高さ調整可能なダミー体
- 【要約】
【課題】 高さ調整および加工を容易に行う。
【解決手段】 自動販売機1内に固定される下蓋体15と,下蓋体15の端部から上方に折曲して形成された下背板部16とからなる第1ダミー体本体13と、上蓋体18と,上蓋体18の端部から下方に折曲して形成された上背板部19とからなる第2ダミー体本体14と、いずれか一方の背板部19に形成された上下方向の長孔37と、長孔37の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止突部39と、他方の背板部16に突出して形成され,長孔37に上下動自在に設けられ,係止突部39が内面の係止溝35に係止する複数個の係止体34と、両背板部16,19の両側部に形成され,商品表示ラベル12を保持する保持部17,20とを備える。
- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、当該長孔の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止突部と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,前記係止突部が内面の係止溝に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたことを特徴とする高さ調整可能なダミー体。
【請求項2】 自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、当該長孔の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止溝と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,内面の係止突部が前記係止溝に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたことを特徴とする高さ調整可能なダミー体。
【請求項3】 自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、当該長孔の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止突部と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,前記係止突部が上,下に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたことを特徴とする高さ調整可能なダミー体。
【請求項4】 自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、当該長孔に,高さを固定する位置に形成された複数個の切欠と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,前記切欠に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたことを特徴とする高さ調整可能なダミー体。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ジュースやコーヒー,ビールなどの飲物の自動販売機に設置されるダミー体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のダミー体につき、図7および図8を参照して説明する。図7は自動販売機1の構成を示しており、この自動販売機1に商品補充のために開閉自在に設けられた前面扉2の上部には、複数個のダミー体3を展示するための金属製の展示パネル4が設けられている。この展示部の下部には、各ダミー体3に関連づけて商品選択用の押しボタン5が配設され、前面扉2の下部側には、商品取り出し口6が設けられている。なお、図中の7は金銭投入口、8は釣銭口、9は金銭返却用の操作レバーであり、10は展示パネル4の背面に設けられた照明光源となる蛍光灯である。
【0003】
このダミー体3は、図8に示すように、平面視ほぼD字状のダミー体本体11と、このダミー体本体11に左右両端部を保持される商品表示ラベル12とからなっている。そして、ダミー体本体11は第1ダミー体本体13と第2ダミー体本体14の二つの部材に分割されており、ダミー体本体11の高さを調整可能としている。ダミー体本体11は、耐熱・耐候性の高い例えばポリカーボネート(その他ポリプロピレン等)のような合成樹脂材料によって、光透過性を持つように形成されている。
【0004】
第1ダミー体本体13は、ほゞD字状の平板形状の下蓋体15と、この下蓋体15の後端部に上方に折曲して形成された下背板部16と、この下背板部16の両側部に設けられた下ラベル保持部17とからなる。
【0005】
他方、第2ダミー体本体14が、ほゞD字状の平板形状の上蓋体18と、この上蓋体18の後端部から下方に折曲して形成された上背板部19と、この上背板部19の両側部に設けられた上ラベル保持部20とからなる。
【0006】
この第1ダミー体本体13と第2ダミー体本体14は下背板部16の背面に上背板部19が当接した状態で縦方向に摺動可能に構成されている。すなわち、下背板部16の背面側には平面断面形状L字状の摺動ガイド21を形成し、この摺動ガイド21が上背板部19の左右両側部を縦方向に切削して形成したガイドレール22と係合して、第2ダミー体本体14を第1ダミー体本体13に対して摺動自在にガイドする。
【0007】
