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前面板の開閉機構
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- 【要約】
【目的】電子機器等からユニットシャーシを取り外すことなく該ユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板を簡便に取り出すことができるとともに、簡単な機構の、一層の小型化を図ることが可能な前面板の開閉機構を提供すること。
【構成】開閉機構20aは、直線状に画成されたガイド溝34と、前記ガイド溝34の終端部に画成され溝幅が拡大された湾曲する拡幅部46とを有し、シャーシ本体14の内壁面に固定されるガイドレール36と、軸部材28を介して前面板18を回動自在に軸支するとともに、前記ガイド溝34に沿って変位するスライダ38と、前記ガイド溝34に係合するガイドピン40が連結されるとともに、軸部材44を介してスライダ38に軸支されるガイド板42とを備える。
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- 【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】電子機器に組み込まれたユニットシャーシにおける前面板を開閉させることによって、該ユニットシャーシの開口部を開成または閉成する開閉機構であって、直線状に画成されたガイド溝と、前記ガイド溝の終端部に画成され溝幅が拡大された湾曲する拡幅部とを有し、前記ユニットシャーシの内壁面に固定されるガイドレールと、前記ユニットシャーシの内壁面とガイドレールとの間に設けられ、第1軸部材を介して前面板を回動自在に軸支するとともに、前記ガイド溝に沿って変位するスライダと、前記ガイド溝に係合するガイドピンが連結されるとともに、第2軸部材を介してスライダに軸支されるガイド板と、を備えることを特徴とする前面板の開閉機構。
【請求項2】請求項1記載の機構において、ガイド板には略直角状に折れ曲がった折曲部が設けられ、前記折曲部は前面板の内壁面に当接し、該前面板の回動を阻止することを特徴とする前面板の開閉機構。
- 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、通信装置等の電子機器に組み込まれ、プリント回路基板が収納されたユニットシャーシにおける前面板の開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、種々の通信装置等の電子機器は、単数あるいは複数のユニットシャーシが組み込まれて構成されている。このユニットシャーシには、複数の回路素子が配設されたプリント回路基板が収納され、前記プリント回路基板に付設されたコネクタに延長ケーブルを接続することにより、前記プリント回路基板と他のプリント回路基板とを電気的に接続している。なお、前記ユニットシャーシは、EIA(Electronic Industries Association)、EIAJによって、該ユニットシャーシの寸法、取り付けピッチが規格化されている。
【0003】
ところで、前記ユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板の保守点検、並びに調整作業を行う場合、例えば、電子機器のケーシング内に組み込まれたユニットシャーシを取り外して外部に露呈させた後、前記ユニットシャーシに、例えば、ねじ止めされた前面板をドライバ等を用いて該ユニットシャーシから取り外すことにより開口部を画成し、前記開口部を介してプリント回路基板をユニットシャーシ内から外部に取り出して保守点検等を行っている。
【0004】
また、ユニットシャーシの構成において、例えば、前面板とユニットシャーシとをヒンジを用いて連結し、前記ヒンジを支点として前面板を回動させて該前面板を開成するように構成されたものもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係る前面板の開閉機構では、保守点検作業等を行う場合、ユニットシャーシを電子機器のケーシングから取り外す作業、並びに前面板をユニットシャーシに装着するねじ等の金具を取り外す作業が必要となり非常に煩雑であるという不都合がある。また、ユニットシャーシが複数個連結されて電子機器を構成する場合、個々のユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板同士あるいは一方のユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板と他方のユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板とを延長ケーブル等を用いて電気的に接続する場合、簡便にプリント回路基板同士を電気的に接続することができないという不都合がある。
【0006】
さらに、前記ヒンジを用いて前面板を開成する構成では、該ヒンジを介して前面板を回動させるためのスペースが必要となり、前記EIA、EIAJによって規格化された寸法のユニットシャーシの場合、前記前面板の回動スペースを確保するために1ランク上位の規格化された寸法からなるユニットシャーシを用いなければならないという不都合がある。
【0007】
