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井戸内の揚水装置
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- 【実用新案登録請求の範囲】
井戸(13)内の上方部を大径に形成して後記竪型自吸式遠心ポンプ(P)の取付スペースを確保し、この大径に形成された部分(13a)においてポンプの吸込揚程を限度とした据え付け高さに竪型自吸式遠心ポンプ(P)を据え付け、その竪型自吸式遠心ポンプ(P)は、水中モーター(1)の下方にポンプ渦流室(2)を設けてその側方より吐出口(6)を上導させ、サクションカバー(7)の直下に水室(9)を設け、且つ、水室(9)の外壁に逆止弁(11)の附設せられた吸込管接続口(10)を開設したことにより、吸込管接続口(10)から水室(9)内およびポンプ渦流室(2)内を経て吐出口(6)に至る通水路が形成せしめられており、上記吸込管接続口(10)に接続された吸込管(14)を井戸(13)内へ導下してその先端開口部を水面下へ挿入したことを特徴とする、井戸内の揚水装置。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、井戸内の揚水装置、特に比較的小径の井戸内の揚水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、井戸内の揚水には地上設置式の横型ポンプが使用されている。水中に沈設して使用するように作られた竪型水中ポンプであっても、ポンプ径よりも小径の井戸内へは沈設できない。また、通常の水中ポンプは水面上から離隔させた状態では機能しない。従って小径の井戸内の揚水には地上設置式の横型ポンプが使用されることになる。そしてポンプの吸込揚程を限度とした据え付け高さに据え付ける必要から、井戸内の上方部のみを大径に形成してポンプの据え付けスペースを確保し、この大径に形成せられた部分に横型ポンプを据え付けて吸込管を井戸内の水面下へ導下させるという方法が採られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし地上設置式の横型ポンプは据え付けに大きなスペースが必要なため、工事費が嵩むことになる。また、地上設置式ポンプのモーターは、耐湿、耐水構造となっていないため、湿気の多い井戸内では耐久性に問題があるばかりでなく、井戸内の増水時に水没すれば直ちに使用不能となるという欠点がある。竪型水中ポンプを使用すれば据え付けスペースも小さくて済み、また、耐湿、耐水構造となっているが、従来の竪型水中ポンプは既述のように、ポンプ吸込口を直接水中に開口させて使用する構造に作られており、水面上から離隔した位置に据え付けた状態では機能し得ない。
【0004】本考案の目的は、ポンプの据え付けスペースが小さくて工事費が嵩まず、井戸内のポンプが湿気に侵されることなく、井戸内の増水時に水没してもポンプの運転に何ら支障のない揚水装置を提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本考案に係る井戸内の揚水装置では、井戸内の上方部を大径に形成して後記竪型自吸式遠心ポンプの取付スペースを確保し、この大径に形成された部分においてポンプの吸込揚程を限度とした据え付け高さに竪型自吸式遠心ポンプを据え付け、その竪型自吸式遠心ポンプは、水中モーターの下方にポンプ渦流室を設けてその側方より吐出口を上導させ、サクションカバーの直下に水室を設け、且つ、水室の外壁に逆止弁の附設せられた吸込管接続口を開設したことにより、吸込管接続口から水室内およびポンプ渦流室内を経て吐出口に至る通水路が形成せしめられており、上記吸込管接続口に接続された吸込管を井戸内へ導下してその先端開口部を水面下へ挿入する。
【0006】
【実施例】以下実施例の図面により説明をする。
【0007】Pは本考案揚水装置に使用される竪型自吸式遠心ポンプ、1は竪型自吸式遠心ポンプPの原動機とされる水中モーター、2はオイル室3を介して水中モーター1の下方に装着されたポンプ渦流室であって、内部にはモーター軸4の先端部に嵌着された羽根車5が収容せられ、その周側より吐出口6が上導されている。7は吸込口8を開口させたサクションカバー、9はサクションカバー7の直下に設けられた水室、10は水室9の外壁に開設された吸込管接続口であって、内部には逆止弁11が附設されている。このようにして、吸込管接続口10から水室9内およびポンプ渦流室3内を経て吐出口6に至る通水路が形成されることになる。12は吐出口6に接続された吐出管である。
【0008】13は前記竪型自吸式遠心ポンプPを装備する井戸であって、その上方部を大径に形成して竪型自吸式遠心ポンプPの据え付けスペースを確保し、この大径に形成された部分13aにおいてポンプの吸込揚程を限度とした据え付け高さに竪型自吸式遠心ポンプPを据え付ける。そして竪型自吸式遠心ポンプPの水室9の外壁に開設せられた吸込管接続口10に、吸込管14を接続してこれを井戸13内へ導下させ、その先端開口部を水面下へ挿入することによって本考案揚水装置が構成される。
【0009】
【作用】この状態で竪型自吸式遠心ポンプPを起動させれば、地上設置型の自吸式ポンプと同様に井戸13内の揚水が行われる。井戸13内に装備される竪型自吸式ポンプPは、原動機として耐湿、耐水構造の水中モーター1を使用しているため、井戸13内の湿気に侵されることなく、井戸13内が異常増水して竪型自吸式ポンプPが浸漬するところまで水位が上昇しているような場合でも、何ら支障なく揚水が行われる。
【0010】
【考案の効果】本考案揚水装置は、井戸13内に装備されるポンプPが竪型構成であるため自吸時の空気の排出効率が良く、且つ据え付けスペースも小さくて工事費が嵩まず、原動機として水中モーター1が使用されているため耐湿、耐水性に優れ、井戸13内の湿気に侵されることなく、井戸13内の異常増水により水没しているような場合でも、何ら支障なく揚水が行われるという利点がある。
- 【登録番号】第2544769号
【登録日】平成9年(1997)5月2日
【発行日】平成9年(1997)8月20日
【考案の名称】井戸内の揚水装置
- 【出願番号】実願平3−59964
【出願日】平成3年(1991)7月3日
【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
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