スポンサード リンク
記憶ペンを用いた認証装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【課題】 より精度の高いサイン等の認証装置を提供する。
【解決手段】 記憶ペン本体1で記憶した筆跡画像情報及び音声情報を認証装置本体部30に取り込み、認証因子抽出部32で筆跡画像情報から筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報を抽出し、音声情報から声紋振幅情報及び声紋周波数情報を抽出し、登録時はこれら7つの認証因子を基準データベース33に登録しておき、チェック時は認証部35で今回抽出した7つの認証因子と基準データベース33に登録してある認証因子を照合比較し、認証する。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】筆記面に手書き記録するための筆記手段と、この筆記手段の先端近傍の筆記面を撮像する撮像手段と、筆記中に発生する筆圧を検出する筆圧検出手段と、筆記中に筆記者が発声する音声を集音する集音手段を備え、更に得られた筆跡情報と音声情報を記憶する記憶手段と、記憶されたデータを外部に読み出す読出し手段及び電源部を有する記憶ペン本体部と、記憶されたデータを取り込み、筆跡及び音声データから筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報、筆圧情報、声紋振幅情報、声紋周波数情報の7つの認証因子を抽出する認証因子抽出手段と、抽出された7つの認証因子を基準データベース手段に登録する基準データ登録手段と、前記記憶ペン本体部を用いて新たに入力された被認証筆跡情報と音声情報から抽出された7つの認証因子を、予め登録されている7つの認証因子と照合比較する認証手段を備えた認証装置本体部と、からなることを特徴とした記憶ペンを用いたサイン等の認証装置。
【請求項2】前記認証手段は、更に筆跡情報から抽出された認証因子と音声情報から抽出された認証因子相互間の時系列同期如何も比較照合するものであることを特徴とする請求項1記載の記憶ペンを用いたサイン等の認証装置。
スポンサード リンク
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、筆記具で筆記した文字、図形等の筆跡、及び筆記者の口述等の音声を記憶し、再現する記憶ペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この考案の出願人は、ペン本体先端に筆記具を備えるとともに、ペン本体内に筆記具先端周囲の筆記面を撮像する撮像機能と、マイクロホン等の集音機能を備え、更に撮像した画像情報と集音した音声情報を記憶する記憶装置を備え、記憶した一連の画像群及び音声情報より筆跡の全体画像を再現する記憶ペン及び再現システムを開発し、既に出願済みである(特願平11−286175号)。
【0003】
また、撮像された画像情報の筆跡データから、筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報、及び筆圧センサから得られる筆圧情報の5つの認証因子を抽出する認証因子抽出手段を備え、予め登録された5つの認証因子と照合する認証機能を有する記憶ペンを用いたサイン等の認証装置を開発し、既に提案済みである(特許第2895803号、特開平10−11574号)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記した従来の技術によるサイン等の認証装置による偽造サイン識別は、今後益々展開が期待されている電子マネー決裁(Electronic Commerce=以後EC)の場に必用不可欠な技術であるが、ECの実用化が一般的となった場合には、より一層の認証精度を高め、安全なECを保証する新技術の台頭が望まれている。
【0005】
この考案は上記問題点に着目してなされたものであって、より精度の高いサイン等の認証装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案の記憶ペンを用いたサイン等の認証装置は、筆記面の筆記中の筆跡情報を時系列的に撮像する撮像手段と、筆記者の口述する音声を集音する集音手段を備え、撮像された画像情報と集音された音声情報を記憶する記憶手段を有する記憶ペンを用いて、記憶された画像情報と音声データを読み出し、その情報から7つの認証因子を抽出する認証因子抽出手段を備え、予め登録された認証因子と照合する認証機能を有するサイン等の認証装置である。
【0007】
例えば、画像情報より得られた筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報、及び筆圧情報の5つの認証因子以外に、音声情報より得られた声紋データ(周波数、振幅等の時系列データ)をも認証因子に加えて、予め登録された認証因子と照合することにより、非常に高精度な認証機能が保証されるサイン等の認証装置が提供可能となる。更に、予め認証因子を登録する際に、例えば「山田太郎」とサインを筆記しながら「鈴木花子」と発声して登録記憶データ入力したとすれば、後日、この事実を知らない他人が、如何に筆跡や運筆状況を真似て、「山田太郎」とサインを偽造筆記しても、同時に「鈴木花子」と声紋までも似せて発音する確率は皆無に等しく、また、更に画像情報より得た認証因子と、音声情報から得た認証因子間の時系列上の同期如何をも認証対象とすれば、誤認証は絶対に発生し得ないと確信される。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下、実施の形態により、この考案をさらに詳細に説明する。図1は、この考案の一実施形態の記憶ペンを用いた認証装置の基本構成を示す機能ブロック図である。この実施形態の認証装置は、サイン等の筆記時に筆跡情報と音声情報を取り込み記憶する記憶ペン本体部1と、この記憶ペン本体部1より筆跡情報と音声情報とを取り込み、認証を行う認証装置本体部30とから構成されている。
