ダミー体の取付け及びそのラベル保持構造
- 【要約】
【目的】 位置修正を含めてラベルの交換をワンタッチで簡易に行えてラベルのローコスト化が達成される上に、ラベルを貼り付けたダミー体を商品表示パネルに取り付けるための取付け構造をも備えて、ダミー体の取付けを確実かつ容易なものとするダミー体の取付け及びそのラベル保持構造を提供する。
【構成】 自動販売機1の商品表示パネル3に取り付けられるダミー体2の取付け及びそのラベル保持構造であって、曲面部13と平面部13’を備えその水平断面形状がD形のダミー体本体10に、その展示状態でパネル側に位置する前記平面部に嵌着する背当て板12を設け、この背当て板12の左右両端の付勢当接部12bとダミー体本体10の周面との間に、前記曲面部13の周面に当接されるラベル11の両端を差し込んで弾性的に嵌着保持することを特徴とするダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 自動販売機のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造であって、曲面部と平面部を備えその水平断面形状がD形のダミー体本体に、その展示状態でパネル側に位置する前記平面部に嵌着する背当て板を設け、この背当て板の左右両端の付勢当接部とダミー体本体の周面との間に、前記曲面部の周面に当接されるラベルの両端を差し込んで弾性的に挟着保持することを特徴とするダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
【請求項2】 前記ダミー体本体および/又は背当て板のパネル側の平面部に光透過窓を設け、一方の光透過窓の縁部又はこれに相当する部位に複数のフックを形成し、このフックを他方の対応する位置に設けた係止部に係合してダミー体本体と背当て板とを嵌着すると共に、この背当て板にパネルに対する係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
【請求項3】 前記ダミー体本体および背当て板のパネル側の平面部に光透過性材料からなる光透過部分を形成し、一方に複数のフックを形成し、このフックを他方に設けた長孔に係合してダミー体本体と背当て板とを嵌着すると共に、この背当て板にパネルに対する係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
【請求項4】 前記フックを背当て板の光透過窓の縁部又はそれに対応する部位に設け、これに対応するダミー体本体の光透過窓の縁部又はそれに対応する部位にフックの係合片を形成すると共に、前記背当て板に設けられる係合部を長孔としてダミー体を商品パネルに掛け止め保持可能としたことを特徴とする請求項2に記載のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
【請求項5】 前記ラベルの構成材料に紫外線吸収剤を混入し、その裏面側に印刷を施したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
【請求項6】 前記ラベルの構成材料に帯電防止剤を混入し、その裏面側に印刷を施したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ジュースやコーヒー、ビールなどの飲料やタバコなどの自動販売機に設けられる水平断面形状がD形又はほぼD形のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動販売機に備えられるD形のダミー体は、一般に、光透過性の材料から成る合成樹脂製の中空のダミー体本体に、商品の内容を表す変褪色性の低い印刷が施されたラベルを貼り付けて構成されている。より具体的には、図9に示すように、前記ラベル21が、フィルム22の裏面に接着剤層Sを形成すると共に、この接着剤層Sを覆うように離型紙23を設け、かつ、当該離型紙23のうち、ダミー体本体20への巻き付け端部両側の離型紙部分23aだけを剥がせるように離型紙23の両側にミシン目やスリット線などの切取り線24を形成して構成されていた。そして、離型紙部分23aを剥がしてラベル21をダミー体本体20に貼り付けるように構成されていた。
