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携帯電話有料充電システム
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- 【要約】
【課題】 不特定多数の携帯電話使用者が容易に利用でき、各種の2次電池を内蔵した携帯電話に対応可能であって、充電時間及び料金を任意に設定可能な課金手段を有し、充電状況を明解に表示する携帯電話充電システムを提供する。
【解決手段】 図示していない4ビットディップスイッチにて、充電時間及び料金を任意に設定し、テストボタン18の押下で携帯電話に内蔵された2次電池の種別、定格電圧、充電状態をチェックし、最適な充電プログラムを選択して2次電池に供給する電流及び電圧を制御する。また、液晶表示器14及び発光ダイオード15にて、コイン投入枚数及び残り時間を視覚的に表示する。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 携帯電話を充電するための電源と、携帯電話有料充電システムと携帯電話とを電気的に接続する接続手段と、該接続手段にて電気的に接続された携帯電話から、該携帯電話に内蔵された2次電池の種類及び充電状態を検出する検出手段と、前記種類に対応する複数の充電プログラムを保持する保持手段と、前記検出手段の検出結果に基づき、前記複数の充電プログラムから最適なものを選択して充電する充電制御手段と、充電時間及び料金を設定する設定手段と、充電時間及び料金を含む情報を表示する表示手段と所定の料金を投入するための投入手段とを備え、前記接続手段にて携帯電話と電気的に接続されると、携帯電話に内蔵された2次電池の種類及び充電状態を検出して充電の可否を判定し、充電可能である場合は、所定の充電時間及び料金を表示して投入料金を受入れ、前記複数の充電プログラムから最適なものを選択して所定時間充電を行うように構成されたことを特徴とする携帯電話有料充電システム。
【請求項2】 前記設定手段は、充電時間を段階的に設定するための複数ビットと料金を段階的に設定するための複数ビットとを有するディップスイッチであって、設定された充電時間及び料金を組み合わせて課金するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話有料充電システム。
【請求項3】 前記表示手段には、複数の2色発光ダイオードを有し、該2色発光ダイオードを点滅させることにより、充電の可否、コイン投入枚数、及び充電の際の残り時間を表示するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話有料充電システム。
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- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、携帯電話に内蔵された2次電池の種類に応じて充電、課金することが可能な携帯電話有料充電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯電話においては、内蔵電源(2次電池)として主にニッカド電池、ニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池が用いられ、携帯電話下部等に設けられたコネクタを利用して充電する方式が多い。前記ニッカド電池やニッケル水素電池は、過充電や過放電に強く取扱いが容易であると共に、充放電サイクルが長く長寿命であるという優点を有する。なお、所定セル数のニッカド電池やニッケル水素電池を内蔵した携帯電話には、過充電に対する放電機構及びサーミスタ端子が設けられており、このサーミスタ端子を利用してバッテリ温度を測定することにより、充電に伴う放電機構の温度上昇から充電完了を検知したり、定格電圧を判定したりしている。一方、リチウムイオン電池は、電池容量が大きくて作動電圧が高く自己放電が少ない等の理由から、携帯電話等のコードレス電子機器に好適であって今後は携帯電話用内蔵電源の大勢を占めるものと思われるが、ニッカド電池やニッケル水素電池に比べて過充電あるいは過放電に対する耐性が劣るため、充電時には定格電圧に応じて所定の小電流を供給する必要がある。