また、下背板部16の背面側の左右方向の中心ライン上には、平面断面形状ほぼコ字状のガイド部材23を例えば2箇所設け、これらのガイド部材23の両端部が、前記上背板部19の左右両側部に形成された上下方向の長孔19aに挿入され、両長孔19a間の舌状の高さ調整片24がガイド部材23内に挿入され、各ガイド部材23が高さ調整片24の上下方向の移動をガイドすると共に、この高さ調整片24の側部にそれぞれガイド部材23が対応し、これに係合する高さ調整用段部25を3箇所形成している。したがって、この例では、第1ダミー体本体13と第2ダミー体本体14との摺動位置は2段階に切換えられ、ダミー体本体11は2種類の容量の飲料に適合した大きさに変化でき、ダミー体本体11を取り替える必要がなく、商品表示ラベル12を変えるだけで対応できる。例えば250ml,300mlの異なる容量である飲料のダミー体3を一つのダミー体本体11によって形成できる。
【0008】
なお、この例では、高さ調整用段部25が容易に撓むように、その内部に縦方向に長い長孔26を形成している。
【0009】
そして、ダミー体3には、下蓋体15の下面に単円筒状フランジ27が形成され、単円筒状フランジ27の周面に雄ねじ部分28が2条突出成形されている。
また、図7に示される自動販売機1内の支持板29の透孔30には、この雄ねじ部分28に対応する位置にそれぞれ切欠き部分31が2カ所形成されている。
【0010】
そして、一方の雄ねじ部分28の直上に設けた突起部28aを切欠き部分31に挿入した後に、ダミー体3をねじ込み(時計回りに)回動する。この際、前記突起部28aが内側に弾性変形され、切り込み30aの位置において、切り込み30a内に係合し、単円筒状フランジ27のねじ込み回動が定位置で阻止されるとともに、このねじ込みが容易に解除されることなく、ダミー体3が支持板29の上面に、常に真正面になる位置で確実に固定される。
【0011】
さらに、下蓋体15の上面と上蓋体18の下面の外周部近傍には、それぞれラベル12を挿入するための溝部32,33を形成している。したがって、ラベル12をこの溝部32,33に挿入した状態で、このラベル12の左右両端を下ラベル保持部17と上ラベル保持部20との間に挿入することにより、ラベル12の左右両端部は両ラベル保持部17,20の間で挟むようにして保持され、その位置が確定される。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
従来の前記ダミー体3の場合、下背板部16のガイド部材23内に挿入された上背板部19の高さ調整片24を上下動させてダミー体3の高さ調整をする際、上背板部19の両側の長孔19aにガイド部材23の両端部が挿入されているため、上背板部19の上下動が円滑に行われず、高さ調整が困難であるという問題がある。
しかも、上背板部19の左右両側部に上下方向の長孔19aを形成するのが困難であり、実用的ではないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の点に留意してなされたものであって、その目的とするところは、高さ調整をする際の背板部の上下動を円滑にし、高さ調整および加工を容易に行い、実用的な高さ調整可能なダミー体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案の請求項1記載の高さ調整可能なダミー体は、自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、前記長孔の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止突部と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,前記係止突部が内面の係止溝に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたものである。
【0015】
また、本考案の請求項2記載のダミー体は、自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、前記長孔の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止溝と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,内面の係止突部が前記係止溝に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたものである。
【0016】
さらに、本考案の請求項3記載のダミー体は、自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、前記長孔の周縁部に,高さを固定する位置に形成された複数個の係止突部と、 他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,前記係止突部が上,下に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたものである。
【0017】
また、本考案の請求項4記載のダミー体は、自動販売機内に固定される下蓋体と,当該下蓋体の端部から上方に折曲して形成された下背板部とからなる第1ダミー体本体と、上蓋体と,当該上蓋体の端部から下方に折曲して形成された上背板部とからなる第2ダミー体本体と、いずれか一方の背板部に形成された上下方向の長孔と、前記長孔に,高さを固定する位置に形成された複数個の切欠と、他方の背板部に突出して形成され,前記長孔に上下動自在に設けられ,前記切欠に係止する複数個の係止体と、前記両背板部の両側部に形成され,商品表示ラベルを保持する保持部とを備えたものである。
【0018】
したがって、上蓋体および下蓋体のいずれか一方の背板部に上下方向の長孔を形成し、他方の背板部に長孔を上下動する係止体を形成し、この係止体に係止する係止手段を長孔の周縁部に形成したため、高さ調整および加工が容易に行え、実用的なダミー体を提供することができる。
