容器入り飲料の自動販売機におけるダミー容器
- 【要約】
【課題】 省資源及び軽量化を図る。
【解決手段】 取付け穴2aを有する取付けフレーム2と、この取付けフレームに支持されているU字状に屈曲可能で、その表面に商品名などが表示された薄い表示板3とからなり、取付けフレームの前面であって、取付け穴の縁の上下には上保持部4と下保持部5とが前方に張り出し、上下の保持部は、表示板と共に蒲鉾状のダミー容器本体を構成し、上下の保持部4,5の内面の外周縁に沿って突条の位置保持部4a,5aが突出され、取付け穴2aの両側縁に突条の側保持部6が前方に突出され、各側保持部の背面側に側保持部に沿って受け部6aが対向的に突出され、表示板の上下の両辺が位置保持部により位置保持され、表示板の両側はその端面が受け部上で支えられ、側辺が側保持部により位置保持されている。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 取付けフレームと、この取付けフレームに支持されている表示板とからなり、上記取付けフレームは、取付け穴を有し、フレーム前面であってかつ上記取付け穴の縁の上部及び下部に前方に張り出した平面がほぼ半円形の上保持部及び下保持部をそれぞれ設けると共に、上記取付け穴の縁両側に側保持部を突出状態に設けてあり、各側保持部の背面側に受け部を設けてあり、上保持部及び下保持部には外周縁に沿って位置保持部を突出してあり、上記表示板は、U字状などに屈曲可能のプラスチック製薄板からなり、その表面に商品名などの情報が表示されており、上記上保持部及び下保持部と、上記表示板とは、ダミー容器本体を構成し、上記上保持部及び下保持部がそれぞれ上記ダミー容器本体の上部及び底部に相当しており、上記取付けフレームの前方に、上記上保持部、下保持部及び上記側保持部に囲まれた空間が窓を形成しており、上記表示板は、上記窓に湾曲状態に納まり、表示板の上下の両辺が上記上保持部及び下保持部の各位置保持部により位置保持され、表示板の両側はその端面が受け部上で支えられていると共に、側辺が側保持部によって位置保持されていることを特徴とする容器入り飲料の自動販売機におけるダミー容器。
【請求項2】 側保持部は、突条に設けられかつ取付け穴の縁に沿って形成されていることを特徴とする請求項1記載の容器入り飲料の自動販売機におけるダミー容器。
【請求項3】 側保持部は、突条に設けられかつ取付け穴の縁に沿って形成され、この突条が円弧状に屈曲されていることを特徴とする請求項1記載の容器入り飲料の自動販売機におけるダミー容器。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、省資源化に寄与する容器入り飲料の自動販売機におけるダミー容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アルコール飲料や清涼飲料等の自動販売機には、その上部又は中間部の位置に商品見本の陳列部が設けられている。この陳列部には、例えば図10乃至図12に示すような商品見本となるプラスチック製ダミー容器101が取付けられており、その背面開口から容器本体内部に光線を照射するものであった。
【0003】
図示するダミー容器101について説明すると、これは取付け板102と、内部が中空で蒲鉾状の容器本体110と、商品名などの情報を印刷している薄いプラスチック表示板103とからなる。取付け板102と容器本体110とは射出成型により一体にかつ、断面形状が図12に示すように「ひ」の字状に形成されている。容器本体110は透光性を有している。表示板103はU字状などに屈曲自在であり、容器本体110の表面全面に貼り付けられている。 【0004】
取付け板102の背面の上下に掛け止めフック108,109を設けてあり、これらの掛け止めフックを陳列部の係止部に係合することによって、ダミー容器101は陳列部に固定されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
従来例は、その機能を十分発揮しているが、最近の環境の保護、省資源化の観点から、さらに使用する材料を少なくするなど改善すべき余地がある。 【0006】
この考案の目的は、省資源、軽量化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案では、表示板に着目し、この表示板を従来の容器本体の主要部とし、ダミー容器本体を取付け板の一部と表示板とで構成しようとするものである。
【0008】
この考案は、取付けフレームと、この取付けフレームに支持されている表示板とからなる。上記取付けフレームは、取付け穴を有し、フレーム前面であってかつ上記取付け穴の縁の上部及び下部に前方に張り出した平面がほぼ半円形の上保持部及び下保持部をそれぞれ設けると共に、上記取付け穴の縁両側に側保持部を突出状態に設けてあり、両側保持部の背面側に受け部を設けてあり、上保持部及び下保持部には外周縁に沿って位置保持部を突出してある。 【0009】
上記表示板は、U字状などに屈曲可能のプラスチック製薄板からなり、その表面に商品名などの情報が表示されている。 【0010】
上記上保持部及び下保持部と、上記表示板とは、ダミー容器本体を構成し、上記上保持部及び下保持部がそれぞれ上記ダミー容器本体の上部及び底部に対応している。上記取付けフレームの前方に、上記上保持部、下保持部及び上記側保持部に囲まれた空間が窓を形成している。上記表示板は、上記窓に湾曲状態に納まり、表示板の上下の両辺が上記上保持部及び下保持部の各位置保持部により位置保持され、表示板の両側はその端面が受け部上で支えられていると共に、側辺が側保持部によって位置保持されている。