【0003】
また、前記光透過性材料からなるダミー体本体20は、その展示状態で背面側に商品表示パネルの光透過窓に対応するように密着させる平面部25を形成し、商品表示パネルの背面に設けられた光源からの光をパネルの光透過窓と平面部25を通してダミー体本体20内に導入させることができる。これにより、ダミー体本体と商品表示パネルは面で密着しているため、両者の間の光漏れはない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、自動販売機の多くは屋外に設けられるものであって、ダミー体は日光に直射されて紫外線を浴び、更には、ダミー体内部に設けられる照明光源の光や熱を常に受けている。また、前記ラベル21の裏面には接着剤層Sを形成しているためにラベル21に対する印刷は表面に施される。従って、この印刷は実物(商品)よりも変褪色性が低いとはいえ、ラベル21の印刷や表示が一定期間後に変・褪色し易い状況にある。また、ラベル21の変・褪色が商品の新鮮な感じを阻害し、購買意欲を損なうことになることは言うまでもない。
【0005】
このため、従来では、サービスマンが定期的に自動販売機の設置場所を巡回して、その設置場所でラベル21を交換するようにしている。ところが、ダミー体本体20に強固に貼り付けられたラベル21を残すことなく剥がすことは非常に困難であり、手間がかかる。また、ラベル21を剥がさないで、上から新たなラベル21を張り合わせると、特に裏面から光が照射されているために印刷内容が二重になって極めて見栄えが悪くなる。従って、事実上ラベル21の交換は行われず、ダミー体本体20ごと新しいものと取り替えるざるを得ず、コスト高になると共に持ち運びに嵩張ってしまうという欠点があった。
【0006】
更に何よりも、ラベル21が接着剤層Sと離型紙23とを備える特殊なものであって、しかも、裏面側に接着剤層Sを設ける都合上、ラベル表面に印刷が施され、褪色の抑止やイメージアップのために印刷面に光沢仕上げが施されることになるので、ラベル自体のコストが非常に高く付き、この点においてもおおいに改善の余地があった。
【0007】
本考案は、上記の点に留意してなされたものであって、その目的とするところは、位置修正を含めてラベルの交換をワンタッチで簡易に行えてラベルのローコスト化が達成される上に、ラベルを貼り付けた状態のダミー体を商品表示パネルに取り付けるための取付け構造をも備えて、ダミー体の取付けを確実かつ容易なものとするダミー体の取付け及びそのラベル保持構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本考案が講じた技術的手段は次のとおりである。
即ち、本考案は、自動販売機のダミー体の取付け及びそのラベル保持構造であって、その第1の考案は、曲面部と平面部を備えその水平断面形状がD形のダミー体本体に、その展示状態でパネル側に位置する前記平面部に嵌着する背当て板を設け、この背当て板の左右両端の付勢当接部とダミー体本体の周面との間に、前記曲面部の周面に当接されるラベルの両端を差し込んで弾性的に挟着保持する点に特徴がある。
【0009】
また、第2の考案は、前記ダミー体本体および/又は背当て板のパネル側の平面部に光透過窓を設け、一方の光透過窓の縁部又はこれに相当する部位に複数のフックを形成し、このフックを他方の対応する位置に設けた係止部に係合してダミー体本体と背当て板とを嵌着すると共に、この背当て板にパネルに対する係合部を設けたことを特徴とする。
【0010】
そして、第3の考案は、前記ダミー体本体および背当て板のパネル側の平面部に光透過性材料からなる光透過部分を形成し、一方に複数のフックを形成し、このフックを他方に設けた長孔に係合してダミー体本体と背当て板とを嵌着すると共に、この背当て板にパネルに対する係合部を設けたことを特徴とする。
【0011】
さらに、第4の考案は、前記フックを背当て板の光透過窓の縁部に設け、これに対応するダミー体本体の光透過窓の縁部にフックの係合片を形成すると共に、前記背当て板に設けられる係合部を長孔としてダミー体を商品パネルに掛け止め保持可能としたことを特徴とする。
