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防火水槽設備
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- 【要約】
【課題】 地震等で水道管等が破壊されても消火活動に支障をきたさない。
【解決手段】 防火水槽設備1は、内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した貯水槽2と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部にそれぞれ多数の集水孔9を有し、前記貯水槽2の側部2aから水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管3と、これら集水管3で集水し前記貯水空間に溜めた地下水aを、地上に揚水し放水するための消火栓4と、前記地下水aを人力で揚水するための手動式揚水部材6,13とを備える。防火水槽設備1は、地震火災に対する消火活動において、放水により貯水槽2内の水位が低下しても複数の集水管3から自然に補給されるので消火活動に支障をきたすことがなく、前記各集水管3で地下水脈bの広い範囲から集水するので十分な水量の消火用水を速やかに補給でき、手動式揚水部材6,13を用いて人力でも消火活動を行える。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した貯水槽と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部に集水孔を設け、前記貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管と、これら集水管で集水し前記貯水空間に溜めた地下水を地上に揚水し放水するための消火栓とを備えた防火水槽設備。
【請求項2】 内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した耐震構造を有する貯水槽と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部に集水孔を設け、前記貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管と、これら集水管で集水し前記貯水空間に溜めた地下水を地上に揚水し放水するための消火栓と、緊急時に必要となる備品等を常備するための備蓄庫とを備えた防火水槽設備。
【請求項3】 内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した耐震構造を有する貯水槽と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部に集水孔を設け、前記貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管と、これら集水管で集水し前記貯水空間に溜めた地下水を地上に揚水し放水するための消火栓と、緊急時に必要となる備品等を常備するための備蓄庫と、前記地下水を人力で汲み上げるための手動式揚水部材とを備えた防火水槽設備。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、遠い水源からの給水を必要とせず、地震で発生した火災に利用すると好適な防火水槽設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の防火水槽は、消火用水を遠い水源である浄水場、井戸あるいは河川等から水道管や給水管を通して給水するように構成されていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来の防火水槽は、地震による火災において、水道管や給水管が破壊されると消火用水の補給が途絶えるため、前もって溜めてあった消火用水(一般的には40〜100m3 )を使い切れば役に立たなくなるという問題があった。本考案はこの問題に鑑みてなされたもので、消火用水を遠い水源から水道管や給水管を用いて給水する必要がなく、十分な水量の消火用水を速やかに補給しうる防火水槽設備の提供を目的とする。
【0004】
また、本考案は、震災、火災等の緊急時に必要となる備品等を遠隔地から運搬する必要がなく、また、交通渋滞等で消防車の到着が遅れても消火活動にあたることが可能であり、さらに、前記緊急時に地下水を生活用水としても利用できる防火水槽設備の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された本考案は、内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した貯水槽と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部に集水孔を設け、前記貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管と、これら集水管で集水し前記貯水空間に溜めた地下水を地上に揚水し放水するための消火栓とを備えたものである。
【0006】
また、請求項2に記載された本考案は、内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した耐震構造を有する貯水槽と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部に集水孔を設け、前記貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管と、これら集水管で集水し前記貯水空間に溜めた地下水を地上に揚水し放水するための消火栓と、緊急時に必要となる備品等を常備するための備蓄庫とを備えたものである。
【0007】
さらに、請求項3に記載された本考案は、内部に所定容量の貯水空間を有する地中に埋設した耐震構造を有する貯水槽と、各一端部が前記貯水空間に臨むとともに各胴部に集水孔を設け、前記貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管と、これら集水管で集水し前記貯水空間に溜めた地下水を地上に揚水するための消火栓と、緊急時に必要となる備品等を常備するための備蓄庫と、前記地下水を人力で汲み上げるための手動式揚水部材とを備えたものである。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1は縦断正面図、図2は横断平面図である。
【0009】
図1及び図2に示したように、防火水槽設備1は、地下水aを貯水すべく内部に所定容量の貯水空間を有する、地中に埋設した円筒状の貯水槽2と、各一端部が前記貯水空間に臨むよう貯水槽2の側部2aにそれぞれ付設し、かつ該側部2aから水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管3と、これら集水管3で集水し前記貯水空間に溜まった地下水aを、消防車等に装備された送水ホース(図示せず)端を連結しうるようなした消火栓4と、蓋5aを有するマンホール5と、前記地下水aを人力で地上に汲み上げるための手動揚水部材たる手押しポンプ6と、前記貯水槽2上方の地上に設置し、震災、火災等の緊急時に必要となる備品等を常備するための備蓄庫7とを備える。