なお、所定セル数のリチウムイオン蓄電池を内蔵した携帯電話には、電流の逆流防止用のMOSトランジスタやダイオード及びセンス線が設けられており、このセンス線電圧を検出して充電状態を把握したり定格電圧を判定したりしている。
【0003】
従って、従来の携帯電話用充電装置においては、異なる種類の2次電池を内蔵した携帯電話に充電する際、前記サーミスタ端子やセンス線の有無、あるいは充電時のバッテリ温度やセンス線電圧の変化によって種別(ニッカド電池やニッケル水素電池とリチウムイオン電池との区別)を判定すると共に、充電状態も把握していた。なお、このような装置は、充電用コネクタがないものや自社専用の充電用端子及び専用充電装置を有するものには適用できない。また、日本におけるアナログ携帯電話用とディジタル携帯電話用のコネクタは形状が異なるので、アナログ/ディジタル両方の携帯電話に対応するためには充電装置側にもアナログ用及びディジタル用のコネクタを設ける必要がある。
【0004】
一方、日本における携帯電話及びPHSの加入数は増加の一途を辿っており、それに伴って携帯電話用の充電装置も開発販売されている。しかしながら、例えば自動販売機のように誰でも使用でき、各種の2次電池を内蔵した携帯電話に対応可能な充電装置や施設は設けられておらず、携帯電話利用者の不都合については十分な配慮がなされていない。なお、旅行先で充電する場合は既に販売されている簡易型充電器を持参して用いることができるが、この簡易型充電器では充電源として例えば単3型アルカリ電池2本が必要であり、充電に要する時間も長い(具体的には30分の充電で15分の通話が可能)。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来技術では、不特定多数の携帯電話使用者が容易に利用でき、各種の2次電池を内蔵した携帯電話に対応可能な充電装置や施設が設けられていないという問題があった。
【0006】
本考案の目的は、このような問題点を改善し、不特定多数の携帯電話使用者が容易に利用でき、各種の2次電池を内蔵した携帯電話に対応可能であって、充電時間及び料金を任意に設定可能な課金手段を有し、充電状況を明解に表示する携帯電話有料充電システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本考案の携帯電話有料充電システムは、携帯電話を充電するための電源と、携帯電話有料充電システムと携帯電話とを電気的に接続する接続手段と、その接続手段にて電気的に接続された携帯電話から、その携帯電話に内蔵された2次電池の種類及び充電状態を検出する検出手段と、前記種類に対応する複数の充電プログラムを保持する保持手段と、前記検出手段の検出結果に基づき、前記複数の充電プログラムから最適なものを選択して充電する充電制御手段と、充電時間及び料金を設定する設定手段と、充電時間及び料金を含む情報を表示する表示手段と所定の料金を投入するための投入手段とを備え、前記接続手段にて携帯電話と電気的に接続されると、携帯電話に内蔵された2次電池の種類及び充電状態を検出して充電の可否を判定し、充電可能である場合は、所定の充電時間及び料金を表示して投入料金を受入れ、前記複数の充電プログラムから最適なものを選択して所定時間充電を行うように構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、前記設定手段は、充電時間を段階的に設定するための複数ビットと料金を段階的に設定するための複数ビットとを有するディップスイッチであって、設定された充電時間及び料金を組み合わせて課金するように構成されたことを特徴とする。
【0009】
さらに、前記表示手段には、複数の2色発光ダイオードを有し、その2色発光ダイオードを点滅させることにより、充電の可否、コイン投入枚数、及び充電の際の残り時間を表示するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本考案の実施の一形態である携帯電話有料充電システムの外観を示す斜視図である。
【0012】
