自動販売機用のダミー体
- 【要約】
【課題】 ダミー体枠体に対する商品表示ラベルの取り付け・取り外しを必要最小限度の部材で容易に行うことができ、しかも、商品表示ラベルのダミー体枠体への保持を強固にできるコスト安な自動販売機用のダミー体および商品表示ラベル取付部材を提供すること。
【解決手段】 ダミー体枠体10に、上下一対の折曲部16,17を有する半月板18,19を設け、更に、光透過用の穴13の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴13の内側に突出させて保持部20,21を形成し、透明部材11および平板状の商品表示ラベル12、あるいは、曲面形状の商品表示ラベル自体をダミー体枠体10の背面側から保持部20,21を超えて光透過用の穴13に挿入する。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、上下端および左右端がそれぞれ当接した状態でダミー体枠体に保持される曲面形状の透明部材と、前記透明部材の背面側の曲面部上に付された状態で前記透明部材と共に前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記保持部によって左右端の動きが規制される平板状の商品表示ラベルとからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体。
【請求項2】 前記透明部材は、横断面三日月状、若しくは、略半円状に曲面が形成されている請求項1に記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項3】 平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、上下端および左右端がそれぞれ当接した状態でダミー体枠体に保持される曲面形状の商品表示ラベルとからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体。
【請求項4】 前記商品表示ラベルは、横断面三日月状、若しくは、略半円状に曲面が形成されている請求項3に記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項5】 前記商品表示ラベルは、少なくとも左右両側端部の全域にわたり平坦な縁部を有する請求項3または請求項4に記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項6】 平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、曲面部を有するとともに、該曲面部の上端、下端にそれぞれ前記半月板に対応する形状の上蓋、下蓋を有し、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、前記曲面部の上下端および左右端がそれぞれ当接するとともに、前記上蓋および下蓋がそれぞれ前記上半月板および下半月板に覆われた状態でダミー体枠体に保持される商品表示ラベルとからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体。
【請求項7】 前記商品表示ラベルの前記曲面部は、横断面三日月状、若しくは、略半円状に形成されている請求項6に記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項8】 前記商品表示ラベルは、前記曲面部の少なくとも左右両側端の全域にわたり平坦な縁部分を有する請求項6または請求項7に記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項9】 前記商品表示ラベルとして、プラスチックのフィルムまたはシートに絵・文字等の印刷を施した表示体を使用する請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項10】 前記ダミー体枠体の前記光透過用の穴の高さ寸法を変更することによって、各種商品の大きさに応じた商品表示ラベルおよび/または透明部材をダミー体枠体に保持するよう構成されている請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項11】 平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、曲面形状で、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、曲面部の上下端および左右端がそれぞれ当接した状態でダミー体枠体に保持されるとともに、前記曲面部の表および/または裏面に絵・文字等の直接印刷により販売対象商品が表示されている透明部材とからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体。
【請求項12】 前記透明部材は、横断面三日月状、若しくは、略半円状に曲面が形成されている請求項11に記載の自動販売機用のダミー体。