【0010】
図1に明示したように、前記貯水槽2は、コンクリートを打って構築するもので耐震構造になっており、前記側部2aと底部2bとによって前記貯水空間を形成するとともに、地面に対応位置させたその上端の開放部は、地面にコンクリートを打って形成した閉塞板8で閉塞してある。また、前記備蓄庫7はこの閉塞板8の上に設置してある。
【0011】
図1及び図2に明示したように、前記各集水管3は、地下水脈b内に伸びるその各胴部にそれぞれ多数の集水孔9を有し、地下水aが地下水脈bから該集水孔9を経て貯水槽2の前記貯水空間に自然に流入するように構成する。なお、前記貯水空間に溜まった地下水aの水面は、貯水槽2外部の地下水脈bの水面と同じ高さになる。
【0012】
図1に明示したように、前記消火栓4は、逆止弁10を設けた取水用開口下端を前記貯水空間に配置する揚水管11を連繋してあり、必要に応じて、送水ホース(図示せず)を連結し、ポンプ(図示せず)によって揚水し放水するためのものである。送水ホース及びポンプは、備蓄庫7に備え付けておいたもの、あるいは消防車に装備されているものを用いる。
【0013】
図1に明示したように、前記マンホール5は、閉塞板8に設けてあり、必要に応じて蓋5aを開き、例えば、ロープ12に吊るしたバケツ13を投入し引き上げることによって地下水aを人力で汲み上げることが可能である。このロープ12及びバケツ13によって手動式揚水部材を構成する。また、このマンホール5は、貯水槽2内部の点検作業や保守作業等を行うためにも用いる。
【0014】
図1に明示したように、前記手押しポンプ6は、逆止弁14を設けた取水用開口下端を前記貯水空間に配置した揚水管15の、前記閉塞板8上側に突出した開口上端に連繋したもので、コック6aを駆動して地下水aを揚水しうるよう構成してある。このように、防火水槽設備1には、このロープ12及びバケツ13と前記手押しポンプ6という二種類の手動式揚水部材が備えてある。
【0015】
図1に明示したように、前記備蓄庫7内には、震災、火災等の緊急時に必要となる各種備品や前記ポンプ(図示せず)及び送水ホース(図示せず)を載置するための備蓄棚16,17と、該備蓄棚16、17上に前記備品等を搬出入する際に作業者が昇り降りに利用する梯子18と、前記ポンプ(図示せず)等の駆動源備となる蓄庫7の屋根上に設けたソーラー発電機19と、このソーラー発電機19に電気的に接続した照明具20とを設ける。なお、前記マンホール5と前記手押しポンプ6とはこの備蓄庫7内に位置する。
【0016】
次に、上記防火水槽設備1の作用について説明する。貯水槽2の前記貯水空間には、地下水脈bから複数の集水管3で集水した地下水aが溜まっている。ここで火災が発生したら、前記送水ホース端を消火栓4に連結し、前記ポンプによって揚水し火災現場に放水するのである。そして、この放水によって消火用水として用いた地下水aの水位が低下すると、貯水槽2の側部2aから水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管3から自然に補給される。また、該各集水管3により地下水脈bの広い範囲から集水するので、十分な水量の消火用水を速やかに補給できる。したがって、防火水槽設備1は、地震による火災が発生した場合、従来の防火水槽のような、水道管や給水管が破壊され消火用水の補給が絶たれることにより消火活動に支障をきたすという問題がない。加えて、交通渋滞により消防車の到着が遅れた場合は、手動式揚水部材たる手動ポンプ6やロープ12付きバケツ13により人力で揚水して消火活動にあたることが可能である。特に、この消火活動は初期消火に有効である。
【0017】
また、防火水槽設備1は、備蓄庫7内に緊急時に必要となる備品等を常備しているので遠隔地からそれらを運搬する必要がないだけでなく、地震によって水道水が断水した場合は生活用水の確保が急務であるが、地下水を前記生活用水として利用することが可能である。
【0018】
なお、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、防火水槽設備1は、地震による火災だけでなく一般的な火災に利用してもよい。また、備蓄庫7は敢えて設けなくてもよいほか、貯水槽2の側部2aは円筒状ではなく多角形状に形成してもよい。さらに、貯水槽2はコンクリート製ではなく、金属製あるいはプラスチック製であってもよい。またさらに、備蓄庫7は、貯水槽2上方に設けなくてもよい。
【0019】
【考案の効果】
以上のように、請求項1に記載された本考案は、例えば、地震によって発生した火災に対する消火活動において、放水により貯水槽内の水位が低下しても、貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管から自然に補給されるので、従来の防火水槽のような、水道管や給水管の破壊で消火用水の補給が絶たれることにより消火活動に支障をきたすという問題がなく、また、前記各集水管で地下水脈の広い範囲から集水するので、十分な水量の消火用水を速やかに補給できるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項2に記載された本考案は、例えば、地震によって発生した火災に対する消火活動において、放水により貯水槽内の水位が低下しても、貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管から自然に補給されるので、従来の防火水槽のような、水道管や給水管の破壊で消火用水の補給が絶たれることにより消火活動に支障をきたすという問題がなく、また、前記各集水管で地下水脈の広い範囲から集水するので、十分な水量の消火用水を速やかに補給できるほか、備蓄庫に震災、火災等の緊急時に必要となる備品等を常備してあるので遠隔地からそれらを運搬する必要がないという効果を奏する。
【0021】
さらに、請求項3に記載された本考案は、例えば、地震によって発生した火災に対する消火活動において、放水により貯水槽内の水位が低下しても、貯水槽側部から水平方向に放射状に伸ばした複数の集水管から自然に補給されるので、従来の防火水槽のような、水道管や給水管の破壊で消火用水の補給が絶たれることにより消火活動に支障をきたすという問題がなく、また、前記各集水管で地下水脈の広い範囲から集水するので、十分な水量の消火用水を速やかに補給できるほか、備蓄庫に震災、火災等の緊急時に必要となる備品等を常備してあるので遠隔地からそれらを運搬する必要がないとともに、交通渋滞で消防車の到着が遅れても、手動式揚水部材により揚水し消火活動にあたることが可能なだけでなく、水道水が断水になっても、地下水を生活用水として利用できるという効果を奏する。
- 【登録番号】第3043501号
【登録日】平成9年(1997)9月3日
【発行日】平成9年(1997)11月28日
【考案の名称】防火水槽設備
- 【出願番号】実願平9−4587
【出願日】平成9年(1997)5月16日
【出願人】
【識別番号】595157329
【氏名又は名称】アジア水源株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
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