【0009】
記憶ペン本体1は、紙面等に筆記するためのボールペン芯等のペン軸10、レンズ11、CCD12、筆圧センサ13、筆跡取込制御部14、筆跡情報記憶部15、データ読出し部16、マイクロホン17、音声録音制御部18、音声情報記憶部19及び電源部20を備えている。
また、認証装置本体部30は、記憶ペン本体1から筆跡情報及び音声情報を取り込むデータ取込部31、これら取り込んだデータから認証因子を抽出する認証因子抽出部32、基準データベース33、この基準データベース33に基準データを登録する基準データ登録部34、及び基準データベース33に登録された筆跡/音声基準データと、新たに入力された筆跡/音声情報より抽出された認証因子を比較する認証部35を備えている。
【0010】
この実施形態認証装置は、認証因子として、筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報、筆圧情報に加えて、声紋情報、つまり声紋振幅情報、指紋周波数情報の7つの因子が使用される。筆跡ベクトル情報は筆記具の移動方向及び距離に関する情報である。筆速情報は筆記具の運筆の速さに関する情報である。一見同じ形状の筆跡でも、異なる者が筆記すると筆速が相違することがあるので、筆跡の真偽を認証できる。
【0011】
ペン保持傾斜角情報は、筆記具のペン軸の筆記時の傾斜角である。一見同じ形状の筆跡でも、人によってペン保持角が相違することが多い。したがって、ペン保持角の比較より、筆跡の真偽を認証できる。また、黒/白ドット構成比情報は、筆記部分である黒ドットと非筆記部分である白ドットの比に関する情報である。また、筆圧情報は筆記時にペン先による筆記面に加えられる圧力に関する情報である。一見同じ形状の筆跡であっても、人によって筆圧が相違する場合がある。筆圧の相違、上記したペン保持傾斜角の相違により、黒/白ドット構成比が相違することがあるので、黒/白ドット構成比、筆圧の比較によっても筆跡の真偽を認証できる。
【0012】
声紋情報は、筆記者が筆記時に発した音声情報より抽出される声紋に関する情報である。一見同じ形状の筆跡でも、異なる者が入力した音声の声紋は相違するので、声紋の比較によっても筆跡の真偽を認証できる。
この実施形態認証装置において、例えば山田さんがサインをするのに、山田という文字をペン軸10に筆記するとともに、「やまだ」と発声する。この音声がマイクロホン17で集音される。そして、筆跡は画像データとして筆跡情報記憶部15に記憶され、音声は音声データとして音声情報記憶部19に記憶される。
【0013】
筆跡を認証する場合、認証装置本体部30は記憶ペン本体1に記憶した筆跡/音声情報をデータ取込部31を経て取り込み、認証因子抽出部32で筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報、筆圧情報、声紋振幅情報、声紋周波数情報の7つの認証因子を抽出する。この抽出がデータとしての登録時では、基準データ登録部34により基準データベース33に登録される。
【0014】
認証を必要とする場合であれば、今回抽出された認証因子データと既に基準データベース33に登録されているデータをそれぞれ比較し、筆跡の真偽を認証する。
声紋による認証そのものは、従来より科学捜査等において実用化されていて、その認証率は98%以上などと一般に高く評価されているので、その詳細説明は省略する。時系列声紋データの参考事例として、図2、図3、及び図4に示す。
同じ「hashiga」でも、図2に示す「橋が」、図3に示す「箸が」、及び図4に示す「端が」の3事例からも、それぞれ振幅、周波数等の相違がある。それゆえ声紋情報の時系列認証因子を抽出すれば、容易に真偽の識別が可能である確率が非常に高くなる(図2、図3、図4の内容は、http://sp.cis.iwate−u.ac.jp/sp/paste/indexj.htmlより引用)。
【0015】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、筆跡ベクトル情報、筆速情報、ペン保持傾斜角情報、黒/白ドット構成比情報、筆圧情報、声紋振幅情報、声紋周波数情報の7つの認証因子を予め登録しておき、この登録されている認証因子と新たに入力された筆跡及び音声情報より抽出された認証因子を比較照合するので、外観的に似せたサイン及び音声を真似た音声入力でも、高精度な真偽認証がなされ、更に登録者本人しか知り得ない登録音声情報を基準データとして登録すれば、誤認証は皆無と言ってもよい認証精度が実現される。
- 【登録番号】実用新案登録第3068790号(U3068790)
【登録日】平成12年2月23日(2000.2.23)
【発行日】平成12年5月16日(2000.5.16)
【考案の名称】記憶ペンを用いた認証装置
- 【出願番号】実願平11−8483
【出願日】平成11年11月8日(1999.11.8)
【出願人】
【識別番号】000234915
【氏名又は名称】八洲電機株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100084962
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 茂信
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
-
当サイトではIPDL(特許電子図書館)の公報のデータを著作権法32条1項に基づき公表された著作物として引用しております、
収集に関しては慎重に行っておりますが、もし掲載内容に関し異議がございましたらお問い合わせください、速やかに情報を削除させていただきます。