【0012】
そして、第5の考案は、前記ラベルの構成材料に紫外線吸収剤を混入し、その裏面側に印刷を施したことを特徴とする。
【0013】
加えて、第6の考案は、前記ラベルの構成材料に帯電防止剤を混入し、その裏面側に印刷を施したことを特徴とする。
【0014】
【作用】
上記の構成によれば、曲面部と平面部を備え水平断面形状がD形のダミー体本体に、その展示状態でパネル側に位置する前記平面部に嵌着する背当て板を設け、この背当て板の左右両端の付勢当接部とダミー体本体の周面との間に、前記曲面部周面に当接されるラベルの両端を差し込んで弾性的に挟着保持するので、ラベルの両端の簡単なワンタッチの差し込み操作によって、ラベルが位置修正可能な状態でダミー体本体に保持されると共に、ラベルの取り外しもワンタッチで簡易に行われる。
【0015】
そして、前記ラベルの裏面に接着剤などを塗布する必要もなくなると共に、このラベルに対する印刷を裏面側に行うことによって、従来のようにラベル表面の印刷の褪色抑止やイメージアップのために光沢仕上げを行なう必要がなく、ラベルの制作コストを引き下げることが可能となる。
【0016】
また、前記ダミー体本体および/又は背当て板のパネル側の平面部に光透過窓を設け、一方の光透過窓の縁部又はこれに相当する部位に複数のフックを形成し、このフックを他方の対応する位置に設けた係止部に係合してダミー体本体と背当て板とを嵌着すると共に、この背当て板にパネルに対する係合部を設けることにより、ダミー体を確実かつ容易に商品表示パネルに係合でき、パネルの背面に設けられた光源からの光を前記光透過窓あるいはダミー体本体又は背当て板の平面部を介して確実にダミー体内へと導くことが可能となる。
【0017】
加えて、前記ラベルの構成材料に紫外線吸収剤を混入し、その裏面側に印刷を施したことにより、外から来る紫外線を印刷面に到達する前にカットすることができ、印刷をその褪色劣化や剥離から効果的に保護することもできる。
【0018】
同様に、前記ラベルの構成材料に帯電防止剤を混入し、その裏面側に印刷を施したことにより、静電気による埃の付着を防止でき、ダミー体の見栄えを常に良くすることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1は自動販売機を示す。
1は商品補充のために開閉自在に設けられた前面扉であり、その上部には、複数個のダミー体2を展示するための商品表示パネル3が設けられており、中段には、各ダミー体2に関連づけて商品選択用の押しボタン4が配設され、前面扉1の下部側には、商品取り出し口5が設けられている。尚、図中の6は金銭投入口、7は釣銭口、8は金銭返却用の操作レバーである。
【0020】
この実施例においては、一例としてダミー体2は、背面に照明光源(例えば蛍光灯)9を内蔵した商品表示パネル3に対して着脱自在に係合され、このダミー体2の背面に配置された光源9(バックライト)によってダミー体2を照射しているが、この他にも光源をダミー体2の下方に配置するアンダーライトによる照射またはアンダーライトとバックライトの両方で照射するものであってもよい。
【0021】
このダミー体2の構造は、図2〜5に詳述されており、図2は本実施例のダミー体2の構成を示す分解斜視図、図3は前記ダミー体2の水平断面図、図4は前記ダミー体の背当て板の背面図、図5は前記ダミー体2を商品表示パネル3に係合した状態を示す縦断面図である。
【0022】
図2〜5において、本実施例のダミー体2は、ダミー体本体10と、このダミー体本体10の周面に設けられるラベル11、及び、このラベル11を挟着保持する背当て板12とから構成されている。以下、これらの図を参照しながら、前記ダミー体2の構成について詳述する。
【0023】