本考案は、前記不都合を克服するためになされたものであり、電子機器等からユニットシャーシを取り外すことなく該ユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板を簡便に取り出すことができるとともに、簡単な機構の、一層の小型化を図ることが可能な前面板の開閉機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本考案は、電子機器に組み込まれたユニットシャーシにおける前面板を開閉させることによって、該ユニットシャーシの開口部を開成または閉成する開閉機構であって、 直線状に画成されたガイド溝と、前記ガイド溝の終端部に画成され溝幅が拡大された湾曲する拡幅部とを有し、前記ユニットシャーシの内壁面に固定されるガイドレールと、 前記ユニットシャーシの内壁面とガイドレールとの間に設けられ、第1軸部材を介して前面板を回動自在に軸支するとともに、前記ガイド溝に沿って変位するスライダと、 前記ガイド溝に係合するガイドピンが連結されるとともに、第2軸部材を介してスライダに軸支されるガイド板と、 を備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本考案に係る前面板の開閉機構では、ガイドピンを介して直線状のガイド溝に沿ってガイド板およびスライダを変位させることにより、前面板が手前方向に直線状に引き出される。この場合、ガイド板に設けられた折曲部が前面板の内壁面に当接して、該前面板の回動が阻止される。
【0010】
ガイドピンが、ガイド溝に沿って変位する過程において、ガイド溝の終端に画成された湾曲する拡幅部に到達し、ガイドピンを支点としてガイド板の傾斜した状態が保持されることにより、ガイド板の折曲部から前面板が離間する。この結果、第1軸部材を支点として前面板を所定角度回動させ、ユニットシャーシの前面部に画成された開口部を開成させることができる。
【0011】
このようにして開成されたユニットシャーシの開口部を介して、該ユニットシャーシ内に収納されたプリント回路基板を簡便に取り出すことができる。
【0012】
【実施例】
本考案に係る前面板の開閉機構について、好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0013】
図1は、本考案の実施例に係る前面板の開閉機構をユニットシャーシに適用し、前記前面板を開成した状態を示す斜視図、図2は、図1のユニットシャーシにおいて前面板を閉成した状態を示す斜視図、図3は、前面板の開閉機構を示す分解斜視図、図4は、前面板の開閉機構の側面図である。
【0014】
ユニットシャーシ10は、図1および図2に示されるように、箱状を呈し略長方形状の開口部12が画成されたシャーシ本体14と、前記シャーシ本体14の前面部に設けられ、前記開口部12を開成または閉塞する平板状の前面板18と、前記前面板18の長手方向の両端部に夫々対向して設けられ、該前面板18を矢印X方向に沿って変位させた後、所定角度回動させる一対の開閉機構20a、20bとから構成される。なお、前記一対の開閉機構20a、20bは、夫々同一の構成要素からなり、且つ線対称な形状に形成されるため、以下の説明において、一方の開閉機構20aのみを詳細に説明し他方の開閉機構20bの説明を省略する。
【0015】
前記前面板18には、所定間隔離間して一対の固定金具22a、22bが設けられ、前記固定金具22a、22bによって該前面板18がシャーシ本体14の前面部に固定される。さらに、前記前面板18の軸線方向に沿った両端部には外方に突出する突起片24a、24bが設けられ、前記突起片24a、24bの孔部26に嵌挿された軸部材28(第1軸部材)を支点として該前面板18が所定角度回動する(図1および図3参照)。なお、前記開口部12の短辺には、ユニットシャーシ10を電子機器等のケーシング(図示ぜず)に装着するための一対の突起部30a、30bが対向して設けられている(図1および図3参照)。
【0016】
開閉機構20aは、基本的には、ユニットシャーシ10の内壁面にビス32を介して固定され、軸線方向に沿って延在するガイド溝34が画成されたガイドレール36と、前記ガイドレール36の一側面側に設けられ、前記ガイド溝34に沿って変位するスライダ38と、前記スライダ38と前面板18とを軸支する軸部材28と、前記ガイドレール36の他側面側に設けられ、ガイド溝34に係合するガイドピン40が連結されたガイド板42と、前記ガイド板42とスライダ38とを軸支する軸部材44(第2軸部材)とから構成される(図3参照)。
【0017】
詳細には、ガイドレール36は略コの字状に形成され、その軸線方向に沿って延在するガイド溝34が画成されている。前記ガイド溝34の終端には下方側に大きく湾曲して拡開し、溝幅が拡大された拡幅部46が形成されている。さらに、ガイドレール36の一側面には、スライダ38の形状に対応して略L字状を呈する段部48が形成され、前記段部48にスライダ38の屈曲部50が当接することにより、該スライダ38の変位終端の位置におけるストッパの機能が営まれる。
【0018】
スライダ38は、同一幅で長尺状に延在する中間部52と、略直角状に下方側に屈曲して形成された屈曲部50と、前面板18の内壁面が傾斜面54に当接することにより該前面板18の回動角度を規制する湾曲部56とから構成される。
前記湾曲部56の下方には軸部材28が嵌挿される孔部58が画成され、前記軸部材28を介して前面板18が所定角度の範囲内で回動自在に軸支される。さらに、中間部52にはガイド板42を軸支する軸部材44を嵌挿するための孔部60が画成されている。
【0019】
ガイド板42の一端部には、前記ガイド溝34および拡幅部46に沿って摺動するガイドピン40が設けられ、他端部には略直角状に折れ曲がった折曲部62が設けられる。前記ガイド板42の中間部には軸部材44が嵌挿される孔部64が画成され、前記軸部材44を介してガイド板42とスライダ38とが軸支される。前記折曲部62は、前面板18の内壁面に当接することにより、該前面板18を位置決めして前面板18の回動を阻止する機能を営む。すなわち、ガイドピン40がガイド溝34に沿って矢印X方向に変位する際、折曲部62と前面板18とが当接することにより該前面板18の回動が阻止され、前面板18は略鉛直方向に立設した状態に位置決めして保持される。一方、ガイドピン40がガイド溝34の終端の拡幅部46に至る際、ガイド板42は、ガイドピン40を支点として所定角度回動して傾斜した状態となり、この結果、前面板18が折曲部62から離間することにより該前面板18を所定角度回動させることができる(図4参照)。