図1において、充電台11は携帯電話を載せるための窪みを有するスペースであり、システム側と接続された携帯電話を安定的に保持する。アナログ用コネクタ12及びディジタル用コネクタ13は、アナログケーブルあるいはディジタルケーブルを介し、図示していない制御基盤(後述の充電部3に相当)と電気的に接続されており、利用者が携帯電話側に設けられたコネクタと接続する際に用いる。液晶表示器14は、コイン投入枚数や充電の可否等を表示し、6個の発光ダイオード(赤/緑に発光する2色LED)15は、コイン投入枚数や充電残り時間あるいは充電完了を表示する。テストボタン18は、携帯電話を充電システム側と接続した後にサーチ(充電可否チェック)を指示する際に押下するためのものである。また、本実施形態の充電システムには、電磁力等によって開閉自在に構成されたコイン投入口16、コイン返却口19、及びコイン返却ボタン17を有する。
【0013】
図2は、本実施形態の携帯電話有料充電システムの機能構成図である。
【0014】
図2において、CPU1は各種演算を行い、システム全体を制御する。入出金部2は、コインの入出金を行い、図1に示したコイン投入口16、コイン返却口19等からなる。充電部3は、前述のサーミスタ端子やセンス線の有無から電池の種別を判別し、それらを利用してバッテリ温度やセンス線電圧を検出し、充電状態を把握したり定格電圧を判定し、最適な充電プログラムにて充電制御を行うように構成されており、図1に示したアナログ用コネクタ12あるいはディジタル用コネクタ13にて接続された携帯電話に、電源部9から所定の電圧、電流を供給するように制御すると共に、サーチ、充電完了チェック等を行う。表示部4は、図1に示した液晶表示器14、6個の発光ダイオード(緑/赤に発光する2色LED)15等からなる。操作部5は、テストボタン18、コイン返却ボタン17、及び図示していない後述の4ビットディップスイッチ等からなる。RAM6は、CPU1のワークエリアとして使用されると共に、前記4ビットディップスイッチによる設定データ等を保持するために用いられる。ROM7は、CPU1を動作させるためのプログラム(携帯電話内蔵の2次電池種別に応じた複数の充電プログラムを含む)や必要データを格納している。タイマ8は、充電残り時間や携帯電話接続後の放置時間等を計測するためのタイマである。電源部9は、携帯電話に充電すると共にシステム各部に電力を供給するものであって、入力はAC100V、出力はDC12V(1A)である。
【0015】
ここで、充電料金及び充電時間の設定について述べる。本実施形態では、前記制御基盤に接続された4ビットディップスイッチを用い、料金(コイン枚数)及び時間(60分を限度とする)を設定する。図3(a)は、4ビットディップスイッチの割り当てを示すものであり、料金設定及び時間設定にそれぞれ2ビットずつを割り当てる。本実施形態における料金設定は、図3(b)に示すように、100円から300円までの3段階及び「無料」の4段階を設定でき、「無料」
の設定は例えばビジネスホテル等に設置した場合に対応するためである。また、時間設定は、図3(c)に示すように、10分から30分までの3段階及び「終了まで」の4段階を設定でき、「終了まで」の設定は「無料」の設定に対応するためである。このようなコイン枚数/時間の設定を組み合わせることにより、充電システムの設置者は利用料金を任意に設定できる。さらに、追加コインに対する充電時間は図4のように示される。例えば前記4ビットディップスイッチにて20分間100円という料金設定を行い、利用者が100円を投入した後、充電開始から2分以内にコイン2枚(200円)を追加した場合は、充電時間は60分になる。本実施形態では、充電システムの稼働率を向上させると共に利用者の待ち時間を軽減するため、最長充電時間を60分とし、またコイン投入枚数を最大6枚までとしている。なお、6枚より多く投入されたコインについては返却口19から返却される。
【0016】
図5は、本実施形態の携帯電話有料充電システムの動作を示すフローチャートである。
【0017】
本実施形態では、アナログ用コネクタ12かディジタル用コネクタ13の何れかに携帯電話が接続されたことをシステム側が検出し(ステップ501)、さらにテストボタン18が押下されたことを検出すると(ステップ502)、サーチ(充電可否チェック)を開始する(ステップ503)。このサーチにおいては、前述のように、サーミスタ端子やセンス線の有無、あるいは充電時のバッテリ温度やセンス線電圧の変化によってニッカド電池やニッケル水素電池等のニッカド系電池とリチウムイオン電池とを区別すると共に、その2次電池の定格電圧を検知し、充電状態を把握する。なお、この間のLED表示については、アイドル状態では6個の2色LED15のうち中央の2個を緑で点滅し、携帯電話の接続及びテストボタン18の押下が検出された場合は中央の2個を赤で点滅し、サーチ中には6個を端から順に赤と緑を交互に点滅する。
