輪11を省略した走行車体5にも適用できる。
また、接地子26の接地圧を検出する圧力センサーを設け、この接地圧の大小判別にて、間接的にスクレーパ14の先端部の砂面Sに対する潜り込み量が基準範囲内にあるか否かを判別しても良いのである。
第1図及び第3図に示すように、連結枠7等走行車体5の前部側、つまり、スクレーパ14の先端部より前方位置に、鎮圧ローラ32,32を昇降動自在且つバネ33にて下向き押圧付勢または自重により押圧できるように配設すれば、砂面Sの小さな凹凸を略平坦に均すことができる。これにより、スクレーパ14の先端部の砂面Sに対する潜り込み量が基準範囲内にあるように設定することが容易となり、且つ、後方の塵選別機構での砂の導入量を少なくできるから、砂の分離作用も良好となる。
均し装置として、第4図に示すようにゴム等の可撓性を有する左右長手のレベラ体34を使用しても良い。これらの均し装置は第1図の一点鎖線で示すように、走行車体5の巾方向に長手で左右対称状に配設し、且つ走行車体の後方に行くにつれて走行車体の巾方向中央側に塵が集まるように傾斜配設することが好ましい。
前記接地子26は、走行車体5の車巾方向に複数並列的に配設し、この複数の接地子26及びポテンショメータ29の検出値の平均値で高さ寸法を採用しても良いし、同様にその複数接地子26に対応させて設けた複数の圧力センサーの検出値の平均値を採用しても良い。さらに、検出の誤差を少なくするため、接地子26の前方位置に前記の鎮圧ローラ32やレベラ体34等の均し装置を配設しても良い。接地子26を横長のローラ状に形成すると、均し作用も奏することができるという便利さがある。なお、接地子26を橇状に形成しても良いのは言うまでもない。
- 【登録番号】第2512484号
【登録日】平成8年(1996)7月9日
【発行日】平成8年(1996)10月2日
【考案の名称】走行型清掃装置
- 【出願番号】実願平2−121694
【出願日】平成2年(1990)11月19日
【出願人】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外1名)
【審査官】 小野村 恒明
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