まず、前記ダミー体本体10は、耐熱性ならびに耐侯性の面で優れる材料として例えばポリカーボネート、ポリプロピレン(その他ポリエチレンテレフタレート等であってもよい。)の光透過性の合成樹脂材料によって成形されており、曲面部13と平面部13’を備え水平断面形状がD形(ほゞD形を含む)の胴部の上下端部にそれぞれ上板14および底板16を設けると共に、平面部13’には照明光源9からの光を透過するための複数の光透過窓15が開設され、この光透過窓15の左右両縁部の内側には後述するフック12d…を係合するための上下二対の係合片13a…(図3に拡大図示している)を形成している。
【0024】
前記ラベル11は、耐熱性ならびに耐候性の面で優れる材料として例えばポリカーボネート〔またはポリエチレンテレフタレート(その他、ポリプロピレン、塩化ビニル等を用いてもよい。)〕などの透明なフィルムに紫外線吸収性材料および帯電防止材を混入させ、このフィルムの裏面に、耐熱ならびに耐候性のインクによって商品の内容を表示するための文字や絵模様などを印刷したものである。
【0025】
一方、前記背当て板12は、弾性および耐熱性、耐候性のあるポリカーボネート、ポリプロピレン等を用いて射出成形法等で形成されたものであり、前記ダミー体本体10に対してその展示状態で背面側となる平面部13’に対応する平板部分12a、この平板部分12aの左右両端から延出し自由状態での曲率半径がダミー体本体10の曲率半径よりもやゝ小なる形状に成形された付勢当接部12bからなる。そして、この平板部分12aには前記ダミー体本体10の光透過窓15に対応するように光透過窓12cを形成している。
【0026】
また、前記光透過窓12cの縁部には、前記ダミー体本体10の係合片13a…に対応する位置にフック12d…が設けられており、これらのフック12d…が外側に付勢して前記係合片13a…に抜け止め係止する。
【0027】
したがって、この背当て板12をダミー体本体10に嵌着するときには、このフック12d…を前記ダミー体本体10側の光透過窓15内に挿入し、このフック12d…を係合片13a…に係合することにより、この背当て板12をダミー体本体10の背面側に嵌着保持できる。
【0028】
そして、前記背当て板12をダミー体本体10から取り外すときには前記光透過窓12c,15からダミー体本体10内に指を入れて、前記左右のフック12d…を内側に弾性変形させることにより、このフック12dと係合片13aとの係合を容易に解除して取り外すことができる。
【0029】
尚、前記背当て板12の全幅は、展示状態で自動販売機の前部側からは容易には見えない程度の幅に設定されており、一方、前記ラベル11のダミー体本体10に対する巻き付け長さは、ダミー体本体10の周長から前記平板部分12aの幅寸法を差し引いた長さよりも僅かに短く設定されている。
【0030】
加えて、前記フック12d…および係合片13a…は、光透過窓12c,15の左右の縁部に設けるだけでなく、上下に設けてもよく、また、二対設けることに限られるものでもなく、三対や四対設けても良いことは言うまでもない。
【0031】
上記の構成によれば、前記ダミー体本体10の表面にラベル13を巻き付けるようにして、その巻き付け端部両側を、このダミー体本体10と前記付勢当接部12bとの間に差し込むことによって、当該ラベル11の巻き付け端部両側が弾性的に挟着保持でき、ラベル11の取り付けを接着に頼らずに行える。従って、当該ラベル11に対する文字や絵模様などの裏面印刷が可能となり、而して、ラベル11を構成するフィルムを光沢のある材質にすることによって、材質そのものの光沢を生かした見栄えのよい耐褪色性の高いラベル11を、従来の光沢仕上げはもとより接着層や離型紙を不要にしてローコストで得ることができる。
【0032】
また、このラベル11の表面に来るフィルムに紫外線吸収剤を混入させているので、外から来る紫外線を印刷面の手前でカットすることができ、裏面に施された印刷の変色および褪色を効果的に抑えることができる。さらに、このフィルムに帯電防止剤を混入させているので、静電気による埃の付着を効果的に防止することができ、ダミー体2の見栄えを良くすることができる。
【0033】