【0020】
本考案の実施例に係る前面板18の開閉機構20a、20bが組み込まれたユニットシャーシ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0021】
先ず、図2から図1の状態に前面板18を開成する場合について説明する。
【0022】
前面板18に設けられた一対の固定金具22a、22bを弛めて前面板18を開成可能な状態とする。続いて、前記一対の固定金具22a、22bの摘みを手指等によって把持し、前面板18を手前方向(矢印X1 方向)に引き出す。この場合、前面板18は、軸部材28、44によって軸支されたスライダ38およびガイド板42とともに矢印X1 方向に変位し、前記ガイド板42に連結されたガイドピン40の摺動作用下にガイド溝34に沿って直線状に変位する。前面板18がガイド溝34に沿って変位する際、前記前面板18の内壁面にはガイド板42の折曲部62が当接しているため、該前面板18が立設した状態に保持されて回動が阻止されている。なお、前面板18の矢印X1 方向に対する変位量は、スライダ38の中間部52の長さを予め伸長または短縮して設定することにより、変更することが可能である。
【0023】
前面板18がガイド溝34に沿って直線状に変位する過程において、ガイドピン40がガイド溝34の終端に位置し且つ下方側に湾曲する拡幅部46に到達する(図4参照)。この場合、ガイド板42はガイドピン40を回転中心として所定角度傾斜した状態に保持されるため、前面板18の内壁面が折曲部62から離間する。この結果、前面板18はスライダ38に軸支された軸部材28を回転中心として矢印Y1 方向に所定角度回動させることができる。結局、前面板18は、その底面部がスライダ38の傾斜面54に当接して回動範囲が規制されるまで、回動させることができる。
【0024】
このように、本実施例に係るユニットシャーシ10の開閉機構20a、20bでは、一旦、前面板18を手前側(矢印X1 方向)に所定距離だけ直線状に引き出した後、前面板18の底面部側に設けられた軸部材28を回転中心として所定角度回動させることにより、簡便にユニットシャーシ10の開口部12を開成することが可能となる。
【0025】
従って、前記開口部12を介して、ユニットシャーシ10内に収納された単数または複数のプリント回路基板(図示せず)を簡便に取り出して保守点検、調整作業、あるいは延長ケーブルをコネクタに接続してプリント回路基板間の電気的接続を図ることができる。この結果、従来技術のように、電子機器等のケーシングからユニットシャーシを取り出す必要がないとともに、前記ユニットシャーシにねじ止めされた前面板を取り外す等の煩雑な作業を除去することができる。
【0026】
また、本実施例に係るユニットシャーシ10の開閉機構20a、20bをEIA等の規格化されたユニットシャーシ10に適用した場合、一旦、前面板18を直線状に引き出した後、該前面板18を回動させていることから、従来技術のように、ヒンジによる回動スペースを確保する必要がない。従って、本実施例に係るユニットシャーシ10では、従来のように、1ランク上位の規格化された寸法のユニットシャーシを用いる必要がないため、該ユニットシャーシの小型化を図ることが可能となる。
【0027】
さらに、ユニットシャーシ10が複数個連結されて電子機器等のケーシング内に組み付けられた場合であっても、本実施例に係るユニットシャーシ10の開閉機構20a、20bでは、一旦、前面板18を直線状に引き出した後、該前面板18を回動させていることから、隣接するユニットシャーシ10に前面板18が接触することなく開成させることができる。
【0028】
前記とは逆に前面板18を閉成させる場合には、該前面板18を矢印Y2 方向に回動させて前面板18の内壁面と折曲部62とを当接させ、前面板18を後方側(矢印X2 方向)に押圧することにより、前面板18を図2に示す原位置に復帰させることができる。この場合、ガイドピン40は、湾曲する拡幅部46から立ち上がり直線状のガイド溝34に沿って矢印X2 方向に変位することにより、前面板18はスライダ38およびガイド板42とともに矢印X2 方向に変位して開口部12が閉成される。
【0029】
なお、本実施例では、前面板18の長手方向に沿った両端部に開閉機構20a、20bを設けているが、前面板18の片側にのみ開閉機構20a(20b)を設ける構成を採用することも可能である。
【0030】
【考案の効果】
本考案に係る前面板の開閉機構によれば、以下の効果が得られる。
【0031】
すなわち、ねじを外す等の煩雑な作業を行うことなく、簡便に前面板を開成させることにより、ユニットシャーシに収納されたプリント回路基板を取り出すことができる。
【0032】
また、ヒンジを用いた従来技術のように、前面板が回動するためのスペースを確保する必要がないことから、ユニットシャーシの小型化を図ることが可能となる。
【0033】
さらに、簡単な機構によって構成されることから、廉価に製造することができる。
- 【登録番号】第3005187号
【登録日】平成6年(1994)10月5日
【発行日】平成6年(1994)12月13日
【考案の名称】前面板の開閉機構
- 【出願番号】実願平6−6815
【出願日】平成6年(1994)6月13日
【出願人】
【識別番号】000004330
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
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