【請求項13】 前記ダミー体枠体の前記光透過用の穴の高さ寸法を変更することによって、各種商品の大きさに応じた前記透明部材をダミー体枠体に保持する請求項11または請求項12に記載の自動販売機用のダミー体。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、ジュースやコーヒー、ビールなどの缶入りや壜入りの飲料、あるいは、煙草、乾電池等を無人販売するための自動販売機に装備されるダミー体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば各種飲料の自動販売機の前面部には、販売対象とする実物の商品の代わりにダミー体が展示されており、商品表示ラベルを保持する構造として、(1)ダミー体枠体にスリットを設け、ダミー体枠体の前面部に形成した曲面部上に前面側から商品表示ラベルを付して商品表示ラベルの左右両端を前記スリットに挿入する構成のもの、(2)ダミー体枠体に形成された光透過用の穴の上端、下端に、上下一対の半月板を設け、この一対の半月板とこれらを覆う大きさの蓋部材とで商品表示ラベルの上下端を挟持するとともに、商品表示ラベルの左右両端をダミー体枠体に形成されたスリットに挿入する構成のもの、(3)ダミー体枠体に形成された縦溝に商品表示ラベルの左右両端を挿入するとともに、前記上下一対の半月板の折曲部の内側に商品表示ラベルの上下端を当接させる構成のもの、(4)前記上下一対の半月板の折曲部の外側に商品表示ラベルの上下端を当接させるとともに、商品表示ラベルの左右両端を光透過用の穴を介してダミー体枠体の背面側にまで位置させ、更に、曲面形状の透明部材を商品表示ラベルに当接させて商品表示ラベルを前記透明部材と折曲部で挟む構成のもの、 が実願平5−61780号に提案されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前記(1),(3)に示された保持構造では、スリットや縦溝に商品表示ラベルの左右両端を挿入しているだけなので、外的要因(例えば、炎天下における100℃を超える室温や、湿度、紫外線等、更には、自動販売機の商品の一部入れ換え等のためにダミー体展示室が設けられた前面扉を開閉した場合にダミー体展示室内で起こる正負の風圧等)の存在下において商品表示ラベルは変形し易くなったり、商品表示ラベルの保持が不安定となりダミー体枠体の保持位置からの商品表示ラベルの脱落が起こったりするおそれがある。また、前記(1)
〜(4)に示された保持構造は、共に商品表示ラベルの左右両端の取付け代を考慮して商品表示ラベルを成形する必要があり、商品表示ラベルとして例えばプラスチックのフィルムまたはシートに印刷を施した表示体を使用する場合、前記取付け代分だけコスト高になる上、鍵型等の特殊な形状の取付け代を得るためにプラスチックの特殊加工を行う必要がある。更に、前記(2)に示された保持構造では、商品表示ラベルの上下端を半月板とで挟持するために上下2つの蓋部材のような別部材がが必要となるといった問題があった。
【0004】
この考案は、ダミー体展示室の奥行き寸法の短縮と、それによる自動販売機のより一層のスリム化を達成できるとともに、ダミー体全体を入れ替えることを不要にして商品表示ラベルの模様替えや企画変更時の作業性を簡便化できることは勿論のこと、ダミー体枠体に対する商品表示ラベルの取り付け・取り外しを必要最小限度の部材で容易に行うことができ、しかも、商品表示ラベルのダミー体枠体への保持を強固にできるコスト安な自動販売機用のダミー体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、以下の第1〜第4の考案を提案するものである。
【0006】
すなわち、第1の考案は、平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、上下端および左右端がそれぞれ当接した状態でダミー体枠体に保持される曲面形状の透明部材と、前記透明部材の背面側の曲面部上に付された状態で前記透明部材と共に前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記保持部によって左右端の動きが規制される平板状の商品表示ラベルとからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体(図2、図3、図5、図8、図9参照)を提供する。
【0007】
第2の考案は、平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、上下端および左右端がそれぞれ当接した状態でダミー体枠体に保持される曲面形状の商品表示ラベルとからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体(図6参照)を提供する。
【0008】
第3の考案は、平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、曲面部を有するとともに、該曲面部の上端、下端にそれぞれ前記半月板に対応する形状の上蓋、下蓋を有し、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、前記曲面部の上下端および左右端がそれぞれ当接するとともに、前記上蓋および下蓋がそれぞれ前記上半月板および下半月板に覆われた状態でダミー体枠体に保持される商品表示ラベルとからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体(図7参照)を提供する。
【0009】
第4の考案は、平板状枠部材、該枠部材に設けられた光透過用の穴および該穴の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部を有する半月板を備え、かつ、前記光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて形成された保持部を備えたダミー体枠体と、曲面形状で、前記ダミー体枠体の背面側から前記保持部を超えて前記光透過用の穴に挿入され、前記折曲部および前記係止用角部分に、曲面部の上下端および左右端がそれぞれ当接した状態でダミー体枠体に保持されるとともに、前記曲面部の表および/または裏面に絵・文字等の直接印刷により販売対象商品が表示されている透明部材とからなり、更に、前記ダミー体枠体が、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体が固定されるパネルに設けられた光透過用の開口の上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片を有することを特徴とする自動販売機用のダミー体を提供する。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下にこの考案の実施の形態について説明する。なお、この考案はそれによって限定されるものではない。
