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凍結防止管
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 通電により自己発熱する導電性樹脂からなる管体と、該管体の内面に絶縁層を介して積層された第1導電層と、該第1導電層の内面に積層されて、圧縮により導通する感圧層と、該感圧層の内面に積層されて、内面を絶縁コートされた第2導電層とを具備し、前記第1導電層と第2導電層とに挟まれた感圧層を介して、前記管体に電源が接続されてなることを特徴とする凍結防止管。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、水道管の屋外露出部、配線管の浸水のおそれのある部分などに使用されて、管内の凍結を自動解消する凍結防止管に関する。
【0002】
【従来の技術】水道管の屋外露出部といった凍結のおそれがある部分では、管内の水が凍結するのを防ぐために、管を強制加熱する必要がある。この加熱手段としては、所謂外付けのヒータが一般的である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、外付けのヒータでは、その装着に手間がかかる。また、ヒータに無駄な電気が流れるのを防ぐために、ヒータの電源をサーモスタットで制御する必要があり、電源回路が複雑になる。
【0004】本考案はかかる事情に鑑みて創案されたものであり、管自体がヒータ及びその制御手段を構成して管内の凍結を自動解消する施工容易で構造簡単な凍結防止管を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案にかかる凍結防止管は、通電により自己発熱する導電性樹脂からなる管体と、該管体の内面に絶縁層を介して積層された第1導電層と、該第1導電層の内面に積層されて、圧縮により導通する感圧層と、該感圧層の内面に積層されて、内面を絶縁コートされた第2導電層とを具備し、前記第1導電層と第2導電層とに挟まれた感圧層を介して、前記管体に電源が接続されてなることを特徴としている。
【0006】
【作用】管内の液体が凍結していない状態では、感圧層は圧縮されず、非導通の状態を維持する。そのため、管体と電源との間が遮断され、管体に電気は流れない。管内の液体が凍結すると、その膨張により感圧層が圧縮されて、導通状態に切り換わる。その結果、管体に電気が流れ、管体が発熱する。この発熱により、管内の凍結が解消されると、感圧層は再び非導通状態に戻り、管体への通電を停止する。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。図1は本考案の一実施例にかかる凍結防止管の一部破断側面図、図2は縦断正面図である。
【0008】凍結防止管10は、水道管等の管路20の凍結の危険がある箇所に、適当な継手を使用して介装されている。
【0009】この凍結防止管10は、合成樹脂に導電性金属を混合した導電性樹脂からなる管体11を有する。管体11の抵抗は、解凍に必要なジュール熱が発生されるように、例えば、数Ω〜数十Ωの抵抗を有している。
【0010】管体11の内周面には、絶縁層12を介して第1導電層13が積層されており、その内周面には、感圧層14を介して第2導電層15が被覆されている。
【0011】第1導電層13および第2導電層15は、管体11と同様に、合成樹脂に導電性金属を混合した導電性樹脂からなるが、その抵抗は、ほぼ0Ωに調整されている。
【0012】第1導電層13と第2導電層15との間に挟まれた感圧層14は、例えば、磁性金属粉末をエラストマに分散させた感圧導電性エラストマであって、圧縮を受けない状態では非導通状態を維持し、圧縮を受けると、導電性を示して導通状態に切り換わる特性を有する。
【0013】第2導電層15の内周面には、管内の水から第2導電層15を絶縁するために、絶縁性コート16が被覆されている。
【0014】管体11の外周面には、保温材17が被覆されている。保温材17は、例えば発泡材からなり、外部冷気を遮蔽すると共に内部発熱の放散を防止する。
【0015】電源30は、一方の端子が第2導電層15の管軸方向一端に接続されている。第1導電層13の管軸方向一端は、管体11の管軸方向一端に接続されている。管体11の管軸方向他端は、電源30の他方の端子に接続されている。
【0016】電源30としては、商用電源を使用することができるが、太陽電池にバッテリを組み合わせた電源等を用いれば、商用電源との配線が不要となり、凍結防止管10の配管箇所が、電源位置による制限を受けなくなる。
【0017】凍結防止管10の内部を流れる水が凍結していないときは、感圧層14が圧縮されないので、第1導電層13と第2導電層15との間が非導通状態となり、管体11の両端に電圧は印加されない。そのため、管体11は発熱しない。
【0018】凍結防止管10の内部を流れる水が凍結すると、凍結に伴う膨張により、感圧層14が圧縮されて導電性を示す。これにより、第1導電層13と第2導電層15との間が導通し、電源30の電圧が管体11の両端に印加される。その結果、管体11の全長にわたって電気が流れ、管体11の全体が発熱する。かくして、凍結防止管10内部の凍結が解消される。
【0019】このとき、感圧層14が第1導電層13と第2導電層15との間に介在されているので、凍結防止管10内部の管軸方向一部で凍結が起こっても、第1導電層13と第2導電層15との間が導通する。そのため、凍結防止管10内部の部分的な凍結も解消される。
【0020】管体11の発熱により凍結防止管10内部の凍結が解消されると、感圧層14が圧縮されなくなり、第1導電層13と第2導電層15との間が非導通状態に戻る。その結果、電源30から管体11への通電が停止される。
【0021】
【考案の効果】以上、本考案にかかる凍結防止管による場合には、通電により自己発熱する導電性樹脂で管体を構成し、管体自体が発熱して管内の凍結を解消するので、ヒータを装着する手間が省略され、施工性が著しく改善される。圧縮により導通する感圧層を管体の内面側に設け、これにより管内の凍結を自動検知して解凍に必要な最小限の電気を管体に通じるので、電気が節約されるのは勿論のこと、サーモスタットを付設する必要がなくなり、電源回路が簡素化される。
- 【登録番号】第2540521号
【登録日】平成9年(1997)4月18日
【発行日】平成9年(1997)7月9日
【考案の名称】凍結防止管
- 【出願番号】実願平3−67193
【出願日】平成3年(1991)7月29日
【出願人】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 孝治
【審査官】 峰 祐治
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