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自動販売機の商品取出室構造
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】商品搬送径路(6)に、当該商品搬送径路(6)から送り出されてくる商品(A)を受け止め可能で、かつ、受け止められた複数の商品(A)を同時に取出し可能な上下開口幅の商品取出口(7a)を備えた商品取出室(7)を連通形成し、この商品取出室(7)の商品取出口(7a)に開閉操作自在な取出扉(D)を設けてある自動販売機の商品取出室構造であって、前記商品取出室(7)の底板(7B)を、当該商品取出室(7)内に送り出された商品(A)を商品取出口(7a)側に滑降案内可能な傾斜姿勢に構成するとともに、前記取出扉(D)を、前記底板(7B)との間に商品(A)の通過を許容する間隙(7b)を形成する状態で商品取出口(7a)の上部側を閉止する開閉操作自在な第1扉体(21)と、前記間隙(7b)を閉止可能な第2扉体(22)とから構成し、前記第2扉体(22)を、前記底板(7B)に沿って滑降案内される商品(A)との接当に伴って下端側の横軸芯周りで外方に揺動自在に構成し、更に、前記第2扉体(22)を閉止姿勢に付勢する付勢具(23)と、前記第2扉体(22)の外方への開き揺動を一定範囲内に規制する規制手段(24)とを設けてある自動販売機の商品取出室構造。
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- 【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、商品搬送径路に、当該商品搬送径路から送り出されてくる商品を受け止める商品取出室を連通形成し、この商品取出室の商品取出口に開閉操作自在な取出扉を設けてある自動販売機の商品取出室構造の改良に関する。
〔従来の技術〕
従来の自動販売機の商品取出室構造では、前記商品取出口の上下開口幅を、一つの商品が通過可能な大きさに構成し、商品取出室の底板を、当該商品取出室内に送り出された商品を商品取出口側に滑降案内可能な傾斜姿勢に構成するとともに、前記取出扉を、前記底板に沿って滑降案内される商品との接当に伴って下端側の横軸芯周りで外方に揺動自在に構成し、更に、前記取出扉を閉止姿勢に付勢する付勢具と、前記取出扉の外方への開き揺動を一定範囲内に規制する規制手段とを設けていた(例えば、実開平1-79184号公報参照)。
〔考案が解決しようとする課題〕
この従来の商品取出室構造による場合では、前記底板に沿って滑降案内される商品との接当に伴って取出扉が押し開かれるため、商品が送り出されたことを容易に確認することができるばかりでなく、取出扉を一々開き操作することなく商品を取り出すことができる。しかしながら、まとめ買いによって前記商品取出室内に複数の商品が送り出されている場合では、先頭以外の商品の全荷重が先頭の商品に作用しているため、この作用している荷重に抗して先頭の商品から一個ずつ取出さなければならず、商品の取出しに多くの労力を要する問題がある。
そこで、このような問題を解決する方法として、前記商品取出口の上下開口幅及び取出扉の上下幅の各々を、複数の商品を同時に取出し可能な大きさに形成することが考えられる。
これによる場合は、まとめ買いによって前記商品取出室内に複数の商品が送り出されたとき、商品取出口の上部側開口を通して商品取出室の奥側に位置する商品から取り出すことができるものの、重量的にも増加した大きな単一の取出扉を閉止姿勢に付勢する関係上、その付勢力が強いと、取出扉を確実に閉止姿勢に付勢することができる反面、商品による取出扉の押し開きが不確実となり、また、これとは逆に、前記付勢力が弱いと、商品による取出扉の押し開きを確実に行わせることができる反面、取出扉の閉止姿勢への復帰が不確実となる二律背反的な問題がある。
本考案の目的は、まとめ買いによって前記商品取出室内に複数の商品が送り出されたときには、奥側の商品から自由に取り出すことができるものであり乍ら、取出扉の復帰が確実で、かつ、送り出された商品が一つでも取出扉を確実に押し開くことのできる自動販売機の商品取出室構造を提供する点にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本考案の特徴構成は、商品搬送径路に、当該商品搬送径路から送り出されてくる商品を受け止め可能で、かつ、受け止められた複数の商品を同時に取出し可能な上下開口幅の商品取出口を備えた商品取出室を連通形成し、この商品取出室の商品取出口に開閉操作自在な取出扉を設けてある自動販売機の商品取出室構造であって、前記商品取出室の底板を、当該商品取出室内に送り出された商品を商品取出口側に滑降案内可能な傾斜姿勢に構成するとともに、前記取出扉を、前記底板との間に商品の通過を許容する間隙を形成する状態で商品取出口の上部側を閉止する開閉操作自在な第1扉体と、前記間隙を閉止可能な第2扉体とから構成し、前記第2扉体を、前記底板に沿って滑降案内される商品との接当に伴って下端側の横軸芯周りで外方に揺動自在に構成し、更に、前記第2扉体を閉止姿勢に付勢する付勢具と、前記第2扉体の外方への開き揺動を一定範囲内に規制する規制手段とを設けてある。