また、前記商品表示パネル3にダミー体本体10を装着させたままでのラベル交換であっても、不要なラベル11の取り外しをワンタッチで簡易かつ迅速に行うことも可能であり、そのような場合であっても、ダミー体本体10に対するラベル11の装着も、皺や弛みを生じさせないで且つ位置修正を含めてワンタッチで簡易かつ迅速に達成される。従って、ダミー体の表示品種の変更、補修の為の交換に際してかかるコストを最小限に抑えられると共に、作業者は現場に平坦なラベルのみを持参すればよく、極めて扱いやすい。
【0034】
さらに、前記背当て板12には、図2,4に明示しているように、光透過窓12cの縁部にパネルに対する係合部として長孔17を形成している。従って、この背当て板12をダミー体本体10に係合させた状態で、この長孔17内に商品表示パネル3に形成された略L字状の係止フック3aを挿入し、このダミー体を下方へ摺動するだけで、このダミー体を極めて容易に、かつ迅速に表示パネル3に係止できるとともに、係合が安定しているので、ダミー体と表示パネル3との間に隙間が生じたり、この間隙から光が漏れることのないように設置できる。
【0035】
尚、前記背当て板12の付勢当接部12bの裏面に梨子地仕上げを施してもよい。このように構成すると、ラベル11の端部とこの付勢当接部12bの裏面との摩擦抵抗を大きくすることができ、ダミー体本体10に対するラベル11の装着をより確実に行うことができる。
【0036】
図6は、本考案の別実施例を示す分解斜視図である。この図において、図1〜図5と同一または同等の部材については、同一の符号を付けることにより、その詳細な説明を省略する。
【0037】
本実施例においては、ダミー体本体10の光透過窓15の左右の縁部に上下二対のフック15aを形成している。そして、このフック15aを背当て板12の光透過窓12cの縁部に係合することによって、背当て板12をダミー体本体10に嵌着保持できる。
【0038】
このように構成すると、フック15aは背当て板12の背面側に突出しているので、このフック15aによる係合を極めて容易に取り外すことができる。
【0039】
また、前記背当て板12の光透過窓12cの縁部には、商品表示パネル3に係合するため上下に二対の略逆L字状のフック12e…を形成し、商品表示パネル3には、このフック12e…に対応する長孔3c…を形成することによって、この背当て板12をダミー体本体10係合させた状態で、この長孔3c…内にフック12e…を挿入し、ダミー体を下方へ摺動するだけで、このダミー体を極めて容易に、かつ迅速に表示パネル3に係止できるとともに、係合が安定しているので、ダミー体と表示パネル3との間に隙間が生じ、この間隙から光が漏れることのないように設置できる。
【0040】
加えて、前記背当て板12の左右両端の縁部には付勢当接部12b’が延設されており、この付勢当接部12b’の端部を円弧状に形成してある。従って、ラベル11を挿入する際には、ラベル11の挿入側の縦辺と背当て板12の側縁とが線接触の状態とならず、ラベル11を挿入する力を背当て板12の側縁の一点に集中して作用させることにより、ラベル11の端部を背当て板12の下に容易にもぐり込ませることができる。
【0041】
また、上記各実施例においては、商品表示パネル3の背面に光源9を配置し、前記ダミー体2を商品表示パネル3に対して掛け止めするようにし、この光源9により背面からダミー体2に対してバックライトを行っていたが、本考案はこれに限られるものではなく、アンダーライトを行ってもよい。
【0042】
図7は、このアンダーライトによる照射の一例を示す斜視図である。同図において、図1〜図6と同じ符号が付されたものは、同一または同等の部材であるのでその詳細な説明を省略する。
【0043】
図7において、2’はダミー体、12’はこのダミー体2’の背当て板、30はダミー体2’を載置する載置台、30aはこの載置台30に開設された孔、30bはこの孔30aの周囲に配置された係止フック、9’は孔30aの下方に配置された蛍光灯からなる光源、16’はダミー体2’の底板であって、この底板は前記孔30aに対応して光透過窓16aを備えている。
【0044】
この図からも明らかなように、本実施例ではダミー体2’は、載置台30の上に載置され、係止フック30bによって係合保持される。そして、商品表示パネル3の背面および載置台30の下方に配置された光源9,9’からの光は、底板16’に形成された光透過窓16’および背当て板12’に設けられた光透過窓12cを通してダミー体2’に照射されるように構成される。