【0011】
図1〜図5は、ダミー体枠体10と、透明部材11と、商品表示ラベル12とから構成されているこの考案の第1の実施形態を示す。
【0012】
図1〜図5において、1は、自動販売機50への商品補充のために開閉自在に設けられた前面扉であり、その上部には、複数個のダミー体2を展示するための展示室3が設けられており、中段には、各ダミー体2に関連づけて商品選択用の押しボタン4が配設され、かつ、前面扉1の下部側には商品取り出し口5が設けられている。6は金銭投入口、7は釣銭口、8は金銭返却用の操作レバーである。
【0013】
前記展示室3の内部にはダミー体2の取付け面となるパネル9が設けられている。パネル9にはダミー体2の取付け位置に光透過用の開口9aが形成されている。この光透過用の開口9aは、すべて同じ大きさに統一されており、ダミー体枠体10の光透過用の穴(後述する)13の高さ寸法Hを変更することによって、各種商品の大きさに応じた商品表示ラベル12がダミー体枠体10に保持されるよう構成されている。すなわち、光透過用の開口9aは、展示されるダミー体2の最大形状に対応した大きさ、形状に形成されるとともに、開口9aは全て、同じ形状、大きさに統一されている。そして、パネル9の裏側に配設した照明光源14によってダミー体2を後方から照明するようになっている。
【0014】
前記ダミー体枠体10は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル等の耐熱、耐候性を有する不透明な白色の(照明光源14による照明光を遮光させる)合成樹脂材料の射出成形によって形成されており、平板状枠部材15と、この枠部材15に設けられた光透過用の穴13と、この穴13の上下端の位置から前面側に突出して設けた上下一対の半月板18,19と、光透過用の穴13の左右両側端部23a,23bとで左右一対の係止用角部分A,Bを形成する保持部20,21(図5参照)とから構成されている。
【0015】
更に、半月板18,19は、光透過用の穴13の上端、下端に、互いに向き合う方向に折曲げられた上下一対の折曲部16,17を有する。また、保持部20,21は、光透過用の穴13の左右両側端部23a,23bを略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅Cだけ光透過用の穴13の内側に突出させて形成されている。
【0016】
前記透明部材11は曲面形状で、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル等の耐熱、耐候性を有する透明な(照明光源14による照明光を透過させる)合成樹脂材料の射出成形によって横断面三日月状、若しくは、略半円状に曲面Sが形成されている。この透明部材11は、ダミー体枠体10の背面側から保持部21,22を超えて光透過用の穴13に挿入されるものである。
【0017】
そして、挿入後は、透明部材11の上端mが半月板18の折曲部16に、透明部材11の下端nが半月板19の折曲部17(図5参照)にそれぞれ内側から当接するとともに、透明部材11の左端Mが係止用角部分Aに、透明部材11の左端Nが係止用角部分Bにそれぞれ当接した状態でダミー体枠体10に保持される。
【0018】
前記商品表示ラベル12は、販売対象商品を表示するフィルム状またはシート状のものであって、例えば、プラスチックのフィルムまたはシートに販売対象商品を表示する絵・文字等の印刷を施して実物の一部分に相当する平板状の表示体を使用できる。そして、必要な場合には、販売対象商品の形状を明示するための前記フィルムまたはシートに成形を加えて凹凸等の特定形状にしたものも使用できる。そして、ダミー体の表示変更・更新は、当該使用ラベルのみの差し替えで行うことができる。したがって、本考案は、経済性、利便性、自動販売機の軽薄短小化の点でも有利である。
【0019】
そして、商品表示ラベル12を透明部材11の背面側の曲面S上に付した状態で透明部材11と共にダミー体枠体10の背面側から保持部21,22を超えて光透過用の穴13に挿入するだけで、商品表示ラベル12をダミー体枠体10に保持させることができる。この場合、保持部20,21に商品表示ラベル12の左端J、右端Kが当接することで商品表示ラベル12の左右の移動が規制される一方、半月板18,19に形成したリブ27,27に商品表示ラベル12の上端P、下端Qが当接することで商品表示ラベル12の上下の移動が規制され、これにより、商品表示ラベル12の大きさに多少のばらつきがあっても商品表示ラベル12のおさまり具合は良好となる。
【0020】
なお、図3に示すように、ダミー体枠体10の射出成形の際の金型の抜けを容易にするために半月板18,19はそれぞれ互いに向き合う方向にテーパー状に形成されている。
【0021】
更に、ダミー体枠体10は、その背面側の上端部と下端部に、該ダミー体枠体10が固定されるパネル9に設けられた光透過用の開口9aの上縁および下縁に嵌合係止する凹状係止片29,29を有する。この凹状係止片29としては、前記光透過用の開口9aの上縁および下縁に、容易に嵌合係止でき、かつ、該係止を容易に解除できる形状のものが好ましく、例えば、縦断面略V字形状の係止片や縦断面略U字形状の係止片を挙げることができる。
【0022】