〔作用〕
商品搬送径路から商品取出室内に一つの商品が送り出されると、この商品は商品取出室の底板に沿って商品取出口側に滑降案内されたのち、第2扉体に接当して、当該第2扉体を前記付勢具の付勢力に抗して外方に押し開き揺動させ、その状態で前記第2扉体にて受け止められることになる。
このとき、商品取出口の上部側は第1扉体により閉止されている。
また、前記第2扉体に受け止められた商品を取り出すと、当該第2扉体は閉じ姿勢に自動的に復帰揺動し、底板と第1扉体の下端部との間の間隙が閉止されて、前記第1扉体と第2扉体とにより商品取出口を閉止することになる。
更に、まとめ買いによって前記商品取出室内に複数の商品が送り出された場合には、外方に押し開き揺動された第2扉体にて受け止められている先頭の商品以外の商品の全荷重が、先頭の商品に作用していても、前記第1扉体を開動操作することにより、商品取出口の上部側開口を通して商品取出室の奥側に位置する商品から取り出すことができる。
しかも、商品取出室の商品取出口を開閉操作する取出扉は、商品取出口の上部側を閉止し、かつ、必要に応じて開閉操作される第1扉体と、商品との接当に伴って押し開かれ、底板と第1扉体の下端部との間の間隙を閉止する第2扉体とにより分割構成してあるため、商品取出口の開口全体を、商品により押し開かれる単一の取出扉で閉止する場合に比して、商品により押し開かれる第2扉体の閉止姿勢での上下方向幅を小さくして重量的に軽減することができる。
〔考案の効果〕
その結果、商品取出室の底板に沿って滑降案内される一つの商品との接当に伴って第2扉体が押し開かれるため、商品が送り出されたことを容易に確認することができるばかりでなく、第2扉体を一々開き操作することなく商品を取り出すことができ、しかも、まとめ買いによって前記商品取出室内に複数の商品が送り出されたときには、奥側の商品から自由に取り出すことができるので、従来の自動販売機の商品取出室構造に比して、商品の取出しに要する労力を軽減できる。
更に、商品との接当に伴って外方に押し開き揺動される前記第2扉体の軽量化により、この第2扉体の閉止姿勢への復帰に要する付勢力を軽減できるから、第2扉体の閉止姿勢への復帰の確実性を向上することができ、かつ、送り出された商品が一つでも第2扉体を確実に押し開くことができる。しかも、商品取出室の商品取出口の上部側は、必要に応じて開き操作される第1扉体により閉止されているので、第2扉体の閉止姿勢への復帰により商品取出口は確実に閉止される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図はサーペンタイン方式の自動販売機を示し、ケーシング(1)の開口部に、縦軸芯周りで揺動開閉自在な外扉(2)と同じく縦軸芯周りで揺動開閉自在な断熱用の中扉(3)とが設けられているとともに、前記ケーシング(1)の内面と閉じ姿勢にある中扉(3)とで形成される商品貯蔵空間内には、多数の商品(A)を上下方向で貯蔵する商品貯蔵部(4)の複数個が左右方向と前後方向に夫々並設されている。
前記各商品貯蔵部(4)の上部には夫々、前方に開口する商品投入口(4a)が形成されているとともに、前記各商品貯蔵部(4)の下部には、商品購買信号に基づいて最下端に位置する貯蔵商品(A)を下方に一つ宛払い出す図外の払出機構が設けられている。
前記商品貯蔵部(4)の下方には、第2図に示すように、これら商品貯蔵部(4)の下部から選択的に払い出されてくる商品(A)を前記中扉(3)に形成した三つの商品排出口(3a)に向かって滑降案内するシュート(5)が設けられている。
前記外扉(2)のうち、前記商品貯蔵部(4)の商品払出位置よりも上方に偏位した位置、換言すれば、前記ケーシング(1)の上下中央位置に相当する部位には、当該外扉(2)と中扉(3)との間に形成される商品搬送径路(6)に連通する商品取出室(7)が形成されている。
前記商品取出室(7)は、商品搬送径路(6)から送り出されてくる商品(A)を受け止め可能で、かつ、受け止められた複数の商品(A)を同時に取出し可能な上下開口幅の商品取出口(7a)が備えられている。
また、前記外扉(2)の内面側には、前記商品排出口(3a)のうり、前記商品搬送径路(6)に臨む第1商品排出口(3a)を除いた他の第2・第3商品排出口(3a),(3a)から払い出されてくる商品(A)を前記商品搬送径路(6)側に横搬送する横搬送用コンベア(8)と、この横搬送用コンベア(8)から送り出されてくる商品(A)及び前記第1商品払出口(3a)から払い出されてくる商品(A)を前記商品取出室(7)にまで縦搬送する縦搬送装置(B)とが設けられている。
前記縦搬送装置(B)は、前記商品取出室(7)よりも上方に位置する部位と前記横搬送用コンベア(8)の搬送終端部よりも下方に位置する部位とに夫々相対向する状態で配設された一対のスプロケット(10),(11)と、これら両スプロケット(10),(11)間に巻回されたチェーン(12)と、当該チェーン(12)の適宜位置に取付けられた正面視Lの字状のエレベータ台(13)と、当該エレベータ台(13)の先端部に枢支されて前傾姿勢に傾斜自在な正面視L字状の商品受台(14)と、下側のスプロケット(11)に連動された電動モータ(15)とを主要構成として備えている。