【0045】
このように構成することによって、ダミー体2’は背面に配置された光源9だけでなく孔30aの下方に配置された光源9’によっても照射され、商品をより明るく照らしだすことによって、消費者の購買意欲を誘うことができる。なお、この光源はアンダーライトだけにしてもよいことは言うまでもない。
【0046】
なお、上記各実施例において、背当て板12,12’の平板部分12aおよびダミー体本体10の平面部13’に形成された光透過窓12c,15は両方とも平板部分12aおよび平面部13’に開設することによって形成されているが、本考案はこれに限られるものではない。
【0047】
例えば図8に示すように、ダミー体102を構成するダミー体本体110と背当て板120の両方を光透過性の合成樹脂より形成してもよい。この場合、背当て板120およびダミー体本体110は光透過性材料から成るので、光透過窓を開設する必要がなくなる。同図において、図1〜図7と同一の符号が付された部材は同一または同等の部材であるので、その詳細な説明を省略する。
【0048】
図8において、112aは前記背当て板120の平板部、113は前記ダミー体本体110の平面部、112dはこの平面部113に面する側の平板部112aに複数個設けられた係止フック、116はこの係止フック112aに対応して前記平面部113に設けられた長孔、117,118は前記係止フック3aに対応して係止させるため背当て板120およびダミー体本体110に設けられた長孔である。
【0049】
上記本実施例においては、背当て板120およびダミー体本体110は何れも光透過性材料から成るので、これに光透過窓を開設しなくても、光透過部分112c,115を形成することができる。そして、このように構成した場合、ダミー体本体110および背当て板120に大きな光透過窓を開設しないので、その強度を上げることができる。
【0050】
【考案の効果】
以上説明したように本考案のラベル保持構造によれば、曲面部と平面部を備えその水平断面形状がD形のダミー体本体に、その展示状態でパネル側に位置する前記平面部に嵌着する背当て板を設け、この背当て板の左右両端の付勢当接部とダミー体本体の周面との間に、前記曲面部の周面に当接されるラベルの両端を差し込んで弾性的に挟着保持するので、ラベルの端部両側を弾性的に挟着保持させるという極めて簡単なワンタッチ操作で、皺や弛みを生じさせることなく且つ位置修正を含めて簡易かつ迅速にラベルのみの交換を行え、ダミー体本体は恒久的に利用することができる。従って、ダミー体の表示品種の変更、補修の為の交換に際してかかるコストを最小限に抑えられると共に、作業者は現場に平坦なラベルのみを持参すればよく、極めて扱いやすい。
【0051】
しかも、前記ラベルの裏面に接着剤などを塗布する必要もなくなると共に、このラベルに対する印刷を裏面側に行うことによって、従来のようにラベル表面の印刷の褪色抑止やイメージアップのために光沢仕上げを行なう必要がなく、ラベルの制作コストを引き下げることが可能となる。加えて、ラベルの該表面に来るフィルムに紫外線吸収剤を混入させることにより、外から来る紫外線を印刷面に到達する前にカットすることができ、印刷模様をその褪色劣化や剥離から効果的に保護することもできる。同様に、フィルムに帯電防止剤を混入させ、静電気による埃の付着を防止でき、ダミー体の見栄えを常に良く保つことができる。
- 【登録番号】第3009785号
【登録日】平成7年(1995)2月1日
【発行日】平成7年(1995)4月11日
【考案の名称】ダミー体の取付け及びそのラベル保持構造
- 【出願番号】実願平6−13198
【出願日】平成6年(1994)10月1日
【出願人】
【識別番号】591242508
【氏名又は名称】山村商事株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
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