【0018】
サーチの結果、充電可能であれば(ステップ504のY)、前記4ビットディップスイッチにて設定された料金(コイン枚数)に応じて2色LED15を赤で点滅する(ステップ505)。例えば、10分間300円と設定されている場合には、3個のLEDを点滅する。また、液晶表示器14には充電可及び料金を表示する。なお、充電不可能な場合には、液晶表示器14に充電不可を表示すると共に、6個の2色LED15を同時に赤で点滅し(ステップ512)、さらに3分以上経過しても携帯電話が取り外されない場合にはブザー10を鳴動させて警告する(ステップ513)。
【0019】
充電可表示と共にコイン投入口16が開かれ、利用者がコイン投入口16からコインを投入すると(ステップ506のY)、図示していないカウンタにて投入枚数を計数し、液晶表示器14に表示すると共に、設定料金に応じて赤で点滅していた2色LED15をコイン検出で1個ずつ緑の点滅に変える(ステップ507)。なお、コインの投入枚数が6枚よりオーバーすると、オーバー分を返却口19から返却する。また、クレジット受付後のコイン追加は2分以内であれば受け付け、追加可能枚数分を緑と赤の同時点滅で表示する。
【0020】
こうして充電を開始し、ステップ503で検出された2次電池の種別、定格電圧及び充電状態に基づいて選択された、最適な充電プログラムにて2次電池への供給電流及び電圧を制御する(ステップ508)。このときのLED表示は、充電開始時は6個の2色LED15全てを赤で発光し、残時間の減少に伴って右から順に1個ずつ緑に変える。なお、充電時におけるLEDの表示時間は図6のように設定する。例えば、充電時間が10分の場合は、4個のLEDについては2分毎に、2個のLEDについては1分毎に、それぞれ順に赤から緑に変える。
【0021】
所定時間が経過して充電が完了すると(ステップ509のY)、ステップ510において、6個の2色LED15を左から1個ずつ消灯し、次いで右から1個ずつ点灯することを繰り返す(ナイトライダー表示)。さらに、利用者によってアナログ用コネクタ12かディジタル用コネクタ13の何れかから携帯電話が取り外されると(ステップ511のY)、ナイトライダー表示をやめて前記アイドル状態の表示に切り替える。なお、充電完了後、3分以上経過しても携帯電話が取り外されない場合にはブザー10を鳴動させて警告する(ステップ513)。
また、充電中は前記バッテリ温度やセンス線電圧を常に監視し、充電エラーが発生した場合には、CPU1の割り込み処理で充電処理を中止させると共に、6個の2色LED15を全て赤で同時に点滅し、ブザー10が鳴動するように制御する。
【0022】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、各種の2次電池を内蔵した携帯電話に対応可能であって、明瞭かつ合理的な料金設定を行えるので、不特定多数の携帯電話使用者が簡単に利用できる有料充電システムを実現できる。
【0023】
より具体的には、4ビットディップスイッチ等にて料金と時間をそれぞれ任意に設定可能な構成としたので、設置者はそれらを組み合わせることにより設置場所に応じて柔軟かつ適当に課金することができる。
【0024】
また、充電可能チェックを行って最適な充電プログラムを用いると共に、コイン投入枚数及び残り時間を視覚的に表示するように構成したので、利用者は携帯電話を短時間で安全に充電することができる。
- 【登録番号】第3053388号
【登録日】平成10年(1998)8月12日
【発行日】平成10年(1998)10月27日
【考案の名称】携帯電話有料充電システム
- 【出願番号】実願平10−2615
【出願日】平成9年(1997)8月27日
【出願人】
【識別番号】396005656
【氏名又は名称】株式会社エス・アイ・シー
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三澤 正義
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