【0019】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態につき、図1ないし図6を参照して説明する。
(形態1)
まず、形態1の構成を示した図1ないし図3において、図8と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点はつぎのとおりである。34は第1ダミー体本体13の下背板部16の外面の上側に所定の間隔を保持して上,下に並設された2個の係止体であり、図2に示すように、係止体34の内面に係止溝35が形成されている。36は下背板部16の外面の下側の係止体34の下方に突出して形成された当接体である。
【0020】
37は第2ダミー体本体14の上蓋体18の上背板部19の中央部に形成された上下方向の長孔であり、上背板部19の外面の長孔37の両側部にガイドレール38を設けると共に、高さを固定する位置(上背板部19の上部,中央部,下部)にそれぞれ係止突部39を形成し、長孔37の下端部およびその上方に小判状の透孔40を形成している。41は上背板部19の下縁部の両側に形成された凹部、42は下蓋体15の後縁部の両側に形成された凸部である。
【0021】
そして、両透孔40に係止体34を位置させ、図2に示すように、長孔37に係止体34の支持部43を挿入し、長孔37に係止体34を移動自在に設ける。
この状態で、第1ダミー体本体13と第2ダミー体本体14との摺動位置は2段階に切換えられ、ダミー体本体11は2種類の容量の飲料に適合した大きさに変化できる。例えば250ml,300mlの異なる容量である飲料のダミー体3を一つのダミー体本体11によって形成できる。すなわち、250mlの場合、図2の鎖線に示すように、第2ダミー体本体14の上蓋体18の上背板部19を下降させて上背板部19の下端を下蓋体15の後縁部に当接し、凹部41に凸部42を位置させ、上側の係止体34の係止溝35に上部の係止突部39を係止させ、下側の係止体34の係止溝35に中央部の係止突部39を係止させる。
【0022】
また、300mlの場合、図2の実線に示すように、上背板部19を上方に移動し、上側の係止体34の係止溝35に中央部の係止突部39を係止させ、下側の係止体34の係止溝35に下部の係止突部39を係止させる。
さらに、上背板部19を上方に移動すると、長孔37に位置した当接体36が下側の透孔40の下端に当接し、上背板部19の下背板部16からの逸脱を防止できる。
【0023】
そして、従来と同様、ダミー体3の単円筒状フランジ27の雄ねじ部分28を、図7に示される自動販売機1内の支持板29の透孔30の切欠き部分31に挿入した後に、ダミー体3をねじ込み回動し、雄ねじ部分28の直上の突起部28aを透孔30の切り込み30a内に係合し、ダミー体3を常に真正面になる位置で支持板29の上面に固定している。
【0024】
(形態2)
つぎに、形態2の構成を示した図4において、図1と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、下背板部16の係止体34の内面に係止突部39を形成し、上背板部19の長孔37の周縁部に複数個の係止溝35を形成した点である。
【0025】
(形態3)
つぎに、形態3の構成を示した図5において、図1と異なる点は、上背板部19の中央部に2個の係止突部39を形成し、下背板部16の下側の係止体34の上,下に上背板部19の係止突部39を係止するようにした点である。
【0026】
(形態4)
つぎに、形態4の構成を示した図6において、主として図1と異なる点は、下蓋体15の凸部42がなく、上背板部19の中央部から若干ずらした位置に長孔37を形成し、この長孔37に高さを固定する位置に複数個の切欠44を形成し、各切欠44の側方、すなわち、上背板部19の外面の中央部に係止突部39を形成し、係止体34の内面の側部に係止溝35を形成した点であり、ダミー体3の高さに応じた切欠44に下背板部16の係止体34を位置させ、第2ダミー体本体14を回転して係止体34の係止溝35に係止突部39を係止させ、両ダミー体本体13,14の中心線を一致させる。
【0027】
このように、上蓋体18および下蓋体15のいずれか一方の背板部に上下方向の長孔37を形成し、他方の背板部に長孔37を上下動する係止体34を形成し、この係止体34に係止する係止手段を長孔37の周縁部に形成したため、高さ調整および加工が容易に行え、実用的なダミー体3を提供することができる。
【0028】
なお、前記形態1ないし形態4の場合、上背板部19に長孔37を形成し、下背板部16に係止体34を形成するようにしたが、下背板部16に長孔37を形成し、上背板部19に係止体34を形成するようにしてもよい。
【0029】
また、係止体34をいずれか一方の背板部の内側方向に突出して形成し、係止突部39を他方の背板部の内面の長孔37の周縁部に形成するようにしてもよい。
【0030】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の高さ調整可能なダミー体は、上蓋体および下蓋体のいずれか一方の背板部に上下方向の長孔を形成し、他方の背板部に長孔を上下動する係止体を形成し、この係止体に係止する係止手段を長孔の周縁部に形成したため、高さ調整および加工が容易に行え、実用的なダミー体を提供することができる。
- 【登録番号】第3055543号
【登録日】平成10年(1998)10月28日
【発行日】平成11年(1999)1月22日
【考案の名称】高さ調整可能なダミー体
- 【出願番号】実願平10−4837
【出願日】平成10年(1998)7月3日
【出願人】
【識別番号】595014491
【氏名又は名称】株式会社エヌアンドエス
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
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