更に、前記両スプロケット(10),(11)間には、前記エレベータ台(13)に設けられたローラ(16)が係合される一直線状の第1ガイド(17)と、前記商品受台(14)に設けられたローラ(18)が係合される第2ガイド(19)とが設けられている。
前記第2ガイド(19)の下半部分は前記第1ガイド(17)と平行に形成され、また、この第2ガイド(19)の上半部分は、前記商品取出室(7)の近傍が当該商品取出室(7)側へ緩やかにへの字に屈曲形成されている。
そのため、前記エレベータ台(13)が上昇してそれが商品取出室(7)よりも少し高い上死点に至るに連れて、前記商品受台(14)は、当該商品受台(14)上の商品(A)の滑降搬出が可能な先端下がりの前傾姿勢に緩やかに姿勢変化するようになっている。
また、前記商品受台(14)が上死点に移動して前傾姿勢に至ると、当該商品受台(14)上の商品(A)は滑降して傾斜通路(20)に移行し、更に、該傾斜通路(20)上を滑降して商品取出室(7)へ払い出されるようになっている。
そして、第3図に示すように、前記商品取出室(7)の天板(7A)の商品取出口(7a)側端部には、当該商品取出口(7a)の上部側を閉止する室内側に揺動開閉操作自在な透明な合成樹脂製の第1扉体(21)が枢着されており、また、前記商品取出室(7)の底板(7B)は、当該商品取出室(7)内に送り出された商品(A)を商品取出口(7a)側に滑降案内可能な傾斜姿勢に構成されている。
この底板(7B)と閉じ姿勢にある第1扉体(21)の下端部との間には、商品(A)の通過を許容する間隙(7b)が形成されているとともに、前記底板(7B)の商品取出口(7a)側の端部には、前記間隙(7b)を閉止可能な第2扉体(22)が枢着されていて、前記底板(7B)に沿って滑降案内される商品(A)との接当に伴って下端側の横軸芯周りで外方に揺動自在に構成されている。
そして、前記第1扉体(21)と第2扉体(22)とにより、商品取出室(7)の商品取出口(7a)を開閉操作自在な取出扉(D)が構成されている。
更に、前記第2扉体(22)を閉止姿勢に付勢するコイルバネ(23)と、前記底板(7B)上を滑降案内されてくる商品(A)との接当に伴う第2扉体(22)の外方への開き揺動範囲を一定範囲内に規制する規制手段(24)とが設けられている。
前記規制手段(24)は、第2扉体(22)の下端部に連設したストッパー片から構成されていて、当該ストッパー片(24)と前記底板(7B)の下面との接当によって第2扉体(22)の外方への開き揺動範囲を規制するようになっている。
また、前記第2扉体(22)は弧状に湾曲形成されていて、外方への開き揺動時に商品(A)を安定的に受止めることができるように構成されている。
〔別実施例〕
〔I〕 上述の実施例では、前記第2扉体(22)を前記商品取出室(7)の底板(7B)に取付けたが、この底板(7B)の近傍に位置するケーシング(1)等の固定部に取付けて実施してもよい。
〔II〕 上述の実施例では、前記付勢具(23)としてコイルバネを用いたが、板バネ等の他の弾性付勢具を用いてもよく、また、おもりの重量を利用して閉じ方向に揺動付勢すべく構成してもよい。
〔III〕 上述の実施例では、前記第2扉体(22)の外方への開き揺動範囲を、当該第2扉体(22)に連設したストッパー片と前記底板(7B)の下面との接当によって規制すべく構成したが、前記付勢具(23)を構成するコイルバネを利用して揺動範囲を規制するように構成してもよい。
要するに、前記規制手段(24)としては、前記底板(7B)上を滑降案内されてくる商品(A)との接当に伴う第2扉体(22)の外方への開き揺動を一定範囲内に規制することのできるものであれば、如何なる構造のものを採用してもよい。
〔IV〕 上述の実施例では、前記ケーシング(1)の上下中央位置に商品取出室(7)を形成して、前記商品払出口(3a)から払い出されてくる商品(A)を前記縦搬送装置(B)にて上昇搬送するように構成したが、前記ケーシング(1)のうち、前記商品払出口(3a)に相対向する位置に前記商品取出室(7)を形成して、当該商品払出口(3a)から商品取出室(7)に直接的に払い出すように構成してもよい。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図面の構造に限定されるものではない。
- 【登録番号】第2517251号
【登録日】平成8年(1996)8月20日
【発行日】平成8年(1996)11月20日
【考案の名称】自動販売機の商品取出室構造
- 【出願番号】実願平2−34522
【出願日】平成2年(1990)3月30日
【出願人】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
【審査官】 溝渕 良一
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