而して、この実施形態では、平板状の商品表示ラベル12を透明部材11の形状に合わせて屈曲させ、これを透明部材11の背面側の曲面S上に付した状態で透明部材11と共にダミー体枠体10の背面側から保持部21,22を超えて光透過用の穴13に挿入するだけで、商品表示ラベル12を透明部材11とともにダミー体枠体10に容易に、かつ、確実強固に保持させることができる。
【0023】
つまり、外的要因(例えば、炎天下における100℃を超える室温や、湿度、紫外線等、更には、自動販売機の商品の一部入れ換え等のためにダミー体展示室が設けられた前面扉を開閉した場合にダミー体展示室内で起こる正負の風圧等)
の存在下において商品表示ラベルは変形し易くなったり、商品表示ラベルの保持が不安定となりダミー体枠体の保持位置からの商品表示ラベルの脱落が起こったりするおそれを解消できる。
【0024】
また、商品表示ラベルの取付け代を考慮する必要はなくなり、シンプルな形の商品表示ラベルを用いることができ、経済的である。
【0025】
更に、ダミー体枠体10に対する商品表示ラベル12の取り付け・取り外しを必要最小限度の部材で容易に行うことができる。
【0026】
図6は、ダミー体枠体10と、予め横断面三日月状、若しくは、略半円状に成形された12aとから構成されているこの考案の第2の実施形態を示す。なお、図6において、図1〜図5で用いた符号と同一のものは、同一または相当物である。
【0027】
この場合、商品表示ラベル12aは、横断面三日月状、若しくは、略半円状の曲面形状で、ダミー体枠体10の背面側から保持部20,21を超えてダミー体枠体10の光透過用の穴13に挿入され、半月板18,19の折曲部16,17および係止用角部分A,Bに、上下端R,S1 および左右端E,Fがそれぞれ当接した状態でダミー体枠体10に保持され得る。
【0028】
なお、商品表示ラベル12aの少なくとも左右端E,Fの全域にわたり平坦な縁部を設け、これを補強フランジとして機能させて商品表示ラベル12aの形崩れの防止を行ってもよい。とりわけコストダウンで薄いフィルムを使って商品表示ラベルを作成する際、成型打ち抜きの工程において、前記平坦な縁部を設けることで寸法を安定させ、更には、保管から使用中における型崩れや、そのための照明光の漏れといった不都合を前記平坦な縁部を設けることで防止できる。
【0029】
図7は、ダミー体枠体10と、予め横断面三日月状、若しくは、略半円状に成形された12bとから構成されているこの考案の第3の実施形態を示す。なお、図7において、図1〜図6で用いた符号と同一のものは、同一または相当物である。
【0030】
この場合、商品表示ラベル12bは、横断面三日月状、若しくは、略半円状の曲面部Vを有するとともに、該曲面部Vの上端X、下端Yにそれぞれ半月板18,19に対応する形状の上蓋30、下蓋31を有し、ダミー体枠体10の背面側から保持部20,21を超えてダミー体枠体10の光透過用の穴13に挿入され、半月板18,19の折曲部16,17および係止用角部分A,Bに、曲面部Vの上下端X,Yおよび左右端Z,Uがそれぞれ当接するとともに、上蓋30および下蓋31がそれぞれ上半月板18および下半月板19に覆われた状態でダミー体枠体10に保持され得る。そして、商品表示ラベル12bの左右端Z,Uの全域にわたり平坦な縁部を設けた場合は、この縁部と、上蓋30および下蓋31とで商品表示ラベル12bの形崩れの防止を確実に行える。
【0031】
図8は、前記第1の実施形態を構成する商品表示ラベル12の上端Pの中央位置にラベル取出し用の舌片33を商品表示ラベル12に一体に設けたこの考案の第4の実施形態を示す。
【0032】
図9は、前記第1の実施形態を構成する商品表示ラベル12の左端Jの上部位置にラベル取出し用の舌片34を商品表示ラベル12に一体に設けたこの考案の第5の実施形態を示す。この場合、商品表示ラベル12が保持されている間は、舌片34は、二点鎖線で示すように内側に折れ曲がった状態になっている。
【0033】
更に、この考案の変形例として、前記第1の実施形態で用いた透明部材11の表および/または裏面に絵・文字等の直接印刷により販売対象商品を表示してなるものを、ダミー体枠体10に保持させるようにしたダミー体を挙げることができる。
【0034】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、ダミー体枠体に、上下一対の折曲部を有する半月板を設け、更に、光透過用の穴の左右両側端部とで左右一対の係止用角部分を形成するよう前記左右両側端部を略全域にわたりそれぞれ互いに向き合う方向に極僅かの幅だけ前記光透過用の穴の内側に突出させて保持部を形成したので、透明部材および平板状の商品表示ラベル、あるいは、曲面形状の商品表示ラベル自体をダミー体枠体の背面側から保持部を超えて光透過用の穴に挿入するだけの作業でダミー体枠体に保持できる。
【0035】
すなわち、この考案では、ダミー体枠体のダミー体枠体に対する商品表示ラベルの取り付け・取り外しを必要最小限度の部材で容易に行うことができ、しかも、商品表示ラベルのダミー体枠体への保持を強固にできるコスト安な自動販売機用のダミー体を提供できる。
- 【登録番号】第3049676号
【登録日】平成10年(1998)4月1日
【発行日】平成10年(1998)6月19日
【考案の名称】自動販売機用のダミー体
- 【出願番号】実願平9−11399
【出願日】平成9年(1997)12月10日
【出願人】
【識別番号】595014491
【氏名又は名称】株式会社エヌアンドエス
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
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