【0011】
【考案の実施の態様】
図1乃至図4に示すダミー容器1は、取付けフレーム2と、この取付けフレームに支持されている薄い表示板3とからなる。 【0012】
取付けフレーム2は、取付け穴2aを有する「口」形に成型されたプラスチック製フレームである。取付けフレーム2の前面であって、取付け穴2aの縁の上下には上保持部4と下保持部5とが前方に張り出した状態で設けられている。上下の保持部4,5は、表示板3と共にダミー容器本体を構成するものであり、上保持部はダミー容器本体の上部に、下保持部はその底部にそれぞれ相当する。上保持部4は平面が半円形に形成されている。上保持部4の下面の縁には、図3乃至図6に示すように、その縁に沿って突条の位置保持部4aが下方に突出形成されている。下保持部5の構成は上保持部4のそれと実質的に同一であり、5aは上面に縁に沿って立上って形成されている突条からなる位置保持部である。また図1及び図6に示すように取付け穴2aの両側縁には、側保持部6が前方に突出した状態で設けられている。側保持部6は、図3及び図5に示す例では、上保持部4と下保持部5とを連結するように突条の構成をもって、取付け穴2aの縁に沿って形成され、しかも取付け穴2aの内方に向けて円弧を形成するように屈曲されている。各側保持部6の高さは、図2に示すように上下両側が低く中央に向けて次第に高くなるように形成されている。そして取付けフレーム2には、側保持部6の背面側に側保持部に沿って長いリブ状の受け部6aが対向的に突出されている(図3及び図5参照)。 【0013】
上下の保持部4,5及び側保持部6は、図1に示すように取付け穴2aの前方の外周縁を囲むような額縁となっており、これらの保持部に囲まれた空間が窓7を形成している。 【0014】
図2及び図7において、8及び9は取付けフレーム1の背面の上下に設けてある掛け止め部である掛け止めフックである。 【0015】
表示板3は、U字状等に屈曲できる透光性を備えているプラスチック製薄板であって、図3に示すようにU字状に折り曲げられて使用されている状態で、その保形性を備える程の可撓性を備えている。表示板3は使用前では図8に示すように四角形となっており、表面に商品名などの情報が印刷などの方法で表示されている。 【0016】
上下の保持部4,5、側保持部6及び受け部6aと、表示板2との関係を説明する。表示板3は取付けフレーム2の窓7に湾曲状態に納まっており、この湾曲形状はほぼ半円形状の上保持部4及び下保持部5によって制御されており、表示板の上下の両辺が位置保持部4a及び5aにより位置保持されている(図1及び図4)。表示板の両側は、その端面が図3及び図4に示すように受け部6a上(前面)で支えられ、側辺が円弧状に形成されている側保持部6により位置保持されている。 【0017】
このように取付けフレーム2に支持された表示板3は、上下の保持部4,5と共にほぼ半円柱状(蒲鉾状)のダミー容器本体が形成されることになる。 【0018】
表示板3は、上下両辺の全長が上保持部4及び下保持部5によって支持されるのみならず、湾曲する側辺が円弧状の側保持部6により全長に亘って確実に支持され、全体として安定した状態で取付けフレーム2に支持される。
【0019】
次にダミー容器の組立について説明する。図3に鎖線に示すように取付けフレーム2の背面側から取付け穴2aに対応位置させた表示板3を矢印方向に移動させて、取付け穴の縁背面に当ってもなお前方へ押込むと、表示板は前方へ突出したU字状に屈曲し、両側辺は受け部6a上を滑って側保持部6側へ移行し、上下の各辺は上下の各保持部4,5の下面及び上面上を移動し、やがて、上保持部4及び下保持部5の位置保持部4a,5aに、また側保持部6にそれぞれ当って位置保持されるから、押込みを停止する。その後、表示板3の位置及び取付け状態を整えると、図1に示すようなダミー容器1が組立てられる。このとき、表示板3と、上下の保持部4,5がダミー容器本体を形成することになる。 【0020】
表示板3に表示されている必要な情報例えば商品名などが窓7を通じて認識できる。 【0021】
ダミー容器1の陳列部への取付けは、上下の掛止め部8,9を利用するものである。
【0022】
図9に取付けフレームの他の例を示す。この例の取付けフレーム12では保持部16に特徴があり、その他の構成は図1の取付けフレーム2の構成と同様であり、そのために相互に符号を一致させて対応関係を明らかにしている。側保持部16が、図1に示す側保持部6のような突条ではなく、突起部からなり、取付け穴2aの側縁に沿って間隔を置いて複数が設けられており、表示板の両側辺を位置保持可能である。
【0023】
【考案の効果】
この考案によれば、ダミー容器本体を上下の保持部と表示板とで構成するものであり、表示板がダミー容器本体の一部を形成していない従来例に比較して、使用する材料が少なくなる分だけ、省資源、省エネルギーに寄与でき、軽量化が図れる。
- 【登録番号】第3052503号
【登録日】平成10年(1998)7月8日
【発行日】平成10年(1998)9月29日
【考案の名称】容器入り飲料の自動販売機におけるダミー容器
- 【出願番号】実願平10−1711
【出願日】平成10年(1998)3月23日
【出願人】
【識別番号】598038245
【氏名又は名称】竹田プラスチックス株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 進
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